重度のパニック発作を患う患者の水平埋伏知歯の抜歯について
相談者:
マツ子さん (30歳:女性)
投稿日時:2009-05-21 15:28:03
初めまして。
重度のパニック発作とうつで10年程精神科に通院しています。
昨年より徐々に回復し、安定剤を飲めば自力で歯科に通院出来る程に回復しました。
(重度の時はそもそも外出が困難です)
今回は第三大臼歯、親知らずの件で質問させて下さい。
上2本は真っ直ぐはえていますが完全に埋まっています。
レントゲンで見ると幅が狭いためか、7番の根っこに阻まれてはえてこない様に見えます。
(奥深くに埋まっています)
今回は下2本が問題です。
痛みや虫歯はありませんが、両方とも横に寝て埋まっており、1ミリ程顔を出しています。
歯科担当医には
「抜歯するかどうかは本人の判断、ただし難しいので抜歯なら大学病院を紹介」
と言われました。
精神科医には歯科の治療については
「行けるうちに行った方が良い(今後発作症状がどうなるかわからないので)」
と言われています。
ここで質問ですが
1) 単純に(精神病状のことを先々考えて)下2本はいま抜くべきか否か
2) 抜歯の場合は全身麻酔か静脈内鎮静を考えていますが、症状のない上2本も抜くべきか否か
以上、長くなりましたが宜しくお願い致します。
不安でいっぱいです。
重度のパニック発作とうつで10年程精神科に通院しています。
昨年より徐々に回復し、安定剤を飲めば自力で歯科に通院出来る程に回復しました。
(重度の時はそもそも外出が困難です)
今回は第三大臼歯、親知らずの件で質問させて下さい。
上2本は真っ直ぐはえていますが完全に埋まっています。
レントゲンで見ると幅が狭いためか、7番の根っこに阻まれてはえてこない様に見えます。
(奥深くに埋まっています)
今回は下2本が問題です。
痛みや虫歯はありませんが、両方とも横に寝て埋まっており、1ミリ程顔を出しています。
歯科担当医には
「抜歯するかどうかは本人の判断、ただし難しいので抜歯なら大学病院を紹介」
と言われました。
精神科医には歯科の治療については
「行けるうちに行った方が良い(今後発作症状がどうなるかわからないので)」
と言われています。
ここで質問ですが
1) 単純に(精神病状のことを先々考えて)下2本はいま抜くべきか否か
2) 抜歯の場合は全身麻酔か静脈内鎮静を考えていますが、症状のない上2本も抜くべきか否か
以上、長くなりましたが宜しくお願い致します。
不安でいっぱいです。
回答1
歯科医師の松山です。
回答日時:2009-05-21 15:36:57
結論から言うと、4本すべて今のうちに抜いておいた方が良いでしょう。
上は下の親知らずが生えてこない限り、役立ちそうに有りません。
下は埋まっているために、虫歯になったり、智歯周囲炎と称される親知らず周囲の炎症にこれから、煩わされるからです。
また、下は骨癒着していく可能性があり、年令が進むと抜歯しにくくなる上、高年齢ほど手術自体が大変になるからです。
上は下の親知らずが生えてこない限り、役立ちそうに有りません。
下は埋まっているために、虫歯になったり、智歯周囲炎と称される親知らず周囲の炎症にこれから、煩わされるからです。
また、下は骨癒着していく可能性があり、年令が進むと抜歯しにくくなる上、高年齢ほど手術自体が大変になるからです。
回答2
はただデンタルクリニック(渋谷区本町)の畑田です。
回答日時:2009-05-21 15:40:43
マツ子さん、こんにちは。
親知らずは痛くないうちに抜歯を行うのが賢明だと思います。
またマツ子さんの場合は精神科の先生に「行けるうちに行っておいたほうが良い」というアドバイスをされているのであれば、今が抜歯を行う時期なのかもしれません。
上顎の親知らずについては、どのような状態なのかがわからないので具体的なアドバイスはできませんが、容易に抜歯が可能なのであれば抜いておいたほうが良いかも知れません。
また、大学病院でしたら施設も整っているので、静脈内鎮静や全身麻酔にも対応してくれると思います。
参考になれば幸いです。
親知らずは痛くないうちに抜歯を行うのが賢明だと思います。
またマツ子さんの場合は精神科の先生に「行けるうちに行っておいたほうが良い」というアドバイスをされているのであれば、今が抜歯を行う時期なのかもしれません。
上顎の親知らずについては、どのような状態なのかがわからないので具体的なアドバイスはできませんが、容易に抜歯が可能なのであれば抜いておいたほうが良いかも知れません。
また、大学病院でしたら施設も整っているので、静脈内鎮静や全身麻酔にも対応してくれると思います。
参考になれば幸いです。
相談者からの返信
相談者:
マツ子さん
返信日時:2009-05-21 16:02:42
回答3
はただデンタルクリニック(渋谷区本町)の畑田です。
回答日時:2009-05-21 16:31:57
