インプラント予定、抜歯後に使う吸収性メンブレンの実績と安全性について

相談者: にちようびさん (34歳:女性)
投稿日時:2009-05-10 23:51:46
はじめまして。
いつも大変楽しく勉強させていただいています。
にちようびと申します。


現在根分岐部病変にて抜歯インプラント予定の左下6番についてご相談です。
質問が二つあります。


あるインプラントセンターにて

「抜歯時に自家骨移植をして動物由来の吸収性のメンブレンをかぶせましょう」(ソケットプリザベーション?)

と言われました。

自宅に帰って調べたところ、吸収性のメンブレンは非吸収性のものに比べて歴史が浅そうな感じで、動物性由来ということもあり感染症や、免疫面?での安全性は大丈夫かと心配になりました。


歯科相談室では、骨移植時の「自家骨、牛由来の人工骨、化学化合人工骨の安全性」については質問があるようですが、吸収性メンブレンについてはその安全性についての質問がないようでしたので、


?本当のところ安全性はどうなのか、またどの程度の実績があるものなのか、質問させていただきます。



ちなみに最近相談に行った他の2件のインプラントセンター(年間処置数も多いセンター)ではレントゲンのみの所見ですが

「抜歯時には何もする必要なし→3カ月後に必要なら小さい骨移植と同時にインプラント植立」

といわれましたので、あまり必要なさそうならば、抜歯時のメンブレンの処置も受けたくないのが本音ですが、この処置を提案してくださったセンターのみ、先生との相性も良さそう

(きちんと時間をかけて説明をしてくださいます。他は高圧的で怖かった・・)

でしたので、メンブレンの問題がなければこちらでお願いしたいと思っています。


担当の先生は国際口腔インプラント学会の認定医の先生で、インプラントの実績も20年以上と長く実績のありそうな先生です。


また、抜歯時にどうしてもこの処置が必要と判断された場合は、


?吸収性のメンブレンを安全面においても実績がありそうで、なおかつ非吸収性であるメンブレン(ゴアテックス?)の方に替えて処置していただくこと等は可能な事でしょうか。


以上2点についてお忙しい所大変恐縮ですが、ご回答の程よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2009-05-11 01:12:48
こんばんは。


基本的には吸収性のメンブレンでもゴアテックスでも問題ありません。

恐らく骨の造成が出来てから、再び外科処置にてゴアテックスを除去しなければならないという事への配慮ではないでしょうか。


あえて言うならば、吸収性・非吸収性どちらのメンブレンも、術後に感染を起こした時にゴアテックスは歯肉を剥離すれば容易に剥がせるのですが、吸収性メンブレンはその名の通り溶けかかっている状態であると、どこまでがメンブレンなのか骨なのかが見分けがつき難く時間がかかってしまう時があります。

ただそれでもきちんと処置できていれば、問題は少ないと思っています。


確かにどうしても必要と言えるのかどうかは様々な意見がありますが、お話の感じではその先生の長い経験の中でその方が将来的によい結果が得られるであろう、という事でお勧めしているのではないかと考えられます。


ただどうしても気になるのであればゴアテックスでやっていただくという提案も出来るとは思います。
しかし最終的にどちらが良いかの判断は、やはり今直接診ていただいている先生のご意見の方が尊重されるべきでしょう。



例えといえば、ちょっとその物の置かれる環境が違うので正しい例えではないかも知れませんが・・・

一般的な医科での手術で吸収性の縫合糸が使用されますが、その成分的な事が要因で問題が出る事は滅多な事でありません。
むしろやはりその部分が感染を起こすか否かが問題であります。


口腔内は臓器と違い、唾液と細菌にさらされる事が多くそういう意味合いでの偶発症はあるとは思いますが、それでも使用される理由は先にも書きました通りでございます。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2009-05-11 09:37:48
非吸収性のメンブレンは最近では使われなくなってきています。

