[写真あり] 根管治療後20年間ノントラブルの歯の治療をやりなおすべき?

相談者: 2004さん (43歳:女性)
投稿日時:2008-03-27 01:53:11
はじめまして。
当方、北米在住です。
よろしくお願いします。

*高校生〜大学生の頃(約25年前日本にて)、かかりつけの歯医者で、約5本(+α)、神経を抜かれた。

*それらは5本共に、全神経を抜かずに、半分だけぶっつり切られている。

*本格的にの治療をしようと、今年から審美歯科に通い始めた。

噛み合わせの調整やクラウンの変更を始める前に、この半分だけ神経を抜かれた歯に触れられ、完全に根管治療すべきと勧められた。

*2週間前に、5本のうちの1本(右上7)を根管治療を行った。

(約2時間で終了。(一日のみ) ラバーダムを使用したが、途中で外れてしまった、その際に、薬を飲み込んでしまいむせた、その後ラバーダムは使わず。)


現在、神経が半分だけ抜かれた歯は、「右下 5、6 左下 3、5」

うち左下5は、既に20年近く経って、何ら問題が起きていないこと、神経が抜かれた部分に何かが詰めてあり、残っている神経が空洞化していないこと、無駄で余計な事はなるべくしない方がいいというその歯科医の方針、の3つの理由から、治療をしないでよいと思うと言われました。


前置きが長くなりましたが、質問させていただきたいのは、以下2点です。


1)断髄(というのでしょうか?)の歯に対する根管治療に関して。

歯科医の説明では、半分だけ神経が抜いてある右下5、6、左下3は、空洞の部分があり(残っている神経と詰め物の間に何もなし)、このままにしておくと残っている神経が感染する可能性があるから、きちんと根管治療を行った方がよいとのことでした。

右下5、6、左下3は、今のところ、痛みはありません。

現在痛みや症状が全く出ていなくても、早急に治療をするべきでしょうか?
先生方でしたら、この場合、積極的に治療しますか?


2)「約2時間、しかも、その一回だけ」という根管治療もあるのでしょうか? 

他の方の相談を拝見していると、日本では、私のように2時間一回のみといったケースは全く見当たらず、少々不安です。

また、前述しましたように、先日の根管治療の際のアクシデントも、非常に気になっています。


実際私の歯を見ずに判断をすることは大変困難であることは、重々承知していますが、先生だったら、どうなさるかということで教えていただけたらと思い、投稿させていただきました。

お忙しいところ、畏れ入りますが、ご助言の程、どうぞよろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2008-03-27 22:11:30
>*それらは5本共に、全神経を抜かずに、半分だけぶっつり切られている。
>1)断髄(というのでしょうか?)のに対する根管治療に関して。

お薬が入っていないだけで切断はしてないとおもいますよ。
日本では大人の歯にまず生活歯髄切断法は行いませんから。

また日本の治療水準と海外の治療水準を同列で考えられても・・・
治療費が違い過ぎますしね^^;



>先生方でしたら、この場合、積極的に治療しますか?

過去にもよく書いていますが、私の基準で言えば根の病巣がなく痛みがなく長期間経過していれば改めて触る必要はあまりないと思いますよ。

ただし被せ物の中に大きな虫歯がある場合は根の治療を行う場合がありますが、この辺りの基準は先生にもより大きく違うことがあります。



>2)「約2時間、しかも、その一回だけ」という根管治療もあるのでしょうか? 

私はよくやりますよ。

私の医院も他の県などから来られる方が多いのでチェアータイムを長めに取り1回で終らせることはします。

1回2時間できっちり消毒を行えば特に問題ないと思います。
(ただし、時間的誓約があっても根管内が汚れた状態で終るのは駄目だと思います)

回数が多いと言うことは仮の蓋から中に唾液(細菌)がはいるリスクもそれなりに増える訳ですから。

回数より、歯の中が綺麗になったかどうかの問題だと思います。 

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 2004さん
返信日時:2008-03-29 04:25:50
井野先生、ご回答をありがとうございました。
先生のクリニックのサイトもいつも参考にさせていただいています。

セカンドオピニオンを得る為に、別の歯科医院に気軽に行くことができる状況ではないので、こちらのサイト、ボランティアでアドバイスをして下さる先生方には、本当に感謝しています。


質問2に関しては、納得しました。
お話を聞いて、安心しました。

丁度、昨日別件で歯科に行ったところ、この根管治療のチェックも同時にされました。

治療中のアクシデント(ラバーダムがはずれる、薬でむせる)も気になっていたのですが、レントゲンを通して、経過は順調であるとの説明受け、ほっとしています。


質問1に関しては、よく言われる「根の先の先まで薬を入れることは、実際とても難しい」といったレベルでなく、レントゲン上、素人目に見ても明らかに半分のみ(5本。実はその他に4本同様の状態のものがあったのですが、それらは既に処置しました)、何らかの意図を持って、半分だけ処置したという感じなのです。

