虫歯が「進行」する原因とは?(虫歯は本当に感染症?)
相談者:
shigeさん (34歳:男性)
投稿日時:2008-01-20 00:42:21
こんばんは。
先日、虫歯を削るか削らないか、歯医者の探し方について質問させていただきました。
関連するのですがちょっと別の(今度は理屈的な)話題になるので別項目で質問させていただきます。
基本的なことですが、ずっと前から何度も本を読んでも、歯医者さんに聞いてもよくわからず納得いかなかったことがあります。
それは、虫歯になる原因はプラーク内の虫歯菌が酸を出して歯を溶かすことだと、あちらこちらに書いてありわかるのですが、虫歯が進行する原因も結局全く同じなのですよね?
そうすると、虫歯の「進行」というのは他の体の病気(例えば癌とか)が「進行」するのとはちょっと意味が違うのですよね。
普通の病気の進行は病原菌なりウィルスがどんどん増殖していくようなことだと思いますが、虫歯の進行というのは、単に前に溶けて穴が開いた歯の部分にプラークがたまりやすくなって、再度最初に溶けたのと同じ原因で歯が溶かされて、結果として穴が大きくなり、エナメル質や象牙質に達すること、ということで間違いないでしょうか。
(よってプラークコントロールが仮に完全にできたとすれば虫歯は「進行」しない)
最近こちらのサイトの相談室などを見てようやく上記の結論に達しつつありますが、ずーっとこの点がもやもやとしてよくわかりませんでした。
先生方にとっては「何を今更」という感じかもしれませんが、私にとっては長い間の疑問ですので明快に答えていただけますと幸いです。
もし私の書いたものが少しでも違ったニュアンスがありましたら遠慮なくご指摘いただけると幸いです。
よろしくお願い致します。
先日、虫歯を削るか削らないか、歯医者の探し方について質問させていただきました。
関連するのですがちょっと別の(今度は理屈的な)話題になるので別項目で質問させていただきます。
基本的なことですが、ずっと前から何度も本を読んでも、歯医者さんに聞いてもよくわからず納得いかなかったことがあります。
それは、虫歯になる原因はプラーク内の虫歯菌が酸を出して歯を溶かすことだと、あちらこちらに書いてありわかるのですが、虫歯が進行する原因も結局全く同じなのですよね?
そうすると、虫歯の「進行」というのは他の体の病気(例えば癌とか)が「進行」するのとはちょっと意味が違うのですよね。
普通の病気の進行は病原菌なりウィルスがどんどん増殖していくようなことだと思いますが、虫歯の進行というのは、単に前に溶けて穴が開いた歯の部分にプラークがたまりやすくなって、再度最初に溶けたのと同じ原因で歯が溶かされて、結果として穴が大きくなり、エナメル質や象牙質に達すること、ということで間違いないでしょうか。
(よってプラークコントロールが仮に完全にできたとすれば虫歯は「進行」しない)
最近こちらのサイトの相談室などを見てようやく上記の結論に達しつつありますが、ずーっとこの点がもやもやとしてよくわかりませんでした。
先生方にとっては「何を今更」という感じかもしれませんが、私にとっては長い間の疑問ですので明快に答えていただけますと幸いです。
もし私の書いたものが少しでも違ったニュアンスがありましたら遠慮なくご指摘いただけると幸いです。
よろしくお願い致します。
回答1
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2008-01-20 01:05:37
どこまで厳密に言えばいいんだろう…。
曖昧な表現でよければ
>プラークコントロールが仮に完全にできたとすれば虫歯は「進行」しない
と表現しても過言ではないと思います。
しかし、完全なプラークコントロールと言うのは不可能ですし、ミュータンス菌を完全に除菌することも不可能です。
「理論的にはOK。でも臨床的にはNG」
と言った所じゃないでしょうか。
と、言うのも、人間の口の中を「滅菌」することは不可能ですし、プロフェッショナルエアも完全ねものと言うのミュージカルを「やるよ」と言っているだけでしょう。
とにもかくに
「セルフケアとプロフェッショナルケアと一般液なセルフケアを調べる必要がありますね。
曖昧な表現でよければ
>プラークコントロールが仮に完全にできたとすれば虫歯は「進行」しない
と表現しても過言ではないと思います。
しかし、完全なプラークコントロールと言うのは不可能ですし、ミュータンス菌を完全に除菌することも不可能です。
「理論的にはOK。でも臨床的にはNG」
と言った所じゃないでしょうか。
と、言うのも、人間の口の中を「滅菌」することは不可能ですし、プロフェッショナルエアも完全ねものと言うのミュージカルを「やるよ」と言っているだけでしょう。
とにもかくに
「セルフケアとプロフェッショナルケアと一般液なセルフケアを調べる必要がありますね。
回答2
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2008-01-20 14:33:52
感染症には2つのタイプがあります。
例、下痢について
1)冷たいものを食べ過ぎて下痢をしたとします。
これは、腸の中の細菌叢が変化して、普段は悪さをしない常在菌(いつも腸の中に住み着いているが普段は悪さをしない)のバランスが崩れて、下痢をします。
2)食中毒で下痢をしたとします。
これは、普段体に中にいないボツリヌス菌などの細菌が、体の中に入ってきて、病気を起こします。
