親知らず抜歯後に顎関節症になった。治療費は負担してもらえるか?

相談者: がっくんさん (27歳:男性)
投稿日時:2008-05-20 02:53:28
10日程前に歯医者で右上8番
親知らず)の抜歯をしたのですが、
その日以来、右のアゴに強い痛みと開口障害の症状があります。


ほかの口腔外科を受診したところ、
関節円盤が偏位していて顎関節がロックしているそうです。 

顎関節症になるには様々な要因が関与していることは
良くわかっているつもりですが、
今までにアゴの調子が悪くなったことは一度もありませんし、
治療の後に発症したのは間違いありません。


最初の歯医者では「今度は顎関節症の治療をしなければ…」と
言われましたが、
その治療費を健康保険で支払うのは私は間違っていると思います。

最初の歯医者に
顎関節症の治療費を負担してもらうことは可能でしょうか?
教えてください。

車屋にパンクの修理を依頼して、窓ガラスを割られてしまい
その窓ガラス代も請求されている気分です、納得できません。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2008-05-20 06:03:43
おはようございます。

親知らずの抜歯後に顎関節症になってしまわれる
というケースは、僕は経験無いのですが、
当サイトでの過去の投稿でもしばしばあるようです。

⇒参考:親知らずの抜歯と顎関節症

ただ、がっくんさんにご理解頂きたいのは、
歯科治療は車のパンクの修理とは違い「医療」ですから、
100%治癒はありえないですし、
それができる歯科医師も存在しません。

医療を行うということは、常に何らかのリスクを伴います。
それでも、
リスクよりもメリットのほうが大きいので治療を行います。


医療者はリスクを最小限にする努力を行う必要がありますが、
それでも万が一トラブルが発生してしまった場合には、
その後のフォロー(肉体的・精神的)をしっかりと行う
ということしか出来ないのではないかと思います。


また、親知らずを抜歯して重度の顎関節症になるということは
決して多くはありませんし、予測もできませんから、
それに対して歯医者さんに保障を求めるというのは
難しいのではないかと思います。


いろいろと患者さんにとっては
納得のいかない部分もあると思いますが、
まずは今あるトラブルを解決することががっくんさんにとって
一番大切だと思いますので、
親知らずの抜歯をした歯医者さん又は口腔外科の先生に、
今後のケアについてはしっかりとお聞きして、対応されて下さい。

お大事にどうぞ。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2008-05-20 09:39:41
上顎の抜歯炎症が治癒過程で発生しているので、
症状が出たのではないかな?

もともとある程度の問題があり、
そこに抜歯といった刺激が加わって症状が認知できうる様に
なったのであれば、残念ですが、不可避な問題ですね。


心情的には理解しうる問題です、
まじめな話、訴訟をしてもたぶん勝てないし、
たぶん、弁護士さんも引き受けてくれないですよ。
手間賃稼ぎたい弁護士さんなら何でも受けてくれるでしょうけど、、
勝てない訴訟に何十万もつぎ込んでも仕方ないですしね。

包括的に田尾先生の意見に多いに私は賛同します。

前向きに治療されるのが一番だと思います。


機械工業製品の修理交換と違い、
人間の体には様々な想定の範囲外の要素があるので、
すべて100%保障を要求されると誰も何も行えないのです。

また、たとえば重大な手術をして、
不幸にしてお亡くなりになられる方もおられるでしょうが、
毎回訴えられたらだれも外科医になりません。
もちろん想定されることには手を打つわけですが、
事前に予想がつきにくいことには対応しようがありません。


ただ、現時点では症状があるようですが、
抜歯の傷が治れば、症状が改善されることも期待できるので、
経過を見られるのがベターではないかと思います。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2008-05-20 23:15:22
がっくんさんの心情もわかりますが、
抜歯顎関節症の原因とはいえないでしょう。

