根充後、歯冠からの漏れがない治療を受けるための歯科医院選び

相談者: 栄五郎さん (42歳:男性)
投稿日時:2010-06-18 23:58:11
ご相談させていただきます。
マイクロスコープのある歯科医院にて抜髄治療を受けまして、根管充填が終わったばかりの状況です。
その医院では、この後は歯質も多く残っているため歯を削らないでの修復を提案頂きましたが、相談の結果この後の治療は他院でということになりました。
しかしどこに行けばよいのか思案中です。

調べておりまして、coronal leakage(根管治療後の歯冠側からの微少漏洩)ということが気になりますが、これに関してはどちらの歯科医院に伺っても施すことのできる治療は同じということになるのでしょうか。

過去の相談事例でも根管治療後レジン充填というのを拝見しましたが、

レジンや接着剤の種類
・レジン充填前の消毒
・レジンの詰め方

などで漏洩に違いが出てくるのか、それは自費レジンをやっている歯科医だと精度が高く漏洩が少ないということになるのか、またはレジン充填以外に歯を削らずに済み漏洩も最小になる最新技術があるのか、といったあたりを知りたいと思っております。

技術的にレジン充填に差が無いのなら手近なところで医院を選ぶところですが、もし何か違いがあるならば今後のメインテナンス含めて次の医院をよく検討して決めたいと思っております。

以上ご回答の程よろしくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2010-06-19 00:22:11
こんばんは。

根管充填終了後、仮の蓋の状態で、あてもなく転院、ということでしょうか?



となりますと、coronal leakage云々よりも、こちら↓の話の方が問題になりそうな気がします。
(お読みになってるかも知れません)
参考⇒神経のない歯は神経のある歯よりも脆い?(4番インレー素材の悩み)

つまり、抜髄クラウン、と考える先生が少なくなく、むしろ多いぐらいかも知れません。

ともあれ前医の治療方針を尊重して下さる先生を探すことが先決の様な気もしますので、理想を言えば前医に手紙を添えて紹介して頂けるのが良い様に思います。



強度的に問題がないとすれば、leakageを予防するのに最も優れた材料と言えば直接法のレジン充填でしょうね。

おそらく、それなりに丁寧にしてもらえればそこら辺で衛生士さんにしてもらったとしても臨床的な差はまずないかと思います。

とことん気にされるなら、

>・レジンや接着剤の種類
>・レジン充填前の消毒
>・レジンの詰め方

上記の内容にはどれにも配慮すべき事項がありますよ。
あとは防湿とか、エナメルマージン象牙質のマージンか、接着操作、光照射器のスペックや状態など?でしょうか。
消毒は私はあまり気にならない方かも知れません。

自費だから、保険だからというよりは、担当される先生の知識や技術の方がウエイトは大きいと思います。

丁寧に行うなら自費になる傾向はあるでしょうが、自費でされる先生でも知識や技術が必ずしも十分とは言えませんからね。

ウエイトが大きいとは言っても臨床的にどうかと言えば、まあ、どこでも何でもレジン充填だったら良いのではないでしょうか、、たぶん。



もしも他の先生が見たところ咬み合わせ(強度的)に問題があるかも?と判断された場合には、レジンで詰めた上でクラウンの方がいいかも知れません。



ただ何にしても、

>今後のメインテナンス含めて次の医院をよく検討して決めたいと思っております。

の方がいいと思いますよ。
あまり転々とはしない方が良いのではないでしょうか。



お大事にどうぞ。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2010-06-19 01:23:42
こんばんは、ノア先生の意見に概ね賛成です。

抜髄クラウン、と考える先生が少なくなく、むしろ多いぐらい
>理想を言えば前医に手紙を添えて紹介して頂けるのが良い様に思います。

ですね (^^)

どの部位を治療されたのかが書かれてないので、コメントしづらいのですが、前歯を裏側から穴を開けて治療されたのであれば、審美性の問題はほとんど感じないと思うので、丁寧にさえやってもらえば保険診療だろうが自由診療だろうが差はないと思います。

すでにムシ歯の部分は、抜髄した医院である程度しっかり取っているだろうと思いますから、あとは接着処理してレジン樹脂を流し込むだけでしょうからね。
色のこともあまり考えなくて良いでしょうし・・・。

上の奥歯でも同じことが言えるかな、と思います。


下の歯で「せっかくだからキレイに」ということであれば、自由診療の医院も選択肢に入ってくるかと思います。

技術的な面は、症例写真などで見るくらいしか手がないのかな、と思います。


>消毒は私はあまり気にならない方かも知れません。

私はちょっと気にしますけど (^^;)
念には念を・・・ という意味で。(そこに差が出るかは分かりません)


>>今後のメインテナンス含めて次の医院をよく検討して決めたいと思っております。

>の方がいいと思いますよ。
>あまり転々とはしない方が良いのではないでしょうか。

ですね (^^)


