セラミックの詰め物の適合は、保険の銀よりもいいでしょうか?

相談者: みどりさん (37歳:女性)
投稿日時:2008-05-12 16:38:59
先生方初めまして。
いつも拝見させていただいています。
ありがとうございます。


私は詰め物の下から又虫歯が発生ということを繰り返し
大変困っています。
今は奥歯の殆どが抜髄ずみもしくは神経の際まで削られており、
クラウン又は大きなインレーという惨状です。


こちらのサイトで勉強し、二次カリエスを防ぐために
自費治療を受けることを決心し、
自費専門の歯科を受診しました。

見栄えよりも自分ので一生食べることが大切と思い、
ゴールドを希望しましたが、先生はセラミックの方が
接着がいいので2次カリエスには殆どならないと、
強く勧められました。


こちらの先生方の回答によるとセラミックは
精密に作る事ができず、適合が甘いんですよね?
(確かタカタ先生は適合精度はゴミみたいなもの
と表現されていたような、、、)



そこで質問なのですが、

1)セラミックはゴールドと比べると適合が悪いとしても、
保険の銀に比べると適合はかなり良く、
歯にぴったりつくれるのでしょうか。


2)セラミックは接着がいい(分子レベルで接着する)ので、
歯との境目から虫歯菌は入らず2次カリエスは
できないのでしょうか。


分子レベルでくっついているなら、
虫歯菌は入って来れない気もしますし、
適合が悪いのにどうして分子レベルでくっつくことが
できるのだろうという気もします。

それともマイクロスコープを使用している所であれば、
セラミックでもかなりの適合精度を期待できるのでしょうか。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2008-05-12 17:25:25
はじめまして井野と言います。

ご自身が良いと思われたものと先生の提示する物に
疑問があるのですね。


>1)セラミックはゴールドと比べると適合が悪いとしても、
保険の銀に比べると適合はかなり良く、
にぴったりつくれるのでしょうか。

これは先生次第でしょうね。
先生がお勧めするということはそれなりに自信があるのでしょう。
過去の症例などあれば見せてもらうといいかもしれませんね。


私の感覚で言えば、
若干ゴールドの適合が上というもので大きな差はないですよ。
ゴールド、セラミックどちらでも段差
(自分の歯には入れないレベル)があればやり直しますし。

また保険の銀歯でも条件が整えば素晴らしい被せ物
出来るときはあります。



ウチに来られる患者さんの歯の中にも銀歯で凄い良い
というものもチラホラ見ますし。

大体、何処で治療したか聞くと
患者さんの多くが「凄く良い先生だったんですけど、
やっぱり良い被せ物だったんですね!? 」
「入れた時から全然違和感がなかったんですよ!!」
と記憶をお持ちになられています。


そういうものですよ、自費にしたから必ず良い物が入る
とは限りません。
先生を選ぶ方がまずは大切だと思います^^

自費治療にしたら、治療時間、材料、手間をかける分
良い被せ物が入る確立は良くなると思いますが。

材料選択より、適合は先生&技工士さんの腕による物が
大きくウエイトを占めると思います。



>2)セラミックは接着がいい(分子レベルで接着する)
ので、歯との境目から虫歯菌は入らず2次カリエス
できないのでしょうか。

分子レベルの接着は全然関係ありません。
ただ適合が良く、形態の良い被せ物は汚れが貯まりにくいので
虫歯の再発のリスクを下げることは出来ると思います。



>分子レベルでくっついているなら
分子レベルは無理ですよ^^;

丁度昨日、接着の有名な先生の話を聞きに行きましたが、ホント
・どのシステムが一番良いのか!?
・溶媒は何がいいのか!?
・接着システムに相性の良いレジン(接着剤)は?

この点もまだ決まったシステムがないのが現状で、
分子レベルの接着となるとまだまだ先の話だと私自身は思います。


大丈夫ですよ、きっちり治療をしてもらえば直に悪くなるような
ことにはなりませんから。


自費オンリーで治療をされていると言うことは
それなりに腕に自信がある、
技術にプライドを持っている証拠だと思います。

どうせ自費治療を受けるならみどりさんのように、
腕の立つ先生を探され治療された方がいいと思いますよ^^


後は治療後の保障など聞いておくといいでしょうね。


このようなネタは過去にも色々書いていますので
暇な時に探して読んでみてください。
 
ただし鵜呑みにはしない方がいいですよ。
施術するのは担当の先生であり私たちではありませんからね^^

 

