ブリッジの土台の根の治療をしたのに亀裂が生じ抜歯と言われている

相談者: ぷーたろーさん (40歳:男性)
投稿日時:2010-06-20 13:44:42
はじめまして。
根の治療ついてご意見をいただけましたら幸いです。

現在、右上1番が欠損のため左上1番、2番、右2番を土台にブリッジを掛けていました。

右上2番の歯茎が化膿したので、ブリッジを外して右上2番の根の治療をしておりました。
(約3ヶ月間/週1-2回)

ところが本日治療をしようとしたところ治療中の歯に亀裂が生じて、抜歯しなければいけないと言われました。



ここで質問ですが、

1.歯に亀裂が入るほど圧力をかけて蓋をしたことは医療過誤ではないのか?
もしくは根の治療ではよくある出来事なのでしょうか?


2.土台の歯に強度の面で不安があったのであれば、根の治療をする前に、最初から抜歯を提案してもよかったのではないか?

説明もなく、3ヶ月以上も根の治療をした挙句に土台に亀裂が入ったから抜歯をするというのは、はたして適切な治療方針であったのか?


3.今後は右上3番を土台にしてブリッジをかける予定と言われましたが、それが最適な治療法なのか?



以上、分かりにくい文面で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2010-06-20 18:29:52
はじめまして。


>1.2.について

あくまで結果論ですが、右上2番の化膿の原因が歯根破折だったのではないかと思います。

ただし、歯根破折は初期には発見が難しく、診断が大変つきにくいですので、なかなか気付けずに根管治療を行ってしまうということはよくあります。


もしも仮にそういう治療が医療過誤と責められるのなら、あやしい歯は全部抜くしかなくなってしまいますね。

時間もお金も随分とかかってしまっているでしょうから、やりきれないお気持ちは大変よく理解出来るのですが、歯科医の立場からは仕方なかった様な気もします。

(因みに根管治療中の操作で歯根が割れるということはほとんど考えられませんし、もしもそれで割れる様な歯なら支台としても不向きです)


患者さんに出来る回避策としては、マイクロスコープなどを使った拡大視野下で根管治療をして下さる先生にかかられた方が見落とし率は下がるはずですが、それでも確実とは言えませんので、ある程度は仕方のないこととご理解頂きたいところです。



なお、破折が確認できた時点で、抜歯を勧めるのは極めて妥当な判断かと思います。



>3.について

最適な治療法というのは、患者さん個人個人のお口の実際の状態、価値観やご予算、歯科医の技術や知識などによって左右されます。

一般的には右上21欠損に対しての?21??ブリッジなら、設計強度的にはまあまあ妥当か少し足りないぐらい。

もしかすると左上の3や右上の4も支台にした方がいい場合もあるかも知れません。


今回は、おそらくですけど右上2を負担強度不足で破折させてしまっている気がしますから、今度は強度を余裕をもって確保できる方向で相談された方が良いかと思います。



あるいは、骨の状態が良くてご予算的にも可能ならインプラントという選択肢も選べるかも知れませんし、逆に部分入れ歯に逃げると言う方法もあるかも知れません。

今度こそトラブルの少なくなる様に、担当の先生とはよくよく相談して決める様にして下さいね。


お大事にどうぞ。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ぷーたろーさん
返信日時:2010-06-21 02:56:51
渡辺 徹也先生

はじめまして。
早速のご回答有難うございました。


先生の仰る説明ならば、今までの経過についてすべて合点がいくのです。

というのも3年前にも同様の症状で治療をしており、その時には根の治療に1ヶ月半程度で済んでいました。

そのため、今回は随分時間がかかっている印象があったので、担当医に右上2番の状態が悪いのではないかと質問をしたのですが、特に問題はないとの回答でした。


しかしながら、根の治療の際に蓋を開けると化膿臭がなかなか収まらないなどと言っていたのです。
(先生の仰るとおり歯根破折であれば、いくら薬を取替えても化膿臭が収まるわけないですよね・・・・)

患者の立場からすれば、その段階で歯の状態を確認してもよかったのでは?と思ってしまうのです。



今回の件についても担当医からは大した説明がなく、会計の際に再度説明を求めると、歯科衛生士さんが

「前回の治療(4日前)までは問題なく、前回、薬を詰めた際の
圧力などで亀裂が生じた」

との説明があったので、冒頭のような医療過誤?(かなり行き過ぎた発言で失礼しました)ではと、思ってしまった次第です。

私自身は仮歯を外す際に折れたのでは?と思っていました。




今回渡辺先生のご回答によって、私の中でモヤモヤしていた部分がかなりクリアになりました。
本来ならば、担当医から渡辺先生のような説明を受けていたら今回の投稿にはならなかったと思うのですが・・・