4本まとめて抜歯をすることは技術的には可能ですが、術後の症状もそれだけつらくなります。
なので私はあまりおすすめしません。
一本の親知らずを抜歯するだけでも結構いろいろな症状が出ることが予想されるので、4本まとめて抜くのであれば全身麻酔で入院だと思います。
ただ、事情が事情なので病院では相談に乗ってくれると思いますよ。
詳細はかかる大学病院にお問い合わせをしてみてください。
なので私はあまりおすすめしません。
一本の親知らずを抜歯するだけでも結構いろいろな症状が出ることが予想されるので、4本まとめて抜くのであれば全身麻酔で入院だと思います。
ただ、事情が事情なので病院では相談に乗ってくれると思いますよ。
詳細はかかる大学病院にお問い合わせをしてみてください。
回答4
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2009-05-22 01:26:08
マツ子さん、こんにちは。
ご質問をうかがい、少々気になる点があります。
>精神科医には歯科の治療については
>「行けるうちに行った方が良い(今後発作症状がどうなるかわからないので)」
>と言われています。
との件に関して。
この『歯科の治療』というものを、精神科の担当の先生は、親知らずの抜歯…、それも場合によっては入院・全身麻酔下での4本連続の抜歯である…ということを認識されておられるのでしょうか。
何となく、精神科の先生が言われる『歯科の治療』というものが、虫歯の治療等を想定されておられるような感を持ちます。
ある程度心身双方に負荷をかけることになる親知らず抜歯に関しては、また別の話になる可能性も否定できないように思えます。
再度精神科の先生に、親知らず抜歯、それも場合によっては入院・全身麻酔下での4本連続抜歯となることをお伝えになられた方が良いと思います。
もし仮に、既に親知らずの抜歯であることを伝えられている、あるいは伝えられた上でOKとのことでしたら、具体的に抜歯の件を検討されては、と考えます。
お大事になされてくださいね。
ご質問をうかがい、少々気になる点があります。
>精神科医には歯科の治療については
>「行けるうちに行った方が良い(今後発作症状がどうなるかわからないので)」
>と言われています。
との件に関して。
この『歯科の治療』というものを、精神科の担当の先生は、親知らずの抜歯…、それも場合によっては入院・全身麻酔下での4本連続の抜歯である…ということを認識されておられるのでしょうか。
何となく、精神科の先生が言われる『歯科の治療』というものが、虫歯の治療等を想定されておられるような感を持ちます。
ある程度心身双方に負荷をかけることになる親知らず抜歯に関しては、また別の話になる可能性も否定できないように思えます。
再度精神科の先生に、親知らず抜歯、それも場合によっては入院・全身麻酔下での4本連続抜歯となることをお伝えになられた方が良いと思います。
もし仮に、既に親知らずの抜歯であることを伝えられている、あるいは伝えられた上でOKとのことでしたら、具体的に抜歯の件を検討されては、と考えます。
お大事になされてくださいね。
回答5
大阪中之島デンタルクリニック(大阪市福島区)の山本です。
回答日時:2009-05-22 10:08:29
10年間通院されていると言うことは、パニック障害とはもう長いつきあいになりますね。
発症当時と比べると、かなり病気の状態もご自身で理解されてきていると察します。
そろそろ薬を飲む頃だとか、このあたりだと外出も大丈夫であろう・・など。
今の時点でどの程度までの歯科治療が可能なのか、文面だけでは判断がつきません。
いわゆる麻酔注射や歯を削ったりする行為が難なく受けられるくらいになっていれば、信頼できる歯科医院で(パニック障害の状況を理解されていることが必要、ただし抜歯を得意とする歯科医師でないとだめですが)、治療を受けることは可能なように思います。
大学病院ならば、抜歯の技術は問題ないでしょうが、新しい医療環境に戸惑わないかどうか、また全く見知らぬ所に出かけられるかどうか、かなり大勢の人が集まっている大学病院という雰囲気の中で、パニック障害がどのようにおこるかなどを考えると、大学病院が最適とも言い切れません。
パニック障害の場合は、自分自身で安定剤を飲むタイミングを決める場合が多いですが、治療中はまだ効果が出てなくて、治療が終わった頃に薬の効果が出て、帰宅できるまでかなり待合室で休まなければならないということも考えられます。
初めから抜歯ありきでなくて、大学病院でその状況に身体が順応するまである程度の時間をかけて、担当医とも信頼関係が築けるようになった上で、最もパニック障害の状況が良さそうなときにかかるというのがいいかもしれません。
抜歯するとなれば、全身麻酔か静脈鎮静法で行われるつもりだそうですから、上下顎4本とも抜歯されたらいいかと思います。
個人的には2回にわけた方がいいのではないかと思います。
