3番を抜歯してインプラントか、根を引き上げる矯正(エクストルージョン)か?
相談者:
ミヤトさん ( : )
投稿日時:2007-09-13 21:39:00
39歳女性です。
左3番についての相談です。
虫歯が原因で5年ほど前に神経を抜き、差し歯をつけました。
先月その差し歯がとれたため、再度入れなおしてもらったのですが、その1週間後くらいから歯茎が化膿してプックリと膨れ上がり、顔を洗うのに触れても痛い状態となり、ついには先週またその差し歯がとれてしまいました。
機に別の歯科でレントゲンをとってもらったところ、根っこにヒビがはいっていて、そのヒビにむかって骨も解け始めているとのことでした。
両側の歯はきれいなのでブリッジはしたくない旨伝えたところ、残るチョイスとしては、
1:
抜歯してインプラント
2:
ヒビから下の部分(根っこの約1/2)を矯正で1年くらいかけて上に引っ張ってきて、そこに差し歯をする。
をすすめられました。
当初はインプラントしか手がないと思っていたのですが、自分の歯をまだ抜かずに残せるのなら2.にも心がゆれています。
ですが、矯正の先生に相談したところ、神経のない歯なのでこの方法はあまり効果は期待できない、と言われました。
また1年ちかく矯正装置を(4本分だそうです)装着することにもやや抵抗があります。
インプラントに関する情報はネットで仕入れられるのですが、2の方法は聞いたことがなかったのでご意見を伺えれば幸いです。
ちなみに費用に関してはどちらも同じくらいと言われました。
私自身も費用よりも今後のことも考えた治療を優先したいと思っています。
左3番についての相談です。
虫歯が原因で5年ほど前に神経を抜き、差し歯をつけました。
先月その差し歯がとれたため、再度入れなおしてもらったのですが、その1週間後くらいから歯茎が化膿してプックリと膨れ上がり、顔を洗うのに触れても痛い状態となり、ついには先週またその差し歯がとれてしまいました。
機に別の歯科でレントゲンをとってもらったところ、根っこにヒビがはいっていて、そのヒビにむかって骨も解け始めているとのことでした。
両側の歯はきれいなのでブリッジはしたくない旨伝えたところ、残るチョイスとしては、
1:
抜歯してインプラント
2:
ヒビから下の部分(根っこの約1/2)を矯正で1年くらいかけて上に引っ張ってきて、そこに差し歯をする。
をすすめられました。
当初はインプラントしか手がないと思っていたのですが、自分の歯をまだ抜かずに残せるのなら2.にも心がゆれています。
ですが、矯正の先生に相談したところ、神経のない歯なのでこの方法はあまり効果は期待できない、と言われました。
また1年ちかく矯正装置を(4本分だそうです)装着することにもやや抵抗があります。
インプラントに関する情報はネットで仕入れられるのですが、2の方法は聞いたことがなかったのでご意見を伺えれば幸いです。
ちなみに費用に関してはどちらも同じくらいと言われました。
私自身も費用よりも今後のことも考えた治療を優先したいと思っています。
回答1
回答日時:2007-09-13 23:01:00
こんにちは。
まだ長く使用しなくてはいけない歯ですから、悩めますよね。
根っこを引っ張り上げる方法は、「エクストルージョン」と言います。
こちらのサイト内でも、検索すると多く話題には上っていますよ。
参考→Google検索を使いましょう
ミヤトさんの場合、根っこに十分な長さがあったのにも関わらず、一度割れてしまっているのですから、根っこの約1/2を引っ張り上げた後に、耐えられる”モノ”になるかどうかが少し心配ですね。
3番は積極的に横向きの力を受けてとめて貰わないといけない歯でもありますから、出来るだけ頑丈な構造が望ましいとは思いますよ。
実は私も今丁度同じ様なケースを担当させて頂いていますが、その方の場合は、色々と相談の上、エクストルージョン+抜歯+インプラント、と言う更に手間のかかる方法を選択しています。
(※エクストルージョンを行うことで、インプラントを支える為の骨が増えるので)
文面だけでの判断は難しいのですが、費用対効果や確実性を考えれば、ややインプラントの方に分がある様な気がします。
まだ長く使用しなくてはいけない歯ですから、悩めますよね。
根っこを引っ張り上げる方法は、「エクストルージョン」と言います。
