歯根尖端切除を提案されました

相談者: ガーデンさん (54歳:男性)
投稿日時:2010-01-20 15:12:22
参考:他のご相談
抜歯後の骨吸収を予防する為の手段はありませんか?

一番上の差し歯歯肉にニキビ(フィステル?)のようなものがあり、根尖に薄い影が出来ていると診断されました。
歯根尖嚢胞だろうと思います。

感染部は根管内であるとのことです。
治療は歯根尖端切除になりますという説明を受けました。
根管内の処置の事を尋ねると先生の返答はありませんでした。

帰って調べると、歯根尖端切除の場合、逆根管充填という処置をすることを知りました。

しかし、根管内の処置を尋ねた時に、先生からその説明はありませんでした。
そして、WEB上でも歯根尖端切除の説明で、逆根管充填という手順が省かれたものが幾つもあります。

これは感染部が歯根管の一番先でそこは切除してしまうから、逆根管充填は必要ないということでしょうか?
逆に逆根管充填するのは、当たり前過ぎてていちいち説明されないのでしょうか?

歯根尖端切除は一般に最後の手段というふうに言われています。

しかし、私の先生は口腔外科の認定医でもあるせいか、補綴物メタルボンド)を取り替えないので済むし、保険内の治療の上に術後の再発は1割だと言われました。

私は奥歯根分岐部に膿が溜まりを掻破術を受けましましたが、切った側の歯肉はどんどん後退(骨吸収?)して、ついには根分岐部が露出してしまっています。

同じことが、今件の前歯にも起こるのではという懸念があります。

先生の説明不足の感はありますが、補綴物も外さず、歯槽骨への影響も問題なくて、再発率も低いのなら、歯根尖端切除はとても魅力があります。

となると、なぜに歯根尖端切除は一般に最後の手段というふうに言われるのかという疑問もあります。

歯根尖端切除を選ぶか、再根管治療をしてもらえる医院を尋ねるべきか悩んでいます。

アドバイスをいただければ幸いです。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2010-01-20 16:07:02
ガーデンさん、こんにちは。

フィステルができてしまった場合に処置として・・・


1.補綴物とコアをすべて除去して再根管治療を行う

2.それでも感染源が除去できない場合には歯根端切除を考える

と私は考えています。


しかし、ご存知だとは思いますが、再根管治療を行うためには補綴物を外して、さらにコア(土台)も外さなくてはなりません。

これには歯根破折などのリスクもあり難しい場合もあり、さらに補綴物はやり直しをしなければなりません。
また確実に治る保障もありませんし、かなりの時間も必要です。

その上で再根管治療にトライするのであれば、それも一つだと思います。

参考になれば幸いです。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2010-01-20 17:54:49
こんにちは。

前回のご相談もまだ続いていた様なので、後で回答しておきますね。



個人的な意見と前置きしておきますが・・私だったらそちらで歯根端切除術はお願いしませんね。。

やはり歯根端切除は最終手段と考えたいですし、ガーデンさんが勉強して、理解しておられる通りだと思いますよ。



感染源は根管の中で、カットしただけだと感染源が歯槽骨内で露出するだけの話です。
(※特に細菌が複雑に入り込んでいるのが根尖3mmぐらいの範囲といわれています)

必ずきちんとした蓋をする必要がありますから、逆根管充填や、先に再根管治療が可能なら、オペ前提でMTAセメントなどで予めカチカチに封鎖しておくことも可能です。(※保険適用の方法ではありません)



>保険内の治療の上に術後の再発は1割だと言われました。

データを見てみたいですね。

私個人は、保険で歯根端切除をしてうまくいっているケース自体がほとんど見た経験がありません。
(失敗している人ばかりが転院していらっしゃるので・・^^;)

従来の、裸眼+歯根端切除+逆根管充填で60%
近年の、マイクロスコープ+歯根端切除+MTAセメントを使った逆根管充填(※保険適用ではありません)で90%以上?

