インプラントの失敗と、チョウ骨移植について

相談者: jun_kさん ( : )
投稿日時:2007-10-08 10:59:00
1年程前に、下顎5,6,7番目のインプラント治療を、1回法で受けました。

が、治療直後から痛みが1ヶ月以上続き、医師の、

「貴方は炎症の強いタイプ。痛み止めと抗生物質を出すので、もう暫く様子を見て」

の指示に従いましたが、数週間後に3本とも脱落してしまいました。

先生は、全責任を持つとおっしゃり、その10日後に今度は2回法でやり直しをしました。

が、今度は直後から神経麻痺を発症してしまいました。

医師は、「麻酔の刺激による一過性、が念の為CTを撮ってきて」と、某有名大学付属病院の紹介状を書いて下さりました。

CT検査により、インプラントの先端が神経に触っているのが原因と診断されました。

また、「仮にこの痛みに耐え上物を装着しても、この骨が薄い状態では、持って数年」とも言われました。

「除去して、チョウ骨移植からやり直しますか?」と聞かれ迷っている内に、何故か患部の腫れが見られるようになり、それは隣の歯にも広がっているように思われました。

私は2回法でインプラント周囲炎になるとの認識がありませでしたが、別の歯科医院を受診し、「インプラント周囲炎、即刻除去すべき」と言われ、慌てて除去した次第です。

医師を信じていた私ですが、最近は問題のあった治療なのではと、疑惑を感じています。

麻痺については、完治は期待できないそうで、慣れるしかないのかなと諦めています。

一番の悩みは、今後の治療です。

再々インプラントについては、チョウ骨移植が必要だそうですが、これについては以前通っていた大学病院の先生から「骨がつかないケースが、10%以上あるのが現状」と聞きました。

果たしてそうなのか、超有名大学病院の先生にうかがった所、

「そんな事は無いです、何処の先生がそんな事言ったの」

と少し気色ばんでおっしゃられましたので、慌ててその話を引っ込めてしまいました。

実際のところ、チョウ骨移植については如何なのでしょうか?。

入れ歯もかなり条件的に厳しいと言われているおり、チョウ骨移植に賭けるしかないのかと思っています。

が、デメリットの説明が無い先生方には、不信感を抱いています。
どのように信頼できる医師と病院を探し当てられるのでしょうか?。

アドバイス戴ければ、幸いです。


回答 回答1
  • 回答者
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2007-10-08 18:09:00
jun_kさん、こんにちは。
色々なことが重なって本当にご不安なことと思われます。

さて、jun_kさんの現在の状況においては、できるだけ複数の先生方の意見を聞かれて、最終的にjun_kさんがご判断されることが重要であると思います。

今回の経緯およびご質問の回答については、歯科医師によって様々な捉え方ができると思われますので、ここでは私一個人の考えとして参考にしていただければ幸いです。

私自身は、やはり腸骨移植の骨定着率は100%ではないと思います。

およそ医療行為において「100%」とか「完璧!」という単語には否定的な考えを持っています。

では、10%以上の確率で腸骨移植は失敗するのか、といえば、それも確実なことはいえないものであり、そもそも“○%”と数値化できるものではない、と思います。

人間は機械ではないため、個人差や術者など数多くの要素によって結果は変わってきます。

その上で、ここは特に私見によるところ大なのですが、インプラントの「ため」の腸骨移植はお勧めはできない、というのが率直な意見です。

歯科医師による全身麻酔の上での腸骨採取は色々と議論のあるところなのですが、その是非はともかく、ある程度リスクの高いものであることは確かです。

もちろん、医療というものはリスクの先にこそ成果が現れるものである側面は否めません。

私はもともと口腔外科に所属していましたので、腸骨移植という手段は、腫瘍で顎骨切除後の再建や口蓋裂の顎裂部への移植など、真に必要にせまられてのケースでは有効な方法である、と考えます。

