歯科用CTなら、見えない虫歯の状態もレントゲンより詳しく分かる?

相談者: えんじぇる。さん (36歳:女性)
投稿日時:2010-04-28 10:49:08
はじめまして。
先日子供の頃以来25年ぶりに歯科医院に行ったところ虫歯が見つかりました。
デジタルレントゲンで右上の5・6番の間からそれぞれの歯の内側に黒く影になっているのが確認できました。
冷たいものが少し沁みるのですが、日常痛みを感じることはありません。

虫歯が歯茎の下まで広がっている可能性がある。
虫歯を削って、大きめの詰めものか、神経を取って被せるか、抜歯になるか、削ってみないとわからない。

と言われました。

歯の内部の中の事なので、歯医者さんにも全てのことはわからないのは仕方ないと思うのですが、診断に幅があってすごく悩んでいます。
不確かな状況のまま治療するのが不安です。
抜歯になったらと思うととても怖いです。
今はまだそこまでの覚悟が出来ません。


レントゲン以外に歯の中の虫歯の状態を知ることができる方法はありませんか?
歯科用のCTがあるとインターネットで読んで、とても詳しくわかるみたいなことが書いてあったのですが、インプラントについての適用が多かったです。
虫歯の状態はわかりませんか?

もし抜歯と言われてもすぐには決断できそうにありません。
決心できるまで、歯をそのままにしてしまうとどのようなデメリットがありますか?

どうぞよろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2010-04-28 11:50:15
CTを撮影すると、もちろん歯の中の虫歯の位置や形、広がりなども分かりますよ。
そして、平面のレントゲンでは分かりにくい歯の神経との位置関係なんかも分かります。

ただ、歯に金属等が入っていると、極端に画像が悪くなり、観察しにくくなりますが、「25年ぶりに歯科医院に行った」ということでしたら、そんなに金属ははいっていないのかな?

虫歯を観察したいということでしたら、歯科用のCTで撮影してもらう事をお勧めします。
歯科用CTは、金属の影響を小さくできるようになっている事が多く、より鮮明に観察できると思いますので。

抜歯かどうか、もしくは様子を見る見ないも、CTを見てからお考えになってはいかがでしょう。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2010-04-28 12:16:05
私は大前先生とは異なる意見です。

虫歯に関してはCTを取っても、被曝量が大きくなるだけで、得られる情報に関してはその被曝量が大きくなるだけの「メリット」は無いと思います。

CTにしても被曝量自体は健康に問題はないと思いますが、無駄な放射線は浴びても意味はありません。

もし治療に対して不安があるようならば、予め虫歯だけ取ってもらい、痛みが出ないように仮の処置をして、自分の気持ちが決まるまで待ってもらえるように頼んでみてはいかがでしょうか?

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-04-28 13:20:53
こんにちは。

僕もCTに関しては大野先生と同じような考えです。
小さいデンタル写真で事足りるのならそれに越した事はありません。
必要に応じてより大がかりな装置で撮影した方が良いかと思います。

あなたの症状の場合、書いてある事だけを信じれば抜歯になるようなむし歯のようには思われません。
ですが、実際診察しているわけではないので確実な事は言えません。


今の状態で

?:「歯髄が残せるのか否か」
II:「もし、歯髄が死んでいる場合、根管治療をして保存できるのか」
III:「歯が保存できずに抜歯になるのか」

これらを同時に考える事は無理なのでまず、?を検討して、その次II、IIIというように考えればいいと思います。
そのあたりを担当医の先生と相談していただき治療方針を選択してください。


ただ、CTは現時点では保険がききません。
それはご承知おきください。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2010-04-28 13:22:16
えんじぇる。 さん、こんにちは。

私は大野先生に賛成です。

CTも撮影の仕方が違うだけで、レントゲンです。
CTを撮影したところで、100%の確定診断はできません。


結局のところ
虫歯を削って、大きめの詰めものか、神経を取って被せるか、抜歯になるか、削ってみないとわからない。

と、いうことになります。
情報が増える分、3つのうちどの可能性が高いのかがわかる程度でしょう。


ただ、

>冷たいものが少し沁みるのですが、日常痛みを感じることはありません。

ですと、中等度から重度に進行している可能性が高いので早めに処置をされるほうが良いと思います。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2010-04-28 13:23:28
虫歯に関してはCTを取っても、被曝量が大きくなるだけで、得られる情報に関してはその被曝量が大きくなるだけの「メリット」は無いと思います。

という事ですが、もちろん一カ所の虫歯の為にCTを撮影するという事は、その被曝のリスクを考えるとメリットとデメリットのバランスが悪いと思います。

ただ、日常的にCTを撮影して観察している歯科医師として、CTはパノラマやデンタルの比較にならない程の情報を得る事が出来ます。
また、2Dのレントゲンでは「〜だと思います」という診断しか下せない場合も多いと思うのですが、「〜です」と言い切る事ができる。
これは、歯科治療に不安を感じておられる患者さまにとっては、大変なメリットです。

