顎関節症で顎が腫れることは無いのか? 昨夜から顎に痛みと腫れがある
相談者:
ふじりんごさん (33歳:女性)
投稿日時:2008-09-11 01:32:43
回答1
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2008-09-11 02:27:12
ふじりんこさん、こんにちは。
顎の症状でお困りのことと思います。
かかりつけの先生が言われた通り、顎関節症のみで腫れることはありません。
というのも、「腫れる」という症状は、一般に炎症性の症状であるのに対して、顎関節症自体は炎症ではなく、関節の機能の異常であるからです
(炎症を併発することはあります)。
ところで、かかりつけの先生も診察時にふじりんこさんの顎の腫れを確認されたのでしょうか?
もし明らかに顎が腫れているのであれば、その腫れは顎関節症とは別に、顎関節部の炎症や、可能性は低いながらも脱臼や骨の異常などを起こしていることが考えられます。
一度、大学病院・総合病院の口腔外科を受診されることをお勧めします。
お大事になされてください。
顎の症状でお困りのことと思います。
かかりつけの先生が言われた通り、顎関節症のみで腫れることはありません。
というのも、「腫れる」という症状は、一般に炎症性の症状であるのに対して、顎関節症自体は炎症ではなく、関節の機能の異常であるからです
(炎症を併発することはあります)。
ところで、かかりつけの先生も診察時にふじりんこさんの顎の腫れを確認されたのでしょうか?
もし明らかに顎が腫れているのであれば、その腫れは顎関節症とは別に、顎関節部の炎症や、可能性は低いながらも脱臼や骨の異常などを起こしていることが考えられます。
一度、大学病院・総合病院の口腔外科を受診されることをお勧めします。
お大事になされてください。
回答2
回答3
山形屋歯科坂上医院(鹿児島市金生町)の坂上です。
回答日時:2008-09-11 10:54:15
当院で経験した、珍しい症例をひとつご紹介いたします。
患者さんは60代始めの女性です。
他の歯科医院でもう5年以上、顎関節症の治療を受けているとの事でした。
初診時に彼女の顔を拝見してビックリ致しました。
左右の頬がパンパンに腫れあがり、皮膚の表面は赤く熱感がありました。
色々と話をお聞きしてみて、顎関節症が引き金になって起った、頬の筋肉の炎症ではないかと推察されました。
顎関節の不調を訴えておられたのですが、まずは、頬の腫れを何とかしないと話が先に進みません。
結局、その日は内服薬を処方して炎症を治めて、経過をみる事にしました。
数日後、だいぶ腫れが引いてきましたので、以前治療していた歯科医院とは別の治療方針を立てて、顎関節症の治療をおこないました。
この患者さんの顎関節症は本当に難治性のもので、結局噛み合わせに関与する筋肉の安静を計り、適切な噛み合わせの位置を模索するのに3年かかりました。
通常は半年程度で治癒にまで導けるのですが、この患者さんは娘時代に頬を殴られ、半年程口が自由に開かなかったという事情があったという事と、大学病院が嫌いだったというワガママもあり、どうしても私が治療を担当しなくてはならず、
正直言って、脳みそがしわくちゃになるくらい色々治療方針を考えて、四苦八苦しながらやっと適切な噛み合わせを見つけ出した時には、3年経っていたという特殊なケースでした。
さて、治療の経過はさておき、何故この患者さんは頬がバンバンに腫れあがったのでしょうか?
