クラックのある右上6番の治療方法、お勧めのクラウンは?

相談者: なまくらさん (41歳:男性)
投稿日時:2008-10-19 13:36:52
とても勉強になるサイトで大変感謝しています。

現在治療中の、ヒビから感染(?)して歯髄炎になった「右上6番」に入れるクラウンについてご質問します。

質問は下の2点です。
自分のをできるだけ長く、使っていくために何かオプションがあればと思いご相談しました。

Q1. クラウンを入れる前の選択肢はあるか

Q2. クラウンの材料で予後に優劣はあるか


治療経緯

1) 右上6番に刺激で痛みを感じ、歯科受診を決断
-約25年ぶりの歯科受診
-過去、該当歯の咬合面に小さくア充済み

2) 問診、視診、パノラマカリエスは見つからず、バーナルを塗って経過観察

3) 歯髄炎の典型的な経過をたどって激痛、初診2日後に同医院で抜髄

4) 根管治療後すぐに痛みが取れ、経過は良好

5) インレー印象前に歯を削っている際、該当歯に「ヒビ」を発見
-抜髄後、16日経過

***ヒビは歯の鉛直方向(マキを割るような方向)で、円周方向に完全に貫けているようです。
歯を舌側半分と頬側半分2つの半円柱に割る方向です。

6) 「セラミック/ハイブリッド/ゴールド/保険」のどれにするか選択肢を与えられる


先生に症状と適応について、たっぷり時間をとって説明して頂きました。

「ご自分の歯だとしたら?」

の私の質問に

「ヒビが無ければセラミック。でも、いつまで持つか分からないので保険で治すかも」

とおっしゃられました。

『なんと良心的な!!!!!!』と感心するとともに、寿命かぁと悲しい気分になっています。

ここまでの診断、処置には私なりに全て納得しており不信はありません。

アドバイス頂きたく、よろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2008-10-19 16:25:41
の根までヒビが入っていませんか。

だとすると抜歯が視野に入ってきますので、再度記入してください。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2008-10-19 17:16:14
なまくらさまこんにちわ。

にクラックが入って歯髄炎を起こし抜髄となってしまって、その後の処置方法について迷っていらっしゃるようですね。

直接お口の中を拝見したわけではないので、文面からの推測にはなりますが、新鮮症例で近遠心的なクラックなので、接着修復するのはそれほど困難ではないように思います。

接着修復については、私はまだ始めたばかりで症例数も少なく大きなことは言えませんが、私が教えてもらった先生は5年ほどの臨床経験があり、完全に分離した症例以外は治るとの事でした。


したがって、このまま歯冠修復せずにクラックを接着修復すれば、抜歯せずに治る可能性が高いように思います。

接着修復した後はご希望の材料で冠を被せたらいいと思います。

お大事になさいませ。


歯根破折歯の接着修復   

http://yamadashika.jugem.jp/?cid=143





回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2008-10-20 09:30:54
そうですね、僕はお二人の先生の中間と言う感じでしょうか。

確かに破折が歯根に及ぶような場合には、抜歯も視野に入れなければなりませんが、生活歯からの短期間での破折で歯根に及ぶようなケースは(僕の短い歯科医師経験の中では)、今まで経験した事がありません。

なので、歯冠修復で持たせられるのではないかと思います。


また、逆に山田先生のおっしゃられているように僕は基本的には「接着修復」をメインに考えていますが、このようなケースではチップ&ダツリを繰り返してしまう傾向があるように思います(って言っても似たようなケースはほんの数例ですけど)。

ですので、これ以上、破折を進行させたにためにも「タガをはめる」方が予後の長期安定を得られるように思います。

ですから


>Q1. クラウンを入れる前の選択肢はあるか

これに関しては「1度接着修復を試みる価値はある」と思いますが、半年〜1年前後でチップ(欠けて)してしまう可能性もあると言う事は、頭の隅に入れておいた方が良いと思います。


>Q2. クラウンの材料で予後に優劣はあるか

男性の大臼歯

しかも破折の既往があるのであれば、僕は間違いなくゴールドを選択します。

保険のクラウンで‥」と言う考え方もあるとは思います。

しかし、パラジウム合金はかなり硬いですよね。

過去にそれだけの(破折を起こすような)負担がかかっている部位と考えると今度は下顎の6番が心配になります。

で、あれば「少し柔らかめの金属を選択する」と言う考えです。


実際の破折の状況や、咬み合わせを見ていないので何とも言えませんが、僕としての文章からだけの判断ではこのような回答になります。


担当の先生は、非常に良さそうなアドバイスをされているように思います。

僕の意見はあくまでも個人的意見として、しっかり相談される事をおすすめします。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2008-10-20 11:50:06
なまくらさん おはようございます。


「確かに破折が歯根に及ぶような場合には抜歯も視野に入れなければなりませんが、生活歯からの短期間での破折で歯根に及ぶようなケースは今まで経験した事がありません。」

そうですね。
僕もタイヨウ先生と同じ考えです。
ですが、20年の臨床では実際には非常にまれですが3名、
生活歯が割れてしまった患者さんがいました。
大臼歯が真っ二つです。

「歯を舌側半分と頬側半分2つの半円柱に割る方向です。」

全員そういう方向に割れています。
これは、通常の歯根破折とは異なる方向なので、
重要なポイントなのです。

そういうタイプの患者さんは
特殊な噛み合せの癖があることが多いですから、
まず、その辺りの診断を行って対応がなされていなければ、
冠を被せてもまた同じことは起こるでしょう。

