[写真あり] イタリア在住、複数の歯が原因の、のう胞の治療について

相談者: A.M.さん (44歳:男性)
投稿日時:2007-12-13 23:36:14
イタリア在住。夫(イタリア人)のことです。

夫は8年ほど前に、のう胞ができて左右1番の歯根端切除を受けました。

また、が弱いようで20歳のときにいきなり歯が抜けたり虫歯になったりで上は全部歯がありません。

右の5番から左の3番までずっと繋がったブリッジ、左の4から6もブリッジです。左右の2番には根っこがありません。

右の6番は10代のときに虫歯になり抜かれてそのまま何も入れてくれなかったままだそうで、空白です。

今年の5月、左の頬が痛くなりなじみの歯医者レントゲンを見てもらいましたがわからないのでCTスキャンを撮ったところ、大きなのう胞が複数口蓋の中(上?)にあるとのことでした。

(本人は口の中からは感じないそうです)

そしてこのような歯の状態では治療してもいずれ発生するので、左4番と5番だけ残して左1番3番右1番3番4番5番を抜歯(といっても歯はないので、歯の根っこを取るということ?)する、さらに左4番と5番も残すとバランスが悪いので(?)すべて抜歯することを勧める、そのうえで専属の口腔外科医(=自費)が手術でのう胞を除去する、あるいは大きな公立病院(=保険内)で除去してもいいが、あまり予約待ちが長引くとそのうちのう胞が進行して危険だ、という説明を受けました。

さもないと骨が溶けていずれ根っこが抜け落ちるし、のう胞が鼻のほうに行って危険だ、歯根端手術を受けてもばい菌は歯茎から入るので同じだ、ということだそうです。手術後はインプラントできるようになるまで入れ歯で過ごすことになります。

入れ歯という言葉にびっくりした私たちは、遠いのですが首都の2つのmaxillofacial専門病院に行き、なんとか歯根端切除で抜歯を避けられないかという相談と、とりあえず手術の予約をしました。

病院Aは

「歯根端切除でもよい。ただし右上3番は手術前日に歯医者で抜髄してくること」とのこと。手術の予約は来年1月22日。

病院Bは

「歯根端切除でもよいがまた1年2年で同じことになるから抜歯を勧める。ただし右3番は今すぐ抜髄したほうがいい」

予約は3月ぐらいだが正確な日にちはまた連絡するとのこと
*(この時9月下旬でした)

*こちらでは公立病院(=保険内治療)での手術はとにかく予約待ちが長く、命にかかわる場合以外はこのくらいが普通なようです。

少しでも早く受けたい場合は私立の医院(=自費)に行きます。
実際多くの人が自費で手術を受けています。

イタリアでは歯科治療は自費ですが歯根端切除は保険内です。
マイクロスコープ手術かどうかは聞いていません。

さらにこちらのサイトで勉強してみて、のう胞の治療方針はmaxillofacial外科よりも歯科医に頼ったほうがよいと感じたので、歯科医院を変えました。

今度の医院はラバーダムを使用していますが、手術用マイクロスコープはないそうです。

まずレントゲンだけを見せて歯医者、口腔外科で言われたことを話すと、「のう胞は根管治療だけで治る」言われました。

おお!相談室の先生方と同じ!と感動して、この先生を信用することにし、右上3番の抜髄をしてもらうため次を予約しました。

しかしCTスキャンは後で見ておくと言われ、次に行ったときにはやはり歯根端切除は受けなければいけないといわれ、がっくりきました。

この先生によるとのう胞の原因となっているのは以下の4つの歯で、施すべき処置は以下のとおり

右3番 抜髄
右4番 以前の根管治療で強力な詰め物をされているので再根管治療不可。よって歯根端切除
右5番 右4番と同じ
左3番 根っこがのう胞の中にあるので根っこを取らなければのう胞が取れない、よってどっちみち歯根端切除

歯根端切除は病院でしてくださいと言われました。予約が速く取れた病院Aにしようと思っているのですが、「右3番の抜髄は手術前日に」、というのは別にかまわなくてもいいようなので、早速抜髄してもらいました。

(ブリッジは無事はずせました。)

11月13日のことです。

マイクロスコープ手術について聞いたところ、

「肉眼でも集中して見ると見えることは見えるから、ないよりかはいいんだろうけど・・・重要なのは根っこを丁寧に掃除することだ」

以上が今までの成り行きです。

5月から痛むたびに痛み止めと抗生物質を呑んでいましたが、抜髄後、処方された薬を飲み終わってからは痛むこともすっかりなくなりました。

イタリアでは歯科は自費なのにもかかわらず予防ということは誰も考えていないようですが、夫の状態は本当にひどいと思います。

病院Bの言うように再発して抜歯になれば、いずれの歯もブリッジを支える歯なので本当に入れ歯になって困ります。

また実は大きいほうのブリッジは今年2月に(また別の歯医者で)作り直したばかりで、大金をかけたものを捨てるのももったいないので歯根端切除でもうしばらく持たせたいという事情もあります。

