咀嚼と顎の形の関連について
相談者:
wataruwataさん (18歳:男性)
投稿日時:2010-05-24 20:59:31
回答1
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2010-05-25 12:49:23
「日本人は奥歯で咬むから、下顎が大きい」とは思っていません。
顎の大きさは、勿論、遺伝の要因が大きいでしょう。
只、環境(生活習慣、口呼吸、舌癖etc.)によって、遺伝で求められた(?)大きさにまで到達出来ない人達は多いと考えています。
「顎のかたち」とは、具体的にどの部分を言われているのでしょうか?
動物園などに動物の骨格標本を置いてあるところがあります。
確かに食性・咀嚼様式などで、歯の大きさ・形や歯列が異なります。
また、重力軸に対して、顎・頭の角度がどうかという事でも違いを感じることが出来ると思います。
顎の大きさは、勿論、遺伝の要因が大きいでしょう。
只、環境(生活習慣、口呼吸、舌癖etc.)によって、遺伝で求められた(?)大きさにまで到達出来ない人達は多いと考えています。
「顎のかたち」とは、具体的にどの部分を言われているのでしょうか?
動物園などに動物の骨格標本を置いてあるところがあります。
確かに食性・咀嚼様式などで、歯の大きさ・形や歯列が異なります。
また、重力軸に対して、顎・頭の角度がどうかという事でも違いを感じることが出来ると思います。
相談者からの返信
相談者:
wataruwataさん
返信日時:2010-05-28 22:27:23
藤森先生、返事が遅くなり申し訳ありません。
まだ憶えていたらお答えをいただきたいのですが・・・
僕が気になる”顎のかたち”とは。
1つは、最近口がほそい?下顎が大きい?なんというかあまり噛む力が無さそうな人がよく目に付く気がして、ほんとに遺伝が原因なのかなと疑問に思っていたこと
もう1つは僕の彼女の事なんですけど下顎がすこし横にずれていて、なんでも小さい時から片方ばっかで噛む癖があったらしくそれでそうなったと言ってました。
でも顔をよく見てみると頭蓋骨もずれてるような気がして、顔全体がねじれてるようにも見えます。
これも遺伝なんでしょうか?
まだ憶えていたらお答えをいただきたいのですが・・・
僕が気になる”顎のかたち”とは。
1つは、最近口がほそい?下顎が大きい?なんというかあまり噛む力が無さそうな人がよく目に付く気がして、ほんとに遺伝が原因なのかなと疑問に思っていたこと
もう1つは僕の彼女の事なんですけど下顎がすこし横にずれていて、なんでも小さい時から片方ばっかで噛む癖があったらしくそれでそうなったと言ってました。
でも顔をよく見てみると頭蓋骨もずれてるような気がして、顔全体がねじれてるようにも見えます。
これも遺伝なんでしょうか?
回答2
山田歯科医院(兵庫県姫路市)の山田です。
回答日時:2010-05-29 05:50:52
wataruwataさまおはようございます。
顎の形や頭の形が気になっていらっしゃるようですね。
>最近口がほそい?下顎が大きい?なんというかあまり噛む力が無さそうな人がよく目に付く気がして、ほんとに遺伝が原因なのかなと疑問に思っていたこと
よく言われていますね、今月号の暮らしの手帳(2010年、6-7月号)にも「日本人の顔」について特集記事が載っていました。
興味があれば一度お読みになってください。
>僕の彼女の事なんですけど下顎がすこし横にずれていて、なんでも小さい時から片方ばっかで噛む癖があったらしくそれでそうなったと言ってました、
>でも顔をよく見てみると頭蓋骨もずれてるような気がして、顔全体がねじれてるようにも見えます
遺伝かどうかについてはよくわかりませんが、少なくとも有る程度遺伝的要素はあるように思います、ただ頭の形は出生時の寝方によって違ってきます、上向きに寝ていたら短頭型になります片一方をむいていたらいびつになります、うつぶせ寝なら長頭型になります。
うつぶせ寝で育ったら大人になってもうつぶせ寝になるようです。
参考になれば幸いです。
顎の形や頭の形が気になっていらっしゃるようですね。
>最近口がほそい?下顎が大きい?なんというかあまり噛む力が無さそうな人がよく目に付く気がして、ほんとに遺伝が原因なのかなと疑問に思っていたこと
よく言われていますね、今月号の暮らしの手帳(2010年、6-7月号)にも「日本人の顔」について特集記事が載っていました。
興味があれば一度お読みになってください。
>僕の彼女の事なんですけど下顎がすこし横にずれていて、なんでも小さい時から片方ばっかで噛む癖があったらしくそれでそうなったと言ってました、
>でも顔をよく見てみると頭蓋骨もずれてるような気がして、顔全体がねじれてるようにも見えます
遺伝かどうかについてはよくわかりませんが、少なくとも有る程度遺伝的要素はあるように思います、ただ頭の形は出生時の寝方によって違ってきます、上向きに寝ていたら短頭型になります片一方をむいていたらいびつになります、うつぶせ寝なら長頭型になります。
うつぶせ寝で育ったら大人になってもうつぶせ寝になるようです。
参考になれば幸いです。
回答3
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2010-05-29 08:28:54
>これも遺伝なんでしょうか?