症状を誘発した要因ではあるかもしれません。

症状は何も無くても、もともと顎の関節に異常があり
抜歯によって異常がはっきりしたということのように思います。



>車屋にパンクの修理を依頼して、窓ガラスを割られてしまい
その窓ガラス代も請求されている気分です、納得できません。


窓ガラスを割られて、車屋に修理に持っていったら、
タイヤに釘が刺さっていて、抜いたらパンクしちゃった
ということのように思えます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: がっくんさん
返信日時:2008-05-21 01:36:15
返信ありがとうございます。
皆様ご返答ありがとうございます。


>また、親知らずを抜歯して重度の顎関節症になるということは
決して多くはありませんし、予測もできませんから、
それに対して歯医者さんに保障を求めるというのは
難しいのではないかと思います。

それでしたらそのリスクを説明する責任があったと思うのですが、
私は抜歯をすることに抵抗がありかなりしつこく質問しましたが、
「本当に簡単な治療ですから」と言われ承諾しました。

これは余計なことかもしれませんが、
ちなみに抜歯は失敗に終わりました。



>機械工業製品の修理交換と違い、
人間の体には様々な想定の範囲外の要素があるので、
すべて100%保障を要求されると誰も何も行えないのです。

確かにそうです、しかしだからこそ患者の素因を把握し
細心の注意を払って施術すべきではないのでしょうか?

年齢、性別、既往歴、個人暦…
事故を避けるためにはこれらを詳細に把握して
施術にあたるべきではないでしょうか?

現在の歯科の診療報酬ではそこまでできませんか?

しかし、それをしないで患者の数をこなそうという姿勢で
施術を行うのであれば万一のリスクは術者が背負うべきです。

おっしゃるとおり人間は一人ひとり違うのですから。

カルテとはそういうことのために付けているのではないのですか?


私はその歯医者では以前処方されたロキソニンで血尿が出たので
薬を変更したことがあるのですが、今回もまたロキソニンを
処方されました、カルテに記入していないのでしょう。

血尿くらいならまだいいですが
(当時、私は膀胱ガンや腎疾患の疑いで検査の連続でしたが…)
人によっては重大なアレルギーなどを引き起こす薬も
存在することでしょう。


偉そうなことを書いてしまいましたが、それが私の思うところです。

しかしながら、
田尾先生のおっしゃるとおり前向きに治療に励みたいと思います。

心理的なストレスは病態を悪化させそうですからね。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2008-05-21 07:40:06
お気持ちはよくわかります。


抜歯顎関節症の誘発要因になった可能性は高いと思います。
無理な力を加えたために顎関節症になった患者さんは
ゼロではないと私は思いますし、
実際そのような患者さんを見たことはあります。

確かに細心の注意を払って治療すべきことも分かっています。


本来医師が細心の配慮で治療をし、
そのような問題は起きないようにするのは理想的です。
しかし歯科医師全員にそれを求めること自体
無理なのではないでしょうか?

内容を見ている限り
もともと注意を払ってくれそうな先生でもなさそうです。

欠陥住宅やその他さまざまな専門性の高い分野での不祥事は
後を絶ちません。
この被害者もみな自分で業者を選び選んだ責任を
問われていることも確かです。

ちなみに歯科医院を選ぶのは患者さんです。
その歯科医院選び自体を誤っていた可能性もあると思います。


確かにあまりに専門的すぎてわからないというのはわかりますが、
そのような医院を選んでしまったこと自体を勉強代
と思うしかないと思いますが・・。

体が傷つくので痛い代償ではありますが・・・。


だからこそ歯科医院を軽い気持ちで選択してはいけないのです。
その選択をしやすくするためにこのサイトがあるのであり、
そのような好意で質問に答える先生はそもそもやるべきことは
きちんとやっていると思います、
ですからそのようなことは考えにくいとおっしゃっている
のだと思います。


問題は、もしがっくんさんのお話が事実であれば
そのような歯科医院が他にも問題を起こし続けているのでは
ないかといった危惧です。
そのような先生はあまり自分を見直さないような気がしますから、
今でもやり続けている気がします。
それをどうするかのほうがよっぽど建設的ですし、
他の人のためにもなります。