今後なのですが年末から1ヶ月インド旅行に行く予定なので、最新の設備を持った病院でイタリアでの保険内と同じような金額で受けられるならば、インドで手術しようかとも考えています。

現在の歯科医さんは信用していいのでしょうか?
治療方針に対する回答者の先生方のご意見を伺いたいです。

本当にこのままイタリアで歯根端切除を受けていいのか、腕が悪くて再発するのではないか、不安です。

説明した状況からもお察しできるでしょうか、イタリアの医療は(システムも医者も)信用できません。

のう胞だけ取り出して1年くらい後に帰省した際に日本でマイクロスコープのある病院で手術するという手はどうでしょうか?

強力な詰め物を溶かして根管治療してくれる医者を探したほうがいいですか?

また、最初の(信用できない)歯医者に「のう胞の摘出後には空洞ができて、気圧の変化で万が一破裂または陥没するかもしれないので40日くらいは飛行機に乗ってはいけない」と言われましたが、本当でしょうか?

イタリアではレントゲン写真もCTスキャンも本人の手元において置けます。「写真の写真」をデジカメで撮りました。レントゲンは6月、MRIは9月のものです。

なるべくイタリアの歯科医療事情も伝えようと、長くなってしまいました。
本当に長文すみません。よろしくお願いします

画像1画像1 画像2画像2


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2007-12-14 00:35:00
まず、パノラマレントゲンでの推察ですから実際には全然違う事を言っている可能性がある事、ネットでの診断は法律により出来ない事をご了承頂いた上であくまでアドバイスとしてお聞きください。

まず、以前に歯根端切除を受けた上前歯の部分ですが特に左側の状態が良くないように感じます。右1番についても少し経過が悪いかもしれません。

右上45については金属の土台と思われる物を外すのは出来るかもしれませんが、除去時に根破折を起こすリスクが伴います。

あと、画像2はMRIではなくCTですよね?

画像上からは嚢胞が大きいように見受けられますが、原因が左上3ではなく、左上1もしくは抜歯してもうない左上2の可能性もあるかと思います。

抜歯した左右の2は唇側に骨がないようにも見受けられます。

問題はその歯根端切除を行う歯科医師がどれだけその処置に精通しているか、嚢胞(らしき像でうつっている物)の原因が根管にあるとすれば外科的に嚢胞を取るだけでは再発率が高い事をどれだけ理解しているかではないでしょうか?

おそらく切って嚢胞(らしき像でうつっている物)を除去するだけでは再発するでしょう。

私が同じ状況であったとしたならば少なくともマイクロを使用している根管治療専門医を受診すると思います。

処置後の経過が良ければその後に矯正処置をして最終的にインプラント処置による欠損補綴です。それが終われば死ぬまで定期検診と定期的クリーニングです。

現在の状態だけを改善する事だけを考えずにトータルでどこまで治療するのか、また、その治療をお任せ出来る信頼のおける歯科医師を捜す事が先決のように思います。

その点では旅行先のインドでの処置はオススメできません。

御参考になればと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: A.M.さん
返信日時:2007-12-14 06:49:44
荒木先生、早速のご回答ありがとうございます。

>画像2はMRIではなくCTですよね?

はい、ごめんなさい! 勘違いで全部MRIと書いていて、あわてて修正したのですがここだけ残ってしまいました。


>画像上からは嚢胞が大きいように見受けられますが、原因が左上3ではなく、左上1もしくは抜歯してもうない左上2の可能性もあるかと思います。

左上2はだいぶ昔に抜歯したものですがそれが原因ということがあるのですか?

また、すでに歯根端手術を受けている1番が悪いとすると、治療はどのようなものになりますか?

右側ののう胞の原因はどうでしょうか。


>問題はその歯根端切除を行う歯科医師がどれだけその処置に精通しているか、嚢胞(らしき像でうつっている物)の原因が根管にあるとすれば外科的に嚢胞を取るだけでは再発率が高い事をどれだけ理解しているかではないでしょうか?

>おそらく切って嚢胞(らしき像でうつっている物)を除去するだけでは再発するでしょう。

根端切除だけでは原因の根管が残るので再発するということでしょうか?


