床矯正は歯が傾斜移動するだけで、平行移動はしないのでしょうか?

相談者: カフェオレさん (10歳:男性)
投稿日時:2008-11-30 00:05:39
はじめまして。
このようなサイトを運営してくださって、ありがとうございます。
息子の矯正について相談させてください。


息子がつい最近まで8ヶ月ほど、上のに床矯正の装置をつけていました(とりはずし可能なもので、ねじを巻いて広げていく装置です)。
永久歯への生え変わりで装置が合わなくなってしまったので、現在ははずしている状態です。

歯列は少し広がりましたが(だいぶ戻ったように思いますが)、現在、やや窮屈で軽い八重歯の状態です。

「もう一度装置を作って歯列をもう少し広げましょう」

と医師に言われているのですが、矯正を継続するか迷っています。



その理由なのですが、装置をはめていた時、確かに歯列は広がったのですが、臼歯部分が明らかに外側に傾斜移動していて、下の歯と噛み合わなくなっていたのです。

ちなみに現在は、後戻りのせいか?臼歯部分の噛み合わせがまた合ってきています。
これは歯が傾斜移動していただけだからでしょうか?



いろいろなサイトで調べたところ、「床矯正は歯が傾斜移動するだけで、平行移動はしない(歯槽骨は大きくならない)」との記述もあり、医師に質問してみたのですが、

「歯だけでなく、歯槽骨も広がりますよ」

という回答でした。

どちらが本当なのでしょうか?



私としては、歯槽骨まで広がるのであればいいけれども、傾斜移動するだけなら、後戻りがひどそうなので、床矯正を続けるのをやめたほうがいいのでは?と思っています。


また、床装置だけで、噛み合わせまできちんとよくなるのかも疑問になってしまいました。
仕上げにワイヤーを使わずに、噛み合わせまで揃えられるのでしょうか?



よく「第1段階で済む場合もある」との記述がありますが、その第1段階で終了した子は、噛み合わせも大丈夫なのでしょうか?
それとも、多くは仕上げにワイヤーで整える必要があるのでしょうか?


矯正を始める前にかなりリサーチしたつもりだったのですが、料金的に安かったことや、抜歯なしでうまく歯並びをよくしてあげられるかもしれないという希望的観測で(医師も「広がりますよ〜」とおっしゃっていたので)、勇み足で始めてしまったことにやや後悔しています。

この機会に、床矯正についての正確な知識を身につけたいと思っています。

アドバイスをいただければ幸いです。
よろしくお願いたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2008-11-30 00:55:55
はじめまして。

かなりリサーチされてますね^^

拡大床については、成長期が終わるまでの間なら、規定通りに拡げれば骨ごと拡大する様ですよ。
拡大するスピードが遅いと傾斜移動になると思います。


私は小児矯正はまだ経験がないのですが、成人では確かに傾斜移動になりますね。

でも下のとの咬み合わせについては小児であれ成人であれ、なぜか上の歯について合わさってくることが多い様です。

もちろん限度はあると思いますよ。



もしかしたら抜歯矯正の方がうまく行くのかも知れませんし、仕上げのワイヤーが必要になるかも知れませんし、そのあたりは担当される先生の診断力でしょうね。

正確な知識と言うよりも、先生次第(それと言いつけ通り拡大していけるか)だと思います。

担当の先生とよく話し合われてください。

どういう方法でも良い結果が出るといいですね、頑張って下さい。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2008-11-30 04:38:28
カフェオレさまおはようございます。

床装置を使って歯列の拡大をなさったのですね。

どのような状態の不正咬合か判らないので今後継続していくべきかどうかについてなんともいえませんが、文面からは少し無理があるように感じます。



矯正治療においての移動は歯体移動が一番いいわけですがワイヤーを使ってもまず不可能です。

多かれ少なかれ傾斜移動します。
ただブラケットを使ってワイヤーでガイドしながら移動させると傾斜移動した後ティプバックさせるので結果として歯体移動した事になります(成人ではかなり困難です)。


