感染根管の治癒機転、充填時期、根管治療のテクニック
相談者:
太郎さん (25歳:男性)
投稿日時:2007-12-18 22:54:53
いつもこちらの相談室にて勉強させていただき感謝しています。
実は先日から続く右上6番の感染根管処置が続き、根幹充填、コアの型とりに進めるかと思ったのですが、軽い自発痛、打診痛、歯茎の圧痛、しばしばでる入浴時の拍動性の違和感があり根治を続けている状態です。
経過としましては、
◆A歯科医院で、
1、クラウン、メタルコアの除去
2、2日間のJ−OPEN
3、FCでの貼薬、5分程度での治療、ストッピング仮封。
4、違和感、圧痛、打診痛を訴えましたが根幹充填。
だめなら歯根端切除術と診断されました。
ここで歯根端切除には踏み切れず。
治療には感謝していますので、丁寧にお礼を言い、差し障り無く転院。
◆B歯科医院で
1、ガッタパーチャの除去。
2、ガッタパーチャの除去、カルビタール。
3、根管拡大、カルビタール。
4、カルビタール。
5、FG。
6、カルビタール。
7、根管拡大、水酸化カルシウム。
8、FG。
1週間間隔で2ヶ月、こちらの医院では専門医の先生に拡大鏡とラバーダムを使用していただいて、保治治療ですが平均30分枠で見ていただいています。
感染根管治療の対価が非常に安いことを思うと感謝と申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいます。
レントゲンではBD根(順序が正しいのか分かりませが…)の根尖先にうっすらと病巣が見えるか見えないか程度、MB(BM?)根、P根と3本、うち診断では痛みが出ているのはおそらくBD根とのことでした。
現在は、歯根膜期の症状のような軽い打診痛、歯茎の圧痛、しばしばでる入浴時の拍動性の違和感が残ります。
遠心頬側根付近からの圧痛は序々に減少、近心頬側根付近、5番側に拍動性の違和感と隣5番に軽い打診痛があります。
とても気になっのですが、上記8回目の治療中に、グラスアイオノマーと指示をされているのが耳に入ったのですが、仮封材はいつもユージノールとフィットシール(少し歯に見せるため)の2重仮封なので、何に使うのか不思議に思いました。
素人の単純な思いつきなのですが、痛みの出ている根管に的を絞り、感染源が除去できていると思われる根管をグラスアイオノマーで強めに封鎖して、怪しい根管の薬のみをFGやFCとタンパク質を凝固させるような強い薬を使っているのかな?と思ったのですが…
●グラスアイオノマーセメントを照射(レジン添加型?)して硬化させていまして、その後にいつもどうり仮封でした。根管治療にグラスアイオノマーを使う場合とは、どのような場合に使用が考えられますか?
もう一点なのですが、根管充填時期の基準として
?根管拡大・形成が終了
?根管の無菌性の獲得
?根尖歯周組織に急性症状がない
と基準を見るのですが、
●?の急性症状の中で、どうしても症状があるときは根充はできないという症状はありますか?また、貼薬の刺激による痛みと感染からくる炎症性の痛みを見分ける基準はあるのでしょうか?
現在の歯科医院、先生を、とても信頼して通っています。
歯チャンネルで知識を得れたおかげです。
心配しているわけではないのですが、どうしても気になってしまい、先生方のご意見をいただけますと幸いです。
また、歯科臨床研鑽会でのCTを使ったエンドの症例で8ヶ月間に及ぶ根治拝見させていただきまして、8ヶ月かかってなおる患者さんもいるだなあ、と勇気つけられます。
実は先日から続く右上6番の感染根管処置が続き、根幹充填、コアの型とりに進めるかと思ったのですが、軽い自発痛、打診痛、歯茎の圧痛、しばしばでる入浴時の拍動性の違和感があり根治を続けている状態です。
経過としましては、
◆A歯科医院で、
1、クラウン、メタルコアの除去
2、2日間のJ−OPEN
3、FCでの貼薬、5分程度での治療、ストッピング仮封。
4、違和感、圧痛、打診痛を訴えましたが根幹充填。
だめなら歯根端切除術と診断されました。
ここで歯根端切除には踏み切れず。
治療には感謝していますので、丁寧にお礼を言い、差し障り無く転院。
◆B歯科医院で
1、ガッタパーチャの除去。
2、ガッタパーチャの除去、カルビタール。
3、根管拡大、カルビタール。
4、カルビタール。
5、FG。
6、カルビタール。
7、根管拡大、水酸化カルシウム。
8、FG。
1週間間隔で2ヶ月、こちらの医院では専門医の先生に拡大鏡とラバーダムを使用していただいて、保治治療ですが平均30分枠で見ていただいています。
感染根管治療の対価が非常に安いことを思うと感謝と申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいます。
レントゲンではBD根(順序が正しいのか分かりませが…)の根尖先にうっすらと病巣が見えるか見えないか程度、MB(BM?)根、P根と3本、うち診断では痛みが出ているのはおそらくBD根とのことでした。
現在は、歯根膜期の症状のような軽い打診痛、歯茎の圧痛、しばしばでる入浴時の拍動性の違和感が残ります。
遠心頬側根付近からの圧痛は序々に減少、近心頬側根付近、5番側に拍動性の違和感と隣5番に軽い打診痛があります。
とても気になっのですが、上記8回目の治療中に、グラスアイオノマーと指示をされているのが耳に入ったのですが、仮封材はいつもユージノールとフィットシール(少し歯に見せるため)の2重仮封なので、何に使うのか不思議に思いました。
素人の単純な思いつきなのですが、痛みの出ている根管に的を絞り、感染源が除去できていると思われる根管をグラスアイオノマーで強めに封鎖して、怪しい根管の薬のみをFGやFCとタンパク質を凝固させるような強い薬を使っているのかな?と思ったのですが…
●グラスアイオノマーセメントを照射(レジン添加型?)して硬化させていまして、その後にいつもどうり仮封でした。根管治療にグラスアイオノマーを使う場合とは、どのような場合に使用が考えられますか?
