レジンが得意な先生(7番へのレジン充填について)

相談者: ともかさん ( : )
投稿日時:2007-08-19 10:08:00
私の右上7は噛む面だけの虫歯でした。
インレー咬合面全体の半分を占めているので小さくはないですが…)

ただ、ちゃんと虫歯が取り除かれているかは不明なので、定期的に歯科医院での二次カリエスチェックを行っていく予定です。

ただでさえ治療しにくい上7ですが、私の場合、斜め後ろに向かって生えているため(正面から口を覗いても咬合面は見えません)、余計治療しにくいかと思われます。

レジンに詰め替えるとなると、相当技術のある先生を探さなければならない!と感じました。

また、私の場合、レジンの白い見た目に惹かれたというより、歯に優しい材質に惹かれました。

歯より硬い物を詰めるのは、歯に負担がかかるとのことで…。

斜め後ろに向かって生え、噛み合わせにあまり参加してないような歯(私の右上7)だと、詰め物の劣化が遅いのではないかと思うのですが、関係無いのでしょうか?


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2007-08-19 13:59:00
私は大臼歯にもレジン充填しますよ。

ただし、詰める部分にもよりますが、まず長期予後が望める条件はレジンが健康な歯に囲まれていることです。

レジンが隣の歯に接触する辺りまで大きな物は咬合圧に耐えれなくて破折する恐れがあります。

また、上の奥歯であれば審美的な詰め方はしなくていいので、しっかり虫歯を取ってフロアブル+固形レジンで詰めれば大丈夫だと思いますよ。


>歯より硬い物を詰めるのは、歯に負担がかかるとのことで…。

金属修復でも高いレベルですれば、歯に対する応力はかからなくできますよ。

保険の制度上短期間で終わらせる為、金パラインレーを力をかけて押し込むと場合があります。

この場合相当な負担が歯にかかっているそうです。
この場合は注意が必要ですね。


確かに、レジンは金属材料に比べると劣化は早いです。

ただ、レジンは金属修復に比べ、余計に削る部分が少ないというメリットもあります。

金属修復は便宜形態・保持形態と言って虫歯+健康な部分を少し削るという欠点(!?)もあります。

もし私の奥歯が虫歯になってしまったら、まず虫歯だけ削った所で、もう1度レジンがいいかゴールドインレーがいいか先生(主治医)に判断してもらい治療をすると思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ともかさん
返信日時:2007-08-19 15:34:00
井野先生
ご回答ありがとうございました。

先生のご指摘になった金パラインレーが現在詰められていると思います。

担当の先生が凄く力を入れて押し込んでいたので。
やはり、相当な負担がかかっているんですね。ますます詰め替えたくなりました…。

全く違和感もなく、沁みたり痛むこともないのも、負担が強すぎ神経が圧迫されているためなのでしょうか?嵐の前の静けさ…のような気がしてきました。

幸い(?)金パラインレーの周囲は健康な歯で囲まれています。

相当な負担がかかっているとのことですので、何かトラブルが生じる前にできるだけ早く詰め替えたほうが良いのでしょうか?
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2007-08-19 15:54:00
ともかさんの場合はレジンでも心配は少ないと思いますよ。
今のメタルのままでも、悪くまではないと思います。

自分の場合はレジンが得意なのか好きなのか信じていると言うべきか・・判断の基準は

「自分の技術でキッチリいけるかどうか」

他にもありますが、ほとんどこれだけが基準で、歯質がほとんど残っていなくてもやる時もあります。

そういう意味で見難い部位とかは、諦めることはほぼないにしても、時間はかかりますね。


予後についてですが、過去にも書いたことがあるのですが、隣接面なども含んでいる様なレジン充填の場合(※ともかさんには関係ありません)、咬合圧に耐えれなくて破折する恐れが確かにあります。

ただこの場合、破折するのは残っていた歯質の方ではなくてほとんどの場合でレジンの方です。

予後を、歯医者が詰め込んだ人工物が「外れないこと」や「壊れないこと」を指すのなら、メタルに比べればレジンは不利かも知れませんが、「歯をこれ以上悪くしない」、という意味では最良だと思います。

その根拠として例えば、こんな研究もあります。


歯科学生382人( 22-78歳、女性49%/男性51%)703臼歯の、1級(※咬合面のみのこと)および2級(※咬合面+隣接面)窩洞についてCR修復を施し、5年後の結果

・560歯 臨床的に問題なし。

・49歯 機能的に問題あり
(→44歯はクラウンに、5歯については再度CRで修理)

・94歯 失敗
(19;2次カリエス、18;レジンの破折、9;隣接面が空いてきた、9;根尖病変、8;接着不良、6;別の理由で抜歯、4;抜くほどではない歯の破折、3;充填後の知覚過敏、1;接着面の色調不良、1;色の不適、16;原因不明)


5年後、修復物の生存率は87%、2.8%/年での失敗率であり、学生たちにとってこの結果は許容出来る範囲内であった。

(Five-year clinical performance of posterior resin composite restorations placed by dental students. Opdam NJ, Loomans BA, Roeters FJ, Bronkhorst EM. J Dent. 2004)⇒論文はこちら