こちらのサイト内でも、検索すると多く話題には上っていますよ。
参考→Google検索を使いましょう
ミヤトさんの場合、根っこに十分な長さがあったのにも関わらず、一度割れてしまっているのですから、根っこの約1/2を引っ張り上げた後に、耐えられる”モノ”になるかどうかが少し心配ですね。
3番は積極的に横向きの力を受けてとめて貰わないといけない歯でもありますから、出来るだけ頑丈な構造が望ましいとは思いますよ。
実は私も今丁度同じ様なケースを担当させて頂いていますが、その方の場合は、色々と相談の上、エクストルージョン+抜歯+インプラント、と言う更に手間のかかる方法を選択しています。
(※エクストルージョンを行うことで、インプラントを支える為の骨が増えるので)
文面だけでの判断は難しいのですが、費用対効果や確実性を考えれば、ややインプラントの方に分がある様な気がします。
回答2
あらきデンタルクリニック(香川県坂出市)の荒木です。
回答日時:2007-09-13 23:43:00
2の方法は歯の状態によると思います。
渡辺先生がおっしゃっているように引き上げる事は出来ても、その後どのくらい使えるかの問題があります。
治療期間が長くても良いのであればエクストルージョンを行い、将来的にダメになる事があればその時に再度インプラントを検討されるのも良い方法ではないかと思います。
また、残っている歯の状態(歯並び)に問題があれば、術前の矯正も視野に入れるべきと考えます。
天然の自分の歯は矯正で動かせても、インプラントは動かせないので。
渡辺先生がおっしゃっているように引き上げる事は出来ても、その後どのくらい使えるかの問題があります。
治療期間が長くても良いのであればエクストルージョンを行い、将来的にダメになる事があればその時に再度インプラントを検討されるのも良い方法ではないかと思います。
また、残っている歯の状態(歯並び)に問題があれば、術前の矯正も視野に入れるべきと考えます。
天然の自分の歯は矯正で動かせても、インプラントは動かせないので。
回答3
歯医者/歯科情報の歯チャンネル運営者の田尾です。
回答日時:2007-09-13 23:44:00
エクストルージョンを行っている歯科医院は多くありませんからね。
費用的・時間的な面で許されるのであれば僕も、
エクストルージョンで骨を増やす⇒抜歯⇒インプラント
が一番良さそうな気がします。
人工骨や自家骨などを移植して骨を作る方法は、将来的な安定という面でやや不安がありますので。
現在ミヤトさんがかかられている歯医者さんは幸い、インプラントもエクストルージョンも両方されているようですから、一度相談されてみてはいかがでしょうか?
費用的・時間的な面で許されるのであれば僕も、
エクストルージョンで骨を増やす⇒抜歯⇒インプラント
が一番良さそうな気がします。
人工骨や自家骨などを移植して骨を作る方法は、将来的な安定という面でやや不安がありますので。
現在ミヤトさんがかかられている歯医者さんは幸い、インプラントもエクストルージョンも両方されているようですから、一度相談されてみてはいかがでしょうか?
相談者からの返信
相談者:
ミヤトさん
返信日時:2007-09-14 08:08:00
渡辺先生、荒木先生、田尾先生、
お忙しい中お返事くださってありがとうございます。
エクストルージョン、というのですね、勉強してみます。
もしよろしければもう1点だけお伺いさせてください。
昨今の歯科医療でインプラントという医療技術が確立しつつあるなか、一方で、なるべく自分の歯を残す方法が薦められることが多いのはなぜでしょうか?
たとえ神経がなくても自分の歯のほうが「異物」よりも勝るなにかがあるからなのでしょうか?
私の中でも「自分の歯をなるべく活かしたい」という気持ちはありますが、これは個人的な感情が入っている意見であって、科学的な根拠は理解できていないのです。。。
不勉強な点があれば申し訳ございません。
お忙しい中お返事くださってありがとうございます。
エクストルージョン、というのですね、勉強してみます。
もしよろしければもう1点だけお伺いさせてください。
昨今の歯科医療でインプラントという医療技術が確立しつつあるなか、一方で、なるべく自分の歯を残す方法が薦められることが多いのはなぜでしょうか?
たとえ神経がなくても自分の歯のほうが「異物」よりも勝るなにかがあるからなのでしょうか?
