歯科技工士です。コアと被せ物の同時セットという補綴に疑問を感じます

相談者: はちべえさん (35歳:男性)
投稿日時:2009-08-02 12:18:28
こんにちは。
歯科技工に携わる者です。
時々拝見させていただき、製作のヒントにしております。

最近お預かりする補綴物で、コアと被せ物を同時にセットされるというケースが沢山あります。
歯質がほとんど残っていないものも多いです。)

患者様にとってこの治療は大丈夫なのでしょうか?

技工側からしても、マージン不適や咬合高位や低位で再製となることが多いので、とても苦労しています。

先日セットのメタルボンドも、

「低位な為脱離するかもしれないからその時はよろしく。」

と言われました。
低位だと脱離し易いのですか?

お忙しいところ申し訳ありませんが教えてください。
よろしくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2009-08-02 12:55:21
>コアと被せ物を同時にセットされるというケース

私はなるべくしないようにしています。

コアー装着により、理論的にはコアー装着材料の細小被膜分、プラス不適合分(調整すれば良いことでは有りますが)で、クラウンの浮き上がりを生じるからです。

正確に進められた歯科医、技工サイドの過程であれば、無視できるものでしょうが、何となくすっきりしないものですから。


>患者様にとってこの治療は大丈夫なのでしょうか?

治療期間の短縮はメリットでしょうね。


>技工側からしても、マージン不適や咬合高位や低位で再製となることが多いので、とても苦労しています。

これに関しては、もしそのような事があれば、歯科医側の責任のはずですから、私は技工士に迷惑を掛けないようにしています。

技工士に責任転嫁する歯科医院はチョット?というところです。


>先日セットのメタルボンド
>「低位な為脱離するかもしれないからその時はよろしく。」
>と言われました。
>低位だと脱離し易いのですか?

咬合高径の低位と、クラウンの低い事は別なのですが、後者としてはやはり外れやすくなるでしょう。

維持孔、側壁の維持溝で対処する事がありますが。

”その時はよろしく。”

は、無料でやり直せという意味でしょうか。
あまったれですね。



私は若い時に随分と優秀な技工士さんに教えてもらった事が幸いしています(今でも教えてもらう事が有ります)。
あなたも頑張って若い歯科医にチョットしたコメントが出来るくらいになってください。

”咬合高位や低位では”、自分自身あってはならない事としています。
仮歯の装着、正確な咬合採得で対処するべきです。
それでもいろいろの障害があって難しいのは事実です。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: はちべえさん
返信日時:2009-08-04 00:15:51
松山先生 有り難うございます!

「正確に進められた歯科医、技工サイドの過程であれば」

僕はその過程を踏んでいないのかもしれないです。
でも、今度からは少なくとも、マージンラインが出ていない症例に関しては、めげずに何度でも、担当ドクターに相談したいと思います。

維持孔、維持溝の付与は怠ってました。

先生の診療方針を考えながら、出来る限りの最善策を提案、実行できるような仕事をしていきたいです。
回答 回答2
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2009-08-04 10:25:55
>維持孔、維持溝の付与は怠ってました。

両者とも歯科医側で付与してくれなければ出来ない事ですが、コアーには出来る事がありますよね。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2009-08-04 11:07:30
>”その時はよろしく。”
>は、無料でやり直せという意味でしょうか。
>あまったれですね。

松山先生のおっしゃる通りですね。
こういうのは私も同じように癇に障ります。


さて、コアとクラウン同時セットって話には聞いた事がありますが実際まだまだ多いのですかね?


>技工側からしても、マージン不適や咬合高位や低位で再製となることが多いので、とても苦労しています。

要するにその制作方法では誤差が出やすいわけですから、余程歪みの無い印象を心がけ、尚且つその誤差を考慮して製作ができる経験というか勘所が無ければ再製が多くなるのは当たり前なのではと思います。

それでも私はしませんが。。。
それ程の注意点を気にしてコアを同時にセットしたとしても、コア・クラウン別々に、通法通りに進めた方が明らかに適合は良く、咬合も合致させやすいというのが道理ですからね。

そうしなくてはうまくゆかないケースがあるとしたら、それって何か特殊なケースじゃないのですかね。



そもそもコアとクラウンを同時に装着する技法をどこの大学や専門学校で教えているのでしょうか。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: はちべえさん
返信日時:2009-08-05 01:37:47
田中先生 どうも有り難うございます!