この研究だけで全てを語ることは出来ませんが、歯に多少なりとも専門知識のある学生たちにとって、「許容できる結果だった」ということが重要だと感じます。

実際、レジンの失敗は、またレジンなり、問題あるならそれからインレーなりクラウンなりで補うことが出来るからです。


ひと昔前のレジンは接着力や硬さも劣り、その頃のイメージが未だに抜けきらないのも分かるのですけど、現在のレジンは歯と同等の硬さを持ち、接着力は各種セメントを凌ぎます。(※性能をきちんと引き出していれば、の話ですが)

その進歩は物性以外の点でも、目覚ましいものがありますよ。

歯そのものが修復される訳ではありませんので限界はありますが、今現在相当に”マシ”なものとは言えます。

参考→レジンでも2次カリエスの発生を食い止めることは可能ですか?

今壊れてくるレジンは、既にもうひと昔前のレジンなのですから、古いデータや経験だけで予後を語るのはちょっとどうかなと思いますね。

先日ニューオーリンズでの学会(IADR)で、現在タイプのレジンの大規模な追跡研究結果が発表された様です。

また機会があればそのうち引用するかも知れませんが、相当良い結果だったと聞いています。


一方インレーの場合に許せない・・というか自分にはどうしても出来ないのは、裏にグラスアイオノマー系のセメントを使う先生が多いことです。(クラウンの場合でもそうです)

虫歯はもともと中で拡がる複雑な形をしていますので、虫歯だけを削り取るとインレーみたいな後付の物をスムーズに入れることは出来ません。

そこで、必要以上に歯を削るのを減らす意味や、技工操作を単純化するため、金属の節約の目的で、歯とインレーの合着用セメントの間にもうひとつ、何かで隙間を埋める必要が出てくることが多いのです。

これにほとんどの先生が、上述したグラスアイオノマー系セメントというのを使用されると思うのですが(※私はここにも必ずレジンを使用します)、コストが抑えられる以外にメリットがありません。保険点数上仕方のないことでもありますが・・。

硬さは比較するまでもないですし、歯とは当然接着しません。

外すとこれの境目が悲惨なことになっているのを週に1度ぐらいは必ず見ている様な気がします。

勿論こういった術式でも、十分な残存歯質と技術があれば良い予後も得られるのですが、それだけ条件のいい歯なら(私にとっては)最初からレジンだって選択出来るぐらいの、小さな虫歯とも言えます。


今回のともかさんの場合は既にインレーが入っていますので、わざわざそれを外す必要があるのかどうかは議論の残るところなのですが、個人的な意見としては、最初に虫歯を見つけた時の第一選択は常にレジンであるべきだと思います。

そしてそれの良好な予後を得る為に歯科医は、少なくともレジンに関しては十分な知識と技術を持っている必要があると思います。

自分がその条件を満たせているかは分かりませんけど・・

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ともかさん
返信日時:2007-08-19 16:55:00
渡辺先生
ご回答ありがとうございました。

詰め物についての知識なく、安易に歯科医院を訪れたことを反省しています。
それ以前に歯に対する関心が低かったことが問題なのですが。

今現在、他に治療を要する虫歯は無いので、右上7のメタルインレーをいつ、どこで(現在探し中です)レジンに詰め替えるかが、当面の課題です。

レジンに詰め替える時期について、何かご意見があればお願いします。

負担がかかっているのであれば、早い方が良いのではないか…というのは素人考えでしょうか?

現在まで、虫歯を治療した箇所は3か所ですが、問題の右上7以外(右上6、左上4と5の隣接面)にはレジンが充填されています。

レジンで良かった!
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2007-08-19 17:29:00
単にレジンがいいとかインレーが悪いとかの話ではありませんよ?

何度も書いてますけど、予後は術者の技量・知識や患者さんのメンテナンスにもすごく左右されます。

今後ともかさんのレジンが早く悪くなって、インレーが長持ちする様な可能性も十分あります。

現在何も症状がなくて、歯科医師がチェックしても問題なしなら、「基本的には」交換する必要はないと思いますけど・・。

この「基本的には」という部分に注意して、以前の先生方の回答をもう一度読み直してみて下さい。

井野先生の回答も、インレーを装着する時の話ですからね。

装着後に症状がない訳で、しかもかみ合わせに参加していないということでしたら、とりあえず現時点で大きな問題はありません。

いつかそのインレーの適合状態などを見て「ムムッ」と思う先生が現れたときや、他の歯の虫歯を感動するほど上手にレジン充填してくれた様な先生にお願いして交換してもらっても遅くないと思いますよ。

なんだか混乱させてしまいましたね、すみません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ともかさん
返信日時:2007-08-19 18:21:00
渡辺先生
ご回答ありがとうございました。

安直な書き方をしてしまいました。

レジンで良かった!』と言えるように、プラークコントロール歯科医院でのメンテナンスに励みます。

以前紹介した、自画自賛の先生ですが、マイクロスコープなど拡大鏡を使用していなかったので(←第一条件)、除外しました。すみません。

『基本的には』取り替える必要が無いとのことですが、症状がなく、先生の診断でも問題無い場合に…他にどんな問題が有り得るのでしょうか?