発症当時と比べると、かなり病気の状態もご自身で理解されてきていると察します。
そろそろ薬を飲む頃だとか、このあたりだと外出も大丈夫であろう・・など。
今の時点でどの程度までの歯科治療が可能なのか、文面だけでは判断がつきません。
いわゆる麻酔注射や歯を削ったりする行為が難なく受けられるくらいになっていれば、信頼できる歯科医院で(パニック障害の状況を理解されていることが必要、ただし抜歯を得意とする歯科医師でないとだめですが)、治療を受けることは可能なように思います。
大学病院ならば、抜歯の技術は問題ないでしょうが、新しい医療環境に戸惑わないかどうか、また全く見知らぬ所に出かけられるかどうか、かなり大勢の人が集まっている大学病院という雰囲気の中で、パニック障害がどのようにおこるかなどを考えると、大学病院が最適とも言い切れません。
パニック障害の場合は、自分自身で安定剤を飲むタイミングを決める場合が多いですが、治療中はまだ効果が出てなくて、治療が終わった頃に薬の効果が出て、帰宅できるまでかなり待合室で休まなければならないということも考えられます。
初めから抜歯ありきでなくて、大学病院でその状況に身体が順応するまである程度の時間をかけて、担当医とも信頼関係が築けるようになった上で、最もパニック障害の状況が良さそうなときにかかるというのがいいかもしれません。
抜歯するとなれば、全身麻酔か静脈鎮静法で行われるつもりだそうですから、上下顎4本とも抜歯されたらいいかと思います。
個人的には2回にわけた方がいいのではないかと思います。
相談者からの返信
相談者:
マツ子さん
返信日時:2009-05-22 10:38:32
畑田先生
はい…そのようですね。その後色々自分なりにも調べまして、4本同時は負担がかかることが分かりました。
いろいろ考えて憂鬱になってしまっています。
丁寧なご回答ありがとうございました。
中本先生
はい、仰る通り、精神科医からは通常治療の件での言葉でした。
その後歯科で親知らずの件について言われ、いろいろひとりで考えて焦ったり憂鬱になっている状態でした。
歯科医と相談してまた改めて精神科医にも相談しようと思います。
ありがとうございました。
山本先生
パニック発作についてはなかなか理解してもらえないことが多く、今まで言葉に言い表せない辛さを体験してきたので、先生の文面を読んで涙が出ました。
10年かかってやっと最近健常者に近い生活を送れるようになってきたこともあって、少し焦り過ぎていたみたいです。
実際親知らずのことを考えるようになってから、小さな発作を数回起こしてしまいました。
改めて、焦らず持病とも歯の治療とも向き合っていこうと思います。
有難うございました。
4人もの先生に親切に回答して頂いて本当に感謝しています。
ここ数日寝ても覚めても親知らずのことを考えて憂鬱になっていましたが、焦らず頑張ろうと思います。
改めてありがとうございました。
はい…そのようですね。その後色々自分なりにも調べまして、4本同時は負担がかかることが分かりました。
いろいろ考えて憂鬱になってしまっています。
丁寧なご回答ありがとうございました。
中本先生
はい、仰る通り、精神科医からは通常治療の件での言葉でした。
その後歯科で親知らずの件について言われ、いろいろひとりで考えて焦ったり憂鬱になっている状態でした。
歯科医と相談してまた改めて精神科医にも相談しようと思います。
ありがとうございました。
山本先生
パニック発作についてはなかなか理解してもらえないことが多く、今まで言葉に言い表せない辛さを体験してきたので、先生の文面を読んで涙が出ました。
10年かかってやっと最近健常者に近い生活を送れるようになってきたこともあって、少し焦り過ぎていたみたいです。
実際親知らずのことを考えるようになってから、小さな発作を数回起こしてしまいました。
改めて、焦らず持病とも歯の治療とも向き合っていこうと思います。
有難うございました。
4人もの先生に親切に回答して頂いて本当に感謝しています。
ここ数日寝ても覚めても親知らずのことを考えて憂鬱になっていましたが、焦らず頑張ろうと思います。
改めてありがとうございました。
タイトル | 重度のパニック発作を患う患者の水平埋伏知歯の抜歯について |
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質問者 | マツ子さん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 30歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
抜歯:8番(第三大臼歯、親知らず) 親知らずの抜歯 全身麻酔による親不知の抜歯 水平埋伏知歯(横向きに骨に埋まった親知らず) 歯科と全身疾患その他 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。