もう一点なのですが、根管充填時期の基準として
?根管拡大・形成が終了
?根管の無菌性の獲得
?根尖歯周組織に急性症状がない
と基準を見るのですが、
●?の急性症状の中で、どうしても症状があるときは根充はできないという症状はありますか?また、貼薬の刺激による痛みと感染からくる炎症性の痛みを見分ける基準はあるのでしょうか?
現在の歯科医院、先生を、とても信頼して通っています。
歯チャンネルで知識を得れたおかげです。
心配しているわけではないのですが、どうしても気になってしまい、先生方のご意見をいただけますと幸いです。
また、歯科臨床研鑽会でのCTを使ったエンドの症例で8ヶ月間に及ぶ根治拝見させていただきまして、8ヶ月かかってなおる患者さんもいるだなあ、と勇気つけられます。
回答1
あらきデンタルクリニック(香川県坂出市)の荒木です。
回答日時:2007-12-18 23:16:47
根管治療にグラスアイオノマーセメントを使用するのは多々あります。
隔壁の構築や歯冠部の形態修整などです。
たまにパーフォレーションのリペアで使用される先生もいらっしゃいます。
治療として1週間間隔で行っているようですが、どうしても症状が消えない場合には水酸化カルシウム系のお薬を長期に入れておく事も一つの方法かもしれませんね。
私も10代の患者さんで根尖孔が破壊されていたのでカルビタールを貼薬してアイオノマーで仮封していたら来院が途絶えた事があります。
1年後に蓋が取れたと来院されたのですが(笑)外科処置しか方法がないと思っていたその歯がキレイに治っていた事もあります。
人間の体ってすごいなーと感じた瞬間でした(^^;
急性症状の中で、どうしても症状があるときは根充はできないという症状は痛いという症状でしょうか。多少の違和感程度なら根管充填をして様子を見る事もありますが、痛かったら根管充填はしません。
また、貼薬の刺激による痛みと感染からくる炎症性の痛みを見分ける基準については水酸化カルシウム製剤の長期調薬(1カ月以上)で症状(痛み)が変わらなければ炎症性の痛みと判断します(私なら、です)
ただ、元々あった神経が無くなっているのですから神経のある歯しは咬んだときの感じ方は異なるのが普通です。この感じ方の違いを痛みとして表現されてしまうといつまでたっても根管充填できなくなります。
ご参考になればと思います。
隔壁の構築や歯冠部の形態修整などです。
たまにパーフォレーションのリペアで使用される先生もいらっしゃいます。
治療として1週間間隔で行っているようですが、どうしても症状が消えない場合には水酸化カルシウム系のお薬を長期に入れておく事も一つの方法かもしれませんね。
私も10代の患者さんで根尖孔が破壊されていたのでカルビタールを貼薬してアイオノマーで仮封していたら来院が途絶えた事があります。
1年後に蓋が取れたと来院されたのですが(笑)外科処置しか方法がないと思っていたその歯がキレイに治っていた事もあります。
人間の体ってすごいなーと感じた瞬間でした(^^;
急性症状の中で、どうしても症状があるときは根充はできないという症状は痛いという症状でしょうか。多少の違和感程度なら根管充填をして様子を見る事もありますが、痛かったら根管充填はしません。
また、貼薬の刺激による痛みと感染からくる炎症性の痛みを見分ける基準については水酸化カルシウム製剤の長期調薬(1カ月以上)で症状(痛み)が変わらなければ炎症性の痛みと判断します(私なら、です)
ただ、元々あった神経が無くなっているのですから神経のある歯しは咬んだときの感じ方は異なるのが普通です。この感じ方の違いを痛みとして表現されてしまうといつまでたっても根管充填できなくなります。
ご参考になればと思います。
相談者からの返信
相談者:
太郎さん
返信日時:2007-12-19 01:02:45
荒木先生 ご回答ありがとうございます。大変参考になります。
>隔壁の構築や歯冠部の形態修整などです。
思い当たりました。部分的に歯冠部が歯茎上1〜2ミリ程度のところがあるので、先生のご指摘通りの予感がします。
>たまにパーフォレーションのリペアで使用される先生もいらっしゃいます。
このような用途もあるんですね(汗)こちらではないことを祈ります… ちゃんと説明してくれているので、おそらくないと思いますが^^。。
>治療として1週間間隔で行っているようですが、どうしても症状が消えない場合には水酸化カルシウム系のお薬を長期に入れておく事も一つの方法かもしれませんね。
先生のおっしゃるような、方法もあるのですよね。患者の私から、「水酸化カルシウム系のお薬で長期で様子を見てください」とはいえないですが、過去の相談にもこのような方法もあるとのことでしたので、気になっていました。
