オールセラミックの強度は大丈夫?ジルコニアクラウンのほうが良い?

相談者: レインボーさん (32歳:女性)
投稿日時:2008-01-16 23:50:22
こんにちは。
いつも勉強させていただいています。

私自身今治療中の前歯上左右1.2の計4本のクラウンについて悩んでいます。

上左右2の歯2本の根管治療(再治療)を終えました。

治療は2本でしたが、左右1,2の4本の歯はいずれも10年近く前に神経を抜いており、変色も始まっていたのでクラウンをかぶせることになりました。

治療をした左右2の2本はファイバーの土台をつけています。

先生はとても親切なので、いろいろ相談し、説明も受けているのですが、どれを選ぶかというところで決めかねているところです。

その医院で用意されているのはメタルボンド、ガルバノ(金の裏打ち)、オールセラミックジルコニアの4種類です。

強度はあるが、見た目を気にするならメタルボンドは避けたほうがいいということ、審美的に1番いいのはオールセラミック、それに近いよさを発揮するのはガルバノ、ジルコニアはまだ症例が少ないので将来的見解はなんともいえないとのお話でした。

また、いずれも表面はセラミックなので、強度(割れる可能性)という面では、あまり差はないともおっしゃっていました。

オールセラミックは5年、他は8年の保障期間があります。

どれにしろ高額ですし、もっとも目立つ前歯なのでここは見た目と強度(できるだけ長く持たせたい)でいいものにしたいなと思っています。

そこで質問なのですが・・・

1.オールセラミックの強度は前歯でも大丈夫ですか?それともやはり金やジルコニアの裏打ちが合ったほうが強度は増しますか?

2.再治療となった場合はクラウンは作り直しですか?またその場合はどの種類が治療しやすくなりますか?

ご回答よろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2008-01-17 08:10:28
こんにちは。

僕もつい先日、渡辺先生と一緒にオールセラミックジルコニアについての勉強会に行ってきたばかりですが、担当の先生のご説明は非常にしっかりされていると思いますし、治療のオプションも豊富なので、かなり良さそうな気はしますよ。


>1.オールセラミックの強度は前歯でも大丈夫ですか?

オールセラミックの強度についてですが、これは材質の問題よりもクラウンの形だったりとか、噛み合わせの調整だったりとかの方が大きく影響します。

・きちんとしたクラウンの形
・きちんとした噛み合わせ
歯ぎしりなどの悪習癖が無い(あっても軽度)

以上の条件が満たされていれば、オールセラミックでもジルコニアでもガルバノでもメタルボンドでも、どれでも大丈夫だと思いますよ。

ただ、患者さんの状態によっては上記の条件を全て満たすのが難しい場合もありますので、そういう場合にはオールセラミックよりも、強度のあるジルコニアやメタルボンドのほうが良いかもしれません。

また、オールセラミックの場合、仮止めで様子を見ることができないという問題点があります。

ジルコニアは見た目、強度ともにかなり良さそうなのですが、5年以上の長期的予後の報告がまだ無いという問題点があります。

メタルボンドは十分な実績があり安心できる治療法ですが、見た目はオールセラミックやジルコニアと比べると多少劣ります。

ガルバノは僕はいいんじゃないかな〜と思っていますが、タカタ先生は以前使っていて金の部分が剥がれてしまうという経験をされているそうなので、そのあたりがどうなのかな?という感じです。

ちなみに僕が自分の前歯を治療するんだったら、多分ジルコニアを選ぶと思いますが、実際にどれを選ぶのかは担当の先生とよく相談をしてから決めて下さいね。

こちらも参考にどうぞ。

⇒参考:クラウン(被せ物・差し歯)



>オールセラミックは5年、他は8年の保障期間があります。

ということですが、これも非常に妥当な保障期間だと思います。
これより長いと、逆に怪しいですね^^;

保障期間はあくまでも「最低保障」なので、絶対に5年程度しか持たないというわけではありませんし、実際に30年持っているようなケースもあります。

ただ、30年確実に持つ治療を保障できるかどうかというとそれは不可能ですし、持ちには患者さん自身のメンテナンスも大きく影響してきます。



>2.再治療となった場合はクラウンは作り直しですか?またその場合はどの種類が治療しやすくなりますか?

再治療となった場合、クラウンは作り直しになります。

また、再治療のしやすさはクラウンの種類ではなく、コアの種類のほうが重要ですね。

⇒参考:歯の土台・コア

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2008-01-17 09:16:48
ジルコニアを用いたクラウンオールセラミッククラウンの範疇に入ります。

強度は、全てポーセレンを用いたものに比べるとはるかに高い剛性を持っていますが、3年ほどで強度は半分近くに落ちてしまいます。

それでも人の咬合力には充分耐えうる強度はあります。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2008-01-17 11:22:37
こんにちは。

名称がややこしいんですよね。。
オールセラミッククラウンの中に、

ポーセレンセラミック)だけのもの
・内面にアルミナなどのちょっと硬い白いものを用いたもの
ジルコニアという超硬いものを用いたもの

の全てが分類上含まれます。

現在はポーセレンだけのものというのはほとんど見かけないと思います。


それぞれの利点・欠点については上述の通り、当サイト解説ページの解説通り、担当の先生のご説明通りで良いかと思います。

担当の先生はなんだか良い雰囲気ですね。

もしも自分がどれを選ぶか・・という選択なら、オールセラミックかジルコニアのどちらかで悩みますね。

今現在の、個人的な印象としては、

・耐久性(と言うか安心感)なら微妙にジルコニア?
・将来の再治療の可能性を考えて、歯医者が楽なのはオールセラミック?
・材料そのものの特徴から考えて、色がより綺麗なのは微妙にオールセラミック?
(ただし仮止めが難しいので、一発勝負になるかも・・)