正常な筋肉が収縮するときには、それに伴って筋肉の疲労を回復するためのメカニズムが働きます。
顎関節症の原因の一つと考えられる噛み合わせに関与する筋肉の収縮は『拘縮』と呼ばれます。
この『拘縮』は特殊なメカニズムで筋肉が縮み、血流が障害され、これに拘縮によるエネルギー消費の増大が加わって代謝産物が蓄積し、ブラジキニン(痛みの元)が産出されて痛みを生じます。
このときプロスタグランジン(炎症をドンドン悪化させる物質と考えて下さい)も産出され、ブラジキニンの発痛作用を増加します。
筋肉が痛みの発生源となると、反射性筋収縮や血管収縮が加わって痛みを強め、痛みの悪循環ができ上がります。
血流が悪いと、なかなか筋肉の疲労が回復せず、そのため『しこり』が残ります。
これらが慢性化すると、今度は筋・筋膜痛症候群と呼ばれる厄介な状態がおこります。
顎関節症のある方は、多かれ少なかれ、噛み合わせに関与する筋肉の中に、この『拘縮』や『しこり』があります。
まず、この残った『拘縮』や『しこり』を取り除く事が、私の普段から行っている顎関節症のまず始めに行う治療です。
ふじりんごさんの腫れは、ちょうど『咬筋』と呼ばれる噛み合わせに関与する筋肉に、一時的にこのような状態が起っている可能性が否定できません。
中本先生、タイヨウ先生のお勧めに素直に従って、大学病院を早期に受診される事をお勧め致します。
患者さんは60代始めの女性です。
他の歯科医院でもう5年以上、顎関節症の治療を受けているとの事でした。
初診時に彼女の顔を拝見してビックリ致しました。
左右の頬がパンパンに腫れあがり、皮膚の表面は赤く熱感がありました。
色々と話をお聞きしてみて、顎関節症が引き金になって起った、頬の筋肉の炎症ではないかと推察されました。
顎関節の不調を訴えておられたのですが、まずは、頬の腫れを何とかしないと話が先に進みません。
結局、その日は内服薬を処方して炎症を治めて、経過をみる事にしました。
数日後、だいぶ腫れが引いてきましたので、以前治療していた歯科医院とは別の治療方針を立てて、顎関節症の治療をおこないました。
この患者さんの顎関節症は本当に難治性のもので、結局噛み合わせに関与する筋肉の安静を計り、適切な噛み合わせの位置を模索するのに3年かかりました。
通常は半年程度で治癒にまで導けるのですが、この患者さんは娘時代に頬を殴られ、半年程口が自由に開かなかったという事情があったという事と、大学病院が嫌いだったというワガママもあり、どうしても私が治療を担当しなくてはならず、
正直言って、脳みそがしわくちゃになるくらい色々治療方針を考えて、四苦八苦しながらやっと適切な噛み合わせを見つけ出した時には、3年経っていたという特殊なケースでした。
さて、治療の経過はさておき、何故この患者さんは頬がバンバンに腫れあがったのでしょうか?
正常な筋肉が収縮するときには、それに伴って筋肉の疲労を回復するためのメカニズムが働きます。
顎関節症の原因の一つと考えられる噛み合わせに関与する筋肉の収縮は『拘縮』と呼ばれます。
この『拘縮』は特殊なメカニズムで筋肉が縮み、血流が障害され、これに拘縮によるエネルギー消費の増大が加わって代謝産物が蓄積し、ブラジキニン(痛みの元)が産出されて痛みを生じます。
このときプロスタグランジン(炎症をドンドン悪化させる物質と考えて下さい)も産出され、ブラジキニンの発痛作用を増加します。
筋肉が痛みの発生源となると、反射性筋収縮や血管収縮が加わって痛みを強め、痛みの悪循環ができ上がります。
血流が悪いと、なかなか筋肉の疲労が回復せず、そのため『しこり』が残ります。
これらが慢性化すると、今度は筋・筋膜痛症候群と呼ばれる厄介な状態がおこります。
顎関節症のある方は、多かれ少なかれ、噛み合わせに関与する筋肉の中に、この『拘縮』や『しこり』があります。
まず、この残った『拘縮』や『しこり』を取り除く事が、私の普段から行っている顎関節症のまず始めに行う治療です。
ふじりんごさんの腫れは、ちょうど『咬筋』と呼ばれる噛み合わせに関与する筋肉に、一時的にこのような状態が起っている可能性が否定できません。
中本先生、タイヨウ先生のお勧めに素直に従って、大学病院を早期に受診される事をお勧め致します。
相談者からの返信
相談者:
ふじりんごさん
返信日時:2008-09-12 00:08:05
タイトル | 顎関節症で顎が腫れることは無いのか? 昨夜から顎に痛みと腫れがある |
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質問者 | ふじりんごさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 33歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
噛み合わせ(咬合)その他 顎関節症 専門的な質問その他 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。