「虫歯があるので、治しましょう」という説明だけで、治療を開始し「神経まで達してましたので、神経を取ります」と言って神経を取る

歯科医師としては、なんら当たり前の事をしているけれども、本当に患者さまは納得しているのでしょうか?
歯科不信の原因なのではないでしょうか。

当医院では、初診時にCTを撮影して、問題点を洗い出して患者さまに全て説明します。
もちろんCTによる3D画像や断面画像もお見せしますので、患者さまは状況把握や理解が大変しやすいようです。
そして、原因と治療方法を患者さまにお話して、治療の相談を行い、治療の設計が決まれば治療計画を立てます。

ですから、患者さまは治療を開始する前に、どこがどうなっていて、そしてなぜそうなって、どうすれば問題が解決するか、そしてどのような事をするのかを分かった上で治療を行う、あるいは行わないかを検討されます。


そういう意味で、
>予め虫歯だけ取ってもらい、痛みが出ないように仮の処置をして、

は、緊急性がない場合は私は行いません。
本当の原因が分かっていないからです。

本当の原因とは、「虫歯は細菌の出す酸で歯が溶ける病気」という単純な原因でおきているだけではなく、様々な要因が存在するからです。


話がそれましたが、前述の様にCTは患者さまがお口の状態や、治療を理解する為に非常に有効です。
それが被曝のデメリットを越えるのか?
越えると思います。

なぜなら、お口の現状を理解して、治療の必要性を理解せする事が、歯科治療の成功のスタートだと思えるからです。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2010-04-28 14:05:32
CTと被曝に関してはよく議論になることですが、CTの診断機器としての有用性と、説明ツールとしての有用性を分けて考える必要があります。


えんじぇる。 さんは、診断が確定しないことに不安を持っているように思いますが、CTを撮影したところで確定診断はできません。

あくまでも”CT像から判断して・・・・・”という表現しかできません。
確定診断は削ってみないと下せないわけです。

もし、えんじぇる。 さんがもう少しわかりやすい説明が聞きたい、そのために被曝のリスクと費用のコストをおっても良いとお考えなら撮影されるのもいいかもしれません。

ただし、撮影したところで、えんじぇる。 さんのこの歯の治療法が変わることはありません。

最終的には削ってみて最終決断をすることになると思います。

もし仮に、CT撮影によって治療が変わるとすれば、進行が大きくて削ってみないで抜歯ということになるぐらいでしょう。


さらに、CT撮影をすれば、その撮影費用だけでなくその後の治療もすべて自費になります。
(違法覚悟で保険ですれば話は別ですが)

CTを撮影してもしなくても、治療方針は一緒で、費用は数倍から十数倍になってしまいます。


CT撮影の可否は、患者さんの状況に合わせて行うべきでしょう。

回答 回答7
  • 回答者
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2010-04-28 14:12:48
えんじぇる。さん、こんにちは。

虫歯の治療に際して大変ご不安なことと思います。

私は諸先生方とは少し別の角度からコメントしたいと思います。

えんじぇる。さんにとって今必要なことは、CT撮影のこと以上に、どうしたら治療への次のステップが踏み出せるか、ということだと思います。

>先日子供の頃以来25年ぶりに歯科医院に行ったところ虫歯が見つかりました。

>虫歯が歯茎の下まで広がっている可能性がある。

ということであれば、失礼ですが、これまでの間、口の中の健康維持にあまり関心がなかったのではと予測します。

その場合、インターネット上の情報、たとえば、

>歯科用のCTがあるとインターネットで読んで、とても詳しくわかるみたいなことが書いてあったのですが、

というものが、えんじぇる。さんの現在の状況にマッチした内容であるか、私にはいささか疑問に感じます。

換言すると、通常えんじぇる。さんと同じような状況の患者さんであれば受けるであろう処置を、えんじぇる。さんはネット上の情報がハードルとなって、治療を受ける機会を失する恐れがあるのでは、ということです。

ご自身でも、

>(抜歯の)決心できるまで、歯をそのままにしてしまうとどのようなデメリットがありますか?

と書かれています。

えんじぇる。さんがCTのことを突き詰めると、それが結局、治療や抜歯が怖いから現状のまま様子を見るということに繋がりかねません。

25年も歯科医院とは無縁であり、残念ながら今回のような虫歯があったのであれば、今からしっかりと歯科医院の受診と共にお口のケアを始める必要性は高いと思います。

その場合、まずは現実の治療を受ける決断を身に付けられた上で、本サイトの膨大な情報なども有効に活用していくことが大切なのでは、と思います。

歯科医師の中でも診察方針、診療方針は様々な見解と議論があります。CTに関しても同様です。

ただそれと、えんじぇる。さんが歯科治療の現実的なアクションを取られることとは別問題だと思います。

今回のえんじぇる。さんのケースでCTの必要性があるかどうかは、25年ぶりの治療を始めようとする入り口でハードルとなる事項ではないのではないかと、私個人は考えます。