そうですね。
さすがにこの質問は臨床医の集団であるこのサイトにご質問されても、正しい回答は得られないのではないかと…(笑)。
歯科大学では
スキャモンの発達・発育曲線
・http://www013.upp.so-net.ne.jp/challengesquare/pdf/kidspaper2.pdf
上顎(頭の骨)は神経型。
下顎(顎の骨)は一般型。
と習いました。
なので、遺伝と言う要素も重要ですが、遺伝だけが顎の形を決めるとは限りません。
また、摂食様式(食文化)によっても変わってくると思います。
これも他サイトからの引用ですが
・http://okuchigenki.com/oralhealth/index.html
人類の進化と言うか顎にとっては退化と呼ぶのか…。
さまざまな観点から研究する必要がありそうです。
wataruwataさん、是非!
そうですね。
さすがにこの質問は臨床医の集団であるこのサイトにご質問されても、正しい回答は得られないのではないかと…(笑)。
歯科大学では
スキャモンの発達・発育曲線
・http://www013.upp.so-net.ne.jp/challengesquare/pdf/kidspaper2.pdf
上顎(頭の骨)は神経型。
下顎(顎の骨)は一般型。
と習いました。
なので、遺伝と言う要素も重要ですが、遺伝だけが顎の形を決めるとは限りません。
また、摂食様式(食文化)によっても変わってくると思います。
これも他サイトからの引用ですが
・http://okuchigenki.com/oralhealth/index.html
人類の進化と言うか顎にとっては退化と呼ぶのか…。
さまざまな観点から研究する必要がありそうです。
wataruwataさん、是非!
回答4
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2010-05-29 22:18:15
part2
病気で切羽詰った相談者の方と違って、こちらサイドも少し遊び心でお答えします。
「顎が充分発育しないのは、きちんと咀嚼しないからだ」と考えられたわけですね。
咬む力の無さそうなヒトを、よーーく観察してみましょう。
体形はどうでしょうか?
横から見ると、何となく幼児の体形に見えませんか?
歯に目をやると、如何でしょうか?
乱くい歯、若しくは、出っ歯のヒトが多くないでしょうか?
(これらのヒトを私はA型のヒトと勝手に呼んでいます)
一方、横から見て、胸が前に腰が後ろに突き出したヒトもいます。
見るからに咬む力が強そうです。
ール瓶の栓を歯で抜く方もいます。
(絶対に真似しないように!)
おじさんの内には、スキッパというか、上のちょうど真ん中の部分が空いているヒトもいます。
(私はP型のヒトと呼びます)
上記の事象を考えると、確かに良く咬むヒトの方が顎は大きいようです。
ただ、もしかすると咬むための構造(形態)になっているかいないかの問題(本人の咬もうとする意欲とは別に)かもしれません。
(これは、次回のお楽しみ!)
彼女についてです。
まず、上中央部と下の中央部とをしっかりと見てみましょう。
上は判りやすいと思います。
下は、よく似た前歯が4本あると思いますから、その真ん中ですね。
今、仮に上の中央部が本当の真ん中だとします。
下の中央部は、どちらにずれていますか?
例えば、もし左にずれていたら、彼女の下顎は「右のほうが大きい(長い)」ことになります。
さて、彼女の咀嚼する側はどちらですか?
咀嚼する側のほうが大きかった(長かった)ですか?
