5番(先天欠損)を抜歯してから13年後、親知らずの移植は可能?

相談者: 天城 士朗さん (26歳:男性)
投稿日時:2010-01-06 21:47:43
お忙しいところご助力ください。

早速ですが質問を。

下の5番を12歳ごろ虫歯抜歯しております。
乳歯の下に永久歯がありませんでした)
その後、4番を矯正にて上部の4番と5番を支える位置に移動させております。

先日下部の5番のあった位置に4番を元の位置に戻した後、ブリッジもしくはインプラントをする話をされました。

その際、上部8番を移植する事は出来ないかと尋ねたところ、

「そんなこと考えなくてもいい」

なる返答で、取り付く島がありませんでした。

実際、このようなケースにおいては移植は、話にならない事なのでしょうか?

抜歯からずっとお世話になってきた歯医者さんでしたが、昔からの先生とは話もろくに出来ず、若い先生が上記の為、非常に不信感を持っております。

もし、どのような治療になるとしても、別の歯医者さんを受診する事も検討しております。

良案ございましたら、何卒、ご助力頂きます様、お願い申し上げます。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2010-01-06 22:40:59
天城 士朗さん、こんにちは。

まず、歯牙移植と言うのはこの掲示板では当たり前のように議論されていますが、一般の歯科界においては特殊な方法です。

そして必ず成功する方法ではないことをご理解のうえ、治療の選択肢となり得るのかよく考えてくださいね。

ちなみに移植が成功する条件は、このサイトでも議論されていますので省略させていただきます。

そして、問題としてはスペースの問題があると思います。

8番を持ってきて、そこにおさまるだけのスペースがあるのでしょうか?

8番というのは第3大臼歯です、5番というのは第2小臼歯です。
スペース的には少しきついかもしれません。

また移植される側の抜歯と同時に親知らずを移植した場合には保険が適応されますが、それ以外の場合は自費となります。

様々なことを考えると、インプラントのほうが予知性が高いという先生のほうが多いように思えます。

参考になれば幸いです。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2010-01-07 09:23:54
僕も畑田先生、そして担当の先生の意見に同じです。

まず

1 歯牙移植の予知性は条件が揃わなければ決して高くない

と言う事。

現在の歯科医学においては、圧倒的にインプラントの予知性に軍配が上がります。

そして、畑田先生も書かれている通り

2 小臼歯の位置に大臼歯を移するスペースがあるのか?

と言う事。

8番を抜歯して、成形しなおして小臼歯のような形にする事は具術的には不可能では無いかもしれませんが、余計な操作を行う分、さらに予知性が下がります。

そして、

3 そのような予知性の低い治療を自費で行うか?

歯牙移植は健康保険でも認められている方法ですが、「抜歯と同時の歯牙移植」に限られています。

「取り付く島が無い」と言うのは少し寂しい気もしますが、上記の理由から考えると「決してお勧めできる方法ではない」と言う事に変わりはありません。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-01-07 10:04:55
こんにちは。

私も歯牙移植は何度かしていますが、

>まず、歯牙移植と言うのはこの掲示板では当たり前のように議論されていますが、一般の歯科界においては特殊な方法です。
>そして必ず成功する方法ではないことをご理解のうえ、治療の選択肢となり得るのかよく考えてくださいね。

に同意です。

サイズの問題もその通りで、8番が偶然に細いであれば、8番を2番の抜歯と同時にそこに移植した経験もあるのですが、こういうのはかなりのラッキーケースです。
(稀なことなので、レセプトが何度も戻ってきて、保険適用にするのにはかなりのやりとりが必要でした)

更に、同日ではなくて抜歯後時間の経っている今回の様な場合、移植する歯とぴったりのサイズの穴を新しく掘らなくてはなりません。

自費で、苦労してせっかく穴まで開けるのなら、高い費用を頂いて施術する側としては、規格化されていて予知性の高いインプラントの方が、まだ安心出来ます。

自分がこの様なケースの移植を引き受けるとしたら、

(サイズの問題がクリアできたとして)移植+根管治療歯冠修復で、結局インプラントよりも気持ち安価なぐらいの費用を頂く必要があると思いますし、それでいて成功率はインプラントの半分程度しか期待出来ないかと思います。

当然、高額とは言え保証は出来ません。。

・・と言う説明が省かれたのかも知れませんね^^;



それよりも、問題は

>抜歯からずっとお世話になってきた歯医者さんでしたが、昔からの先生とは話もろくに出来ず、若い先生が上記の為、非常に不信感を持っております。

↑ここだと思います。

つまりお二人の先生で治療方針が異なっているのですから、元々の主治医と現在の主治医で相談して頂けないと、同じ医院に通っている意味がないですよね。

それをお願い出来ない様なら、知らない医院にいつの間にか転院しているのと大差ありませんので、不信感もあるなら転院されても良い様に思いますよ。

ただし、若い先生は、現在の先生と同じ様な方針を取られることの方が圧倒的に多いのではないかと予想します。

個人的には、その「昔からの先生」のご方針の方が結構好きなんですが・・。

まずは、お二人の先生で相談して貰える様に、お願いしてみてはいかがでしょうか?