治療がスムーズに進んでいくことを願っています。
お大事になされてくださいね。

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2010-04-28 14:57:26
CTに関して、専門的な議論になりそうですが、えんじぇるさんにとっては迷うだけだと思います。
ごめんなさいね。

ひとつ上の中本先生のアドヴァイスが一番お役に立つと思います。
さすが、ベテラン回答員。

CTに関する意見の違いは、放射線診断学や、虫歯の診断に関して受けてきた教育、それぞれの経験や医療に対する考え方の違いとだけご理解ください。

私自身の診断能力の問題でしょうか、私は虫歯に関してCTを撮影して、自分の患者さんに何かを言い切り、お約束することは出来ません。

どんな結果にしろ、小牧先生のおっしゃるとおりに、基本的な治療方針は変わらないと思いますので、担当の先生とよくご相談してみてくださいね。

そのときに、この掲示板に書かれたようなご心配をあらかじめ伝えておく勇気、これだけはお持ちになってください。

問題が解決されることを心からお祈りしております。

回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2010-04-28 16:38:11
>通常えんじぇる。さんと同じような状況の患者さんであれば受けるであろう処置を、えんじぇる。さんはネット上の情報がハードルとなって、治療を受ける機会を失する恐れがあるのでは、ということです。

中本先生と同様に考えております。

虫歯治療にしても抜歯にしても、既に何十年も治療実績があります。
ほとんどのケースで問題なく治療終了します。

一方CTで虫歯を撮影することはまずないので、希望しても撮影してくれないかもしれません。
撮影しても、他のエックス線写真と比べて、明らかに有用な情報が得られるとは限りません。

歯の神経が残せるかどうかの判断にしても、ミリの1/100とかそういうオーダーでの判断です。
歯科用CTがきれいに撮影できたとしても、ミリの1/10の解像度です。

また虫歯治療が自費診療となり、高額な治療費がかかるかもしれません。

診断に幅がありご心配なお気持ちはお察ししますが、虫歯にCTは正直「オーバー」な選択だと思います。

参考になれば幸いです。

回答 回答10
  • 回答者
回答日時:2010-04-28 17:10:07
こんにちは。

私も大野先生の意見に賛成です。

>予め虫歯だけ取ってもらい、痛みが出ないように仮の処置をして、自分の気持ちが決まるまで待ってもらえるように頼んでみてはいかがでしょうか?

エンジェルさんには、これによく似た、待機的診断法がいいと思われます。
待機的診断法とは、「診断の確定できてない疾患に対して、疑わしい歯に対し期待される治療を施し、その結果から当初の疾患に対して行われる診断法」と定義されています。

歯髄診断後に、とりあえず歯髄保存療法(歯髄鎮静、覆髄法など)を施し、その後に歯髄の確定診断を下す2段構えの診断法です。

可逆性歯髄炎と不可逆性歯髄炎との境界にはグレーゾーンが存在するため、患歯に歯髄鎮痛消炎療法を施し、その経過を観察することによって正しい診断を得られることが少なくありません。

待機的診断法は、非常に合理的ですが、最終処置を後回しにすることになるうえ、痛みが新たに発現する可能性があります。
その際に用いられる薬剤としては、酸化亜鉛ユージノール、水酸化カルシウム製剤及びドックスベストセメントがあり、またレジングラスアイオノマーセメントなどの材料を用い、露出象牙質を被覆します。

お大事に。

回答 回答11
  • 回答者
回答日時:2010-04-28 22:03:14
僕も大前先生と同じで日常的にCTを撮影しております。

CTから得られる情報は非常に有益な事が多いです。


しかし、今回のえんじぇるさん。にとっては「いらない」と言うのが率直な感想です。


僕は(CTも含めて)レントゲン撮影をするときには常に「患者さんにとって有効な被曝か?」という事を考えます。

上述したようにCTからは有益な情報を多く得られますが、「虫歯の診断」という事に関して言えば「通常のレントゲンでも十分診断はできる」です。

通常のレントゲンでも十分得られる情報をCTの圧倒的に大きな被曝をしてでも行うか…。

ゴキブリを殺すのに戦車を持ち出すようなものです。

メリットデメリットを考えると「有効な被曝」とは言えないと思います。


従って、大野先生、小牧先生の書かれている事に賛成です。


また、それとは別に、歯科治療に対するえんじぇる。さんにの状況を考えると中本先生の書かれているように「えんじぇる。さんが歯科治療の現実的なアクションを取られることとは別問題」だと思います。




タイトル 歯科用CTなら、見えない虫歯の状態もレントゲンより詳しく分かる?
質問者 えんじぇる。さん
地域 東京都下
年齢 36歳
性別 女性
職業 主婦
カテゴリ 虫歯その他
う蝕関連
その他(診断)
レントゲン写真
CT
回答者




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