こちらに在住し始めてから約15年間、4回程歯科医を変えました。

新しい担当歯科医になる度に、ぶっつりと半分だけ切られた(半分だけ根管治療されている)に触れられ、4人の担当医すべてから、

「何で半分だけでルートカナルを止めているのか? しかも、こんなに何本も。ここまでいい加減な治療見たことない。」

と言われ続けてきました。

最近「生活歯髄切断法」というものがあることを知り、これは、炎症歯冠部分の歯髄だけに起こっていて、歯根はまだ健康と判断された場合等に大人でも行うこともあるとのこと、そして、4人の歯科医のうちの一人から、

「このような方法はヨーロッパでも見かけたことがある」

と話されたこともあり、ひょっとして生活歯髄切断法だったのかなぁと考え始めていました。

が、実際のところ、超適当に行われた根管治療といったところなのかもしれませんね。(すみません、以上、愚痴と余談でした。)



さて、質問1に関して、あらためて質問させて下さい。

その前に、状況を補足させていただきますと、現在、私は審美治療中です。

(歯の高さを調整。上の歯は、ほぼ終了。これから、下の歯(問題の「右下5、6、左下3」含)の歯の高さを調整する予定。右下5はクラウンの変更、右下5と左下3は、ラボにて理想的な高さをシュミレーションして、プラスティック(多分)で高さを調整。)


担当歯科医の「半分の根管治療の右下5、6、左下3は、空洞の部分があり(残っている神経と詰め物の間に何もなし)」との言葉がとても気になっています。

前回の投稿でお話しましたように、担当歯科医が、左下5の根管治療を見送った理由のひとつに、

「神経を取った部分に何かが詰めてあり、残っている神経が空洞化していないこと」

が挙げられていました。

(半分だけ神経が抜かれた部分から、残り半分の神経まできっちり何かが流し込まれているようのなのです。その上でクラウンを被せてあります。)

そして、それ以外の「右下5、6、左下3」は、半分だけ神経が抜かれた部分から残り半分の神経までは空洞。


1)
長期間経過している上、現在、自覚症状もなく、歯根膜腔の拡大も認められないのならば、

『空洞の有る無しや、取り残された神経の長さ(半分だろうが、根のほんの先だけだろうが)を気にせずに』

あらためて触る必要はあまりないと判断してよいものなのでしょうか?


2)
また、審美治療で、不完全な根管治療をしてある歯をいじる場合(高さの調節とクラウンの変更)も、「あえて触る必要なし」とのご意見は変わりませんか?


先生のサイトの「家の基礎工事をしっかりさせてから家を建てる」とのお話は全くその通りだと思いますし、私自身、いい機会なので、例え高額になろうとも、今きちんと処置しておきたいという気持ちが非常に強いのです。

が、それと同時に、こちらの歯科医にありがちな「とにかく予防、ほ〜〜〜んの僅かでも可能性があるなら、とにかく先に先に」と先走った考えで、マイナス面を触発する可能性もある余計な事をしようとしているのではないだろうか?という不安な気持ちも消し去ることができずにいます。


お忙しい中畏れ入りますが、あらためてアドバイスをいただけますでしょうか?
どうぞよろしくお願いします。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2008-03-29 10:07:01
>1)長期間経過している上、現在、自覚症状もなく、歯根膜腔の拡大も認められないのならば、『空洞の有る無しや、取り残された神経の長さ(半分だろうが、根のほんの先だけだろうが)を気にせずに』あらためて触る必要はあまりないと判断してよいものなのでしょうか?


と、思います。
僕ならいじりません。



>2)また、審美治療で、不完全な根管治療をしてあるをいじる場合(高さの調節とクラウンの変更)も、「あえて触る必要なし」とのご意見は変わりませんか?


これは「気分(性格)の問題」でしょう(笑)。

僕は「異常が無いならいじりたくありません」と言うスタンスですが、キチッとした先生であれば「いや。最後まで責任を持たなければいけないのだから、自分が納得するまで根管治療をやり直します」と。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2008-03-29 15:32:56
アメリカの先生らしい意見ですね^^;

あの人たちは白か黒かで判断するので私たち日本の歯科医師に相談しても基準が違いすぎます。

(白か黒と言っても歯科治療は殆どグレーゾーン内で終ることが殆どですが・・・)

昔、アメリカで歯内療法の修行をされた先生に聞いた話では、アメリカでは根の病気があるで、根の病気まで手が入れれなければ、お薬を詰めれるだけ詰めて根切外科的歯内療法)をするそうです。