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2008-05-12 18:48:42
セラミックでも色々あるので、
ひとくくりにはいえないように思います。

私は従来のセラモメタルクラウン、とAGCメタルボンド
しか装着したことが無いのでなんとも申し上げられませんが、
ジルコニアなどの新しい物に飛びつくには
まだ時間的に早すぎると考えております。

以前ハイブリッドセラミックが発売されて
6年ぐらい様子を見ていて、いいと判断して導入しましたが、
散々でした、やはり世の中の評価が出るには
10年は必要のように思います。


また審美的には技術的に優れた技工士さんが作った
上記の補綴物は問題はそれほど無いように考えております。

メーカーのセールストークは悪いことはまず言いません、
人体実験ではないので私は当面使うつもりはありません。


要するに井野先生も仰っているように保険の材料だって
しかるべき技工士さんが作ればすばらしいものを作ってこられます。

ただそのような腕のいい技工士さんは往々にして
保険の仕事を引き受けていただけ無いことが多いのも事実です。


ただ大臼歯には基本的に自費で作る場合、
私は貴金属を推薦いたします。


いわゆるメタルボンドは10年、20年すると
チッピングを起こすことがあるので
それを承知していただければ製作することもあります。

やはり自費治療は高額な費用がかかります、
なるべくトラブルを起こしたくないのは患者さんも、
我々歯科医も同じだと思います。

したがって大臼歯は貴金属にこだわっています。


色はさておき適合性もメタルボンドに比べて臨床実感としては
ずいぶんいいように感じております。

以上参考になっさってください

審美修復 http://yamadashika.jp/filler.html#a03


回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2008-05-12 19:02:46
ゴールドインレーとの違いですね。

ゴールドインレーと比べたり、金箔充填と比べると
セラミックのインレーや オールセラミッククラウン
適合が悪いです。

ただ、オールセラミッククラウンの種類によっても
適合が大きく異なります。

近年のエンプレス2と呼ばれるキャスタブルセラミック
かなり良くなっています。

それでも 固まる際に角が丸まってしまうので、
『どうかなぁ?』と思ってしまいます。

また、昨年からウチではメタルボンドはやめて
ジルコニアに変えました。
理由は、
ジルコニアで充分な適合が得られるようになってきたためです。
ほんの一年ほどの間にもガラっと変わるほどの変化があります。

様々な治療用材料がありますが
そのマテリアルに関する情報は随時変わっていきます。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2008-05-12 19:21:13
私も金属アレルギーの患者さんの治療に
15年ぐらい前からセラミックなどを使用してきましたが、
当時は良い接着剤がなく、しかも材料がチッピングを起こすので
結果はあまり良いとは言えませんが、もってはいました。

最近のキャストタイプのものは
かなり適合は良くなってきている気がします。
特にジルコニアはかなり適合が良いようです。

しかし、接着に手間がかかることと、
接着性のセメントカリエスなどにないする信頼性が
いま一つであるということなどから、
患者さんにあえて勧めることはしません。

これは金属ほど適合性はないと判断できるからです。

前歯のように審美性を要求される場合、
メタルがないジルコニアクラウンは結構いいと思いますが、
インレーをセラミックにするのは、いかがなものでしょう。


私だったら絶対にゴールドを選びます。
マイクロで見るといくらなんでも、
セラミックインレーは適合が悪いと思います。


私の場合は患者さんにそのようなリスクは
前もって説明しています。
しかし金属アレルギーがある患者さんでは
説明してもほかに選択肢がないので、やっています。


ちなみにセラミックはかみ合わせの調整が難しく、
咬合調整が難しいので、適合が悪い上にかみ合わせの調整が
しにくいといった問題があるので、
アレルギーもないのに使う必要はないと思っています。
(セラミックが金属より優れているの修復材とは考えられない。
もちろん金属アレルギーの人は除く)

といったところです。


ちなみに、詰めものの下から何度も虫歯ができるのは、
虫歯が完全に取り除けていないからではないでしょうか?
そのような症例は意外に多いです。

虫歯を完全に取り除くこと自体は
材料選びよりはるかに重要な技術だと思います。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2008-05-13 07:11:47
私も吉田先生と同じ考えです、