虫歯の場合は、乳幼児を除いては1)のタイプです。
(乳幼児にたいしては、はっきりわかりません。虫歯菌がいつ常在菌化するのかまだはっきりしていません。)
ですから、普段から細菌(虫歯菌)は歯の表面にいます。タイヨウ先生がおっしゃるように、どんなに歯磨きしたもゼロにはできません。
また限りなくゼロに近づけても、すぐにもとのバランスに戻ろうとします。
(予断ですが、だから3DSって意味無いんですよね)
次にもう一つ特徴として、硬組織に感染するということです。
軟組織に対する感染症は、最終的には組織が再生してもとの組織にもどります。
では、歯をほかの硬組織と比較して見ましょう。
エナメル質に相当する部分は、発生学的に見れば、爪に近いと思います。
(かなり違いますけど)
象牙質は骨に近い組織です。
(これもかなり無理があるかもしれません)
爪も骨も基本的には再生します。
しかし、歯は脱灰下だけなら、再石灰化は場合によって可能ですが、完全に壊れてしまうと再生しません。
象牙質の場合は、病気の進行に対応して、歯髄の中に新たな象牙質(もともとの象牙質とは組成はちょっと違いますが)を作ることがあります。
(再生とはチョット意味合いが違うかもしれません)
もう一つ、骨と象牙質の違い。
象牙質は、エナメル質という薄い上皮組織の真下にあり、体腔表面に非常に近いところにあり、細菌感染が到達しやすいところにある。
しかもエナメル質は再生しないので、いったんエナメル質が破壊されると、象牙質はむき出しになってします。
骨は、上皮組織、結合組織、筋肉などの組織の中深くにあり、何かあっても、周りの軟組織が再生して守ろうとします。
もう一つ、大きな違い。
骨膜炎、骨髄炎のように、骨に細菌感染しても、骨を直接破壊するのは、破骨細胞という体の中に持っているものです。
細菌や細菌の出す毒素が骨を直接吸収することはありません。
歯は、細菌が直接くっついて、細菌の出す毒素(酸)によって、まず脱灰(石灰分が抜け出す)が起こります。
次に脱灰して、残った基質(有機質)に力が加わり(物をかんだりして)完全に組織が破壊されて、穴が開くのです。
書いているうちに、質問の答えから遠ざかってきてしまいましたが、参考にしてください。
例、下痢について
1)冷たいものを食べ過ぎて下痢をしたとします。
これは、腸の中の細菌叢が変化して、普段は悪さをしない常在菌(いつも腸の中に住み着いているが普段は悪さをしない)のバランスが崩れて、下痢をします。
2)食中毒で下痢をしたとします。
これは、普段体に中にいないボツリヌス菌などの細菌が、体の中に入ってきて、病気を起こします。
虫歯の場合は、乳幼児を除いては1)のタイプです。
(乳幼児にたいしては、はっきりわかりません。虫歯菌がいつ常在菌化するのかまだはっきりしていません。)
ですから、普段から細菌(虫歯菌)は歯の表面にいます。タイヨウ先生がおっしゃるように、どんなに歯磨きしたもゼロにはできません。
また限りなくゼロに近づけても、すぐにもとのバランスに戻ろうとします。
(予断ですが、だから3DSって意味無いんですよね)
次にもう一つ特徴として、硬組織に感染するということです。
軟組織に対する感染症は、最終的には組織が再生してもとの組織にもどります。
では、歯をほかの硬組織と比較して見ましょう。
エナメル質に相当する部分は、発生学的に見れば、爪に近いと思います。
(かなり違いますけど)
象牙質は骨に近い組織です。
(これもかなり無理があるかもしれません)
爪も骨も基本的には再生します。
しかし、歯は脱灰下だけなら、再石灰化は場合によって可能ですが、完全に壊れてしまうと再生しません。
象牙質の場合は、病気の進行に対応して、歯髄の中に新たな象牙質(もともとの象牙質とは組成はちょっと違いますが)を作ることがあります。
(再生とはチョット意味合いが違うかもしれません)
もう一つ、骨と象牙質の違い。
象牙質は、エナメル質という薄い上皮組織の真下にあり、体腔表面に非常に近いところにあり、細菌感染が到達しやすいところにある。
しかもエナメル質は再生しないので、いったんエナメル質が破壊されると、象牙質はむき出しになってします。
骨は、上皮組織、結合組織、筋肉などの組織の中深くにあり、何かあっても、周りの軟組織が再生して守ろうとします。
もう一つ、大きな違い。
骨膜炎、骨髄炎のように、骨に細菌感染しても、骨を直接破壊するのは、破骨細胞という体の中に持っているものです。
細菌や細菌の出す毒素が骨を直接吸収することはありません。
歯は、細菌が直接くっついて、細菌の出す毒素(酸)によって、まず脱灰(石灰分が抜け出す)が起こります。
次に脱灰して、残った基質(有機質)に力が加わり(物をかんだりして)完全に組織が破壊されて、穴が開くのです。
書いているうちに、質問の答えから遠ざかってきてしまいましたが、参考にしてください。
回答3
回答日時:2008-01-20 14:50:34
こんにちは。
お二人の先生のおっしゃる通りですが・・
虫歯の状態の時には、穴の表面だけに細菌がいる訳ではありませんからね。
たぶんここが問題の様な・・。
虫歯になっている時点では細菌はすでに象牙質等の内部にまで入り込んでしまっていますから、歯ブラシでは取れませんよ。
感染している象牙質ごと取り除いて、新たに細菌を溜めなければOKです。
それ以上は進みません。
?感染歯質の除去 → ?穴の封鎖
↑これがいわゆる、削って詰める、虫歯治療ですね^^
お二人の先生のおっしゃる通りですが・・