長くなりましたが、せっかくタイヨウ先生がスキャモンの成長曲線を紹介してくださったので、前回の私の回答(part1)で言いかけた一例をお話します。
体の維持のために、まず必要なリンパや神経の成長が早く(早い時期に終了)し、生殖などは後から発達というものなのです。
神経の親玉たる脳の入れ物に付随する「上顎」の成長終了が「下顎」よりも早いのです。
下顎がもっと大きくなりたいのを、成長が止まった上顎が邪魔をします。
もっとも、生体のしなやかさ(?)により、上手く成長方向を変えるなどして対処していきます。
ただ、この場合は正常(?)な成長とは少し違ったものになりそうです。
もし、まだ興味がありましたら、宿題として、顎のズレ方向と咬み癖の側を報告してください。
併せて、もし確認できれば、ノドチンコの先がどちら(右・左・真下)に向いているかも調べてください。
病気で切羽詰った相談者の方と違って、こちらサイドも少し遊び心でお答えします。
「顎が充分発育しないのは、きちんと咀嚼しないからだ」と考えられたわけですね。
咬む力の無さそうなヒトを、よーーく観察してみましょう。
体形はどうでしょうか?
横から見ると、何となく幼児の体形に見えませんか?
歯に目をやると、如何でしょうか?
乱くい歯、若しくは、出っ歯のヒトが多くないでしょうか?
(これらのヒトを私はA型のヒトと勝手に呼んでいます)
一方、横から見て、胸が前に腰が後ろに突き出したヒトもいます。
見るからに咬む力が強そうです。
ール瓶の栓を歯で抜く方もいます。
(絶対に真似しないように!)
おじさんの内には、スキッパというか、上のちょうど真ん中の部分が空いているヒトもいます。
(私はP型のヒトと呼びます)
上記の事象を考えると、確かに良く咬むヒトの方が顎は大きいようです。
ただ、もしかすると咬むための構造(形態)になっているかいないかの問題(本人の咬もうとする意欲とは別に)かもしれません。
(これは、次回のお楽しみ!)
彼女についてです。
まず、上中央部と下の中央部とをしっかりと見てみましょう。
上は判りやすいと思います。
下は、よく似た前歯が4本あると思いますから、その真ん中ですね。
今、仮に上の中央部が本当の真ん中だとします。
下の中央部は、どちらにずれていますか?
例えば、もし左にずれていたら、彼女の下顎は「右のほうが大きい(長い)」ことになります。
さて、彼女の咀嚼する側はどちらですか?
咀嚼する側のほうが大きかった(長かった)ですか?
長くなりましたが、せっかくタイヨウ先生がスキャモンの成長曲線を紹介してくださったので、前回の私の回答(part1)で言いかけた一例をお話します。
体の維持のために、まず必要なリンパや神経の成長が早く(早い時期に終了)し、生殖などは後から発達というものなのです。
神経の親玉たる脳の入れ物に付随する「上顎」の成長終了が「下顎」よりも早いのです。
下顎がもっと大きくなりたいのを、成長が止まった上顎が邪魔をします。
もっとも、生体のしなやかさ(?)により、上手く成長方向を変えるなどして対処していきます。
ただ、この場合は正常(?)な成長とは少し違ったものになりそうです。
もし、まだ興味がありましたら、宿題として、顎のズレ方向と咬み癖の側を報告してください。
併せて、もし確認できれば、ノドチンコの先がどちら(右・左・真下)に向いているかも調べてください。
相談者からの返信
相談者:
wataruwataさん
返信日時:2010-06-01 21:29:08
またまた返信が遅くなって申し訳ありません。
回答をくださった先生方ありがとうございます。
暮らしの手帳・・・すいません、まだ見れてないのでこれから必ず読みます。
タイヨウ先生が紹介してくれたデータやサイト&藤森先生の回答
・・・理解できたとはいえませんが、なんとなくはわかったつもりです。
藤森先生の
>「顎が充分発育しないのは、きちんと咀嚼しないからだ」と考えられたわけですね。
というのもあるんですけど、なんというか僕の思っていたことは、わるい咀嚼が原因で顎の形もみだれて、その顎の形のみだれがその上にある頭蓋骨の形にも影響してみだれてしまい、顔全体の形になるんじゃないか、と勝手に思っていました。
あと、遺伝という理由よりも環境的な原因のほうが絶対に大きいんじゃないかともなんとなくですが思っていました。
ちなみに藤森先生の宿題の件ですが、彼女の咬み癖は右の奥歯で小さい時からよく咬んでいたらしく、下顎は上顎よりもすこし左にズレていて、下顎の右側が左側よりもすこし大きい(長い)と思います。
ノドチンコはほぼ真下ですが、若干先のほうが右に向いているようにも見えます。
1つまだよくわからないことがあるのですが、下顎と上顎の大きさの違いについてはなんとなくわかったんですけど、左右のズレ、左右の顎の大きさ(長さ)の違いについてなにかほかに意見がありましたらぜひうかがいたいのですが。
片側で咬む癖があるとそうなるのかなぐらいにしか考えていなかったので。
あと、この内容とは本当に違う話で申し訳ないんですけど前から気になっていたことを聞いてよろしいでしょうか
歯の矯正についてなんですけど、聞いた話なんですけどアメリカではほとんどの子供が歯の矯正をやっているとか、日本でもやっている子供はたまに見ますがほんの一部しかやっていない気がします。
小さいときから歯の矯正をしていたら顎の形もみだれないんじゃないかなと勝手に思っています。
顎の形の問題?は世界の中で日本は結構多いと聞いたので、こういうアメリカの習慣?影響?はなんで日本では広まってないんでしょうか?