ですが、インプラントの「ため」の腸骨移植となると、「そこまでする必要があるのか?」というのが正直な感想です。

インプラントの前段階のために全身麻酔(当然、全身麻酔にだってリスクはあります)を行い、お腹に穴を開けるという手術を、私であれば身内には絶対にさせません。

(くれぐれも私の個人的意見ですので…ご了承を…)

加えて、jun_kさんは今、「腸骨移植に賭けるしかない」と思われているようですが、これは少々危険な状況であると思います。

jun_kさんの今のご心境と同じように、「○○に賭けるしかない」という方を私は多く存じていますし、ご相談を受けることがあります。

たとえば、口臭の悩みを抱える方が、高額な口臭治療に「賭けてみようと思います」といったケースや、身内の方が癌になられ、医療機関による治療より代替医療を優先され、「これに賭けます」といったケースです。

ですがこういった方々で、充分に満足のいく結果が得られないことも多いです。

というのも、「賭けてみよう」という心境にある時は、それを行うことが前提の心理状態であり、メリットのみに目を奪われてしまうからです。

つまり、その他の選択肢を考慮する余地がなくなり、またデメリットに目を向けなくなるからです。

特に、jun_kさんは今回の経緯をうかがう限り、インプラントに関してあまり良い結果が現れてきていません。

これは論理的な説明ではないのですが、悪いことが重なって発生している時に、急いて事を進めると、更に思わしくない結果を招いてしまうことは、医療の世界でもよくあります。

というわけで、私個人の意見としては、今回のjun_kさんのケースにおいては特に、インプラントのための腸骨移植にはいささか否定的な感想を持っているのですが、あくまで私見です。

(しつこくてすみません…)

ところで、「入れ歯が条件的に厳しいと言われた」とのことですが、これはインプラントを勧めるDrの意見でしょうか?

一度入れ歯を専門としている歯科医師による診察をされてみてはいかがでしょうか?

そもそも「インプラントのために腸骨移植の必要がある」というのも、インプラントの条件としては大変厳しい状況だと思うのですが…

最後にこれだけははっきりと言えるのですが、今jun_kさんに必要なことは、「腸骨移植→インプラント」をするにしてもしないにしても、少し時間をかけて、ワンクッション入れて、できるだけ多くの歯科医師(インプラント専門の歯科医師以外にも)の意見あるいはセカンドオピニオンを聞くことであると思います。

その上で、御自身が心から納得された上で、次のアクションを取られることを強くお勧めします。

jun_kさんが最善の形で今回の件を解決されますよう、心から願っています。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: jun_kさん
返信日時:2007-10-08 20:48:00
ご丁寧な回答、有難うございます。

インプラントの前段階のために全身麻酔(当然、全身麻酔にだってリスクはあります)を行い、お腹に穴を開けるという手術を、私であれば身内には絶対にさせません。

最近、良い事しかおっしゃらない医師に対して不信感が募っており、このような親切なご意見を戴き、とても感謝しております。

2回のインプラント治療の時、もう少し慎重に医師選びをすればと違う結果だったかもしれませんが、今更後悔しても遅いですね。

先生のアドバイス、身に染みております。

まずは、踏襲的な治療(入れ歯)を試み、それ以降の話はゆっくりと慎重に検討してみるつもりです。

以前通っておりました地元で評判の良い歯科医院にて入れ歯の相談をしました所、

「かなり使用感が悪い物しかできない」
「慣れる事は、多分有り得ない」

と宣言されてしまったのが、ショックでした。

また、「入れ歯では長期的に見ると必ず骨が痩せる」という話も、少し憂鬱です。

が、腸骨移植をしてますます泥沼に入るよりも、入れ歯を得意とする歯科医院をあたってみるつもりです。

もやもやが吹っ切れました。
有難うございました。



タイトル インプラントの失敗と、チョウ骨移植について
質問者 jun_kさん
地域  
年齢  
性別  
職業  
カテゴリ インプラントに関するトラブル
インプラントその他
回答者




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