お大事にどうぞ。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2010-01-08 01:05:09
>現在の歯科医学においては、圧倒的にインプラントの予知性に軍配が上がります。

必ずしもそうとは限りません。
インプラントと移植を同じ条件下で比較した研究はありません。

どのような症例に行うのか、目標を何にするかによって違ってきます。

場合によっては、移植のほうが予知性が高くなることも考えられます。

若年者にインプラントを用いれば、場合いによっては将来他の部位でもインプラントが必要になってくることも考えられます。
この先数十年の間、他のを失うことが無ければいいのですが。

移植は症例が限られますが、適応症に対して、確かな知識と技術を持った先生が行えば、それなりの有用性が見出せる治療だと思います。

移植も選択肢の一つとお考えになられてもいいと思います。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2010-01-08 08:21:54
おはようございます。

私自身、個人的にはインプラントの前に移植できないかをまず考えます。
歯根膜の存在は大きいと思います。

ただ移植の場合、諸先生方がいっておられるように様々な条件をクリアーできなければならないので、そこが問題になると思います。

以上参考になさってください。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2010-01-08 08:48:02
>必ずしもそうとは限りません。
インプラントと移植を同じ条件下で比較した研究はありません。

確かにそうですね。

回答を改めます。
反省です。


>様々な条件をクリアーできなければならないのでそこが問題になると思います。

宇藤先生のお書きになったこちらの方が、はるかに難しい問題だと思います。


と、言う事で。

移植は条件が整えば可能である

しかし、

その「条件が整う」と言うハードルは意外と高い

対して、

インプラントは比較的条件が整いやすい

と言う回答にさせてください。

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2010-01-08 08:55:29
ご相談ありがとうございます。

先生方の回答に賛成ですが、その部分に移植できる可能性はほとんど大きくないと思われます。

ただ、基本的には宇藤先生のご回答通り、インプラントはあくまでも人工的なものという欠点があり、できればご自分のを使う方法の利点はとても大きいと考えています。
移植が成功する状況ならば、インプラントよりも良いことがあります。

目先だけではなく、長期的な成功を目指す時には移植の出来る場合は非常に限られてしまいます。

したがって、現実的にはインプラントが最も多い治療の選択肢となりますし、現在のところ、インプラントがもっとも信頼できる治療方法になるともいえるわけです。

それだからこそ、天然の歯を残す予防の考えが基本ですが、移植にしても、インプラントにしても、治療後にその治療したところや他の歯を予防して長持ちさせるための、ケアをフォローすることがとても有効になります。

回答 回答8
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2010-01-08 13:58:54
移植は不可能に近いと思います。

小臼歯部を抜歯して、数年経ってていたら、母床としての骨を考慮すると、槽頂の幅では、歯槽頂から3ミリの高さのところで、せいぜい4〜5ミリで、親知らず歯頸部幅径は同サイズか、それ以上でしょう。

2壁性に近い骨欠損では、成功はしないと思います。

インプラントでさえ、リッジエクスパンションをして、やっとと言うことでしょう。

トランスプラント
インプラント

私はインプラントを選択します。

回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2010-01-08 22:43:41
むしろ骨の無いところでは、移植のほうが有利なように思います。

エッジ状になった骨を薄く二つにはがすように切り分け(ボーンスプリット)して、親知らずを三度一致するように移植したケースもあります。

インプラントと違い、少々ラフで歯肉がしっかり閉じなくても、血餅が維持されていれば問題ありません。

垂直的に大きく吸収しているケースで、深く埋入して、矯正で引き上げたケースも有ります。
また、自然に提出したケースもあります。

これらのケースの場合、将来抜歯になっても、移植前よりも骨は増えていますので、インプラントがより埋入しやすくなります。

上顎の小臼歯部に上顎洞をさけ、斜めに移植して、矯正でまっすぐにしたケースも有ります。

実際に診ていないので分かりませんが、最初からインプラントと決めてかからないで、可能性があるならひとつの選択肢として考えてもいいと思いますが。

回答 回答10
  • 回答者
回答日時:2010-01-09 08:53:36
う〜ん。

小牧先生ならではのアドバンスなケースですね。
勉強になります。

確かに歯根膜があると言うのは、いろんな意味で有利な事もあるんですよね…。


>最初からインプラントと決めてかからないで、可能性があるならひとつの選択肢として考えてもいいと思いますが。

と、なると、小牧先生クラスの移植に長けた歯科医を探す所から始めなければならないなぁ…と言う感じがします。


天城 士朗さんも「移植を希望する」と言う事であれば、頑張って探してみてください。




タイトル 5番(先天欠損)を抜歯してから13年後、親知らずの移植は可能?
質問者 天城 士朗さん
地域 千葉
年齢 26歳
性別 男性
職業 会社員(技術系)
カテゴリ 親知らずの移植
専門的な質問その他
歯の数が足りない(先天欠損)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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