質問をさせて頂いた前日にはとうとう下額前歯5本ブリッジで、内4本コア、という内容のケースを預かりました。

200ミクロン程低めに製作するよう社長にアドバイスをもらいましたが、模型などを見ていただく時間が今は無いので、先輩方に相談しながら製作しました。
明日納品です。


被せ物が不適合でも、せめてコアだけでもセットしてくださればいいのですが、コアと一体型のテックを入れてるから、と、また最初から作り直しなので苦痛です。

昨日は珍しく、再製の製作物が戻ってきたので、新しい模型にそっとはめてみたら、コアはすぽすぽ入り、うわ物の前装冠のみだとマージンが0.5ミリ程足りませんでした。

今日、新しい模型でコアを製作し、前回の模型にはめてみると全く入りません。
コアの穴の大きさが明らかに違うんです。

印象が伸びてたりする感じではなかったんですが。
やっぱり、見落としたんですかねぇ、変形してるのを。
だとしたら模型を見る目が無かった僕の責任です。
コアの穴を削ったりするんですか?


以前担当していた方は、再製覚悟で製作していたようです。
僕が担当になって3週間くらいですが、同時セットの補綴物製作に驚きと戸惑いを感じ、質問させていただきました。

直接電話で先生と話をしても、模型上では合ってても患者さんの口に合わなきゃ、とか、出てるところで作ってくれればいいから、とかで、終わりです。

少し、愚痴っぽくなってしまい申し訳ありませんでした。

コアの穴の大きさが違った件に関して、ご意見をいただけたら嬉しいです。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2009-08-05 01:56:02
技工士さんの苦労が目に浮かびます。

結論から言えば受注なさらない方がいいように思います。

実際コアを入れてその上から冠を被せても合わないのが当たり前のような気がします。

コアをセットして形成をして印象を取るのが真っ当なやり方だと思うのですが。

そうもやってられないのでしょうかね、何も知らない患者さんこそえらい迷惑だと思いますが。

>コアの穴の大きさが違った件に関して、

おそらく形成しなおしたのではないでしょうか。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2009-08-05 05:56:27
>>コアの穴の大きさが違った件に関して、
>おそらく形成しなおしたのではないでしょうか。

↑↑私も山田先生と同じように思います。
そもそも印象の精度や変形も、そのような考え方の医院ならばアテにはならないであろう事ははちべえさんの上司の方もお分かりにはなっているでしょうが、立場上お断りするわけにもいかないでしょうに、微妙なスタンスですね。


>模型上では合ってても患者さんの口に合わなきゃ、とか、

模型上合っている以外判断基準は他にないでしょうに・・・

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2009-08-05 17:35:02
大変そうですね。

当然、寒天アルジでしょうし・・・

その技工所を辞めるか、ぐらいしか逃げる方法はなさそうです。

ただし、その状況で、ぴったりのものが出来たら、すごいですよ!!
そうやって、自分のスキルをあげるのも手です。

僕が同じ立場なら、けんか別れしそうですけど・・



まあ、未だに、技工士さんをパートナーじゃなく、下請けくらいにしか考えていない歯科医師は多いでしょうから本当に大変だと思います。

頑張ってください。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: はちべえさん
返信日時:2009-08-06 01:19:07
山田先生 中山先生 有り難うございます。

コアは再形成した可能性があるということですね。
今後、同じような再製がでない為に、どうしてそうなったのか?を、
先生ときちんとお話して、検証していける様な機会を作りたいと思います。

患者様の数が多い医院様なので、会社としては何とかして上手に製作しなければいけないといわれるのですが・・。

担当として任せてもらう為の、先生との信頼関係を築けるか不安です。
が、出来るだけのことはしてみたいと思います。

日々の仕事を教材にさせてもらいながら、良い補綴物作りを目指して頑張ります。

先生方 ご親切にありがとうございました!
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2009-08-06 21:18:19
はちべえさん・・・
大変な先生の担当になってしまいましたね。。。


