自費診療のPMTCと保険診療の歯石除去の違いは何ですか?

相談者: YNさん (41歳:男性)
投稿日時:2009-10-12 09:18:47
はじめまして。

現在、歯科医にて半年に1回程度のペースで歯石除去保険適用)をしてもらっています。

より徹底したケアを行うため、自費PMTCをしてもらうことを検討しているのですが、PMTCの診療内容というのは何かガイドラインはあるのでしょうか。



保険適用の歯石除去では歯肉の奥の歯石除去(=ルートプレーニング)までは含まれていないが、PMTCでは含まれる。

PMTCではフッ素塗布まで行う、、、等々ですが、医院によって「ここまでは実施するが、これはやらない」等、内容はまちまちなものでしょうか。



保険適用の歯石除去でやる内容は、PMTCでは全てカバーされているとすると、自費でPMTCをやっていれば今後は保険適用の歯石除去はやる必要なし、という理解で宜しいでしょうか。

またPMTCの料金ですが、1回あたりどの程度が適正でしょうか。

いろいろお尋ねして恐縮ですが何卒宜しくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2009-10-12 22:17:07
保険医療機関がPMTC保険外で行なう場合は、その患者さんがむし歯周疾患ではないことが条件になります。
そういった疾患で通院中の人にPMTCを行なう場合は保険適応になります。


つまり、治癒した人 もしくは歯石の付着や歯肉炎症症状のない健康な人が予防目的で行なう場合に保険外になります。


それから費用に関しては、保険外診療の費用設定は自由です。

費用を同じにするように話し合いで決めること自体が違法です。
ですのでよほどの金額でないかぎり適正な料金というものはありません。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2009-10-13 00:08:27
はじめまして。
良いご相談内容だと思いますよ^^

また色々な先生方からも回答がつくかと思いますが。。



PMTC(参考:歯科大辞典 PMTC)は、professional mechanical tooth cleaningの略ですから、我々専門家が何らかの機械を使って面を清掃さえすれば、一応PMTCという言葉で良さそうです。

ですので、森川先生のご指摘通り、何らかの病気があって治療目的で通院中の方であれば、保険適用で、歯科医師の指示のもと、衛生士により実施することが出来ます。(月に1回限り、60点)

ただ、これは医院に入る診療報酬で600円(患者さんの窓口負担で180円)ですから、5分ぐらいで終了させるのが医院運営上妥当でしょうし、おそらくYNさんが期待されている内容とは異なるのではないかと思います。



YNさんは、予防を最終目的としておられると思うのですが、保険は治療が目的と捉えて頂いて良いと思います。
(異論の余地はあるかと思いますが・・)

ですから、

>現在、歯科医にて半年に1回程度のペースで歯石除去(保険適用)をしてもらっています。

と言う状態は保険請求上、YNさんが、なぜか半年ごとに歯周病に罹患するため、その治療のために歯石除去を行っている、と言うことになっているはずです。

個人レベルでの費用負担と言う意味ではお得な面もあるかも知れませんが、当然縛りも多いですし、個人的にはそれで予防効果を期待するのは無理がある様に感じます。
これはあくまで「治療」ですからね。



ややこしい話になりますが、

>より徹底したケアを行うため、

と、

自費PMTCをしてもらうことを検討している

を、つなげて考えない方がわかりやすいと思いますよ。

なぜなら、PMTC=予防ではないからです。
予防の代名詞の様にPMTCという言葉が使われているのも事実ですから、混乱してしまいますけどね。。^^;



PMTCは、言ってしまえばただ歯を強く〜軽くポリッシングしているだけのことですので、それ自体に予防効果はありません。


ですが、他の行為と併せて・・

例えば、ブラッシング指導+PMTCとか、PMTCしながらブラッシング指導とか、PMTC目的で定期的に歯科医院に通うことで、口腔衛生のケアに対するモチベーションを維持していくとか、そういう少し遠回りをしてようやく予防効果に繋がっている様です。



また、予防プログラムとは誰に対しても同じように、画一的に行えるものでも本来はなくて、個人個人に合わせて計画していくものです。

ですから内容は各医院、各患者さんによってマチマチのはずですね。



例えば当院の場合ですが、



●例1
セルフケアがまだイマイチで磨き残しも少し目立つ。
歯周病を指摘されたことはないものの、数ヶ月も経つと決まって歯石がたまってしまうし、昨年は虫歯が出来て治療もしたばかりなので、これから先も虫歯発生の不安もある40代男性。

・・という方がみえたとしたら、ご本人と相談し、時間的・経済的に可能であれば当面は1〜2ヶ月に1度の来院をお願いすると思います。

それで内容は、

・虫歯等のチェック
歯磨きのチェック、簡単な指導
歯石取り
・PMTC(ほんの少し粗めで多少大雑把)
フッ素塗布

みたいな感じで、結構急ぎ目で行っても1時間ほどかかってしまいます。
また、1年おきかそれぐらいで、レントゲン撮影等を含めた精密検査も実施するかも知れません。



●例2
セルフケアが十分で、歯石をためることはほぼない。
もう数年虫歯も出来ていないし、歯周病の問題も発生していない40代男性。

・・という方だったら、やはり相談の上、4〜6ヶ月に1度程度の来院で良いと勧めます。

内容は、

・虫歯等のチェック
・衛生士による歯磨き(ご自身のテクニックの確認のため)
・PMTC(かなり細かめで隅々までしっかり)
・歯をつるつるにするためのトリートメント