矯正は経験がないのでなんとも言えませんが、拡大床ではお子さんのようにおそらく傾斜していくものと思われます。


私の場合は上顎の大きな拡大が必要な場合はラピッドエクスパンションといって正中口蓋縫合を分離させる方法をとります。

わずかでいい場合はクオドへリックスを使っています、いずれにしろ非可撤式装置になります。

抜歯ケースを無理をして拡大すると歯軸がフレアーアウト(傾斜)してしまいがちです。
そして終了時両顎前突になったり、トゥシーアピアランス(口中歯だらけ)になることがあります。

抜歯するかしないかまた費用については患者さんにとって重要な問題だと思いますが我々矯正家にとっても抜歯をするかしないかは仕上がりの点で大きな問題をはらんでいます。



結局の所、正確な診断と適切な治療計画そして技術的な裏づけが無いとうまく行かないと思います。
今後については主治医とよくご相談なさってお決めになるしかないように思います。

場合によってはワイヤーを使ってやり直すことも考えなければならないのかもしれません。

まだもう少し時間はかかりそうなので矯正治療がんばってください。

参考:
矯正治療? http://yamadashika.jugem.jp/?cid=149
インプラント矯正? http://yamadashika.jugem.jp/?cid=133

傾斜移動 インプラントをアンカーにしてエラスティックで後方移動させたが傾斜移動になっている。

画像1 移動開始時
画像2 8ヵ月後

画像1画像1 画像2画像2

回答 回答3
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2008-11-30 11:26:08
題目のみについて

>床矯正ではは傾斜移動するだけで


床矯正だから傾斜移動のみと言うことはありません。
維持装置の工夫その他状況によって、種々の工夫により、歯体移動も可能です。
むしろ歯列弓の拡大、歯槽骨堤の拡大には、床矯正が向いているのです。
少しくらいの傾斜移動は、折り込み済みでしますので、途中経過で一喜一憂する事はないと思います。
むしろカフェオレさんを安心させる説明が足りなかったくらいに思っていてよいでしょう。



>歯槽骨までは広がらないのでしょうか?

上記のとおりですが、ワイヤーが優れているとか、床矯正が優れているとかの問題ではなく、種々の条件により、相談して決めてはいますが。


追加

>仕上げにワイヤーを使わずに、噛み合わせまで揃えられるのでしょうか?

理論的には、床矯正でもあらゆるテクニックを使えば可能ですが、仕上げはワイヤーに限らず他の方法もあります。
どのような方針で進めるのかわかりませんが、術者も成長による変化と予想を見届けながらでないとわからない部分もあることを承知ください。
現在の矯正学は少ししか成長の予測はつけられないものなのです。


いずれにしても勇気を持って先生に尋ねてください。
このときにある程度明確に説明を受けられなかったら、また相談されるのがよいと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: カフェオレさん
返信日時:2008-11-30 17:59:25
渡辺先生、山田先生、松山先生、お忙しい中、ご返信ありがとうございます!
いつもロムしているだけでしたが、思い切って相談して本当によかったです。


渡辺先生
>拡大するスピードが遅いと傾斜移動になると思います。

というのは初めて聞きました。
スピードが遅いと傾斜移動になるという理由がよくわからないのですが、もう少し教えていただけますでしょうか?

実は、というほどでもないのですが、床をはめている時間が短かったため(学校にはつけていっていなかったので)、広がるスピードは遅く、しかも床の広がり具合に顎がついていけなくて、装置が浮いたようになったりしていました。

装置が浮いていれば、にばかり力がかかるので、傾斜移動になってしまうのはある意味当然ですよね?

もし床がぴったり上あごについていたとしても、広がるスピードが遅い場合は傾斜移動になるということでしょうか?



山田先生
詳しいリンクや画像など、ありがとうございます。
山田先生は、床矯正はされていないのですね。
インプラントをアンカーにしても、傾斜移動しているという画像には驚きました。