審美性にこだわらないのであれば、あとは「ほぼ流し込むだけ」でしょうから保険で済まされた方が、安く上がって良いんじゃないでしょうか。

お大事に。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-06-19 01:59:52
>などで漏洩に違いが出てくるのか、それは自費レジンをやっている歯科医だと精度が高く漏洩が少ないということになるのか、またはレジン充填以外に歯を削らずに済み漏洩も最小になる最新技術があるのか、といったあたりを知りたいと思っております。


レジンにおいて自費か保険かは、経営的な側面や、保険適用になっていないレジン(物理的性質はさほど差は無いのですが色が豊富です)を使用している、審美的な理由(保険適用外)によることが大きいと思います。


精度の問題は先生の技術によるところが大きいでしょう。

しかし、その技術レベルを患者さんが正しく判定できる可能性は、ほぼゼロです。

また最新技術も数十年の予後を見る必要のある歯科の世界では、必ずしも良いものとは限りません。

今までにも、研究ではいい結果が出て、臨床に応用されても、数年後には良くなかった臨床の現場から消えて無くなったものはたくさんあります。


あまり情報に惑わされず基本的な部分が押さえられていればよいのではないでしょうか。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2010-06-19 02:02:52
あ、そうですね、部位によっては回答が変わりますね。

年齢から考えると隣接面を含んでいると考えた方が良さそうですから、その場合、保険治療なら最低でもメタルインレー修復、と考えられるのが普通だと思います。

もちろんレジン充填の難易度はとても上がりますので、無理強いはしない方が絶対にいいです。

隣接面を含む場合の治療方針は自費でも意見が分かれますので、自力で前医の推奨どおりの治療を受けるというのは困難かも知れませんね。

可能なら、まずは前医に相談。

それが無理でしたら前医の話は忘れて、信じられる先生を探すのが良さそうですね。





吉岡先生>

>私はちょっと気にしますけど (^^;)
>念には念を・・・ という意味で。(そこに差が出るかは分かりません)

ご存知だと思いますが、pHに気をつけて下さいね^^

血液はもちろん、唾液のたん白やラバーの粉などは接着の阻害になりますね。

デブリスにも細菌は存在しますが、デブリスは残した方が接着には良いという意見もあります。

あと、セミナーで使ったワンステップはやめておきましょう^^;

余談でした。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 栄五郎さん
返信日時:2010-06-19 09:07:40
諸先生方のご回答に感謝致します。
情報不足のご指摘をいただき申し訳ありません、治療部位は上顎3番で裏側に穴が開いております。
隣接面には何もなっておりません(と思います)。
前医とは性格上の相性の問題を感じまして、エンドにおきましてはよい治療をして頂いたもののここで治療終了という結果になりました、よって紹介状もこれから頂戴するのは難しいと思います。

日本接着歯学会の先生がよろしいでしょうか?
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2010-06-19 09:19:54
小さな穴ならそこまで自費保険こだわる必要ないと思いますが。


>日本接着歯学会の先生がよろしいでしょうか?

いいと思いますよ。

ただ、前医の治療の継続をすんなり引き受けてくれる先生は探す必要があると思います。

他人の根管治療は信用できないから、もう一度エンドをするなどのケースも十分考えられますし。




>あと、セミナーで使ったワンステップはやめておきましょう^^;

棒状のやつですか!?
1回使いましたけど、マイクロで接着面見たら、膜の厚み、はみ出したボンディング剤の除去のメンドクサから1回使って捨てました^^;

審美レジンするにはボンディング層の厚みが致命的ですね。。。
 

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2010-06-19 17:49:28
性格上の相性って、大事ですよね。。



隣接面には何もなっておりません(と思います)。

ならいいですね^^
なら、いいんですが、3番が咬合面口蓋側)から、真ん中だけピンポイントに抜髄しなくてはいけないほどの虫歯に・・・??



>日本接着歯学会の先生がよろしいでしょうか?

私もいいと思います。



>他人の根管治療は信用できないから、もう一度エンドをするなどのケースも十分考えられますし。

ですね。






井野先生>

>棒状のやつですか!?

です^^;

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 栄五郎さん
返信日時:2010-06-20 23:04:53
諸先生方、重ねてのご回答有り難うございました。

日本接着歯学会の名簿を調べたのですが、あいにく大学の先生方ばかりのようで身近な開業医を見つけるに至りませんでした。
よって、これ以上接着技術を判断するすべもありませんので近くの開業医から【人柄】で誠実にレジンを施術頂けそうな方を見つけようとの結論となりました。

最後にお聞きしたいことが一つあります。
先生方の回答を繰り返し読んでいるうちに考えついたのですが、技術が確かかどうかが分からないにしても、接着強度の落ちてきそうな年数ごとにレジンをやり換えるというのは如何でしょうか。
新しいレジンと接着剤に換えることにより微少漏洩を防げるかと考えてのことです。
その場合、何年ぐらいを目安とすれば宜しいでしょうか。