虫歯の状態の時には、穴の表面だけに細菌がいる訳ではありませんからね。
たぶんここが問題の様な・・。
虫歯になっている時点では細菌はすでに象牙質等の内部にまで入り込んでしまっていますから、歯ブラシでは取れませんよ。
感染している象牙質ごと取り除いて、新たに細菌を溜めなければOKです。
それ以上は進みません。
?感染歯質の除去 → ?穴の封鎖
↑これがいわゆる、削って詰める、虫歯治療ですね^^
回答4
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2008-01-20 15:14:03
>虫歯になっている時点では細菌はすでに象牙質等の内部にまで入り込んでしまっていますから、歯ブラシでは取れませんよ。
必ずしもそうでは無いように思いますね。
いつの時点から象牙質に直接細菌が感染するのでしょうか。
エナメル質の表層が破壊されていれば、象牙質の感染は予測されます。
表層の崩壊があるか無いかで、進行の速度が変わってくることからも想像がつきます。
エナメル質が崩壊されていない状況ではどうでしょうか。
象牙質にわずかに入っただけの虫歯で、象牙質に感染しているようには思えません。
もう少し進んだ場合はどうでしょうか。
私にもわかりませんが、疑問に思うことは、崩壊が起きていないような状態で、酸のような小さな分子は進入できるかもしれませんが、ミュータンス菌のような直径10μもあるような大きなものが進入できるのか。
また、進入したとしても、好気性菌が生息できるのでしょうか。
でもいつの段階からか、象牙質にも感染が起こるわけですから、私にとっては大きな謎です。
必ずしもそうでは無いように思いますね。
いつの時点から象牙質に直接細菌が感染するのでしょうか。
エナメル質の表層が破壊されていれば、象牙質の感染は予測されます。
表層の崩壊があるか無いかで、進行の速度が変わってくることからも想像がつきます。
エナメル質が崩壊されていない状況ではどうでしょうか。
象牙質にわずかに入っただけの虫歯で、象牙質に感染しているようには思えません。
もう少し進んだ場合はどうでしょうか。
私にもわかりませんが、疑問に思うことは、崩壊が起きていないような状態で、酸のような小さな分子は進入できるかもしれませんが、ミュータンス菌のような直径10μもあるような大きなものが進入できるのか。
また、進入したとしても、好気性菌が生息できるのでしょうか。
でもいつの段階からか、象牙質にも感染が起こるわけですから、私にとっては大きな謎です。
相談者からの返信
相談者:
shigeさん
返信日時:2008-01-21 00:21:43
タイヨウ先生、小牧先生、渡辺先生、ご回答ありがとうございます。
たくさんの情報をいただいて感謝です。
全てためになる情報でしたが、個人的には小牧先生の回答2が私の欲してる方向に一番近いかと思いました。
(答えから遠ざかってません。ちょっと難しいですけど。。)
よく「虫歯は感染症の1つだ」と書いてあるのですが、なんか違和感を覚えていたんです。
だって感染症だったら感染しないようにすればいい、となるはずなのに、多くの解説では生まれつき口内には無いけど、赤ん坊のときに母親などから感染する。だから感染症だ、と書いてあるんですけど、一度感染したらゼロにならないらしいし、それじゃあ「虫歯は感染症だ」と言われても救いが無くて、それを言う意味がないんじゃないかと。。
更に「虫歯」というのは物理的欠損が発生してはじめて「虫歯」なんですよね?
だったら上記の意味で言う「感染」は虫歯の原因ができたというだけで即「虫歯」ではないですよね?
エイズのように、感染はしたが発症はしてない、とでも言うのでしょうか。
しかし渡辺先生、小牧先生のやり取りを見ると、「感染」は虫歯菌が口内に住み着いた(「常在化する」というのでしょうか)時点の他に、象牙質等の歯質自体への「感染」もあると。
私の新たな疑問をまとめると、
1.「虫歯は感染症だ」というときの「感染」は?赤ん坊のときに虫歯菌が口内に住みつくこと、?歯質自体に虫歯菌が感染すること、のどちらを指すのでしょうか。あるいは両方指すのでしょうか。
2.「虫歯」というのは歯の物理的欠損を指すのでしょうか、それとも上記?を指すのでしょうか。
3.歯質自体に虫歯菌が感染せずに、歯の物理的欠損のみ、ということはあるのでしょうか。(この場合の初期に再石灰化で治る?)
4.歯質自体に虫歯菌が感染している場合、歯の表面のプラークコントロールを行っても、虫歯の進行を抑えることはできないのではないでしょうか。だとすればこの場合、虫歯の「進行」を人為的に抑えたり遅らせたりする方法はあるのでしょうか?
素人なので認識がずれてるかもしれませんが^^;
よろしくお願いします。
たくさんの情報をいただいて感謝です。
全てためになる情報でしたが、個人的には小牧先生の回答2が私の欲してる方向に一番近いかと思いました。
(答えから遠ざかってません。ちょっと難しいですけど。。)
よく「虫歯は感染症の1つだ」と書いてあるのですが、なんか違和感を覚えていたんです。
だって感染症だったら感染しないようにすればいい、となるはずなのに、多くの解説では生まれつき口内には無いけど、赤ん坊のときに母親などから感染する。だから感染症だ、と書いてあるんですけど、一度感染したらゼロにならないらしいし、それじゃあ「虫歯は感染症だ」と言われても救いが無くて、それを言う意味がないんじゃないかと。。
更に「虫歯」というのは物理的欠損が発生してはじめて「虫歯」なんですよね?