先生方の回答を読み返しても、分かりません。
良ければ、教えて下さいm(__)m
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2007-08-20 00:07:00
他の問題ですか?
例えばそれは患者さん自身の「強い希望」とか。

「もう、とにかくメタルインレーなんかが口に入っているのが絶対に許せない〜!」

って思われればそれはそれで仕方ないので・・・。
(※私も自分の歯についてはそう思ってます)

で現状(普通のメタルインレー)よりも悪くない再治療(素晴らしいレジン充填)が確実に提供できるなら、それはそれでやってもいいことだと思います。

(↑一番最初の回答に話が戻りましたね。)


それと先ほども書きましたけど、見る先生によっては同じモノでも、問題ありと判断される場合もあります。

A先生にとっては合格ラインの出来の適合精度でも、B先生にとっては一刻も早く視界から消し去りたい・・なんてこともしばしばあります。

見てる視野(肉眼かマイクロか、など)が違ったりすると顕著かも知れません。


まあ、「基本的」ではない例ですから、分かりにくいですよね^^;

安直な書き方をすると、医療人としては色々と問題が出てくるものですから、回りくどくなるんですよ・・。すみませんね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ともかさん
返信日時:2007-08-20 10:27:00
渡辺先生
ご回答ありがとうございました。よく分りました。

今の私の場合、メタルインレーでさらに歯が悪くなるのは嫌だ!取り替えたい!という理由ですので、『基本的ではない』問題が発生しているのかもしれません。。。

井野先生がご指摘になった“金パラインレー”による歯への負担は装着時だけのものだとしても、渡辺先生がご指摘になられた“グラスアイオノマー系セメント”によって悲惨な目に合うのは嫌です…

象牙質がメリッと取れてしまうイメージですが、もっと悲惨でしょうか。

また、これまで、肉眼下での治療しか受けたことがないので、一度、マイクロスコープを使用している歯科医院で、インレーとレジンの総点検をしてもらおうと思いました。

(今、装着しているレジンが冷たい物に沁みることもあるので、二次カリエスのチェックも)
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2007-08-20 12:20:00
お口の中のトラブルはまず自覚症状というのは出ないのが「基本」です。

自覚しておかしい!と思ってからしか来て貰えないのが日本の悲しい現状なのですが、その頃にはもう病気は末期です。

痛くない時にこそチェックしてもらう習慣がつくといいですね。


今さっきも知り合いの患者さんだったので、見た目は問題なかったものの他の歯のついでで、一応インレーを外してみました。

すると中には結構大きな虫歯が・・。
(原因は前医の取り残し?と思われます)

普通ならもっと大きくなってインレーが取れたり、痛みが出てきてからでないと来院さえしてもらえないパターンなのですが、その頃には神経も抜かないといけないし、良くてもクラウンにはなるかも知れません。

でもこういうのは実際外してみないとわからないレベルで、レジンだったらこういうことが起きないということでも勿論ないのですが(←もうクドイですね?)、最初に歯を削るドクターが、治療法はどうあれ、精密に真剣にやらないといけないなぁとあらためて思わされます。

その集中力を保つのに、保険で15分で・・ってもしもなると、やっぱり正直キツイんですよね。。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2007-08-20 12:34:00
ともかさん、あまり過敏になり過ぎない方がいいですよ。

確かに時期がきたら、1度入れて15年以上経過している物であれば外して点検でもいいですが、私たち歯科医師が手を入れればその分健康な歯質は失われるのですから。

(その為にマイクロ・拡大鏡を用いて慎重に削るのですが)


>渡辺先生がご指摘になられた“グラスアイオノマー系セメント”によって悲惨な目に合うのは嫌です…

これは私も保険ならしょうがないと思います。

インレー修復において、神経付近まで虫歯が大きくなってしまったものはレジンでベースするのが現時点では理想ですが、必ず赤字(レジンを使用しても、レジン治療の請求は出来ません)になってしまうのでこれができるのは意欲のある勤務医の先生ぐらいです。

経営が絡んでくるとやはり良い治療(時間&材料に制約なく行なう治療)は保険では成立しないと割り切らないと治療出来ません。

こう言う私も、保険で虫歯が深ければそのスペースはセメントで埋めてしまいます。

自費になれば、その分の治療費は負担してもらっていますので、材料を惜しむことなく理想的な治療が出来ます。

日本の保険治療は海外のようなレベルの高い理想の治療を設定しているものではありません、

医療も経済活動の一環ですから、赤字になってしまっては医院が潰れてしまいます。この辺は理解してくださいね。




タイトル レジンが得意な先生(7番へのレジン充填について)
質問者 ともかさん
地域  
年齢  
性別  
職業  
カテゴリ レジン(白いプラスチック)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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