と言われているかと思います。
もちろん、材料だけで同じ成功率になる訳ではありませんが、上記の成功率は根管治療の専門医の話です。



術式自体はどちらも一長一短なのですが、それよりも根管治療の専門医、あるいは力を入れていらっしゃる先生に相談してはいかがでしょうか。

お大事にどうぞ。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-01-20 20:11:50
ノア先生に同意ですね。

もちろん、担当の先生が「逆根管充填するのは、当たり前過ぎてていちいち説明されないのでしょうか?」と言う事は充分に考えられる事ではありますが…。

ただ、やはり「根尖端切除は一般に最後の手段」と考えるのが普通だと思います。

できれば通常のアプローチで根管治療を行い、それでもだめなら「外科的歯内療法」を考える…と。



もしかしたら、コアが太くて長く、コアを除去するのが難しいのかもしれませんね。

だとすれば、ノア先生の書かれているように「マイクロスコープを使って治療する歯内療法の得意な先生」にお願いしたいですね。

僕的には「歯根端切除術」と言う外科的発想で臨むのではなく、「外科的歯内療法」と言う発想で臨まれた方が良いような気がしています。


>なぜに歯根尖端切除は一般に最後の手段というふうに言われるのかという疑問もあります。

これは最終的な補綴、歯の長期保存にかかわる問題だからです。

単純に考えてくださいね。
歯の根っこは「骨に埋まっている距離が長い方が安定が良い」と。

歯根歯冠比と言います。
理想的には歯根:歯冠は2:1くらいがうれしいわけです。
その根っこを治療のたびに切断していくと、どんどん、頭でっかちになってしまい、安定感が無くなってきます。

まあ、もっと言うとキリが無いのでここらへんでご理解ください。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2010-01-20 20:40:42
こんにちは、

最近書いたので

http://eedental.fine.to/eeblog/2010/01/post-38.html


>しかし、根管内の処置を尋ねた時に、先生からその説明はありませんでした。

根管充填しないのではないでしょうか!?
また、逆根管充填と言っても、従来使われているアマルガムみたいなもので充填しても、殆ど意味はないと私は思っています。



>そして、WEB上でも根尖端切除の説明で、逆根管充填という手順が省かれたものが幾つもあります。

歯根尖端切除自体、必ず逆根管充填を行うというものではありません。
多くの場合根の病変を取り除き、根の先をカットするだけです。

逆根管充填を行うのは非常に手間と道具が必要になります。。。



保険内の治療の上に術後の再発は1割だと言われました。

これはガーデンさんを安心させる為にいったものだと思いますよ。

私も渡辺先生がお書きになられているマイクロが登場してからの外科処置と、それ以前の成功率は知っていますが、マイクロを用いて歯内療法専門医が行って、成功率は9割になると言うデーターはあります。
 

補綴物も外さず、歯槽骨への影響も問題なくて、再発率も低いのなら、歯根尖端切除はとても魅力があります。

基本的に治療が可能であれば、根管治療がファーストチョイスです。
外科処置は、通法の根の治療で上手くいかなかった場合の治療選択肢です。

この次は抜歯ですからね。


先日、日本で有名な歯内療法専門医4人のセッションがありましたが、歯の中(根管)をきちんと治療できていなくて外科に踏み切っても駄目。
根管治療に問題があれば、まずは根管治療とおっしゃられていました。

これは先生の得意分野ごとにより考え方は違ってきますが、まずは根の治療が得意な先生に、実際診てもらってから治療を決められた方がいいと思います。



おだいじに 

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ガーデンさん
返信日時:2010-01-21 14:17:45
畑田先生、渡辺タ先生、イヨウ先生、井野先生、ご回答ありがとうございます。
自身が出した結論と合致したこともあり勇気づけられました。


>逆根管充填を行うのは、非常に手間と道具が必要になります

結局のところ、根管治療にしても、逆根管治療にしても手間のかかる治療を保険でやるのは無理があるということなんでしょうね。

それでも、どんどん短時間で患者をさばいて、結果抜歯にいたり、じゃあ、インプラント入れましょうみたいな流れになっているのかなというふうに思ってしまいます。

もちろんその例に入らない先生もおられると思うのですが。

このスレッドが即、根尖端切除を勧められた人の目に止まればと思います。



タイトル 歯根尖端切除を提案されました
質問者 ガーデンさん
地域 非公開
年齢 54歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 歯根端切除術
歯医者への不信感
歯茎の婁孔(ろうこう・フィステル)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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