だったら上記の意味で言う「感染」は虫歯の原因ができたというだけで即「虫歯」ではないですよね?
エイズのように、感染はしたが発症はしてない、とでも言うのでしょうか。
しかし渡辺先生、小牧先生のやり取りを見ると、「感染」は虫歯菌が口内に住み着いた(「常在化する」というのでしょうか)時点の他に、象牙質等の歯質自体への「感染」もあると。
私の新たな疑問をまとめると、
1.「虫歯は感染症だ」というときの「感染」は?赤ん坊のときに虫歯菌が口内に住みつくこと、?歯質自体に虫歯菌が感染すること、のどちらを指すのでしょうか。あるいは両方指すのでしょうか。
2.「虫歯」というのは歯の物理的欠損を指すのでしょうか、それとも上記?を指すのでしょうか。
3.歯質自体に虫歯菌が感染せずに、歯の物理的欠損のみ、ということはあるのでしょうか。(この場合の初期に再石灰化で治る?)
4.歯質自体に虫歯菌が感染している場合、歯の表面のプラークコントロールを行っても、虫歯の進行を抑えることはできないのではないでしょうか。だとすればこの場合、虫歯の「進行」を人為的に抑えたり遅らせたりする方法はあるのでしょうか?
素人なので認識がずれてるかもしれませんが^^;
よろしくお願いします。
回答5
歯医者/歯科情報の歯チャンネル運営者の田尾です。
回答日時:2008-01-21 00:58:42
なんだかやけに難しい話になっていますが、もっと単純に考えられたほうが良いかも…^^;
「虫歯」=「細菌の出す酸によって歯が溶かされる病気」
つまり大元の原因は「細菌」ですから、「感染症」と言われるわけです。
細菌がいても歯が溶かされていなかったり、細菌の出す酸以外で歯が溶かされた場合などは、虫歯とは言いません。
※細菌の出す酸以外の酸(胃酸や酢酸など)で歯が溶かされた場合は「酸蝕症」といいます。
まずは、当サイトの虫歯の説明をよく読んでみてください。
たぶん、ほぼ全てのご質問の答えが書かれていると思いますよ。
⇒参考:虫歯(むし歯)
あと、普通の感染症と虫歯の一番大きな違いは、普通の感染症の場合には感染源の細菌を退治することが根治治療となりますが、虫歯の場合は細菌をゼロにすることは不可能だということです。
ですので、歯磨きで細菌数をできるだけ減らすということ以外に、
・食事の仕方
・フッ素の利用
なども必要になってくるわけです。
「虫歯」=「細菌の出す酸によって歯が溶かされる病気」
つまり大元の原因は「細菌」ですから、「感染症」と言われるわけです。
細菌がいても歯が溶かされていなかったり、細菌の出す酸以外で歯が溶かされた場合などは、虫歯とは言いません。
※細菌の出す酸以外の酸(胃酸や酢酸など)で歯が溶かされた場合は「酸蝕症」といいます。
まずは、当サイトの虫歯の説明をよく読んでみてください。
たぶん、ほぼ全てのご質問の答えが書かれていると思いますよ。
⇒参考:虫歯(むし歯)
あと、普通の感染症と虫歯の一番大きな違いは、普通の感染症の場合には感染源の細菌を退治することが根治治療となりますが、虫歯の場合は細菌をゼロにすることは不可能だということです。
ですので、歯磨きで細菌数をできるだけ減らすということ以外に、
・食事の仕方
・フッ素の利用
なども必要になってくるわけです。
回答6
ポプラ小児歯科医院(千葉県茂原市)の森川です。
回答日時:2008-01-21 19:32:44
shigeさんと同様に実は私も虫歯が感染症であるというのには違和感があります。
細菌が原因であることには間違いはないですが、感染症の定義に当てはまるのかどうかという意味でどうもしっくりきません。
というのも、感染は細菌が体内に侵入し定着、増殖して初めて成立するかと思いますが、歯のエナメル質象牙質は体内なのかといった疑問があります。
口腔内はもちろん体外です。
歯のエナメル質、象牙質は体内と体外の境界に位置するのは間違いないのですが、生きた細胞はいません。代謝もありません。髪の毛や爪と似たようなものです。
虫歯C1、C2程度の虫歯の場合は、その部分が細菌の代謝産物によって不可逆的な破壊を受けた状態です。
発熱、腫脹といった免疫反応はまったく起こりませんし、他の臓器もまったく影響をうけません。こういった点が他の感染症とはまったく異なります。
ただ、C3程度の虫歯になると、状況はまったく一変し、他の感染症と同様の反応を起こします。
その原因菌が、(結核やエイズのような)人間の体内でしか増殖できない微生物ではなくて、(中耳炎のように)体外に常在する微生物であるかどうかの違いだけです。
対応も同じで、組織の修復が期待できる部分(歯肉、骨)に対しては原因菌に対して抗生剤の投与、修復が期待できない部分(歯)に対しては、感染部位の除去(抜髄、抜歯)の処置を行うことになります。
細菌が原因であることには間違いはないですが、感染症の定義に当てはまるのかどうかという意味でどうもしっくりきません。
というのも、感染は細菌が体内に侵入し定着、増殖して初めて成立するかと思いますが、歯のエナメル質象牙質は体内なのかといった疑問があります。
口腔内はもちろん体外です。
歯のエナメル質、象牙質は体内と体外の境界に位置するのは間違いないのですが、生きた細胞はいません。代謝もありません。髪の毛や爪と似たようなものです。
虫歯C1、C2程度の虫歯の場合は、その部分が細菌の代謝産物によって不可逆的な破壊を受けた状態です。
発熱、腫脹といった免疫反応はまったく起こりませんし、他の臓器もまったく影響をうけません。こういった点が他の感染症とはまったく異なります。