息子の歯並びは先生がリンクしてくださったYちゃんに少し似ていて(Yちゃんよりは八重歯度合いが少ないですが)、本来は抜歯ケースなのかもしれないです。

セカンドオピニオンで矯正専門医にみてもらったことがあるのですが、その先生は

臼歯が前方に倒れていて前歯叢生になっているので、側方拡大は向いていない。抜歯したほうがいいケースなのでは?」

とおっしゃっていました。
私の疑問であった、傾斜移動や噛み合わせについても、床矯正ではよくあるトラブルだとのことでした。



松山先生
床矯正でも、きちんとした技術があれば、歯体移動も噛み合わせもうまくいくのですね。

ただ、ここが問題(?)で、どうも今の主治医が床矯正の技術をきちんと持っているかどうかが疑問なのです。

これまでも、生え変わりで装置が歯に不自然に当たっていても、こちらから指摘しないと調整してくださいませんでしたし、治療期間や方針を何度聞いても

「やってみないとわからない」

という感じで、納得のいく説明が受けられないのです。

成長による予測は難しいのはわかるのですが、全く予想がつかないというのも不安です。
このまま漠然と続けて、3年後とか5年後に

「やっぱり抜歯しないとムリ」

という結果になるのはできれば避けたいと思っています。


このまま、側方拡大で床矯正を続けるかどうかの見極めが必要な気がしてきました。



先生方は、抜歯・非抜歯はどのような判断をされていますか?
例えば、セファロ(?)を撮れば大体の予測がつくなど、将来を予測するためのポイントはありますか?

うちは、上の歯型をとったのと、パノラマレントゲンを1枚とっただけです。
これだけで、床矯正でいけるかどうかわかるものなのでしょうか?
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2008-11-30 20:35:58
抜歯・非抜はどのような判断をされていますか?

ツィードの分析などがありますがはっきり言って経験です。


非科学的ですが多数の症例を治療していたらセファロと平行模型を見れば大体判ります。
しかしボーダーラインケースは迷います。

ボーダラインケースでは抜歯したらこうなるし、しなければこのようになるとお伝えして患者さんや親御さんに決めてもらいます。



パノラマレントゲンを1枚とっただけです。
これだけで、床矯正でいけるかどうかわかるものなのでしょうか?

床矯正で治療できるのはイージーケースです。
パノラマでは診断できないでしょう。

結局の所イージーケースと難しい症例の見分けが出来ないとにっちもさっちもいかなくなります。

セファロが無いから仕方なくセファロ無しでやっていると思います。
正式に矯正を学んだらセファロ無しで矯正治療をしようとは思わないでしょう。

なぜならセファロがなければ頭蓋と顎顔面の位置関係が全く判らないのでやはり誤診すると思います。

矯正の研究室に在籍している頃セファロを持ち合わせていないところへアルバイトに行ってましたがイージーケース以外は大学病院に紹介していました(この頃は開業医では床矯正しかしませんでした)。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2008-11-30 21:21:46
>スピードが遅いと傾斜移動になるという理由がよくわからないのですが、もう少し教えていただけますでしょうか?

スピードの速い拡大が、山田先生の書かれた「ラピッドエクスパンジョン」と言うのですが、これ「ガバッ」と力をかけるために、ではなくて骨ごとバキバキ拡大していく方法です。(文字で見ると怖いですね^^; 発育旺盛な小児にしか出来ません)

これも山田先生が書かれましたが、正中口蓋縫合と言って、のどちんこ(医学的には口蓋垂→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A3%E8%93%8B%E5%9E%82と言います)の近くから上あごの真ん中を前に行く、骨の縫合線(合わせ面)があります。

この縫合線が、ガバッと急に強い力がかかるせいで、剥がれて拡がって行く(※隙間にはすぐに骨が出来てきます)のがラピッドエクスパンジョンですね。

うまく行けば平行移動に近い感じにはなると思いますよ。

たぶん取り外し式のものもあると思うのですが・・・

>床の広がり具合に顎がついていけなくて、装置が浮いたようになったりしていました。

とのことから、力が十分にかかっていなかった可能性はあると思いますよ。

また取り外しが出来ると、お子さんが目の届かないところで外してた可能性もあるかも知れませんね。

学校で外していればその時間でも元に戻ってしまうと思いますよ。

取り外し式の装置はそういうところが最大の難点でしょうね。



一方これも山田先生が書かれましたが、クオドへリックスの様なワイヤー装置ですと、弱い力が持続的に歯にかかることになりますので、この場合は傾斜要素がより強くなると思います。