それとも僕がよく知らないだけで結構広まってるんでようか?
それともなにか見えない力が広めないようにしているのかな?
なんて・・・
なにかご意見ありましたら宜しくお願いします。
回答をくださった先生方ありがとうございます。
暮らしの手帳・・・すいません、まだ見れてないのでこれから必ず読みます。
タイヨウ先生が紹介してくれたデータやサイト&藤森先生の回答
・・・理解できたとはいえませんが、なんとなくはわかったつもりです。
藤森先生の
>「顎が充分発育しないのは、きちんと咀嚼しないからだ」と考えられたわけですね。
というのもあるんですけど、なんというか僕の思っていたことは、わるい咀嚼が原因で顎の形もみだれて、その顎の形のみだれがその上にある頭蓋骨の形にも影響してみだれてしまい、顔全体の形になるんじゃないか、と勝手に思っていました。
あと、遺伝という理由よりも環境的な原因のほうが絶対に大きいんじゃないかともなんとなくですが思っていました。
ちなみに藤森先生の宿題の件ですが、彼女の咬み癖は右の奥歯で小さい時からよく咬んでいたらしく、下顎は上顎よりもすこし左にズレていて、下顎の右側が左側よりもすこし大きい(長い)と思います。
ノドチンコはほぼ真下ですが、若干先のほうが右に向いているようにも見えます。
1つまだよくわからないことがあるのですが、下顎と上顎の大きさの違いについてはなんとなくわかったんですけど、左右のズレ、左右の顎の大きさ(長さ)の違いについてなにかほかに意見がありましたらぜひうかがいたいのですが。
片側で咬む癖があるとそうなるのかなぐらいにしか考えていなかったので。
あと、この内容とは本当に違う話で申し訳ないんですけど前から気になっていたことを聞いてよろしいでしょうか
歯の矯正についてなんですけど、聞いた話なんですけどアメリカではほとんどの子供が歯の矯正をやっているとか、日本でもやっている子供はたまに見ますがほんの一部しかやっていない気がします。
小さいときから歯の矯正をしていたら顎の形もみだれないんじゃないかなと勝手に思っています。
顎の形の問題?は世界の中で日本は結構多いと聞いたので、こういうアメリカの習慣?影響?はなんで日本では広まってないんでしょうか?
それとも僕がよく知らないだけで結構広まってるんでようか?
それともなにか見えない力が広めないようにしているのかな?