ただ、C3程度の虫歯になると、状況はまったく一変し、他の感染症と同様の反応を起こします。
その原因菌が、(結核やエイズのような)人間の体内でしか増殖できない微生物ではなくて、(中耳炎のように)体外に常在する微生物であるかどうかの違いだけです。
対応も同じで、組織の修復が期待できる部分(歯肉、骨)に対しては原因菌に対して抗生剤の投与、修復が期待できない部分(歯)に対しては、感染部位の除去(抜髄、抜歯)の処置を行うことになります。
回答7
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2008-01-22 00:32:27
1.?は外因感染(外から這いいてきた細菌によって引き起こされる)?は内因感染(住み着いている常在菌が増えて起こる)という違いです。
その境がどこなのかははっきりしません。
2.物理的な変化ではなく、組織的な変化で歯判断するのだと思います。
しかし、はっきりした定義はまだ無いと思います。
3.田尾先生がおっしゃるとおり、虫歯ではなく、咬耗症・磨耗症・酸蝕症といって、物理的・化学的な侵食によって起こります。
4.あります、それが虫歯予防です。
>あと、普通の感染症と虫歯の一番大きな違いは、普通の感染症の場合には感染源の細菌を退治することが根治治療となりますが、虫歯の場合は細菌をゼロにすることは不可能だということです
これは、虫歯と他の感染症の違いではなく、内因感染と外因感染の違いだと思います。
>shigeさんと同様に実は私も虫歯が感染症であるというのには違和感があります。細菌が原因であることには間違いはないですが、感染症の定義に当てはまるのかどうかという意味でどうもしっくりきません。
他の感染症とも違うところが多いのですが、現段階ではやはり感染症でしょう。
将来定義が変われば別ですが。
ほかに分類するところがありません。
>というのも、感染は細菌が体内に侵入し定着、増殖して初めて成立するかと思いますが、歯のエナメル質象牙質は体内なのかといった疑問があります。
明らかに体内でしょう、体外とするにはかなり無理があります。
>口腔内はもちろん体外です。歯のエナメル質、象牙質は体内と体外の境界に位置するのは間違いないのですが、生きた細胞はいません。代謝もありません。髪の毛や爪と似たようなものです。
エナメル質はそうかもしれませんが、象牙質は髪の毛やつめとはまったく違います。生きた細胞の一部を含みます。
>虫歯C1、C2程度の虫歯の場合は、その部分が細菌の代謝産物によって不可逆的な破壊を受けた状態です。発熱、腫脹といった免疫反応はまったく起こりませんし、
いいえ、C1の段階ですでに、免疫反応が起こっていると思いましたが。
>他の臓器もまったく影響をうけません。こういった点が他の感染症とはまったく異なります。
他の臓器が影響しない感染症もたくさんあると思いますが。
たとえば、水虫。
その境がどこなのかははっきりしません。
2.物理的な変化ではなく、組織的な変化で歯判断するのだと思います。
しかし、はっきりした定義はまだ無いと思います。
3.田尾先生がおっしゃるとおり、虫歯ではなく、咬耗症・磨耗症・酸蝕症といって、物理的・化学的な侵食によって起こります。
4.あります、それが虫歯予防です。
>あと、普通の感染症と虫歯の一番大きな違いは、普通の感染症の場合には感染源の細菌を退治することが根治治療となりますが、虫歯の場合は細菌をゼロにすることは不可能だということです
これは、虫歯と他の感染症の違いではなく、内因感染と外因感染の違いだと思います。
>shigeさんと同様に実は私も虫歯が感染症であるというのには違和感があります。細菌が原因であることには間違いはないですが、感染症の定義に当てはまるのかどうかという意味でどうもしっくりきません。
他の感染症とも違うところが多いのですが、現段階ではやはり感染症でしょう。
将来定義が変われば別ですが。
ほかに分類するところがありません。
>というのも、感染は細菌が体内に侵入し定着、増殖して初めて成立するかと思いますが、歯のエナメル質象牙質は体内なのかといった疑問があります。
明らかに体内でしょう、体外とするにはかなり無理があります。
>口腔内はもちろん体外です。歯のエナメル質、象牙質は体内と体外の境界に位置するのは間違いないのですが、生きた細胞はいません。代謝もありません。髪の毛や爪と似たようなものです。
エナメル質はそうかもしれませんが、象牙質は髪の毛やつめとはまったく違います。生きた細胞の一部を含みます。
>虫歯C1、C2程度の虫歯の場合は、その部分が細菌の代謝産物によって不可逆的な破壊を受けた状態です。発熱、腫脹といった免疫反応はまったく起こりませんし、
いいえ、C1の段階ですでに、免疫反応が起こっていると思いましたが。
>他の臓器もまったく影響をうけません。こういった点が他の感染症とはまったく異なります。
他の臓器が影響しない感染症もたくさんあると思いますが。
たとえば、水虫。
回答8
回答9
相談者からの返信
相談者:
shigeさん
返信日時:2008-01-23 18:01:19
田尾先生、森川先生、小牧先生、情報ありがとうございます。
自分でも何が聞きたかったかわからなくなりかけましたが、
最初の自分の中の疑問に戻ってよくよく自問・自答したところ、
既に先生方のお答の中で十分に答えが出てるように思いました。
大変ご迷惑をおかけしました。
私が確認したかったのは結局、
1.プラークコントロールをすれば虫歯の「進行」をある程度抑えることができる。
(歯質外部から新たに虫歯菌に感染するのを防げるため?)