理由は、メンブレンの上の歯肉が裂開したさいに そこから細菌感染を起こしやすく、感染がメンブレンの下に広がることが多いためです。

そういう点を考えて非吸収性のメンブレンが普及していますが、今回のようにソケットプリザベーションするだけでしたら、通常は歯肉で抜歯窩を覆ってやれば充分です。


吸収性のメンブレンはアテロコラーゲンのものが主だったと思います。

コラーゲンには抗原抗体反応を起こす可能性があるのですが、アテロコラーゲンにしてあるのでそのような免疫応答が起き難いってことですね。


ただ、何も入れなくとも6ヶ月位すれば骨はできてきます。

目的は骨が陥没しながら治るのを防ぐためのスペースメイキングのために、抜歯窩にイロイロなものを詰めておくという考えです。

回答 回答3
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2009-05-11 09:40:18
>動物由来の吸収性のメンブレン?

動物由来ではなく、ポリ乳酸の重合体のはずです。



>吸収性メンブレンについてはその安全性について

吸収性の縫合糸にも使われていますし、一時的骨固定のボルトとして,整形外科分野でもつかわれていますので、全く問題ないでしょう。

抜歯窩保護・自家骨移植であれば、普通ポリ乳酸膜を使いますので,説明した歯科医の勘違いではないかと思います。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2009-05-11 11:58:05
動物由来の吸収性のメンブレンですからアテロコラーゲンだと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: にちようびさん
返信日時:2009-05-11 22:21:17
田中先生、タカタ先生、松山先生、お忙しい中、素早い回答をありがとうございました!!


田中先生>

基本的に吸収性でも非吸収性でも対応できる処置なのですね。

でも骨造成後のゴアテックス除去の手間や万が一感染した場合の問題もあるとの事ですので、それを心の中でふまえた上で後は担当の先生に一応相談してみて、最終的にはその先生の方針に従います。



タカタ先生>

単純に歯肉抜歯窩を覆う方法もあるのですね!
骨の欠損が大きくなければそういった単純な方法の方が(添加した骨が少し落ちてきたとしても)私としては何となく安心なのですが、担当の先生のお考えもあると思いますので、それとなく聞いてみます。

抗原抗体反応についても言及いただきありがとうございます。
それとアテロコラーゲンについても検索してみます!


松山先生>

ポリ乳酸膜で覆う方法もあるのですね。
そういえば抜歯保護に関係する松山先生のレス中で何度かこの製品名?を拝見した気がします。

こうしてみると、抜歯の仕方でさえ、本当にインプラントの分野はまだまだ結論が出揃っておらず発達段階にある分野なのだなと思います。

最後には信頼できる先生にすべてお任せするしかないのですね。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2009-05-12 13:22:54
解決されているようなのですが、気に成りましたので書かせていただきます。


>あるインプラントセンターにて
>「抜歯時に自家骨移植をして動物由来の吸収性のメンブレンをかぶせましょう」(ソケットプリザベーション?)

自家骨移植となると抜歯部位以外に何処からか骨を貰わないといけなくなる筈ですが、その説明は聞かれているのでしょうか?

私のお勧めはわざわざ自家骨とか取らないでもβTCPとかHAとかの人工的にその部位のボリュームを維持できる材料を充填される方が、口腔内の他の部位に傷付けないで済むので良いのではないか、と思います。

後いつも書きますが歯科用CTでの精密な診断・治療をお勧めします。
上手く行けば1回の手術で抜歯同時植立で治せる可能性もあるのでは、と思うからです。

歯科用CTも使いこなせているのかどうか、と言う問題もありますので、その辺の説明も聞かれる方が良いのでは、と思います。


お大事に。




タイトル インプラント予定、抜歯後に使う吸収性メンブレンの実績と安全性について
質問者 にちようびさん
地域 非公開
年齢 34歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 抜歯:6番(第一大臼歯)
インプラント治療法
インプラントその他
インプラント関連
材料・機材関連
回答者




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