それからそのような先生を相手にしても
自分にプラスになることはありません。
その先生と話しても治してくれるわけでもないし、
話し合いがまとまる可能性も低いです。

また現実的には今の医療はPL法
(企業側が不具合をの関連性がないことを証明する)
とは違い、素人が疾患に関してそうなったことを
証明しなければならず、そんなことは現実的には不可能です。

またほかの先生が書いていらっしゃるように
プロですらそのことを証明することは不可能に近いのです。


それから最後に
<現在の歯科の診療報酬ではそこまでできませんか?
しかし、それをしないで患者の数をこなそうという姿勢で
施術を行うあれば万一のリスクは術者が背負うべきです。

というのは少しおかしいと思います。
歯科の診療報酬でできませんか?と言われても、
歯科医師が好んで保険制度下で治療しているわけではありません。

保険をしなければ患者さんが来てくれません。
今の日本では保険制度をやらずに歯科医院を経営してゆけるのは、
ほんの一握りです、
だからみな健保取扱いを選択せざるを得ません
(これも日本国の歯科医師の責任という観点もありますが)。

しかもがっくんさんのように慎重に扱わねばならない患者さんが
来たとしても金額は全国一律で、また混合診療の問題から、
たとえ患者さんが同意したとしてもがっくんさんだけ
自費扱いで多く費用をもらって慎重に治療する
ということもできません。
(がっくんさんのように慎重にやりたい場合は
別に費用がほしいところですが)

ちなみにを抜く費用を御存知でしょうか?
親知らずでも頭がでていれば1200〜1500円
(うる覚えですが)ほどです。
その金額でリスクも避け、数もこなそうとするなら責任まで取れ
というのはあまりに酷です。

それならもう少し保険制度の問題をを理解してほしいです。
何が問題なのかを共に考えていただきたいです。
この金額で歯科医師が30分もかけて慎重に抜歯をしていたら、
学生のアルバイトより時給が安くなってしまいますよ
衛生士助手のお給料も払わねばなりませんから)、
その辺の事情を常識的に理解してほしいです。
私は保険制度自体に問題があると思いますが。


私の知っている話に、
難しい患者さんを時間をかけて丁寧に治療していたら、
そんな患者さんばかり集まって結局つぶれてしまった
という先生の話があります。

医療は算術であってはいけませんが、
経営が成り立たないのは患者さんにさらなる迷惑がかかってしまうし、
きちんとした器具や道具も揃えることはできません、
歯科医師側の立場も分かってほしいきもします。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2008-05-21 22:12:50
>10日程前に歯医者で右上8番
親知らず)の抜歯をしたのですが、
その日以来、右のアゴに強い痛みと開口障害の症状があります。

ほかの口腔外科を受診したところ、
関節円盤が偏位していて顎関節がロックしているそうです。



クローズドロックの治療に、
強制開口練習を行うくらいですから、たった1度の長時間開口で、
(通常は慢性的な刺激による変形を伴う)
関節円盤の不可学的な偏位が起こるとは考えにくいと思います。

ですので、たとえ開口制限があったとしても、
外傷性の関節痛によるものであると考えるのが普通かと思います。
(つまり、安静にしていれば治癒すると考えます。)

本当に、関節円盤の偏位があるのだとすれば、
その確定診断のためにはMRIあるいは顎関節腔の造影が
通常必要ですし、最低でも、顎関節部に麻酔をし
痛みを取り除いた上で、開口量の確認は必要かと思います。

またそうであったとしても、
抜歯時の開口のみでクローズドロックが生じたとは考えにくく、
不顕性の顎関節症の状況がすでにあったと考えるのが
普通かと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: がっくんさん
返信日時:2008-05-26 15:36:08
吉田先生、森川先生ご回答いただき有難うございます。


今日もマニュピレーションでの復位を試みましたが、
以前ロックしたままの状態です。

不顕性の顎関節症があったということは
疫学的に見てもそう考えるのが妥当だと私も考えます。
しかし発症のきっかけになったという事に
悔しさを感じるのですが…
施術の前にもっとリスクの説明を受けていれば
結果に対し納得することができたと思います。


お二人に質問があるのですが、

現在、筋肉に痛みはなく2横指半くらいまで開口可能なのですが
その後はまったく開く感じがしません、
確定診断はまだ行っておりませんが
仮に関節円板の偏位があった場合、
どのようなことに注意すればいいのでしょうか?

