前歯を治療希望だが、骨格性反対咬合を理由に歯科医が治療に難色
相談者:
土建屋さん (47歳:男性)
投稿日時:2010-06-19 00:17:05
はじめて質問いたします。
自分は、上の前歯部(右2番から左2番)が、虫歯やその治療後の変色が著しいので、歯を削って被せてもらう治療を希望し、近くの歯科医院に行きました。
ドクターは大変親切でいろいろと説明してくださるのですが、自分が希望する治療に難色を示されました。
というのは、自分が骨格性の反対咬合(ドクターがそうおっしゃっていた)で、矯正治療は大変困難(もとより自分は矯正治療をうけるつもりはないのですが)で、このまま(反対咬合のまま)自分が希望する治療を行うと、被せた歯が壊れることが多いと説明を受けました。
そういうもの(反対咬合のままでは被せた歯が壊れやすいのか)なのかということを、こちらにいらっしゃる先生方にご意見を伺いたく投稿いたしました。
ちなみにそのドクターは”自分も経験不足なところもありますので、良い意見や良い歯科医院が見つかれば、遠慮なくおっしゃってください。私の所見や資料など、お付けして紹介の手紙を書かせていただきますから”とのことでした。
どうかよろしくお願いいたします。
自分は、上の前歯部(右2番から左2番)が、虫歯やその治療後の変色が著しいので、歯を削って被せてもらう治療を希望し、近くの歯科医院に行きました。
ドクターは大変親切でいろいろと説明してくださるのですが、自分が希望する治療に難色を示されました。
というのは、自分が骨格性の反対咬合(ドクターがそうおっしゃっていた)で、矯正治療は大変困難(もとより自分は矯正治療をうけるつもりはないのですが)で、このまま(反対咬合のまま)自分が希望する治療を行うと、被せた歯が壊れることが多いと説明を受けました。
そういうもの(反対咬合のままでは被せた歯が壊れやすいのか)なのかということを、こちらにいらっしゃる先生方にご意見を伺いたく投稿いたしました。
ちなみにそのドクターは”自分も経験不足なところもありますので、良い意見や良い歯科医院が見つかれば、遠慮なくおっしゃってください。私の所見や資料など、お付けして紹介の手紙を書かせていただきますから”とのことでした。
どうかよろしくお願いいたします。
回答1
回答日時:2010-06-19 00:58:45
はじめまして。
とても良さそうな先生ですね。
ただ意見は私とは異なる様です。
極めて一般的な、前歯のかみ合わせが奥歯を守るという考え(※下に関連する論文もあります)から立つと、担当の先生のおっしゃる通りの発想になるかと思います。
ですが経験上(※ここはポイントです。他人に話す時には説得力がありません!)、反対咬合のまま、上の前歯の神経を抜いて、軸を曲げて正常咬合っぽく作っていると、結構な頻度で歯根破折かそれに近い問題を起こしている様に感じています。
上顎前歯部はただでさえ歯根破折が比較的多発する部位でもあります。
これは予測ですが、奥歯を守ることを優先はしているかも知れませんが、結果的に前歯に関しては、かえって負担過重となってしまっている様に思います。
たぶん、つぎはぎの上前歯に対して、大きめの下顎が、ホームランバッターのバット(端の方を握って長く持った状態)で振り下ろされて相乗効果を発揮するのではないかと考えています。
(※しつこいですが、あくまで私見です。)
ですが、反対咬合を直さない場合も、疫学的にはやっぱり歯は全体として長持ちしません。
80歳まで歯が20本以上残った方51名の歯並びを調べた報告では、反対咬合や開咬(オープンバイト)、切端咬合は一人も見られなかったとのことです。
論文はコチラ→
8020達成者の歯列・咬合の観察−東京都文京区歯科医師会提供の資料より−
茂木悦子,宮崎晴代,一色泰成
日本歯科医師会雑誌 1999年 8月 Vol.52 No.05