先生のアドバイスに従い、もう一度しっかり説明を受けるつもりでいます。


分かりにくい文面にも関わらず、忙しい中、丁寧なご回答本当に有難うございました。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2010-06-21 06:00:59
ぷーたろーさまおはようございます。

歯根破折についての補足説明をしておきたいと思います、歯根垂直破折の原因についてですが色々な説がありますが、最近有る研究グループから興味深いレポートが出ました。

それによると垂直破折については力がその原因ではなく、抜髄による象牙質の乾燥が原因だろうと示唆されています。

一方力による破折は様相が全く違っていて破折線が根尖を通ることなく屈曲しているとの結論でした。


ぷーたろーさまの歯根破折がどちらであるかは判らないのでなんともいえませんが、歯根破折とひと括りには出来ないと考えています。

個人的には歯根破折はコアをはずしてマイクロで覗けば発見はそれほど難しくないと考えています。


参考になさってください。

歯根破折 
http://www.yamadashika.jp/infection.html#a02

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ぷーたろーさん
返信日時:2010-06-27 00:33:26
山田先生

はじめまして。
ご返答有難うございました。
また、返信が遅れまして大変失礼を致しました。


先生のブログを拝見させて頂きまして、大変参考になりました。
また、歯の治療というものを真剣に考えるよい機会になりました。


私自身、歯根破折の場合、抜歯するしかないと考えておりましたが、状態によっては接着という手法があることetc・・

また、私自身抜歯はいたしかたないとしても、健康な歯を支台にすることに多少のためらいがあります。


幸いにも通院圏内に山田先生のような対応をしてもらえそうな歯科医院を見つけたので、転院することを考えておりますが・・・


あくまで私の素人考えなので申し訳ないのですが、

1、そもそも接着が可能な破折であるのか?

2、非常に難しそうな術式なので、費用面で心配がある。

3、単根歯(よく意味が理解できないのですが)の場合はより接着が難しそうである

などがあるので、いまひとつ煮え切れません。


転院しても抜歯という治療がベストなのかも知れないし、また現在通院中の歯科医院にどのように話を切り出すべきなのか?
また、治療途中の場合でも、転院先の歯科は快く治療を引き受けてくれるものなのか?
今までこのような経験がないので困惑しております。

もしよろしければお医者様の立場からアドバイスいただけましたら幸いです。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-06-27 13:36:52
そうですね…。

>1、そもそも接着が可能な破折であるのか?

これは診てみないと何とも言えません。

ただ、ノア先生が書かれているように「化膿の原因が破折だった」とすると、かなり長く患っていた歯のように思います。
そうなると、感染が広がってしまっている可能性もありますので、接着で治せるかどうかは疑問です。
(それでも治してしまう先生もいらっしゃいますが…)



>2、非常に難しそうな術式なので、費用面で心配がある。

VRF接着修復は健康保険適応にはなりませんので、数万〜十数万かかると思われます。

と、言うよりも「接着修復を行う歯科医は日本に数名である」と言う事は認識されておいた方がよろしいかと思います。
山田先生はもとより、僕の知る限りでVRF接着修復を積極的にされていて、治療成績を挙げられている先生は数名しか存じません。



>3、単根歯(よく意味が理解できないのですが)の場合はより接着が難しそうである

単根の方が簡単だと聞いております。
(8月に接着修復をされている先生にレクチャーを受ける予定でいるので詳しく聞いて来ますが…)

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ぷーたろーさん
返信日時:2010-06-27 22:02:36
タイヨウ先生

ご回答有難うございました。
やはりというか、ある程度予想していた答えでしたが、現状を認識できてよかったです。
有難うございました。


いままで、私はお医者さんなのだから多少の技術の差はあれど、ある一定の水準は満たされているものだと思っておりました。

しかしながら、現実は前の医者が治療した処置を「何でこんな治療をしたんだ!」と私を叱責?したり、仮歯が噛むたびに浮いてしまう様な処置をする医者に当たってしまったために、医者を信じられなくなっていたフシがあったのかも知れません。


しかしこのHPにて、見ず知らずの私に、様々なアドバイスをしていただけるすばらしい先生もいらっしゃるのも、紛れもない事実であると実感しております。

これからはきちんと治療を受ける際には、病院選びもさることながら、治療についてもきちんと知識をもって受けようと思います。


ご回答いただきました諸先生方、本当に有難うございました。



タイトル ブリッジの土台の根の治療をしたのに亀裂が生じ抜歯と言われている
質問者 ぷーたろーさん
地域 非公開
年齢 40歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 歯のひび割れ、破折で抜く予定
抜歯:2番(側切歯)
根管治療の治療法
根管治療に関するトラブル
ブリッジ治療法
ブリッジその他
歯根破折
回答者




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