→YES
2.しかし歯質が感染して細菌が入り込んでしまった虫歯についてはプラークコントロールで除去できず、内部の細菌が(早い遅いに関わらず)増殖するので進行を完全に止めることはできない。
→YES
ということでした。
(質問時の私の認識は誤りということですね。。。)
なんだそんなことかと言われそうですが、
「虫歯にかかることとその予防」についてはいろんなところに書いてありますが、「一度かかってしまった虫歯の進行とその予防」については意外に書かれていませんし、今までかかった歯医者さんもはっきり答えてくれなかったので。。
ところで(すみません)最後にこれだけ確認させていただきたいのですが、、
歯質が感染に至らない虫歯、したがってプラークコントロールを続けることで理論上は現状を維持できる虫歯というのは存在するのでしょうか。
(C0は再石灰化で完全修復するというくらいですから、あるとすればこれに含まれるのですよね?)
あるとするとその(感染に至った虫歯と至らない虫歯の)境目はどこにあって、外部からはどのようにして判断可能なのでしょうか。
自分でも何が聞きたかったかわからなくなりかけましたが、
最初の自分の中の疑問に戻ってよくよく自問・自答したところ、
既に先生方のお答の中で十分に答えが出てるように思いました。
大変ご迷惑をおかけしました。
私が確認したかったのは結局、
1.プラークコントロールをすれば虫歯の「進行」をある程度抑えることができる。
(歯質外部から新たに虫歯菌に感染するのを防げるため?)
→YES
2.しかし歯質が感染して細菌が入り込んでしまった虫歯についてはプラークコントロールで除去できず、内部の細菌が(早い遅いに関わらず)増殖するので進行を完全に止めることはできない。
→YES
ということでした。
(質問時の私の認識は誤りということですね。。。)
なんだそんなことかと言われそうですが、
「虫歯にかかることとその予防」についてはいろんなところに書いてありますが、「一度かかってしまった虫歯の進行とその予防」については意外に書かれていませんし、今までかかった歯医者さんもはっきり答えてくれなかったので。。
ところで(すみません)最後にこれだけ確認させていただきたいのですが、、
歯質が感染に至らない虫歯、したがってプラークコントロールを続けることで理論上は現状を維持できる虫歯というのは存在するのでしょうか。
(C0は再石灰化で完全修復するというくらいですから、あるとすればこれに含まれるのですよね?)
あるとするとその(感染に至った虫歯と至らない虫歯の)境目はどこにあって、外部からはどのようにして判断可能なのでしょうか。
回答10
ポプラ小児歯科医院(千葉県茂原市)の森川です。
回答日時:2008-01-23 21:31:16
完全な亀レスで申し訳ないのですが、井野先生の書き込みからもどうもわかりづらい書き方をしてしまったようなので、ちょっと追加させてください。
>1.「虫歯は感染症だ」というときの「感染」は?赤ん坊のときに虫歯菌が口内に住みつくこと、?歯質自体に虫歯菌が感染すること、のどちらを指すのでしょうか。あるいは両方指すのでしょうか。
これなんですが、?と捕らえるか?と捕らえるかで対応は大違いかと思います。
?は、虫歯の原因菌は本来、口の中にはいないもので、その菌を家族等からうつされなければ、虫歯には絶対にならない。
?は、虫歯の原因菌は、出産後すぐに、いとも簡単に口の中(体外)へ移り住み、完全な排除は不能。ある特定の条件下において、歯質(体内と体外の境界部分)に進入、定着して虫歯ができる。
「虫歯は感染症だったんだ、知らなかった」なんて人には?が多いようです。
小牧先生も書かれた”狭義の意味での内因性感染”(=自己常在菌が本来の常在場所以外の組織に侵入して起こした感染症)といったことを理解していないからかもしれません。
ですので、虫歯は感染症だが、その原因菌がまったくいない口腔内を作ることは不可能と考え、個体の外から内(口腔内)への感染予防ではなくて、口腔内から歯質への感染予防を行うべきかと思います。
(shigeさんはすでにご理解いただいているかとは思いますが、どうしても書きたくなってしまったもので、すいません。)
>1.「虫歯は感染症だ」というときの「感染」は?赤ん坊のときに虫歯菌が口内に住みつくこと、?歯質自体に虫歯菌が感染すること、のどちらを指すのでしょうか。あるいは両方指すのでしょうか。
これなんですが、?と捕らえるか?と捕らえるかで対応は大違いかと思います。
?は、虫歯の原因菌は本来、口の中にはいないもので、その菌を家族等からうつされなければ、虫歯には絶対にならない。
?は、虫歯の原因菌は、出産後すぐに、いとも簡単に口の中(体外)へ移り住み、完全な排除は不能。ある特定の条件下において、歯質(体内と体外の境界部分)に進入、定着して虫歯ができる。
「虫歯は感染症だったんだ、知らなかった」なんて人には?が多いようです。
小牧先生も書かれた”狭義の意味での内因性感染”(=自己常在菌が本来の常在場所以外の組織に侵入して起こした感染症)といったことを理解していないからかもしれません。
ですので、虫歯は感染症だが、その原因菌がまったくいない口腔内を作ることは不可能と考え、個体の外から内(口腔内)への感染予防ではなくて、口腔内から歯質への感染予防を行うべきかと思います。
(shigeさんはすでにご理解いただいているかとは思いますが、どうしても書きたくなってしまったもので、すいません。)
回答11
ポプラ小児歯科医院(千葉県茂原市)の森川です。
回答日時:2008-01-25 00:14:03
>「虫歯にかかることとその予防」についてはいろんなところに書いてあ>りますが、「一度かかってしまった虫歯の進行とその予防」については>意外に書かれていませんし、今までかかった歯医者さんもはっきり答え>てくれなかったので。。
基本的には同じかと思います。
あと、予防では使用しないが進行を遅くする目的で使用する薬剤にサホライド(歯が黒くなる進行止め)があります。乳歯では良く使われますが、永久歯ではあまり使いませんね。
>歯質が感染に至らない虫歯、したがってプラークコントロールを続ける>ことで理論上は現状を維持できる虫歯というのは存在するのでしょうか。
たとえば、エナメル質に明らかな感染があり、その部分を除去して、かつ修復しなくても、長期にわたって臨床的には何の問題もでないこともあるくらいですから、(感染していなければ虫歯ではないようにも思いますが?)感染していない虫歯であれば、当然、維持は不可能ではないと思います。
>(C0は再石灰化で完全修復するというくらいですから、あるとすれば>これに含まれるのですよね?)