なんて・・・
なにかご意見ありましたら宜しくお願いします。
回答5
山田歯科医院(兵庫県姫路市)の山田です。
回答日時:2010-06-02 06:41:59
おはようございます。
確かに日本では矯正治療は不正咬合の割合と比べると、治療なさっている方は多いとはいえないと思います。
しかし私が矯正を学んでいた三十数年前と比べると、はるかにたくさんの方が矯正治療をなさっています。
特に成人の方は矯正治療をなさる方は当時皆無といっても良かったように思います。
アメリカのことについてはよくわかりませんが、当時アメリカで矯正学の大学院を出てこられた私の研究室の助教授は、アメリカのインディアナ州では子どもは10人に一人は矯正治療をしていると思うといっていました。
当時徳島にいましたが彼曰く徳島では100人に一人もやっていないでしょうと言っていました。
当時矯正治療を手がけるDrもほとんどいなかったし、料金も高かったので仕方が無かったのではないでしょうか。
日本ではむし歯の治療は原則として保険診療が受けられますが、不正咬合は一部の例外を除いて自費診療になります、したがって治療費も保険診療に比べて高額にならざるを得ません。
このような理由で矯正治療をするか否かはお財布との相談にならざるを得ないと思います、したがって簡単に広まるとは思えません。
おそらくアメリカでも事情は同じではないでしょうか、推測にはなりますが不正咬合に対する意識の違いで無理をしてでも矯正治療をしているのではないでしょうか。
確かに日本では矯正治療は不正咬合の割合と比べると、治療なさっている方は多いとはいえないと思います。
しかし私が矯正を学んでいた三十数年前と比べると、はるかにたくさんの方が矯正治療をなさっています。
特に成人の方は矯正治療をなさる方は当時皆無といっても良かったように思います。
アメリカのことについてはよくわかりませんが、当時アメリカで矯正学の大学院を出てこられた私の研究室の助教授は、アメリカのインディアナ州では子どもは10人に一人は矯正治療をしていると思うといっていました。
当時徳島にいましたが彼曰く徳島では100人に一人もやっていないでしょうと言っていました。
当時矯正治療を手がけるDrもほとんどいなかったし、料金も高かったので仕方が無かったのではないでしょうか。
日本ではむし歯の治療は原則として保険診療が受けられますが、不正咬合は一部の例外を除いて自費診療になります、したがって治療費も保険診療に比べて高額にならざるを得ません。
このような理由で矯正治療をするか否かはお財布との相談にならざるを得ないと思います、したがって簡単に広まるとは思えません。
おそらくアメリカでも事情は同じではないでしょうか、推測にはなりますが不正咬合に対する意識の違いで無理をしてでも矯正治療をしているのではないでしょうか。
回答6
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2010-06-02 13:34:52
part3
日米の矯正歯科事情等については、山田先生が見事にまとめておられますので、私は他の部分について回答します。
「本来、左右均等に咀嚼するべきなのに、片方ばかり行うから顎の骨のみでなく、結果として頭全体に歪みを生じた」
「これが事実なら、遺伝以上に環境の要因が大きい」
という意見なのですね。(凄い!)
さてpart3では、<形態(形・大きさ)>と<機能(動き・働き)>について考えてみましょう。
「玉子が先か?ニワトリが先か?」と同様で、「形態が機能を生み、機能が形態を育てる」のでどちらが先か考えてみましょう。
彼女は、何故今まで、右ばかりで咀嚼してきたのでしょうか?
もし、「よし!今から右ばかりで咬むぞ!」という決心をして意図的に行ったのでなければ、きっと「咬み易かったから」とか「無意識で・・・気が付いたら右ばかりで」という答えになると思います。
つまり、その前から、右で咬むのに適した形態だったのでしょうね。
では、そのような形態になったのは・・・?と続いていって、かなり過去に遡りそうです。
「いつから?」という問いに対して、お母さんのお腹の中の時期だとすれば、<遺伝>の要素が大きいように思えます。
出産という大イベントの中、産科の先生や助産婦さんは、必死になって母子の安全を守ってくださったはずです。
もし赤ちゃんが、なかなか出て来れなかったら、引っ張って出してくださったはずです。
この瞬間から始まって、外傷(外部から力が加えられるという意味)の機会は幾多とあったことでしょう。
這い這いの頃に階段から落ちたり、椅子で頭を打ったり・・・、小学生になって鉄棒から落ちたなどは本人の記憶があることもあります。
頭から首にかけては、もの凄く多くの筋肉が走行しています。
外傷によって、この内の一つでも、そして僅かでも働きが悪くなると、全体の中でアンバランスを生じます。
或いは、外力で骨の位置関係が極僅かにズレたかもしれません。
温室(?)ででも育てられない限り、このような事は大なり小なりすべてのヒトに起こっているはずです。
そして、そのような条件化で成長・発育していくのですね。
こうなると<遺伝>以上に広い意味での<環境>に分があるのかもしれません。
さて宿題の結果、推測されるのは、彼女の奥歯のかみ合わせ(上下・内側外側の咬み合わさり方)が左右で全く反対になっているのではないかということです。
少し複雑な咀嚼様式になっていそうですね。
意外と、飲み込む直前には食べ物が左の一番奥に来たりはしてないですか?
