7歳、転倒し欠けてぐらつく上前歯の処置についての不安
相談者:
たく丸さん (38歳:女性)
投稿日時:2010-08-01 02:36:49
7歳になる子の前歯なのですが、転倒し上の前歯1番 2本(永久歯)がかけてしまいました。
ぐらつきもあったので3週間針金で固定されました。
固定がはずれて左1番は少し歯先が欠けただけだったので、レジンで修復してもらいました。
右1番の歯は、3分の1くらい欠けて神経も少し出ていましたが、今のところ神経は生きています。
私は、そちらもレジンで修復するだけだと思っていたのですが、いきなり結構けずられ硬質レジンジャケット(あとでネットでいろいろ調べるとこれだと思いました)をされてしまいました。
小さい子は成長途中なので被せものはしないと、事前にネットで調べていたのでこれでよかったのか不安です。
あまり小さい時に削ると神経が死にやすいとも書いてあるサイトもありました。
レジン修復だけではだめっだったのでしょうか?
途中で神経が死ぬこともあるので、これで治療は終わりではなく、3ヶ月ごとに通院するように言われましたが、この治療法の説明がなかったこともあり引き続きこの先生にみてもらってもいいものか心配になっています。
また、その先生は
「18歳ぐらいになって成長が止まったら差し歯にしたほうがいいね。」
とも言われましたが、私としてはなるべく歯を残してやりたいと思っているので、いつのまにか差し歯にでもされるのではないかと不信感でいっぱいです。
ぐらつきもあったので3週間針金で固定されました。
固定がはずれて左1番は少し歯先が欠けただけだったので、レジンで修復してもらいました。
右1番の歯は、3分の1くらい欠けて神経も少し出ていましたが、今のところ神経は生きています。
私は、そちらもレジンで修復するだけだと思っていたのですが、いきなり結構けずられ硬質レジンジャケット(あとでネットでいろいろ調べるとこれだと思いました)をされてしまいました。
小さい子は成長途中なので被せものはしないと、事前にネットで調べていたのでこれでよかったのか不安です。
あまり小さい時に削ると神経が死にやすいとも書いてあるサイトもありました。
レジン修復だけではだめっだったのでしょうか?
途中で神経が死ぬこともあるので、これで治療は終わりではなく、3ヶ月ごとに通院するように言われましたが、この治療法の説明がなかったこともあり引き続きこの先生にみてもらってもいいものか心配になっています。
また、その先生は
「18歳ぐらいになって成長が止まったら差し歯にしたほうがいいね。」
とも言われましたが、私としてはなるべく歯を残してやりたいと思っているので、いつのまにか差し歯にでもされるのではないかと不信感でいっぱいです。
回答1
山田歯科医院(兵庫県姫路市)の山田です。
回答日時:2010-08-01 06:31:57
たく丸さまおはようございます。
お子さんが転倒して右上の1番が露髄したわけですね、現在の所歯髄は生存しているとの事ですが、今後のことは経過観察が必要なように思います。
欠損の状況が分からないのでなんとも言えませんがジャケット冠を被せたのなら、いずれ何らかの素材でやり直すことになると思います。
今後の見通しについて主治医に尋ねてみられるのがいいように思います。
参考になれば幸いです。
お子さんが転倒して右上の1番が露髄したわけですね、現在の所歯髄は生存しているとの事ですが、今後のことは経過観察が必要なように思います。
欠損の状況が分からないのでなんとも言えませんがジャケット冠を被せたのなら、いずれ何らかの素材でやり直すことになると思います。
今後の見通しについて主治医に尋ねてみられるのがいいように思います。
参考になれば幸いです。
回答2
誠安・瑞石牙医診所(台湾)の王です。
回答日時:2010-08-02 03:56:46
たく丸さま
こんばんは。
お子さんが受傷なさって、さぞかしご心配の事と思います。
さて、ご質問についてですが、
>7歳になる子の前歯なのですが、転倒し上の前歯1番 2本(永久歯)がかけてしまいました。
>右1番の歯は、3分の1くらい欠けて神経も少し出ていましたが、今のところ神経は生きています。
7歳と言いますと小学校二年生でしょうか?