COの場合、白濁は元に戻りませんので、完全に修復するとまではいかないかと思いますが、機能的には健全歯と遜色のない状態には戻る可能性はあると思います。
>あるとするとその(感染に至った虫歯と至らない虫歯の)境目はどこに>あって、外部からはどのようにして判断可能なのでしょうか。
元に戻るか戻らないかの境目ですよね・・・これって、難しいですね。
組織学的な境界は私にはわかりません。
でも、shigeさんはおそらく、それを聞きたいわけじゃないですよね。
臨床的には、
実質欠損(陥凹)ができてしまった場合、それはもとにはもどらない。
着色してしまった場合も、それはもとにはもどらない。
ただ、(初期のエナメル質の虫歯においては)進行がほとんど停止しているような状況には持っていくことは不可能ではない
といったことは言えるのではないかと思います。
基本的には同じかと思います。
あと、予防では使用しないが進行を遅くする目的で使用する薬剤にサホライド(歯が黒くなる進行止め)があります。乳歯では良く使われますが、永久歯ではあまり使いませんね。
>歯質が感染に至らない虫歯、したがってプラークコントロールを続ける>ことで理論上は現状を維持できる虫歯というのは存在するのでしょうか。
たとえば、エナメル質に明らかな感染があり、その部分を除去して、かつ修復しなくても、長期にわたって臨床的には何の問題もでないこともあるくらいですから、(感染していなければ虫歯ではないようにも思いますが?)感染していない虫歯であれば、当然、維持は不可能ではないと思います。
>(C0は再石灰化で完全修復するというくらいですから、あるとすれば>これに含まれるのですよね?)
COの場合、白濁は元に戻りませんので、完全に修復するとまではいかないかと思いますが、機能的には健全歯と遜色のない状態には戻る可能性はあると思います。
>あるとするとその(感染に至った虫歯と至らない虫歯の)境目はどこに>あって、外部からはどのようにして判断可能なのでしょうか。
元に戻るか戻らないかの境目ですよね・・・これって、難しいですね。
組織学的な境界は私にはわかりません。
でも、shigeさんはおそらく、それを聞きたいわけじゃないですよね。
臨床的には、
実質欠損(陥凹)ができてしまった場合、それはもとにはもどらない。
着色してしまった場合も、それはもとにはもどらない。
ただ、(初期のエナメル質の虫歯においては)進行がほとんど停止しているような状況には持っていくことは不可能ではない
といったことは言えるのではないかと思います。
回答12
E Eデンタル(愛知県豊橋市)の井野です。
回答日時:2008-01-25 01:13:23
>初期う蝕の歯牙の歯髄における病理組織学的変化はどうなってるの?
すみません、初期虫歯C1による病理組織学的変化のことが探しきれません。
というかC1程度の歯髄組織の変化など考えたことなかったです。
「C2カリエスについて」
調べると歯髄表層には樹状細胞が象牙芽細胞間、象牙細管内にまで突起を伸ばし、象牙細管経由の抗原侵襲を検知し、その情報をTリンパ球に伝達し、免疫応答を始動させていると今は考えられてるみたいですね。
歯髄内樹状細胞は浅在性の象牙質齲蝕の段階より限局的に集積され(局部的に樹状細胞の密度が増える)ていることも検知されている。
この時点でTリンパ球も集積され、局所における相互作用が象牙細管経由の齲蝕侵襲に対して初期免疫応答に重要な役割を示していると示唆される。
とあります。
一方Bリンパ球は深在性の齲蝕や、不可逆性の歯髄炎になり著しい増加を示すようです。
最近の研究では、レジン修復した歯髄にも樹状細胞の集積が見られるそうです。
久しぶりに最近の基礎系の本を読んだら凄い勢いで研究がされているのですね^^
めざせ「歯髄の再生」ですかね^^
引き続きC1の歯髄における組織学的変化調べてみます。
C2からの文献は比較的多いのですが、C1はまだ見たことないです(T T)
C1って歯髄組織が感知出来ているのですかね!?