一方フィンランドの先生の講演の中の症例では、根の病気があっても徹底的に化学的洗浄(消毒)が出来ていれば治癒するというスライドを見たことがあります。

声を大にして言っていたのが印象的でした。
小牧先生が師事する先生だったと思います^^


私の根の治療はどちらかと言うとアメリカ型の歯内療法なのですが、考え方はアメリカ、ヨーロッパの良いとこ取りです。

型に嵌った治療もシステマチックでいいのですが、私は日本人特有のファジーなところも医療にはあってもいいのではないかと思います。

要は、いかに患者さんに大きなメリットを提供できるかの問題だと思います。

アメリカの歯内療法のように治るかもしれない歯に短期間経過を追ったところで、外科措置に直に移行など私は嫌です。


また、レントゲン上で見える薬はタダのゴムで薬効などありません。

ゴムが根の先端まで入っているか、いないかの話で、根の治療が上手くいっていないと言うことにはなりません。


最近になり、根充剤を接着する材料にクロールヘキシジンなどの薬効が期待できる物が入ったシーラーも出てきましたが、このような材料より根充前にどれだけ根管内(歯の中)が綺麗になったかの問題です。


日本ではその昔、綿栓根充と言ってゴムでなく、綿を詰めていた時期があります。
今のおじいちゃん・おばあちゃんの歯にたまに見られます。
ですが、根の病巣など問題が起こっていない物も多々見られます。

反対の考えでは、

お薬がきっちり入っている=そこまでの部分は治療できている

と言う考えですが、歯の中はそんなに神経何本!?(1〜5本)で表せるほどシンプルではありません。。。

必ず側枝と言う枝が何本も出ているからです。

下の写真は神経を3D画像に表した物です。
神経の形は非常に複雑な迷路状態です。

まずどんな一流の先生でも全てを取ることは不可能です。
ですから完全(完璧)な根管治療は存在しないと思います。

自分の中では完璧と思う根の治療はありますが、自己満足の域に過ぎません。


全ての歯の神経を取れると思われていればそれは間違いです。
人間の力には限界があります。

ですが、今の流れで言えば、器械的に太い神経管は削ってとってしまい、その後、化学的に消毒を行い側枝(神経の枝)を処置すると言う流れが世界では一般的です。


今回の2004さんの場合も見てみないと判断しにくいのですが・・・
私個人の意見ではしなくてもいいような。。。!?

私はまず10年以上経過している根の病巣のない歯は薬が入っていなくても積極的に処置しませんね。


アメリカの先生からしたら、ナンセンスと思われるかもしれませんが、少なくとも私の歯がこのような状況であれば根の治療は行いません。

根の治療は何度も出来る治療ではありません、再治療をしたが為に感染を起すこともあります。


・今回の治療が原因で根が悪くなり、再々治療が出来ずに抜歯インプラント

・今回根の治療なし、将来悪くなった際にはセラミックを壊して再治療
⇒もう一度自分の歯にセラミックを入れる。

どちらがいいですか!?



価値感の違いです、どちらが良いかは各患者さん次第です。

よく考えてから結論を出されてくださいね^^

 

画像1画像1 画像2画像2

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 2004さん
返信日時:2008-03-31 10:32:33
タイヨウ先生、井野先生、ご回答をありがとうございます。

先生方からご意見をいただけると、もうそれだけで気持ちが落ち着き、本当に心強いです。

先生方のアドバイス、とても参考になりました。

根管治療に入る前に、あらためて、担当歯科医と話し合う機会が設けられるので、その際にもう一度、何故した方がいいと思うのか、レントゲンを見ながらの詳しい説明を請うことにします。

もし今の情報以上の理由が挙げられないようでしたら、「しない方向で進めてほしい」と担当歯科医に話をしてみようと思います。

井野先生のお話も興味深く拝見しました。

井野先生のおっしゃるように、こちらの歯科医は、白黒はっきり、疑いがあるのならば、も一回根管治療、んじゃなきゃ、とっとと抜いてインプラントにする、これよろし!といった傾向が非常に強く、

「でも、今痛くないんでしょ? まぁちょっと時間おいて様子見ましょうかね」

といったノリではないんですね。

(私の周囲に限って言えばの話なので、勿論すべての歯科医がそうと断言するつもりはないですが。)

こちらに住み始めて初めての担当歯科医がまさにこのようなタイプで、根管治療が中途半端だった数本を抜かれ、インプラントにしました。

今思い返してみると、本当に抜かなければいけなかった歯なのか?と後悔しきりで、知識もなく、何のイニシアティブを取ろうともしなかった自分自身に対して、憤りを感じています。

今は時代も変わり、インターネットという素晴らしい情報収集手段がありますよね。

これからは、歯チャンネルのようなウェブサイトを最大限利用しながら、素人は素人なりに勉強して、受け身でなく積極的に自分の歯に責任を持っていかなくては、、、それが患者の義務かな、なんて思っています。

井野先生、タイヨウ先生、お忙しい中、お時間を割いていただき、本当にありがとうございました。

実は、他にもご相談したいことが山積み状態なのですが、全く違う話なので、別口にスレッドを立てようと思います。

今後、ちょくちょくお邪魔すると思いますが、機会がありましたら、またご助言の程、どうぞよろしくお願いします。



タイトル [写真あり] 根管治療後20年間ノントラブルの歯の治療をやりなおすべき?
質問者 2004さん
地域 非公開
年齢 43歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療の治療法
根管治療の失敗・再治療
根管治療に関するトラブル
根管治療その他
その他(写真あり)
アメリカ(米国)
回答者




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