私はどちらも経験はないので詳しくありませんが、なんかこの辺り(装着時間)に原因がありそうですね。

回答 回答6
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2008-12-01 10:49:50
>どうも今の主治医が床矯正の技術をきちんと持っているかどうかが疑問なのです。

そうなんですよ。カフェオレさんが疑念を感じておられるのを
前提に報告したつもりです。
矯正に詳しい先生に相談を受けるのをお奨めします。
セフアロは必要です。

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2008-12-01 13:25:16
昔、矯正治療を受けた事のある坂上です。

まず、一番気になるのが、次の部分です。

矯正を始める前にかなりリサーチしたつもりだったのですが、料金的に安かったことや、抜歯なしでうまく歯並びをよくしてあげられるかもしれないという希望的観測で』


『料金が安いか』ではなく『適切な価格か?』を吟味するのが正しい考え方だと思います。

『抜歯なしでうまく歯並びをよくしてあげられるかもしれない』という判断は矯正の専門医から丁寧に説明を受けるべきでしたね。
この件に関しては、必要な検査および分析がなされていたかによります。

現在の非抜歯矯正の驚異的流行は、女性の服装のはやり・すたりを思わせるように思えます。



当院を受診された患者さんの中にも非抜歯矯正でを散々傾斜移動させたあげく(なんとか審美的にはきれいなのですが)、うまく食べ物を噛めない・下の前歯が少しずれてきた・顎関節症の併発等の本来なら起こらないはずの症状を訴える方が後を絶ちません。

ちゃんと勉強なさった真面目な先生に矯正治療を受けているのなら、何の心配も疑問も起こってこないと考えます。

もう、治療費をお支払いになっている事とは思いますが、カフェオレさんの大切な息子さんの将来にまで影響を及ぼしかねないことですので、よくお考えになるべき時期かと考えます。



ちなみに、私は抜歯矯正治療を受けました。
適切な分析の結果、犠牲抜歯をしてでもちゃんと矯正治療を受けた方が良いと判断されたからです。
移動もきちんと歯体移動で行われています。
おかげさまで、30年たった今でも、何ら不都合なく、きれいな歯並びを患者さんに見せびらかす事が出来ます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: カフェオレさん
返信日時:2008-12-02 14:23:57
山田先生、渡辺先生、松山先生、坂上先生、さらなるコメントをありがとうございます。


スピードの速い拡大とは「ラピッドエクスパンジョン」のことを意味していたんですね!
それならよくわかりました。
私は、床矯正のねじを早く巻くか遅く巻くかで違いがあるのかと勘違いしていました(汗)

「クオドへリックス」でも傾斜移動にはなってしまうんですね。
それほど拡大しなくてもいい症例にはよいものなのかなと思いました。

また、床矯正でいけるかどうかの判断にはセファロが必要とのお話で、やはりもう一度、きちんと診断していただいたほうがよいことがよくわかりました。
息子はボーダーラインのように思いますので、なおのこと、非抜歯でいけるのかどうなのかの見極めが肝心なのでしょうね。



坂上先生の「『料金が安いか』ではなく『適切な価格か?』を吟味するのが正しい考え方だと思います」のお言葉はまさにその通りだと思います。

もちろん高いよりは安いほうがいいですが、安くてもいい加減(今の先生がいい加減と決め付けたわけではありませんが・・)な治療では、よい結果が得られないのは当然ですね。
矯正して、噛めないになってしまうことは避けたいので、ここで気づくことができてよかったです。



口コミでは、床矯正でうまくいかなかった例があまり聞けなかったので、自分の息子もうまくいくのでは?という思いが強くて、判断が鈍ってしまっていたと自分でも思います。

まだ、床矯正(非抜歯)でいけるのかいけないのかはわかりませんが、経験の豊富な先生にきちんとした診断をしていただいて、今後の矯正の方向を決めていきたいと思います。

親身になって相談に乗っていただき、本当にありがとうございました。
また、今後もお世話になることもあると思いますが、その時はまたよろしくお願いいたします。



タイトル 床矯正は歯が傾斜移動するだけで、平行移動はしないのでしょうか?
質問者 カフェオレさん
地域 非公開
年齢 10歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 歯列矯正の治療法
小児矯正(子供の矯正)
回答者




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