実際ゴールドインレーでも40倍の単眼鏡で見ると
とても適合がいいとは思えません。
ましてやハイブリッドなんて入れるのも正直ぞっとします。

しかし丁寧に作って慎重に装着すれば
小臼歯では私のところではトラブルは起こっていません。


大臼歯では2級のインレーでチッピングを経験しております、
それ以来使っていません。
患者さんにチッピングのリスクを説明すると辞退されます。


セラミックは信用していないので
インレーとしては使ったことは無いのでなんともいえませんが、
吉田先生が仰るように厄介な材料だと思います。

仕方が無いからよりましなゴールドで修復しているのです。


しかしこのサイトでもセラミックがいいように
思っていらっしゃる方が多いのに驚きです。

すべて材料は比較してのお話です、
そしていつも申しているように歯科医の腕と、
技工士の技術です。

いくらいい材料を使っても技術が伴わなければ
何を使ってもいい結果は得られません。


ご承知だとは思いますが、
誠実で一生懸命患者さんのことを考えて治療していただける
歯医者さんを捜すすべを身に付けるのがいいと思います。


画像1
この画像は上が白金加金(MO−3)です、
セメントラインはありませんがマイクロギャップはあります、
下はパラジュウム合金の鋳造冠(保険診療の冠)です、
これを作っていただいた技工士さんは
マイクロスコープを使って製作している、
大変信頼できる技工士さんです。

画像1画像1

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2008-05-13 12:41:33
さて、満を持して「ハイブリッド大好き!」タイヨウでございます。

他の先生方の記載通り、セラミックス系の適合は
ゴールドインレーに比べると確かに劣ると思います。


>1)セラミックはゴールドと比べると適合が悪いとしても、
保険の銀に比べると適合はかなり良く、
にぴったりつくれるのでしょうか。

井野先生がおっしゃられているように

「先生次第でしょう」
保険の銀歯でも条件が整えば素晴らしい被せ物
出来るときはあります。」

だと思います。


>2)セラミックは接着がいい(分子レベルで接着する)ので、
歯との境目から虫歯菌は入らず2次カリエス
できないのでしょうか。

これも

「厳密には無理」

だと思いますよ。


しかし、僕は虫歯を削った直後に
レジンコーティング」を行います(検知液の使用は必須です)。

削った直後の象牙質にEDTAで象牙細管を洗浄し、
次亜塩素酸で消毒する事により(可能な限り)
無菌的な状態を作ります(もちろんラバーダム防湿)。

その状態で一層、フッ素徐放性のあるフロアブルレジンで
コーティングをすることによって象牙質を外界から遮断します
(一部の先生方は「人工エナメル」と呼んでいますが、
その表現はちょっと‥と言う感じですが)。

レジン充填を行ったうえで印象を採ります。
仮に次回来院時までに仮封がとれていたとしても
象牙質はコーティングされていますから、
感染のリスクはかなり低い状態であると言えると思います。
その場合は再度、
窩洞内を消毒してからインレーの接着操作に入ります。

つまり
「分子レベルで接着するから2次カリエスになりにくい」
のではなく、僕は
「レジンコーティングすることにより感染のリスクを
減らしているから2次カリエスになりにくい」
と思っています。

‥担当の先生がレジンコーティングをしているのかどうかで
見解は違うとは思いますが‥


また、

他の先生方のおっしゃられているように

「いわゆるメタルボンドは10年、20年すると
チッピングを起こすことがある」
「当時は良い接着剤がなく、しかも材料がチッピングを
起こすので結果はあまり良いとは言えません」
「セラミックはかみ合わせの調整が難しく、
咬合調整が難しいので、適合が悪い上にかみ合わせの調整が
しにくいといった問題がある」
大臼歯では2級のインレーでチッピングを経験しております」

と言われている事は事実だと思いますが、

自費治療は高額な費用がかかります、
なるべくトラブルを起こしたくないのは患者さんも、
我々歯科医も同じだと思います。」

そうでしょうか?

まあ、僕が変っているのだと思いますが、
ハイブリッドセラミックスの最大の利点は
「割れてくれる事」だと思っています。

過大な力が加わった時にインレーやクラウン自体が
割れてくれる事によって
「天然のエナメル質の損傷を防ぐ」と思っています。

事実、年に数件は僕の入れた
ハイブリッドセラミックスのクラウンやインレーは欠けます。
原因は「不意に硬いものを咬んでしまった」
「実は最近ストレスが多く、歯ぎしりや食いしばりを
自覚してきたところだった」と言う事が多いです。

