歯科技工物海外委託問題について

相談者: もっちりさん ( : )
投稿日時:2007-09-20 05:16:00
こんにちは、最近中国製の補てつ物等が話題になってるようで、いくつか気になったことがあったので質問させてください。

国の通達では国外で作成された補てつ物等について、

歯科医師は患者に(作製方法、原材料や安全性などについて)十分な情報提供を行い、患者の理解と同意を得る』

とありますが、これを守らなかった時に何か罰則があるのでしょうか?

保険内の材料も認められているのでしょうか?
認められてない場合、違反した時の罰則はあるのでしょうか?


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2007-09-20 12:51:00
さあ罰則については分かりかねます。

ウチではやってないので分かりかねますが、そもそも国の通達の中に罰則規定がないのであれば問題には発展しないかもしれませんね。

それと、例えば 歯科医院が外部委託している技工所が"勝手に中国に出している"場合、歯科医師はその事情を”知らなければ” ”善意の第三者”になるため、法的に責任をとられる可能性はそもそも無いと思いますよ

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2007-09-20 12:52:00
というか、法律関係なら 中本恵太郎 先生 にお願いすれば事足りるような気がしますね。。。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2007-09-20 13:08:00
そうですね。
中本先生の出番のような気がします。

あとは、ズルイ言い方ですけど「医師の裁量権の範囲」と言われればそれまでのような気がしますが‥。

僕の耳にも「中国で安い技工物をつくる」と言う話は入ってきますが、出そうとは思いませんね。

保険でコスト削減が命題であれば考えるのかも知れませんが‥。

回答 回答4
  • 回答者
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2007-09-20 13:41:00
もっちりさん、こんにちは。

ご質問の通達(平成17年9月8日発)に関してですが、通達にはそもそも罰則規定をおくことができません。

本来通達とは、上級行政庁が下級行政庁に対してその権限の行使を指図するために発せられるものであり、歯科医師に対して直接向けられたものではありません。

(一つの解釈基準、メッセージとはなりますが)

したがって、歯科医師が当該通達を守らなかったからといって、直接罰せられるということは、現段階では基本的にありません。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2007-09-20 16:29:00
なるほど・・。
もっちりさんも凄いところに気づかれましたね。

中国製の補綴物はこれからどんどん数が増えそうな気配はありますよ。
保険内の材料も、何でもあったと思います。

良い悪いは別として、今後歯科医院のコスト削減には一役買いそうですね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: もっちりさん
返信日時:2007-09-22 04:33:00
多くの先生から回答を頂きまことにありがとうございます。

なるほど、国の通達には罰則規定が無いのですね。

国は通達だけ出して、問題が起きたときはドクターに責任を取らせようという思惑が感じ取れますね。

保険内の材料については、ネットで歯科技工士の方にも相談したら、

『海外委託により作成された歯科技工物の保険請求は認められていない』

という回答を頂きました。
そこで質問ですが、これに違反した場合の罰則はあるのでしょうか?

この歯科技工士の方は『よく分からないが、追徴金や医道審にかけらるかも』ということでした。

あと余談ですが現在、歯科技工士の方たちが海外委託について国が適切な対応を取らなかったとして訴訟を起こしてるようです。

裁判の成り行きしだいでは、『この補てつ物は中国製です』とか説明しないといけない日がくるかも・・・
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2007-09-22 09:44:00
僕の知っている「中国で技工物を作る‥」と言う話をしている人も「難しいんだよね〜」としか言っていなかったので、そんな難しい問題もはらんでいるとは思いませんでした。

勉強になります。

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2007-09-22 09:55:00
中本先生〜〜〜  

『海外委託により作成された歯科技工物の保険請求は認められていない』

って言われてますが、これ、歯医者が知らなかったら善意の第三者になるんじゃない?

それと、 昨日ある先生が「厚生省は容認している」と言ってましたが・・・
ま、なにを言ったとしても、 大きな流れは変えられないと思うけどね。

国の目的は医療費の削減でしょ?