>私が同じ状況であったとしたならば少なくともマイクロを使用している根管治療専門医を受診すると思います。

あまり待つと骨が解けるというのが怖いと、夫は1月の手術を受ける気になりかけていました。

今から10日後旅行に出発で、手術予定日は帰ってきてすぐ、ちょうどローマに着いた次の日でローマの病院で、なので・・・。

でも出発までがんばってマイクロスコープ歯科医探します。

また、短期滞在先で治療を受けるのはよくないとおっしゃるのも理解できました。

実はカナダに移住しようかという計画もしています。
(居場所の定まらない患者でスミマセン)

北米はマイクロスコープ根管治療が進んでいるそうですが、例えば移住まで6ヶ月〜1年として、待つ価値がありますか?
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2007-12-14 08:00:21
抜歯の原因が嚢胞で抜歯のみ行った場合に嚢胞が残る事があります。
(残留嚢胞と言います)
その意味で2番が原因の可能性もある、とご理解ください。

原因が1番の場合には一度歯根端切除を行っていますので通常の根管処置では不可能であると考えます。再手術の可能性が高いです。

右上45については根管治療で治癒の可能性もありますが、土台除去時のリスクを伴います。そのリスクを避ける意味では歯根端切除もアリかとは思いますが、手術にもリスクはありますのでどっちもどっちかなとは思いますが。

(私なら根治にトライ・・・でしょうか)

嚢胞(らしき像でうつっている物)の原因歯としては4番もしくは5番でしょう。

また、歯根端切除だけでは再発の可能性が高いというのは手術時に根管の処置を行わなかったらという意味です。

破折などがなく、切断面からの根管処置をしっかりと行えば治癒の可能性は高くなります。

半年から1年待つ価値についてはなんとも言えません。
カナダで良い先生に巡り会えるかどうかですね。

良い先生は治療に本当の意味で真剣ですから、患者さん側もしっかりとした知識を身につけ、治療の必要性を本当の意味でご理解頂いた上で処置を進めていきます。

その意味でもまずは御主人がどこまで治療として受け入れられるか(矯正治療インプラント治療・定期検診など)を再確認される必要性もあるかと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: A.M.さん
返信日時:2007-12-15 06:45:53
荒木先生、こんにちは

今日、根管治療専門医学会のリストを見つけて州内に一件だけ根管治療専門医を見つけましたが、右上4・5の相談をしようと電話して、

金属の土台を入れるときに何か熱したものでくっつけられた」

と説明すると、

「それは除去のリスクが高い。根切のほうがまし」

と言われたそうです・・・。

それで電話は終わったのですが、やはり先生のおっしゃる「トータルな治療」を考えると実際行って他の歯のことも今後のことも相談するほうがよいかなと思いました。車で1時間のところです。マイクロはないそうです。

左2の抜歯は以前の歯根端切除のう胞除去よりも10年ほど前らしいので・・・原因は左2ではないと思います。

ところで今の歯医者さんはあまり原因歯の特定の究明自体に重きを置いていないような感じがしますが、根管治療専門医ならもっと徹底的に原因を考えてもらえるのでしょうか?

なお、歯根端切除の予約を入れている病院によると、どの歯を切るかというのは開けてからしかわからないそうです。

歯根端切除というのは根管の処置を当然含めたものだと思い込んでいました。

病院の説明では、夫の受ける手術は、根っこを切って切断面を消毒して詰め物でふたをするのと、のう胞除去、ということらしいです。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2007-12-15 21:35:02
原因を判断しておかないと原因歯の処置が出来ません・・・。

どの歯を切るかというのは開けてからしかわからないというのもその意味では一理あります。

一見、ある特定の歯が原因のように見えたが、実は隣の歯が原因だったというのもよくありますので。

切断面を消毒して詰め物でふたをするということはきちんと逆根管充填を行うようですね。

切った、嚢胞取った、だけでは再発の可能性が高いですが、きちんと逆根管充填を行うのであれば再発率を抑える事も可能かと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: A.M.さん
返信日時:2007-12-16 01:09:10
総合して考えてみると、夫の歯医者さんと病院も連携していなく、どちらもトータルにこの治療を考えてくれていないことがわかりました。今度の歯医者さんに期待してみたいと思います。

ご回答すべてがとても参考になりました。
しつこい質問に寛大にお答えいただきましてどうもありがとうございました。



タイトル [写真あり] イタリア在住、複数の歯が原因の、のう胞の治療について
質問者 A.M.さん
地域 非公開
年齢 44歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療の治療法
歯根端切除術
根管治療その他
イタリア
回答者




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