まだ気力があったら、彼女の外傷既往歴(出産時を含む/出来れば小さい頃の事はお母さんにも聞いてみる)も含めて報告してください。
「矯正によって、顎の健全な発育を促せる」と云う意見も凄いですね。
例えば、まだ早い時期(ほとんど乳歯の時期)に行う顎の拡大は、その目的に沿う可能性がありますね。
何故成長に支障が出ているかの原因を探る必要はあるでしょう。
ただ、フツー(?)の矯正治療は、ただ「既に決まった顎の大きさ・形の内に永久歯を動かして如何にきれいに並べるか」といった要素が強いと思います。
(私見です / 勿論、歯へのアプローチが顎の成長に役立つ要因もゼロとは言いませんが)
手術によって、一気に形態を理想的(?)と思われるものに変えて、「機能は後から追いついてくる」という考えもあります。
(私の盟友Y先生など)
けど、一旦成長した後に「本当ならこんな形態というのを決めるのは易しい事では無さそうです。
もし、また質問されれば、次回は原因と結果についての私見をお話したいと思います。
日米の矯正歯科事情等については、山田先生が見事にまとめておられますので、私は他の部分について回答します。
「本来、左右均等に咀嚼するべきなのに、片方ばかり行うから顎の骨のみでなく、結果として頭全体に歪みを生じた」
「これが事実なら、遺伝以上に環境の要因が大きい」
という意見なのですね。(凄い!)
さてpart3では、<形態(形・大きさ)>と<機能(動き・働き)>について考えてみましょう。
「玉子が先か?ニワトリが先か?」と同様で、「形態が機能を生み、機能が形態を育てる」のでどちらが先か考えてみましょう。
彼女は、何故今まで、右ばかりで咀嚼してきたのでしょうか?
もし、「よし!今から右ばかりで咬むぞ!」という決心をして意図的に行ったのでなければ、きっと「咬み易かったから」とか「無意識で・・・気が付いたら右ばかりで」という答えになると思います。
つまり、その前から、右で咬むのに適した形態だったのでしょうね。
では、そのような形態になったのは・・・?と続いていって、かなり過去に遡りそうです。
「いつから?」という問いに対して、お母さんのお腹の中の時期だとすれば、<遺伝>の要素が大きいように思えます。
出産という大イベントの中、産科の先生や助産婦さんは、必死になって母子の安全を守ってくださったはずです。
もし赤ちゃんが、なかなか出て来れなかったら、引っ張って出してくださったはずです。
この瞬間から始まって、外傷(外部から力が加えられるという意味)の機会は幾多とあったことでしょう。
這い這いの頃に階段から落ちたり、椅子で頭を打ったり・・・、小学生になって鉄棒から落ちたなどは本人の記憶があることもあります。
頭から首にかけては、もの凄く多くの筋肉が走行しています。
外傷によって、この内の一つでも、そして僅かでも働きが悪くなると、全体の中でアンバランスを生じます。
或いは、外力で骨の位置関係が極僅かにズレたかもしれません。
温室(?)ででも育てられない限り、このような事は大なり小なりすべてのヒトに起こっているはずです。
そして、そのような条件化で成長・発育していくのですね。
こうなると<遺伝>以上に広い意味での<環境>に分があるのかもしれません。
さて宿題の結果、推測されるのは、彼女の奥歯のかみ合わせ(上下・内側外側の咬み合わさり方)が左右で全く反対になっているのではないかということです。
少し複雑な咀嚼様式になっていそうですね。
意外と、飲み込む直前には食べ物が左の一番奥に来たりはしてないですか?