時間が経過すれば復位しなくなるというのは本当でしょうか?

現在下顎を前方に固定するタイプのスプリントを使用していますが
(様子を見る)このまま治療を続けていていいのでしょうか?
それとも早めに大きな病院での治療が必要でしょうか?
教えてください。


よろしくお願いします。


保険制度の問題ですが医療を受ける側の問題でもある
と私は深く感じています。
より良い医療を受けるために
(診療報酬の引き上げなど)私たちもっと考えなければいけない
問題だと思います。
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2008-05-26 18:43:03
こんばんは


>現在、筋肉に痛みはなく2横指半くらいまで開口可能なのですが
その後はまったく開く感じがしません、
確定診断はまだ行っておりませんが
仮に関節円板の偏位があった場合、
どのようなことに注意すればいいのでしょうか?

非常に困難な症例のような気がします。
このような症例は見たことがありますが、
もともと顎の関節があまり強くないタイプの人でした、

ただ開かないままということはあまり考えられず、
治療すればある程度あくようになると思います。

注意すべき点は、
あまり顎に負荷がかからないようにすべきではないのでしょうか?

クローズドロックの場合私の経験では、
ほとんどが筋肉に何らかの問題が生じており、
顎周囲の緊張を取り除くことで(マッサージ等)で
開くようになると思いますが、
自分でやってどの程度改善するかはわかりません。



>時間が経過すれば復位しなくなるというのは本当でしょうか?
現在下顎を前方に固定するタイプのスプリントを使用していますが
(様子を見る)このまま治療を続けていていいのでしょうか?
それとも早めに大きな病院での治療が必要でしょうか?
教えてください。

個人的には時間とともに復位しなくなるとは思いませんが、
治りにくくなるのは確かでしょう。

今されているのはおそらくリポジショニングスプリントでしょうが、
これも効果がある場合とそうでない場合とがあり、
また作り方にも差があるので、いろいろ先生を探された方が
よいのかもしれません。

時間がかかっても
ある程度直してくれる先生は見つかると思いますよ。

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2008-05-27 00:27:08
実は、私自身がクローズドロックの状況になったことがあります。
私の場合、鎮痛剤の投与で2〜3日で治ったと記憶しております。

男性の場合ですと、私のように、
投薬もしくは何もせずとも治るケースのほうが多いようです。


2週間程度経過観察しても、ロックが解除できない場合は、
マニピュレーションを行うのが一般的かと思いますが、
マニピュレーションは結構、
(上手な先生にとってはそうでないかもしれませんが)
技術的に難しいので、口腔外科顎関節症を専門的に診ている
先生でないと上手にはできないと思います。


経過時間に関してですが、
クローズドロックの状態が1ヶ月以上続けば、
関節円板の変形なしには、
ロックの解除は難しいのではないかと思います。

徒手によるマニピュレーションではなく、
パンピングマニピュレーションを行えばロックが解除できる
可能性はあるかと思いますので、
早めに紹介、もしくは転院されたほうがよいかもしれません。


顎関節症は歯科疾患のなかではマイナーなため、
大学病院だからといって専門医がいるとは限りません。
顎関節学会などを検索されると、お近くで、
きちんと見てもらえる病院を見つけられるかもしれませんので、
紹介してもらえないのであれば自力で探してみても
よいのかもしれません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: がっくんさん
返信日時:2008-05-27 09:07:54
ありがとうございました。


口がまた開く事を祈って治療していきます。



タイトル 親知らず抜歯後に顎関節症になった。治療費は負担してもらえるか?
質問者 がっくんさん
地域 非公開
年齢 27歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 抜歯:8番(第三大臼歯、親知らず)
歯医者への不信感
親知らずの抜歯と顎関節症
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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