ほとんど引き分けですね・・。

担当の先生にも聞いてみてはどうですか?
「先生だったらどれにしますか?」と。

「どれが一番良いのですか」と言うご質問には答えようがないのですが、「先生だったら・・」と言うのは分かりやすいと思いますよ^^

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2008-01-17 12:42:50
前歯に頻繁に利用されているエンプレスはニケイ酸リチウムガラスセラミックスによるものですね。

いろいろ使ってみた結果 現在 ウチの医院では、

奥歯にはジルコニアコーピングによるオールセラミック
前歯にはエンプレス2によるオールセラミック

を用いています。

ちなみにウチの場合は一番奥の歯であってもオールセラミックで治療を行います。

オールセラミックは割れやすいため、医院によっては夜間にナイトガードと言うマウスピースを装着するように患者に義務付ける医院もあるようですが、これはナンセンスです。

きちんと管理すれば割れずに使えます

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: レインボーさん
返信日時:2008-01-18 00:42:08
田尾先生、タカタ先生、渡辺先生ご回答ありがとうございます。

それぞれのメリットデメリットを照らし合わせながらじっくり検討したいと思います。

担当の先生はメタルボンドにしないほうがいい(審美的な面で)とおっしゃった以外は特にどれを強く推すというわけではありませんでした。

ですが、話ぶりではオールセラミックを一番すすめているような感じでした。

ちなみにオールセラミックと書きましたが、医院でもらった説明書きには「ポーセレンジャケット冠」となっています。

(担当の先生はオールセラミックとおっしゃっていました)

渡辺先生のお話ではこれは最近使われないということでしたが、その理由をお聞かせいただけますでしょうか?
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2008-01-18 01:11:57
>ちなみにオールセラミックと書きましたが、医院でもらった説明書きには「ポーセレンジャケット冠」となっています。(担当の先生はオールセラミックとおっしゃっていました)

あ、そうでしたか?

いや、どうなんでしょう、あまりよその歯科医院がどうされてるとか詳しい訳ではないのでよく分かりませんが・・。

”裏打ち”(内側の硬い部分、コーピング)を使わない、純?オールセラミックとなると、強度にも寸法精度(マージンフィットなど)にも問題が出てくると思います。

ポーセレンは焼成する際に大きく寸法が収縮してしまいますし気泡も入りやすく、強度的にも長期間に渡って咬み合わせに耐えられるほどのものではありません。

(もちろん、出来るだけのカバーをするのが技術でもありますが。。)

ですからこういった欠点を補う為に金属で寸法精度を確保したり、補強したものがメタルボンドであり、近年のいわゆるオールセラミック(※金属の代わりにジルコニアなどの硬くて白い物を裏打ちに使ったタイプ)であるという様に理解しています。

(ですからメタルボンドにするとマージンにまで金属の色が見えそうになり、審美的な問題に繋がります)


本当に純?オールセラミックということでしたら、若干不安ですね。。
コーピングの材料について直接確認されて下さい。

因みに私もオールセラミックでは、タカタ先生と同じでエンプレス2かジルコニアを使っていますよ。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: レインボーさん
返信日時:2008-01-19 00:27:51
渡辺先生、ありがとうございます。

医院のHPを見るとやはりポーセレンとなっていました。
で、その弱点である強度を克服したのがジルコニアだと書いてありました。

ただ担当の先生はあまり強くジルコニアを推してらっしゃらないように感じたんですよね。また少し悩んでしまいそうです。。

でも担当の先生は私の要望や疑問をきちんと聞いてくださる方なので、後悔をしないよう素材等を確認して結論を出したいと思います。

優柔不断なので、結論までたどりつけてませんが、非常に参考となる先生方の意見をお伺いでき本当によかったです。

ありがとうございました。
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2008-01-19 09:18:29
ジルコニアがイマイチなのは、マージン部のフィットが余りよくないからです。

ただ、最新のジルコニアの中にはかなりマージンフィットが良くなっているものが出てきています。

おそらく今後5年くらいで一気にジルコニアの時代が来ると思います。

前歯にはエンプレス2を使っておりますが、それは、エンプレス2の方が審美性に優れるためです

エンプレス2はガラスセラミックスを使っており、その透明感はさすがです。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: レインボーさん
返信日時:2008-01-22 23:53:40
ご返答が遅くなりました。
タカタ先生、ご回答ありがとうございます。

オールセラミックのページで先生が再生された画像を拝見させていただきましたが、本当にきれいですね。

担当の先生が、オールセラミックを強く推していると感じたのは「透過性」の部分です。

やはり自然に近いということを強調されていましたので。

一応次回来院時に決定することになっていますが、後悔のないようもう一度確認して決めたいと思います。

今まで歯並びも悪く、歯にコンプレックスを持っていたので、今回の治療では高額な費用はかかりますが、歯について改めて考えることもできましたし、歯並びも含めきれいになれそうなので、副産物はあったなと感じています。

もちろん今後はこれ以上悪くならないようしっかりメンテナンスを心がけたいと思います。



タイトル オールセラミックの強度は大丈夫?ジルコニアクラウンのほうが良い?
質問者 レインボーさん
地域 非公開
年齢 32歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ オールセラミック(陶器の被せ物)
補綴関連
ジルコニアクラウン
回答者




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