----------

歯髄炎の典型的な経過をたどって激痛、
初診2日後に同医院で抜髄


歯髄炎の典型的な経過もあるかもしれませんが、
通常は無いでしょうね。
もしも、抜髄しなければならないほどの
ひびが入っている場合は、抜歯になる可能性が高いです。
(ひびがどこまで続いているのかによります)

気をつけて歯を診査してもらっているとは思いますが、
とりあえず、気になったので書きました。

いずれにしても歯を残したいという気持が強いのであれば
メタルのクラウンをお勧めします。
そして、顎を動かした時に
あまり強くぶつからないように作ってもらうこと。
おそらく、そう考えてくれてるとは思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: なまくらさん
返信日時:2008-10-20 12:11:04
松山先生、山田先生、タイヨウ先生、宮下先生

ご回答ありがとうございます。

私が返信を書くより先生方の回答が早くて追いつきません。
有難い驚きです。

ご回答に対し不十分で失礼かと思いますが、あまり遅くなるのもと考えて下記内容で返信させていただきます。

また後ほど、先生方のご回答をよく咀嚼して不足を追記いたします。


痛みを自覚してからの経過は以下のとおりです。
歯髄炎の典型的な経過」と記したのは、下のような過程です。

冷たいものがしみる→が当たると痛い/おさまる→温かいものが痛い→静かに横になっていても激痛


1) 知覚過敏様の痛みを感じ始めてから、歯髄炎末期の痛みまで2ヶ月弱

2) 無刺激で断続的に痛むようになってから抜髄まで2週間

無刺激で痛むようになった契機は、めん固めに茹でて食べたつけめんでした。これだけが後悔の種です。
やわらかめにしておけば良かった(;_;)

3) 問題の歯以外の状態ですが、左右上下の7番に25年前に治療してそのままのアマルガムがあります。
噛み合わせについては自覚症状は無し、客観的良し悪しはわかりません。


松山先生

> 歯の根までヒビが入っていませんか。
>だとすると抜歯が視野に入ってきますので、再度記入してください。

正確にはわかりません。
次回の診察の際に確認します。

ただ、ヒビが直接の原因で近々抜歯が必要かもという所見ではありませんでした。
記述が不十分で申し訳ありません。

「いつまで持つか分からない」という話は、下のようなコンテキストで説明を受けました。

-ヒビの方向が悪いのでインレーは無理でクラウンが必要

-根管治療には再発リスクがあるので、自費のクラウンを壊す日がいつ来るかわからない

-ヒビがあるので、根の再感染のリスクが上がる

-再感染時は抜歯の可能性大



山田先生、タイヨウ先生

「接着修復」という治療は初めて知りました。
これは保険外ですよね?
勉強して、次回、担当医に相談してみます。


また、ゴールドクラウンが私も良さそうに思っていたので悩みます。

実は、担当医の最初の選択肢は「セラミック/ハイブリッド/保険」だったのですが、ゴールドについて尋ねたところ

「大いに結構です」

と言って頂き、デメリットとして

「何年持つか分からない歯なので保険治療も…」

と加えられました。

初診時の問診で、「保険希望」としたためかもしれません。
色々と気を配って頂いているようです。


良い物、良い治療に対価が必要な事に疑問の余地は無いですが、そのお金を稼ぐのも大変なので、もう少し保険治療内の選択肢が広がれば良いのにと思わざるを得ません。(子供の歯なら保険外を選ぶんですが)

担当医に良く相談して考えたいと思います。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: なまくらさん
返信日時:2008-10-20 22:16:07
自分の投稿、返信を読み返すと不明瞭なので追記しました。

現状は直近の受診で発見された「ヒビ」のため、治療方針をインレーからクラウンに変更したところです。
私にはクラウンを渋る気持ちはありません。

抜髄の時点で歯髄炎の原因は特定されず、「ヒビ」を発見した後もこれが原因で感染したと明示的には言われていません。(原因については予防の為の興味はありますが、過去の事なので強くはこだわりません)


1) ヒビの程度の確認がまず必要

2) 接着修復が有効な場合がある

3) 歯根に達していなければ、すぐに抜歯が必要とは限らない

4) 3) ならば、ゴールドクラウンを選択する意味はある

4) 噛み合わせに注意して作らないと再発の可能性大



という理解で正しいでしょうか。


よろしくお願いします。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2008-10-21 04:48:13
それでいいと思います、ただし

2)については、私は念のため接着修復はしておいたほうがいいと思います。

4)については、こだわらなくてもいいでしょう。

ただ接着修復は自費治療となるので、それ以降は全て自費診療となります。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: なまくらさん
返信日時:2008-10-21 22:51:23
山田先生、ご回答ありがとうございました。

この相談室の過去の記事や、山田先生のBlogも併せて拝見し勉強いたしました。
おかげさまで納得して治療方針を選択、続けられます。

また今まで大きなのトラブルを持たなかった事が、いかにラッキーだったかと痛感しました。

お忙しい中、ご回答頂きました諸先生方、改めて御礼申し上げます。



タイトル クラックのある右上6番の治療方法、お勧めのクラウンは?
質問者 なまくらさん
地域 非公開
年齢 41歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 歯のヒビ(ひび割れ)
保険のクラウン(奥歯:銀歯)
ハイブリッドセラミッククラウン
オールセラミック(陶器の被せ物)
ゴールドクラウン(金の被せ物)
お勧めのクラウン(被せ物・差し歯)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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