>私も10代の患者さんで根尖孔が破壊されていたのでカルビタールを貼薬してアイオノマーで仮封していたら来院が途絶えた事があります。1年後に蓋が取れたと来院されたのですが(笑)外科処置しか方法がないと思っていたその歯がキレイに治っていた事もあります。人間の体ってすごいなーと感じた瞬間でした(^^;
すごい治癒力ですね。自分の歯も…
毎回、EMRを使用し根管の長さを計測しながら、丁寧に行っていただいていますので、根尖孔が破壊されているということは大丈夫かと思いますが、やはりJ−OPENの際に根尖をファイルで突かれた気がするので少し心配です。
J−OPENや根尖孔の拡大が根管治療の予後にどうかかわるのか、また疑問が増えてきましたが、調べて見ます。
>また、貼薬の刺激による痛みと感染からくる炎症性の痛みを見分ける基準については水酸化カルシウム製剤の長期調薬(1カ月以上)で症状(痛み)が変わらなければ炎症性の痛みと判断します(私なら、です)
とてもご参考になります。ありがとうございます。
治療後は薬の刺激で痛いこともあったり、1、2回は根尖付近を細いファイルで突いているような治療の後は、感染源があり炎症がおきているのか、強アルカリ、薬の刺激なのか分からなくなっていました。
>ただ、元々あった神経が無くなっているのですから神経のある歯しは咬んだときの感じ方は異なるのが普通です。この感じ方の違いを痛みとして表現されてしまうといつまでたっても根管充填できなくなります。
そうですね。1年ちょっと、クラウンをかぶって使用していたので、咬んだときの感じ方、感覚の違いは覚えていました。
荒木先生、分かりやすいご回答をありがとうございます。
>隔壁の構築や歯冠部の形態修整などです。
思い当たりました。部分的に歯冠部が歯茎上1〜2ミリ程度のところがあるので、先生のご指摘通りの予感がします。
>たまにパーフォレーションのリペアで使用される先生もいらっしゃいます。
このような用途もあるんですね(汗)こちらではないことを祈ります… ちゃんと説明してくれているので、おそらくないと思いますが^^。。
>治療として1週間間隔で行っているようですが、どうしても症状が消えない場合には水酸化カルシウム系のお薬を長期に入れておく事も一つの方法かもしれませんね。
先生のおっしゃるような、方法もあるのですよね。患者の私から、「水酸化カルシウム系のお薬で長期で様子を見てください」とはいえないですが、過去の相談にもこのような方法もあるとのことでしたので、気になっていました。
>私も10代の患者さんで根尖孔が破壊されていたのでカルビタールを貼薬してアイオノマーで仮封していたら来院が途絶えた事があります。1年後に蓋が取れたと来院されたのですが(笑)外科処置しか方法がないと思っていたその歯がキレイに治っていた事もあります。人間の体ってすごいなーと感じた瞬間でした(^^;
すごい治癒力ですね。自分の歯も…
毎回、EMRを使用し根管の長さを計測しながら、丁寧に行っていただいていますので、根尖孔が破壊されているということは大丈夫かと思いますが、やはりJ−OPENの際に根尖をファイルで突かれた気がするので少し心配です。
J−OPENや根尖孔の拡大が根管治療の予後にどうかかわるのか、また疑問が増えてきましたが、調べて見ます。
>また、貼薬の刺激による痛みと感染からくる炎症性の痛みを見分ける基準については水酸化カルシウム製剤の長期調薬(1カ月以上)で症状(痛み)が変わらなければ炎症性の痛みと判断します(私なら、です)
とてもご参考になります。ありがとうございます。
治療後は薬の刺激で痛いこともあったり、1、2回は根尖付近を細いファイルで突いているような治療の後は、感染源があり炎症がおきているのか、強アルカリ、薬の刺激なのか分からなくなっていました。
>ただ、元々あった神経が無くなっているのですから神経のある歯しは咬んだときの感じ方は異なるのが普通です。この感じ方の違いを痛みとして表現されてしまうといつまでたっても根管充填できなくなります。
そうですね。1年ちょっと、クラウンをかぶって使用していたので、咬んだときの感じ方、感覚の違いは覚えていました。
荒木先生、分かりやすいご回答をありがとうございます。
タイトル | 感染根管の治癒機転、充填時期、根管治療のテクニック |
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質問者 | 太郎さん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 25歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
根管治療の治療法 根管治療その他 根管治療関連 根管充填 |
回答者 |
|
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。