学童期の永久歯は、根っこの先が完全に閉鎖されていない歯根未完成歯(根が短く先が開いたまま)が多いので、歯髄(神経)の生存が、その後の形成に大きく関与していきます。
文面からして、左1番は良好な予後が比較的に期待出来るかと思います。
右1番は露髄されているという事ですが、露出面積が小さく、暴露時間が24時間を超えていなければ、直接覆髄法の効果はある程期待出来るとされています。
露出面積が大きい場合は、覆髄法と似ているのですが、アペキソゲネーシスという処置法を取ります。
どちらも、根の成長を継続させる処置です。
歯根未完成歯は、根の先が閉鎖されていないためと、年齢的に歯根周囲組織の再生能力が強いということから、自然治癒される症例も多く確認されています。
ただし、外傷を受けた歯は、基本的に不安定な状態ですので、定期的にレントゲン検査と歯髄電気診を受ける必要があります。
異変や臨床不快症状が発現されれば、その時点で根管治療を施せば良いのです。
その場合はアペキシフィケーションという処置法を取っていきます。
これは失活した、根が完成していない歯に石灰化を促進させて、根の先(根尖)の閉鎖を図るための治療法です。
いずれにしても、長期経過観察が必要になります。
>小さい子は成長途中なので被せものはしないと、事前にネットで調べていたのでこれでよかったのか不安です。
>あまり小さい時に削ると神経が死にやすいとも書いてあるサイトもありました。
>レジン修復だけではだめっだったのでしょうか?
確かに、若年者の歯は象牙質細管が大きく開いていますので、刺激を受けると歯髄への影響が大きいとは云えますが・・・
なぜ、レジン修復だけではだめだったのかは、担当の先生に聞いていただかないと分かりません。
欠損部位が咬合点に強く当たって再度割れてしまう危険性があったり、または、ひびが他の箇所にもあったり、何か他のお考えがあるのかも知れませんし、レジンジャケットではないかも知れませんし・・・・・
担当の先生とは、これから長く付き合っていかなければならないわけですから、疑問があれば、直接お聞きになられた方が良いと思いますよ。
参考になさって下さい。
お大事に。
こんばんは。
お子さんが受傷なさって、さぞかしご心配の事と思います。
さて、ご質問についてですが、
>7歳になる子の前歯なのですが、転倒し上の前歯1番 2本(永久歯)がかけてしまいました。
>右1番の歯は、3分の1くらい欠けて神経も少し出ていましたが、今のところ神経は生きています。
7歳と言いますと小学校二年生でしょうか?
学童期の永久歯は、根っこの先が完全に閉鎖されていない歯根未完成歯(根が短く先が開いたまま)が多いので、歯髄(神経)の生存が、その後の形成に大きく関与していきます。
文面からして、左1番は良好な予後が比較的に期待出来るかと思います。
右1番は露髄されているという事ですが、露出面積が小さく、暴露時間が24時間を超えていなければ、直接覆髄法の効果はある程期待出来るとされています。
露出面積が大きい場合は、覆髄法と似ているのですが、アペキソゲネーシスという処置法を取ります。
どちらも、根の成長を継続させる処置です。
歯根未完成歯は、根の先が閉鎖されていないためと、年齢的に歯根周囲組織の再生能力が強いということから、自然治癒される症例も多く確認されています。
ただし、外傷を受けた歯は、基本的に不安定な状態ですので、定期的にレントゲン検査と歯髄電気診を受ける必要があります。
異変や臨床不快症状が発現されれば、その時点で根管治療を施せば良いのです。
その場合はアペキシフィケーションという処置法を取っていきます。
これは失活した、根が完成していない歯に石灰化を促進させて、根の先(根尖)の閉鎖を図るための治療法です。
いずれにしても、長期経過観察が必要になります。
>小さい子は成長途中なので被せものはしないと、事前にネットで調べていたのでこれでよかったのか不安です。
>あまり小さい時に削ると神経が死にやすいとも書いてあるサイトもありました。
>レジン修復だけではだめっだったのでしょうか?