まずそこが疑問です・・・
すみません、初期虫歯C1による病理組織学的変化のことが探しきれません。
というかC1程度の歯髄組織の変化など考えたことなかったです。
「C2カリエスについて」
調べると歯髄表層には樹状細胞が象牙芽細胞間、象牙細管内にまで突起を伸ばし、象牙細管経由の抗原侵襲を検知し、その情報をTリンパ球に伝達し、免疫応答を始動させていると今は考えられてるみたいですね。
歯髄内樹状細胞は浅在性の象牙質齲蝕の段階より限局的に集積され(局部的に樹状細胞の密度が増える)ていることも検知されている。
この時点でTリンパ球も集積され、局所における相互作用が象牙細管経由の齲蝕侵襲に対して初期免疫応答に重要な役割を示していると示唆される。
とあります。
一方Bリンパ球は深在性の齲蝕や、不可逆性の歯髄炎になり著しい増加を示すようです。
最近の研究では、レジン修復した歯髄にも樹状細胞の集積が見られるそうです。
久しぶりに最近の基礎系の本を読んだら凄い勢いで研究がされているのですね^^
めざせ「歯髄の再生」ですかね^^
引き続きC1の歯髄における組織学的変化調べてみます。
C2からの文献は比較的多いのですが、C1はまだ見たことないです(T T)
C1って歯髄組織が感知出来ているのですかね!?
まずそこが疑問です・・・
回答13
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2008-01-26 00:51:22
そうですね、C2では確実に歯髄で炎症反応が起こっていますね。
ちなみに井野先生に先日お話したSPDAのコースでは、この樹状細胞が歯髄にも存在することを発見した Pro. Mats Jontell の講義もありますよ。
気さくないい先生です、口腔粘膜病変のスライドをいただきました。
C1の定義はどうなっているんでしょうか。
臨床的な定義と組織学的な定義は一緒でしょうか。
臨床的には脱灰した範囲で期寝ると思いますが、組織的に見れば脱灰下その先に透明層ができているようですが。
そうなると、臨床的な進行よりも組織学的にはもっと進んでいることになります。
さらに組織切片を見ると、エナメル質の脱灰がEDJ間で進んでいないところでも、すでに象牙質の脱灰画始まっている像が見られます。
つまり臨床的にC1と診断される状態では、すでに象牙質まで影響しているように考えられるのですが。
組織学的考察と臨床的考察が同時になされているものが無いように思いますが。
ちなみに井野先生に先日お話したSPDAのコースでは、この樹状細胞が歯髄にも存在することを発見した Pro. Mats Jontell の講義もありますよ。
気さくないい先生です、口腔粘膜病変のスライドをいただきました。
C1の定義はどうなっているんでしょうか。
臨床的な定義と組織学的な定義は一緒でしょうか。
臨床的には脱灰した範囲で期寝ると思いますが、組織的に見れば脱灰下その先に透明層ができているようですが。
そうなると、臨床的な進行よりも組織学的にはもっと進んでいることになります。
さらに組織切片を見ると、エナメル質の脱灰がEDJ間で進んでいないところでも、すでに象牙質の脱灰画始まっている像が見られます。
つまり臨床的にC1と診断される状態では、すでに象牙質まで影響しているように考えられるのですが。
組織学的考察と臨床的考察が同時になされているものが無いように思いますが。
回答14
E Eデンタル(愛知県豊橋市)の井野です。
回答日時:2008-01-26 01:09:35
小牧先生>
>臨床的にC1と診断される状態では、すでに象牙質まで影響しているように考えられるのですが
そのC1と言うのも厳密に見ると場所にもよりませんか!?
咬頭頂のようなエナメル質が比較的厚い所と、歯頚部のような薄いところ、また象牙細管の疎な歯頚部と咬頭頂付近の象牙質とではカリエスによる歯髄の反応も異なると思うのですが。
>組織的に見れば脱灰下その先に透明層ができているようですが。
そうなんですよね、私も最初齲蝕円錐で色々考えたのですが、どうもこの考え方では矛盾が出てきて、文献に頼ってしまいました・・・
>臨床的にC1と診断される状態では、すでに象牙質まで影響しているように考えられるのですが
そのC1と言うのも厳密に見ると場所にもよりませんか!?
咬頭頂のようなエナメル質が比較的厚い所と、歯頚部のような薄いところ、また象牙細管の疎な歯頚部と咬頭頂付近の象牙質とではカリエスによる歯髄の反応も異なると思うのですが。
>組織的に見れば脱灰下その先に透明層ができているようですが。
そうなんですよね、私も最初齲蝕円錐で色々考えたのですが、どうもこの考え方では矛盾が出てきて、文献に頼ってしまいました・・・
回答15
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2008-01-26 01:30:47
そうですね、臨床的には場所によって診査法も違いますよね。
頬舌面は視診で、咬合面は視診と触診で、隣接面はレントゲンが必要になります。
診査法によって基準も変わってしまうように思うんですが。
どうしても臨床的な診断法では誤差が大きくなってしまいますよね。
臨床的にC1といった場合、組織的にどこまで進んでいるのかかなりあいまいだと思います。
頬舌面は視診で、咬合面は視診と触診で、隣接面はレントゲンが必要になります。
診査法によって基準も変わってしまうように思うんですが。
どうしても臨床的な診断法では誤差が大きくなってしまいますよね。
臨床的にC1といった場合、組織的にどこまで進んでいるのかかなりあいまいだと思います。
タイトル | 虫歯が「進行」する原因とは?(虫歯は本当に感染症?) |
---|---|
質問者 | shigeさん |
地域 | 東京23区 |
年齢 | 34歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 無職 |
カテゴリ |
虫歯その他 う蝕関連 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。