まあ、そこまで見抜けなかった僕が悪いのかもしれませんが‥。

僕も咬む力の強い男性や咬み癖の強い方などは
最初からゴールドインレーをお奨めしていますが、
ほとんどはハイブリッドで修復してます
(もちろん、ブリッジも)。


「患者さんにチッピングのリスクを説明すると辞退されます。」

僕の場合は逆で「そっちのほうが安心」
と言っていただけますよ(笑)。



本当に僕は変っているのかもしれませんが、
そう考える歯科医師も患者さんもいらっしゃる
と言う事でご理解ください。


僕なりに「なぜそんなにハイブリッドが好き?」と言う事を

http://www2.ha-channel-88.com/bbs/kiji.php?no=21761

に書きましたので、参考にしてみてください。

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2008-05-13 18:50:41
再び井野です。

>しかしこのサイトでもセラミックがいいように
思っていらっしゃる方が多いのに驚きです。

私も見えない所はゴールドを勧めています。
ただ見える所はレジン充填
欠損が大きい場合はセラミックと言う選択肢ですね。



>僕が変っているのだと思いますが、
ハイブリッドセラミックスの最大の利点は
「割れてくれる事」だと思っています。
>過大な力が加わった時にインレークラウン自体が
割れてくれる事によって
「天然のエナメル質の損傷を防ぐ」と思っています。

私もこの考え方でレジンを扱っています。
所詮人工物何を使おうが寿命は来ます。
その際に人の体にダメーが及ぶのは最小限にする
と言う考え方です。

セラミックがチップしても、レジンがチップしても
治療のやり直しは出来ます。
それより不適な物を入れて
の破折を起すよりよっぽどいいと思います。


私の歯科医院
こう言うので皆さん出来るのならレジン充填を望まれます。
この辺りは歯科医師の考え方で変わってくるように思えます。


私の数少ないハイブリットインレー症例です。
精度良く作れば
ハイブリッドでも十分適合、色のマッチングは可能です。
(ただし、技工士さんは選ぶ必要があります)

 
画像1は一番下の歯
画像2は右から2番目の歯
ハイブリットレジンです。

製作した人は20代の技工士さんです。
私がしたことはいつもと同じ顕微鏡&音波で整えて、
シリコンで型取りを行っただけです。
これと言って特別なことはしていません。

どの材料を使用しても上手く行く時は行きますよ。

大事なのは1つずつのきちっとした操作と手間のかけ方、
情熱だと思います。

この技工士さん
しなくて言いと言うのに
1つづつハンカチに包んで技工物を持ってきます。

それだけ自分の技工物を大切にしている証拠だと思います。
  

画像1画像1 画像2画像2

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: みどりさん
返信日時:2008-05-13 20:50:54
先生方、早速ご回答頂きありがとうございます。
たった1日で沢山の親身なご回答を頂いて本当に驚きました。
感謝の気持ちでいっぱいです。


セラミックの適合精度に関しては、

以前よりはかなり良くなっている。(ある程度許容範囲?)
保険の銀と比べて、同一条件下であれば、適合精度に差はない。
先生と技工師さんの腕次第。

という事ですね。

の治療というのは良い治療だったかわかるのは何年もさきなので、
腕のいい先生がわかれば、、、と切実に思います。


接着に関しては、分子レベルの接着という事ではなく、
接着剤がレジンセメントかという違いだけだったのですね。
そして水にとけるセメントよりレジンの方がいい
という事だったのですね。



今回右上6,7番と右下7番を治療します。

レジンコーティングはして頂ける、
マイクロを使っているという事でしたので、
セラミックもありなのかなとも思います。

先生方の以前のご回答にも、
その先生の得意とする方法でやってもらうのがいいとありましたので。



ところでチッピングというのは、かける事でしょうか?
タイヨウ先生のおっしゃる”われてくれる事”というのも、
詰め物クラウンが真っ二つというのではなく、
どこかがかけるというようなニュアンスなのでしょうか。
回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2008-05-13 21:00:40
>ところでチッピングというのはかける事でしょうか?
そうですよ。

すみませんね、難しかったですね。

食器、コップの縁がかけるものだとイメージしてください。

 




タイトル セラミックの詰め物の適合は、保険の銀よりもいいでしょうか?
質問者 みどりさん
地域 非公開
年齢 37歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 保険のインレー(銀・金属)
ハイブリッドセラミックインレー
セラミックインレー(陶器の詰め物)
ゴールドインレー(金の詰め物)
お勧めの詰め物・インレー
詰め物の下の虫歯(二次カリエス)
お勧めのクラウン(被せ物・差し歯)
クラウンの下の虫歯(二次カリエス)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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