【pdfファイル】
↑この論文を見て、土建屋さんの歯が20本以上、80歳まで持つ可能性が0%とはまた言えないのですが、傾向としてはやはり厳しいとは言えそうです。
また嫌な話をもうひとつしますと、骨格性反対咬合の方の歯が抜け終わった後の入れ歯は、抜歯後の骨の吸収方向の関係から、更に強度の反対咬合傾向となってしまい、極めて安定しにくいです。
ですので理想としては、多少妥協的な内容だとしても、可能なら矯正治療を検討された方が良いのではないかと・・個人的には考えますよ。
後半は嫌な話ばかりしてしまいましたが、良い方法が見つかるといいですね。
お大事にして下さい。
とても良さそうな先生ですね。
ただ意見は私とは異なる様です。
極めて一般的な、前歯のかみ合わせが奥歯を守るという考え(※下に関連する論文もあります)から立つと、担当の先生のおっしゃる通りの発想になるかと思います。
ですが経験上(※ここはポイントです。他人に話す時には説得力がありません!)、反対咬合のまま、上の前歯の神経を抜いて、軸を曲げて正常咬合っぽく作っていると、結構な頻度で歯根破折かそれに近い問題を起こしている様に感じています。
上顎前歯部はただでさえ歯根破折が比較的多発する部位でもあります。
これは予測ですが、奥歯を守ることを優先はしているかも知れませんが、結果的に前歯に関しては、かえって負担過重となってしまっている様に思います。
たぶん、つぎはぎの上前歯に対して、大きめの下顎が、ホームランバッターのバット(端の方を握って長く持った状態)で振り下ろされて相乗効果を発揮するのではないかと考えています。
(※しつこいですが、あくまで私見です。)
ですが、反対咬合を直さない場合も、疫学的にはやっぱり歯は全体として長持ちしません。
80歳まで歯が20本以上残った方51名の歯並びを調べた報告では、反対咬合や開咬(オープンバイト)、切端咬合は一人も見られなかったとのことです。
論文はコチラ→
8020達成者の歯列・咬合の観察−東京都文京区歯科医師会提供の資料より−
茂木悦子,宮崎晴代,一色泰成
日本歯科医師会雑誌 1999年 8月 Vol.52 No.05
【pdfファイル】
↑この論文を見て、土建屋さんの歯が20本以上、80歳まで持つ可能性が0%とはまた言えないのですが、傾向としてはやはり厳しいとは言えそうです。
また嫌な話をもうひとつしますと、骨格性反対咬合の方の歯が抜け終わった後の入れ歯は、抜歯後の骨の吸収方向の関係から、更に強度の反対咬合傾向となってしまい、極めて安定しにくいです。
ですので理想としては、多少妥協的な内容だとしても、可能なら矯正治療を検討された方が良いのではないかと・・個人的には考えますよ。
後半は嫌な話ばかりしてしまいましたが、良い方法が見つかるといいですね。
お大事にして下さい。
回答2
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2010-06-19 01:19:30
>ドクターは大変親切でいろいろと説明してくださるのですが、自分が希望する治療に難色を示されました。
御自分の希望する治療法とは?
骨格性反対咬合をそのままにして上の前歯部(右2番から左2番)の咬み合わせを正常(上の歯の内側に下の歯が咬み込む)にしたいということでしょうか?
それとも今の咬み合わせを再現する形で修復したいということでしょうか?
前者なら渡辺先生の御意見に同意です。
後者なら修復は可能だと思いますが、実際診察していないので確実とは言えませんが。
御参考までに
御自分の希望する治療法とは?
骨格性反対咬合をそのままにして上の前歯部(右2番から左2番)の咬み合わせを正常(上の歯の内側に下の歯が咬み込む)にしたいということでしょうか?
それとも今の咬み合わせを再現する形で修復したいということでしょうか?