みたいな内容に変えていきます。
どちらも1時間ぐらいで、1万円ぐらいの内容ですね。


実はPMTCだけでも、本気で行うと1時間ぐらいかかることがありますので、歯肉マッサージなんかとあわせて90分のメニューや、ホワイトニングと併せて120分とか・・逆に目立つ歯石やヤニを取るだけ30分、なんてコースもあったりします。




>自費でPMTCをやっていれば今後は保険適用の歯石除去はやる必要なし、という理解で宜しいでしょうか。

歯石(←もとは磨き残しです)がたまっている時点で予防は出来ていませんから・・^^;
虫歯ももちろんですが歯石がたまるのも、予防するためのPMTC+αと捉えて頂くと良いかと思います。

セルフケアがしっかり出来る様になれば歯石はそうそう出来ませんし、予防の主役はPMTCでも歯科医院のスタッフでもなく、YNさん自身ですからね。

それをちょこっとだけ手助けするのが、専門家の仕事と考えています。



こちらも是非ともお読みになってみて下さい。

参考⇒メルマガ 【歯オタク育成】 2007/08/06
 



無理なく長く続けられる方法で、ぜひとも頑張って下さいね。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2009-10-13 12:14:36
ノア先生の書かれている通りですね。

なかなか難しい質問だと思います。


僕も「一般的にPMTCという言葉だけが先走っている」という感じがします。

ノア先生が書かれているように「我々専門家が何らかの機械を使って面を清掃さえすれば、一応PMTC」ですからね。



なので

>「予防プログラムとは誰に対しても同じように、画一的に行えるものでも本来はなくて、個人個人に合わせて計画していくものです。

>ですから内容は各医院、各患者さんによってマチマチのはずですね。


ですね。

ウチのPMTCも患者さんそれぞれでメニューは異なりますし、同じ患者さんでもその日その日(初回と2回目、3回目)でメニューは異なります。

個々のメニューについて話をし始めると丸1日お話ししても終わりません(笑)。

「患者さんに提供できるメニューの幅が広い」というのも衛生士さんの技量だと思います。

ですから、むしろ「YNさんの口腔内の状態や希望などを考慮してYNさんに合った予防プログラムを考えてくれる歯科医院さん」を探して予防管理をしてもらえるとよろしいのではないかと思います。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2009-10-13 15:43:54
>なかなか難しい質問だと思います。

ですね(^^;)

「狭い意味でのPMTC」と「広い意味でのPMTC」とがあると認識しています。

狭い意味では「プロが機械でを磨く」なんですが、広い意味では「その人に合った施術やアドバイスをすること」なんだと思います。

言葉が便利なので「PMTC」を使うことは多いようですが、本当に意味があるのは「広い意味でのPMTC=POHC=Professional Oral Health Care」ですよね? タイヨウ先生(^^)

広い意味でのPMTCでは、自由度が高いので「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」という対応ができます。
(ウチでは健康のバロメーターとして口臭測定も行いますしね)

なので、患者さんによって、また口腔内の状況によって対応は変わってきます。
診察時間内で「精一杯やれることをやる」ということになります。


歯石が付いていて、取った方が良い状況なら取ります。
歯石が付いていなければ、より付きにくくする施術やアドバイスをします。
治療的要素もあれば、予防的要素も含まれています。
(あぁ、自由すぎて、とてもとても書ききれません・・・)

保険診療の歯石取りは「治療のため」ですし、歯石さえ取れば時間は長かろうが、短かろうが費用は変わりません。

歯肉縁上歯石歯肉縁下歯石を分けて取る、といった面倒な手順があったりもします。
(なので、何回も通院を余儀なくされることがあります)


「狭い意味でのPMTC」だと似ている部分もあるかと思いますが、「広い意味でのPMTC」だと似て異なるものになります。


なんだか取り留めのない回答になっちゃいましたが、参考までに。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2009-10-13 16:37:49
PMTCというのは、本来はバイオフィルムの除去に対して使われている言葉です。

歯石除去は当然歯石に関してです。

ポケット内の最近は、PMTC後およそ60日〜90日程度で為害性のある状態になると言われています。

それは歯石とは関係なくです。

この日数は、論文の多くがそこに収まってくるからなのですが、それは当然、個人差があるわけですから、より口腔環境を良くしたいと思われるのであれば、例えば1ヶ月おきにPMTCとなるわけです。


なんか機械を使えばPMTCみたいなのとは全く違います。

歯科医師もその辺をしっかり理解できていない人が多いように思います。
もちろん、衛生士さんは特にね。

まあ歯石除去とPMTCは目的もやることも全く違うものだと、ご理解していただければよいと思います、

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2009-10-13 19:14:36
中山先生>
>ポケット内の最近は、PMTC後およそ60日〜90日程度で為害性のある状態になると言われています。
>それは歯石とは関係なくです。

これは歯周病に関してでしょうか?
初耳なんで、できればもう少し詳しく教えていただけますか?

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: YNさん
返信日時:2009-10-14 07:53:09
先生方、早速のご回答どうも有難う御座います!

親知らず」「抜歯」の検索キーワードでこちらのページに辿り着いたのが2か月前、掲示板の過去ログを参考に治療前・後の不安を軽減することができました。


PMTCに関しては興味はあったのですが、いまいち歯石除去との違いがはっきりせず、もやもやしていたのですがこちらではじめて質問させていただき、疑問が解消しました。


そもそも目的が違う、、、ということですね。行う頻度も含めて医院で相談してみたいと思います。


どうも有難う御座いました。



タイトル 自費診療のPMTCと保険診療の歯石除去の違いは何ですか?
質問者 YNさん
地域 東京23区
年齢 41歳
性別 男性
職業 その他
カテゴリ その他(保険と保険外)
スケーリング(歯石取り)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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