と言うことは、 中国に発注することで技工料が安く出来るならそのぶん保険点数は下げることが出来るじゃないですか?

国は容認せざるを得ないでしょう。
また、金属はドンドン使わせないようになっていくと思いますよ。

これから10年ほどの間に貴金属の価格がドンドン上がっていくことが金属相場の世界では言われています。

そうなると国としては困りますので・・・

回答 回答8
  • 回答者
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2007-09-22 13:30:00
こんにちは。

私も色々調べてみたのですが、この技工物海外委託問題は、問題の所在はかなり深いところにあるみたいですね。

さて、

「海外委託により作成された歯科技工物の保険請求は認められていない」

というのはおそらく、本年6月、民主党の議員が厚労省に提出した質問主意書に対する答弁で、国外で作成された補綴物については、

「質が一律に担保されているとは言えない」

とし、

「老人保健法や医療保険各法の療養の給付又は医療の対象とするのは困難」

との見解を示したものであると思われます。

答弁ですので、国の見解という見方はできますが、これも違反即罰則とはならないでしょう。

罰則を適応するには基準が不明確であり、罪刑法定主義の見地から問題があると思います。

加えて、タカタ先生が言われるとおり、歯科医師が知らなかったら、「善意の第三者」となる余地は充分考えられます。

ただ、「善意の第三者」とは一般に民事での概念ですので、保険制度関連でどこまで適応があるのか、私も詳しくありません。もう少し調べてみます。

以上より、私見ですが、現段階でこれに反する行為をした歯科医師が、追徴金や医道審議会にかけられることはないのでは、と考えます。

で、「厚労省は容認している」というのも、昨年10月の、これまた民主党議員の質問主意書に対する答弁で、

「どのような補綴物等を用いるかは個別の事例に応じて歯科医師により適切に判断されるべきもの」

とした上で、「歯科技工士法の目的から逸脱することにはならない」との見解を示したものだと思われます。

…要するに、かなり錯綜している感があります。

そこで、もっちりさんも書かれている通り、「海外委託問題について国が適切な対応をしていない」として、技工士の団体が国に対して損害賠償請求を提起したようです。

この司法判断待ち、といったところでしょうか。

回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2007-09-22 14:01:00
どの道最高裁まで・・・ かなり時間かかるでしょうね。
僕は どっちでもいいと思うけど・・・

結局 歯医者技工士の判断だと思いますよ。

回答 回答10
  • 回答者
回答日時:2007-09-22 14:11:00
>これから10年ほどの間に貴金属の価格がドンドン上がっていくことが金属相場の世界では言われています

『貴金属は今が買い!!』ということですか!?
確かにレアメタルの争奪戦が行われているらしいですからね。

ゴールドの値段も一昔前に比べ高くなりましたね。

私も最近、材料屋さんと話していて、技工料の値段が限界を越している為、若い技工士さんは無理をしなくてはならない状況で、離職率も90%以上と言う話を聞きました。

後、20年もすれば技工士さんの数が絶対的に足りなくなり・・・
自分で技工までしなくてはいけなくなるかも!?

流石に今から勉強して、オールセラミックとか作る気にはならないなぁ

回答 回答11
  • 回答者
回答日時:2007-09-22 14:26:00
へー、勉強になります。
技工士さん足りない、衛生士さん足りない、歯医者は余ってる。。

となると、やるべきことは。。。
今から覚えるのは大変ですね。

回答 回答12
  • 回答者
回答日時:2007-09-22 14:53:00
というか、そもそも10年先に歯科技工士って職業が存在するのかな

回答 回答13
  • 回答者
回答日時:2007-09-22 15:42:00
このテーマは単に保険であるかとか、違法ではないかとかという目先の極めて些末なこと以外に大きな問題をはらんでいます。