私の中でも「自分の歯をなるべく活かしたい」という気持ちはありますが、これは個人的な感情が入っている意見であって、科学的な根拠は理解できていないのです。。。
不勉強な点があれば申し訳ございません。
回答4
歯医者/歯科情報の歯チャンネル運営者の田尾です。
回答日時:2007-09-14 09:47:00
インプラントが確立された治療法になってきたと言っても、今はまだせいぜい10年保障が限界の時代です。
ミヤトさんは現在39歳ということなので、日本人の平均寿命を考えるとあと40年は歯を使う計算になります。
もちろん、40年インプラントが持つ可能性が無いわけでは無いのですが、正直かなり厳しいと思います。
ですので、持たせられるところまでは何とか自分の歯を持たせて、どうしても持たせられなくなったらインプラントにする…と考えるわけです。
ミヤトさんは現在39歳ということなので、日本人の平均寿命を考えるとあと40年は歯を使う計算になります。
もちろん、40年インプラントが持つ可能性が無いわけでは無いのですが、正直かなり厳しいと思います。
ですので、持たせられるところまでは何とか自分の歯を持たせて、どうしても持たせられなくなったらインプラントにする…と考えるわけです。
回答5
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2007-09-14 11:10:00
>昨今の歯科医療でインプラントという医療技術が確立しつつあるなか、一方で、なるべく自分の歯を残す方法が薦められることが多いのはなぜでしょうか?たとえ神経がなくても自分の歯のほうが「異物」よりも勝るなにかがあるからなのでしょうか?
僕の個人的な考えを書きますね。
まず第一に「天然の歯以上のものは神様でなければつくれません」と言う事。
自分の歯を残す事が最優先です。
しかし、不幸にして歯を失ってしまった。またはこれから近い将来、その歯がダメになると言うことが容易に考えられる場合は「仕方なくインプラント」を勧めます。
インプラントそのものがどんなに進歩してきても天然の歯には決してかないません。
不幸にして歯を失ってしまった場合、欠損をどのようにして補うか?
この場合、「部分入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」(例外的に「歯牙移植」)しかあり得ません。
将来的に「歯の再生」が可能になることを夢に見つつ‥。
どの方法にもメリットデメリットがあります。
「部分入れ歯」と「ブリッジ」では支えや土台になる「健康な歯」にダメージを追わせる可能性があります。
これは最初に書いた「自分の歯を残す事」と相反します。
つまり「1本の歯の欠損にとどまらず、全ての歯を見渡して、どのような欠損補綴を行うか?」を考える必要があります。
そこで渡辺先生のおっしゃられている「エクストルージョン」を使った方法も意味を持ってきます。
僕も「エクストルージョン+抜歯+インプラント」が良いかと思います。
もちろん、エクストルージョン後に「使える」と言う判断であれば、差し歯にしても良いわけです。
「自分の歯を残す方法」と「インプラント治療」が同時に成立する理由を理解していただけたでしょうか?
僕の個人的な考えを書きますね。
まず第一に「天然の歯以上のものは神様でなければつくれません」と言う事。
自分の歯を残す事が最優先です。
しかし、不幸にして歯を失ってしまった。またはこれから近い将来、その歯がダメになると言うことが容易に考えられる場合は「仕方なくインプラント」を勧めます。
インプラントそのものがどんなに進歩してきても天然の歯には決してかないません。
不幸にして歯を失ってしまった場合、欠損をどのようにして補うか?
この場合、「部分入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」(例外的に「歯牙移植」)しかあり得ません。
将来的に「歯の再生」が可能になることを夢に見つつ‥。
どの方法にもメリットデメリットがあります。
「部分入れ歯」と「ブリッジ」では支えや土台になる「健康な歯」にダメージを追わせる可能性があります。
これは最初に書いた「自分の歯を残す事」と相反します。
つまり「1本の歯の欠損にとどまらず、全ての歯を見渡して、どのような欠損補綴を行うか?」を考える必要があります。
そこで渡辺先生のおっしゃられている「エクストルージョン」を使った方法も意味を持ってきます。
僕も「エクストルージョン+抜歯+インプラント」が良いかと思います。
もちろん、エクストルージョン後に「使える」と言う判断であれば、差し歯にしても良いわけです。
「自分の歯を残す方法」と「インプラント治療」が同時に成立する理由を理解していただけたでしょうか?
相談者からの返信
相談者:
ミヤトさん
返信日時:2007-09-15 00:24:00
どうもありがとうございました!
このサイトは対面していないのにこんなに丁寧なアドバイスとセカンドオピニオンをお伺いすることができ、本当に感謝しています。
神様がくれたもの歯、ですね。。。
自分のこれからのライフスタイルも含めてじっくり考えてみます!
このサイトは対面していないのにこんなに丁寧なアドバイスとセカンドオピニオンをお伺いすることができ、本当に感謝しています。
神様がくれたもの歯、ですね。。。
自分のこれからのライフスタイルも含めてじっくり考えてみます!
タイトル | 3番を抜歯してインプラントか、根を引き上げる矯正(エクストルージョン)か? |
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質問者 | ミヤトさん |
地域 | |
年齢 | |
性別 | |
職業 | |
カテゴリ |
歯のひび割れ、破折で抜く予定 抜歯:3番(犬歯) インプラント治療法 インプラントその他 歯列矯正(矯正歯科)その他 エクストルージョン(歯根廷出) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。