>模型上では合ってても患者さんの口に合わなきゃ

・・・
私が技工士なら
「あんたの印象に問題があるんだよ」



私の歯科医院の場合、全てシリコンで印象しているので必ず複模型を作りそちらに技工物をSetし納品してもらいます。

複模型に合わなければ技工操作上にエラーがある場合が多いのでその時は納品前に再製してもらいます。

ただ複模型でぴったりで口腔内で合わなければ、それは形成面・印象に問題があったと言うことで再製料金は歯科医院持ちで印象からやり直します。
再印象したものに関しては全て歯科医院側に問題があると考えています。



また、私の尊敬するセラミストの方は印象が綺麗に採れていなければ仕事を引き受けてもらえません。
プロの仕事ってそういうものだと師匠に教えられましたし、技工士と歯科医師は対等でなければ良い仕事などできないと思っています。



>先日セットのメタルボンド
>「低位な為脱離するかもしれないからその時はよろしく。」

ちょと悲しくなってしまいますね。。。



中山先生の
>僕が同じ立場なら、けんか別れしそうですけど・・

同じく^^;



>日々の仕事を教材にさせてもらいながら、良い補綴物作りを目指して頑張ります。

良い人だ^^

頑張ってくださいね。



もう少し何とかならないですかね、こういった理不尽なシステム^^;
これが続けば、そのうち日本に技工士いなくなりますよ。
 
 

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2009-08-06 22:08:38
>これが続けば、そのうち日本に技工士いなくなりますよ。

まったくそのとおりですよね・・・

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: はちべえさん
返信日時:2009-08-06 23:04:27
井野先生 どうも有り難うございます。

先生の仕事を引き受けてる技工士は緊張とともにやりがいもあるのではないでしょうか。

先生のように、患者様はもちろん技工士の事も考えてくださる方々がいることを励みにしたいです。
回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2009-08-07 00:14:01
悲しい。

これが歯科の現状ですかね。

社長も大口のお客だからといってペコペコせずに何とか言えよって感じですね。

心ある技工士さんがつぶされないような歯科界にしたいですね。

回答 回答10
  • 回答者
回答日時:2009-08-07 00:46:00
こんにちは。

今一通り読ませてもらいましたが・・大変ですね。



歯科医院は、コアをセットしてそれに合わせたテックを作るのがコストになるので、まとめて作って欲しいのでしょうね。

臨床としてはイラッときますが、現在の報酬レベルの厳しさからして、経営として考えるならまあ出てくる話なのかも知れないですね。

患者さんが本当に気の毒ですが・・。

そしてそのしわ寄せをはちべえさんが押し付けられてる状態な訳だと想像しますが、正直楽しい話ではありませんね。



私たち歯科医もそうなのですが、勤務している時には勤務先の良いところ悪いところも両方よく観察して、ご自身で独立される(?)時のための勉強と思われれば多少気も紛れるのではないでしょうか。

目の前の模型から良い補綴物を作るだけではなくて、

「こうすれば波風立てずに、お金になる」

というのもひとつの技術でしょうし、

「こうしていけば患者さんの為になる仕事が出来る」

と考えるのも勉強だと思います。

・・と年下が生意気にすみません。



将来良いドクターと組んだり育てたりするためにも、ますます腕を磨いて良いテクニシャンになって下さいね。

頑張っている技工士さんがいることで、私も励みになります。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: はちべえさん
返信日時:2009-08-08 00:20:00
小牧先生 渡辺先生 有り難うございます。

現状よりは良い方向に進めようと、とりあえず気を入れなおして、担当ドクター対策を練りました。

マージンラインの設定見直しや、埋没時の膨張具合、医院様の印象から石膏流しの保持、保存状態の再確認の伝達など。

日々勉強ですよね!



タイトル 歯科技工士です。コアと被せ物の同時セットという補綴に疑問を感じます
質問者 はちべえさん
地域 非公開
年齢 35歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 支台築造その他
クラウン(差し歯・被せ)その他
補綴関連
専門的な質問その他
技工士関連
その他(歯科医師関連)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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