中国を含めてインドや東南アジアは発展途上国とはいえ大きな可能性を秘めており、もはや人口も伸びず経済も成熟期に入りけっして高度成長などもうあり得ない日本を尻目にして、経済を中心にこれからもさらにあらゆる分野へと必ず急成長していきます。

特に中国の力は大きく一時的に伝承が途絶えたことが過去に何度もありましたが、4千年以上も前から学問や芸術や政治等に見事な実績を残してきたすごい国です。

大分前から三々五々ととても優秀な中国の人たちも往来したり帰化したりして多くの分野に来日しはじめていますが、13億人の中からは頭脳明晰で手先も器用な非常に優秀な人物がきっと歯科分野にも怒濤のように多く進出してくるでしょう。

その時には中国からの技工物は当たり前になるばかりか、隣国である身近な日本本土にも技工士さんや中国資本の歯科医院が政治も絡めてなだれ込んでくるかもしれません。

自然環境を見ても、メダカや亀等々昔懐かしい生物の在来種が外来種に生態系を奪われてどんどん絶滅の危機に瀕してきていますが、日本の多くの技工士さんが仕事を奪われていくことは間違いないでしょうし、それどころかあのような体たらくの日本の歯科大学で世界的に見ればたいした教育も受けず学問のみならず経済や経営も知らずに卒業した我々も日々の向上心を失えばあっという間に絶滅種となりうる時期も遠くないかもしれません。

世界の若々しく力強い趨勢はもはやとどまることを知らないほどで、たった一億余人しかいない、それも半分は老人になってしまった日本など置いてきぼりにして突っ走っています。

その大波に逆らうことなく受け入れ、一方歯科学ばかりか社会的にも広く自らの向上を必死に図ることのみが生き残る唯一の道であり、同じ日本人同士で足を引っ張り合ったり”歯医者”復活戦をしている暇はないのかもしれません。

気がついたら、歯医者はうんざりするほど多い単なる下層肉体労働者に過ぎず、世界資本のチェーン店の薄給雇われ院長でノルマに追われ、組合運動もできず将来の希望もなく老後や解雇におびえながらも小市民らしく満足して細々と平和にその日暮らしをしているかもしれません。

昔は日本人が技工や歯医者をやっていたんだっけ、と懐かしがられないように、今は良い仕事をする技工士さんにはたくさん報酬を払い大事にして、お互いに生き残れるように皆で仲良くして、世界に負けないような日本の歯科界を作る最後のチャンスかもしれません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: もっちりさん
返信日時:2007-09-23 06:08:00
たくさんのご意見まことにありがとうございます。

中本先生が回答された昨年10月に出された民主党議員の質問主意書に対する答弁についてですが、その中の同じ質問主意書に対する答弁で、民主党議員が、

『国外作成物は、自費診療のみに使用を認めているのか、あるいは保険診療にも認めているのか現状を示されたい。』

と質問したのに対し厚労省は、

『お尋ねの国外作成補てつ物等については、老人保健法に掲げる医療保険各法による療養の給付又は同法による医療の対象となっていない。』

とありました。
なので海外技工物については、

自費診療なら患者に十分な情報提供を行い同意を得ればOK
・保険診療はダメ

が妥当な感じがします。

私は中国製がダメとは言いませんが、現在、海外技工物は雑貨名目で輸入されそのまま口の中に入ってる状態です。

なので行政がガイドラインなどを設けて品質をチェックできるような体制をつくって欲しいです。

知ってる方もおられると思いますが、中国補てつ物については週刊朝日9/14号に出ています。

週刊誌なので話半分としても、かなりセンセーショナルな内容みたいなので、多くの一般の人からもこの問題について声があがるかもしれません。



タイトル 歯科技工物海外委託問題について
質問者 もっちりさん
地域  
年齢  
性別  
職業  
カテゴリ 補綴関連
材料・機材関連
技工士関連
中国
海外その他
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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