もしお時間ありましたら最後の質問へも返信頂ければと思います。
宜しくお願い申し上げます。
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2010-06-21 09:54:14
>接着強度の落ちてきそうな年数ごとにレジンをやり換えるというのは如何でしょうか。

現実的ではないと思います。


まず、毎年のように新しい接着システムが発売されています。
それらの臨床データは今後得られるもので現時点で「何年ごとに」と言う数値は出せません。
(と、言うか、今年発売された接着システムの臨床データが出るころには何世代も新しい接着システムが発売されているはずです)

メーカーも「サーマルサイクル何万回での接着私見」などのデータは出しておりますが、それが直接の口腔内でのデーターとは一致しないと思いますし、当然、臨床的データが取れているわけではありません。


また、臨床的なcoronal leakageの有無を調べようとすれば治療後何年かして抜歯し、標本を作って電子顕微鏡などで調べなければなりません。

そんな「人体実験」に試料を提供できますか?
(毎年のように抜歯させていただけますか?と言う事ですよ)


「coronal leakageが心配であれば、虫歯になったら抜歯してインプラントにしましょう」などと言う本末転倒な提案をすることになってしまいます。



また

>レジンをやり換える

場合、多かれ少なかれ歯質を削ります。
意味も無く健康な歯質を削られたいですか?



従って「担当医の技術と接着システムを信頼」し、「定期的にレントゲンなどで調べ」「メインテナンスを欠かさない」と言うのが現実的な気がしますが、いかがでしょうか。


小牧先生が回答3で書かれているように

「あまり情報に惑わされず基本的な部分が押さえられていればよいのではないでしょうか。 」

と思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 栄五郎さん
返信日時:2010-06-21 19:53:20
タイヨウ先生、いささか誤解もあるかと思い釈明させて頂きます。

『漏洩の有無を調べた上で交換したい』とは申しあげておりません。
私は単純に、そろそろ替え時かなという感覚で、漏洩があるかないか分からなくても10年なり20年なり経ったら取り敢えず交換という考え方もあるだろうかと思った、というまでです。
ですので、『人体実験に試料を提供できるか』などと問いかけられまして、そんなことは申し上げていないのにと驚きました。
そのような意図での質問ではございませんので何卒お汲み取り頂ければと思います。

『多かれ少なかれ歯質を削ります』ということは、なるほどと納得しました。
有り難うございました。



つまるところ、小牧先生のおっしゃるように『技術レベルを患者さんが正しく判定できる可能性は、ほぼゼロ』であることから、患者側からの客観的判断材料はない。
よって、手がかりのない状態で『担当医の技術と接着システムを信頼』しなければならないという結論ですね。
となりますと、明確なものは無いまま患者側としてはただ信じなければならず、雲をつかむような話と思います。
『信じる者は救われる』という宗教の世界の話のようにも思えて参ります。

『担当医の技術と接着システムを信頼』と言いましても、信頼というのは本来、構築するまでに相応の時間も努力も必要なものではないでしょうか。
しかし待ったなしの医療の現場では、あまり時間をかけずに即時信頼して治療開始しなければならない。
それは本当の意味での『信頼』なのか?
それとも、信頼関係を構築できるかもしれないとの『期待』の段階に過ぎないのではないのか?
その点は個人的には疑問に感じるところでありますが、医療というもののシステム上やむを得ないですね。


ともかく、判断材料が全くないまま、ただ『信じる』というのは私にとりましてはなかなか難しい問題です。
諸先生方のご意見を参考に、私なりの考察と価値観のもとで、また人間性の面を重視しながら、長いおつきあいのできる先生を探すよう努力します。


先生方、何度も私のくどい相談に貴重な時間を割き、お付き合い頂き有り難うございました。
最後は見苦しい独り言になり、こちらの掲示板を目になさる他の皆様にもお詫び申し上げます。
回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2010-06-21 21:02:16
そんなに卑屈になられる必要はありませんよ。

実験(論文)レベルと臨床のレベルには開きがあり「実験データだけを患者さんが鵜呑みにしてしまう事は危険ですよ」という事がご理解いただければそれで良いので。


>明確なものは無いまま患者側としてはただ信じなければならず、雲をつかむような話と思います。

僕は物事全てがそうだと思いますけどね。

最後は「人として、人を信じられるか?」だと思います。


ですから、

>私なりの考察と価値観のもとで、また人間性の面を重視しながら、長いおつきあいのできる先生を探すよう努力します。

は、素晴らしい結論だと思います。

信頼できる先生と巡り合えるといいですね。




タイトル 根充後、歯冠からの漏れがない治療を受けるための歯科医院選び
質問者 栄五郎さん
地域 非公開
年齢 42歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ その他(歯科治療関連)
根管治療後の詰め物・被せ物
歯医者さんの探し方・見つけ方
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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