前者なら渡辺先生の御意見に同意です。
後者なら修復は可能だと思いますが、実際診察していないので確実とは言えませんが。
御参考までに
回答3
相談者からの返信
相談者:
土建屋さん
返信日時:2010-06-19 14:16:18
渡辺先生、細見先生 早速のご回答ありがとうございました。
自分の文章表現が悪かったのだと思うのですが、自分は以下を希望しております。
(細見先生のおっしゃられる後者ということになります)
?かみ合わせは反対咬合のままで、歯に被せる治療をしてほしい。
?矯正は、金銭的および時間的に困難なので、望まない。
?歯を削って被せた状態が、正常咬合(?)にならなくてよい。(咬んだ時に、下の前歯が上の前歯を覆う状態でよい)
で、ドクターは、
”反対咬合の状態のままで被せる治療は可能だが、(被せた冠の)歯の色となる部分が欠けたり、壊れたりすることが予想されます。それでもよければやらしていただきます”
とお答えになりました。
さらに、
”自分も、貴方のような症状には経験不足なところがありますので、良い意見や良い歯医者があれば、所見・資料をお付けして紹介の手紙を書かせていただきますから”
というお答えでした。
自分はできればそのドクターにかかりたいと思いますが、「反対咬合のまま被せると、歯の色の部分が欠けたり壊れたりすることが予想される」のも困ります。
反対咬合のまま被せると上記のようなトラブルがおきやすいのかどうか、改めてご意見をお願いいたします。
自分の文章表現が悪かったのだと思うのですが、自分は以下を希望しております。
(細見先生のおっしゃられる後者ということになります)
?かみ合わせは反対咬合のままで、歯に被せる治療をしてほしい。
?矯正は、金銭的および時間的に困難なので、望まない。
?歯を削って被せた状態が、正常咬合(?)にならなくてよい。(咬んだ時に、下の前歯が上の前歯を覆う状態でよい)
で、ドクターは、
”反対咬合の状態のままで被せる治療は可能だが、(被せた冠の)歯の色となる部分が欠けたり、壊れたりすることが予想されます。それでもよければやらしていただきます”
とお答えになりました。
さらに、
”自分も、貴方のような症状には経験不足なところがありますので、良い意見や良い歯医者があれば、所見・資料をお付けして紹介の手紙を書かせていただきますから”
というお答えでした。
自分はできればそのドクターにかかりたいと思いますが、「反対咬合のまま被せると、歯の色の部分が欠けたり壊れたりすることが予想される」のも困ります。
反対咬合のまま被せると上記のようなトラブルがおきやすいのかどうか、改めてご意見をお願いいたします。
回答4
回答日時:2010-06-19 14:31:10
保険の前歯ですと、硬質レジン前装冠というものになるかと思いますが、これはレジン部と裏打ちの金属の部分の界面からの剥がれがおきやすいです。
レジンと金属は接着しませんからね。
で、通常は裏側(正常な咬合なら下の前歯が当たる部分)の金属をむき出しにしておくことでなんとか耐久性を持たせるのですが、反対咬合の場合はその様に出来ません。
(表側が銀色になってもいいなら別ですが・・)
ということで、担当の先生のおっしゃる通り、通常の場合よりはよく起こり得ることだと思いますよ。
よく説明をして頂けている様ですね。
レジンと金属は接着しませんからね。
で、通常は裏側(正常な咬合なら下の前歯が当たる部分)の金属をむき出しにしておくことでなんとか耐久性を持たせるのですが、反対咬合の場合はその様に出来ません。
(表側が銀色になってもいいなら別ですが・・)
ということで、担当の先生のおっしゃる通り、通常の場合よりはよく起こり得ることだと思いますよ。
よく説明をして頂けている様ですね。
回答5
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2010-06-19 15:25:15
担当のDrは詳しく説明して下さるようですね。
説明の通りだと思います。
咬合の状態にもよりますが、硬質レジンの厚みさえ取れれば結構もつかも知れません(欠ける危険性はありますが)
あとは保険で作って欠けたら修理するを繰り返すか、自費で丈夫な材料を使って作るかです。
担当のDrと相談されては如何でしょうか。
説明の通りだと思います。
咬合の状態にもよりますが、硬質レジンの厚みさえ取れれば結構もつかも知れません(欠ける危険性はありますが)
あとは保険で作って欠けたら修理するを繰り返すか、自費で丈夫な材料を使って作るかです。
担当のDrと相談されては如何でしょうか。
相談者からの返信
相談者:
土建屋さん
返信日時:2010-06-20 17:52:10
渡辺先生、細見先生 ご回答ありがとうございました。
ドクターの話は、先生方も御指摘の通り、妥当な意見ということがわかりました。
今のまま被せる治療をすればトラブルが出る可能性は否定できないわけですが、それを留意の上、ドクターと相談し治療を受けようかと思います。
ありがとうございました。
ドクターの話は、先生方も御指摘の通り、妥当な意見ということがわかりました。
今のまま被せる治療をすればトラブルが出る可能性は否定できないわけですが、それを留意の上、ドクターと相談し治療を受けようかと思います。
ありがとうございました。
タイトル | 前歯を治療希望だが、骨格性反対咬合を理由に歯科医が治療に難色 |
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質問者 | 土建屋さん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 47歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
クラウン(差し歯・被せ)その他 噛み合わせ(咬合)その他 その他(診断) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。