まだ気力があったら、彼女の外傷既往歴(出産時を含む/出来れば小さい頃の事はお母さんにも聞いてみる)も含めて報告してください。
「矯正によって、顎の健全な発育を促せる」と云う意見も凄いですね。
例えば、まだ早い時期(ほとんど乳歯の時期)に行う顎の拡大は、その目的に沿う可能性がありますね。
何故成長に支障が出ているかの原因を探る必要はあるでしょう。
ただ、フツー(?)の矯正治療は、ただ「既に決まった顎の大きさ・形の内に永久歯を動かして如何にきれいに並べるか」といった要素が強いと思います。
(私見です / 勿論、歯へのアプローチが顎の成長に役立つ要因もゼロとは言いませんが)
手術によって、一気に形態を理想的(?)と思われるものに変えて、「機能は後から追いついてくる」という考えもあります。
(私の盟友Y先生など)
けど、一旦成長した後に「本当ならこんな形態というのを決めるのは易しい事では無さそうです。
もし、また質問されれば、次回は原因と結果についての私見をお話したいと思います。
相談者からの返信
相談者:
wataruwataさん
返信日時:2010-06-04 21:49:51
回答をくださった先生方ありがとうございます。
藤森先生の回答のほうなんですが、いまはまだ質問がまとまっていないので次回また近いうちに投稿させていただきます。
彼女の件ですが、彼女と彼女のお母さんに聞いたのですが外傷既往歴(出産時を含む)は特にないということでした。
ただ2人が共通して言ってたことで気になったのは、彼女は小さい頃から食事をするときに
?口をしっかり閉じないで咀嚼をしていて、ときどきクチャクチャと音が鳴っていた
?食事をするとき席につくと彼女の正面のすこし左側にテレビがありいつも首を左に向けて食べていたこと
ということです。
?のほうに関しては僕の勝手な考えですが首を左に向けていたら口の右側で咬むほうが楽そうで、顎の長さ(大きさ)に何か関係あるのでは?と思ってしまいました。
今日は別のことを質問させていただきたいのですが、タイヨウ先生の回答で
>さすがにこの質問は臨床医の集団であるこのサイトにご質問されても、正しい回答は得られないのではないかと…(笑)。
と、あったんですけど。
僕は歯や口のこと、顔のことまではいきすぎたとは思っていますが、遺伝的なことや環境的な要因のこと、顎の形のことなど・・・
常日頃患者と接している先生方が一番そういった変化?や状態?を知っているような気がして質問させてもらったのですが、こういったことは臨床医ではなくどういう方がよく知っているのかご存知ですか?
学者、研究者、大学病院の先生、はたまた役所関係・・・
全然わかりません。
僕のイメージではこういう問題?テーマ?などをいろいろ臨床もやられてる先生方がデータを長年あつめて論文に書いたりして、そして学会で発表して、それで法の改正とかあったりして治療の範囲や基準が変わったりして、そこからまた臨床がかわるのかなと・・・
なんか自分で見返してみてもまとまりのない変な質問で申し訳ないのですが、なにかご意見のほうありましたらよろしくお願いします。
藤森先生の回答のほうなんですが、いまはまだ質問がまとまっていないので次回また近いうちに投稿させていただきます。
彼女の件ですが、彼女と彼女のお母さんに聞いたのですが外傷既往歴(出産時を含む)は特にないということでした。
ただ2人が共通して言ってたことで気になったのは、彼女は小さい頃から食事をするときに
?口をしっかり閉じないで咀嚼をしていて、ときどきクチャクチャと音が鳴っていた
?食事をするとき席につくと彼女の正面のすこし左側にテレビがありいつも首を左に向けて食べていたこと
ということです。
?のほうに関しては僕の勝手な考えですが首を左に向けていたら口の右側で咬むほうが楽そうで、顎の長さ(大きさ)に何か関係あるのでは?と思ってしまいました。
今日は別のことを質問させていただきたいのですが、タイヨウ先生の回答で
>さすがにこの質問は臨床医の集団であるこのサイトにご質問されても、正しい回答は得られないのではないかと…(笑)。
と、あったんですけど。
僕は歯や口のこと、顔のことまではいきすぎたとは思っていますが、遺伝的なことや環境的な要因のこと、顎の形のことなど・・・
常日頃患者と接している先生方が一番そういった変化?や状態?を知っているような気がして質問させてもらったのですが、こういったことは臨床医ではなくどういう方がよく知っているのかご存知ですか?
学者、研究者、大学病院の先生、はたまた役所関係・・・
全然わかりません。
僕のイメージではこういう問題?テーマ?などをいろいろ臨床もやられてる先生方がデータを長年あつめて論文に書いたりして、そして学会で発表して、それで法の改正とかあったりして治療の範囲や基準が変わったりして、そこからまた臨床がかわるのかなと・・・
なんか自分で見返してみてもまとまりのない変な質問で申し訳ないのですが、なにかご意見のほうありましたらよろしくお願いします。
タイトル | 咀嚼と顎の形の関連について |
---|---|
質問者 | wataruwataさん |
地域 | 神奈川 |
年齢 | 18歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 大学生・短大生・専門学生 |
カテゴリ |
歯列矯正(矯正歯科)その他 噛み合わせ(咬合)その他 専門的な質問その他 その他(その他) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。