確かに、若年者の歯は象牙質細管が大きく開いていますので、刺激を受けると歯髄への影響が大きいとは云えますが・・・
なぜ、レジン修復だけではだめだったのかは、担当の先生に聞いていただかないと分かりません。
欠損部位が咬合点に強く当たって再度割れてしまう危険性があったり、または、ひびが他の箇所にもあったり、何か他のお考えがあるのかも知れませんし、レジンジャケットではないかも知れませんし・・・・・
担当の先生とは、これから長く付き合っていかなければならないわけですから、疑問があれば、直接お聞きになられた方が良いと思いますよ。
参考になさって下さい。
お大事に。
回答3
桜桃歯科(岐阜県各務原市)の上田です。
回答日時:2010-08-02 10:21:18
CRで修復するには欠けが大きいと判断したのでジャケット冠にしたのでしょう。
このまま、18歳まで何事もなく行けばおそらく神経の露出しているところは象牙質でふさがっているので、さし歯にする必要はなく色の変色によるかぶせ直しでいいと思います。
このまま、18歳まで何事もなく行けばおそらく神経の露出しているところは象牙質でふさがっているので、さし歯にする必要はなく色の変色によるかぶせ直しでいいと思います。
相談者からの返信
相談者:
たく丸さん
返信日時:2010-08-03 08:18:42
先生方、詳しい説明ありがとうございます。
とても心配していたので少し安心しました。
現在1年生で前歯の永久歯が生えそろっきて喜んでいるところでした。
もう少し経緯を詳しく書かせていただいてもよろしいでしょうか。
転倒して破折したのが、金曜日の夕方5時頃でした。
あわてて近くの病院へ行ったところ、前歯の固定(塗って固まる石膏)をされ、ケフラール5日分と痛み止めを処方され6時前頃帰宅しました。
その後、食事をしているとすぐに石膏がとれたので、またあわてて歯医者に行き、つけてもらいました。
次の日の土曜もお昼ぐらいにはずれてまたつけに行きました。
日曜日も石膏がはずれたので、救急センターに駆け込みました。
救急に行く途中、子どもが車のエアコンの風が歯にしみるからエアコンを消してほしいと痛そうにしていました。
救急の先生に診ていただいたところ、すぐに
「右1番の神経がでてるよ!何も処置されなかったの?」
と信じられないという顔をされ、すぐにそこを閉じてくださいました。
わたしにはそれが直接覆髄法かアペキソゲネーシスかはわかりませんが、レジンかなにかを塗布して紫色の光をあてて固められました。
救急の先生は、レントゲンをみて、
「金曜日の夕方に破折してこの状態なら、石膏はしなくていいでしょう」
ということで、帰宅しました。
今思えば、歯髄がでていたので、エアコンの風が相当しみたんだと思います。
予約日の火曜日に歯医者で救急センターでの経過を説明したところ、
「あの時は血がでてたしね」
と露髄していたことに気がつかなかった言い訳をされ、またすぐにとれる石膏をつけられ、ケフラールを5日分処方されました。
血が出ていたと言ってもそんなに沢山でていたわけではないし、その後石膏がとれて何回も行っているのに歯髄が露出していることに気がつかないなんて愕然としました。
その後、その先生が信じられず今回ご相談した小児歯科に転院しました。
王先生の「暴露時間24時間」という言葉に冷や汗が出る思いです。
ということは暴露2日半もたって処置されて歯髄が生きていたのは奇跡的なのでしょうか?
救急で暴露面を閉じていたので、小児歯科医の先生は、どれくらいの露出面積だったか判断がつかなかったということはありますか?
お忙しいところ何度もすみません。何せ心配で…。
とても心配していたので少し安心しました。
現在1年生で前歯の永久歯が生えそろっきて喜んでいるところでした。
もう少し経緯を詳しく書かせていただいてもよろしいでしょうか。
転倒して破折したのが、金曜日の夕方5時頃でした。
あわてて近くの病院へ行ったところ、前歯の固定(塗って固まる石膏)をされ、ケフラール5日分と痛み止めを処方され6時前頃帰宅しました。
その後、食事をしているとすぐに石膏がとれたので、またあわてて歯医者に行き、つけてもらいました。
次の日の土曜もお昼ぐらいにはずれてまたつけに行きました。
日曜日も石膏がはずれたので、救急センターに駆け込みました。
救急に行く途中、子どもが車のエアコンの風が歯にしみるからエアコンを消してほしいと痛そうにしていました。
救急の先生に診ていただいたところ、すぐに
「右1番の神経がでてるよ!何も処置されなかったの?」
と信じられないという顔をされ、すぐにそこを閉じてくださいました。
わたしにはそれが直接覆髄法かアペキソゲネーシスかはわかりませんが、レジンかなにかを塗布して紫色の光をあてて固められました。
救急の先生は、レントゲンをみて、
「金曜日の夕方に破折してこの状態なら、石膏はしなくていいでしょう」
ということで、帰宅しました。
今思えば、歯髄がでていたので、エアコンの風が相当しみたんだと思います。
予約日の火曜日に歯医者で救急センターでの経過を説明したところ、
「あの時は血がでてたしね」
と露髄していたことに気がつかなかった言い訳をされ、またすぐにとれる石膏をつけられ、ケフラールを5日分処方されました。
血が出ていたと言ってもそんなに沢山でていたわけではないし、その後石膏がとれて何回も行っているのに歯髄が露出していることに気がつかないなんて愕然としました。
その後、その先生が信じられず今回ご相談した小児歯科に転院しました。
王先生の「暴露時間24時間」という言葉に冷や汗が出る思いです。
ということは暴露2日半もたって処置されて歯髄が生きていたのは奇跡的なのでしょうか?
救急で暴露面を閉じていたので、小児歯科医の先生は、どれくらいの露出面積だったか判断がつかなかったということはありますか?
お忙しいところ何度もすみません。何せ心配で…。
回答4
誠安・瑞石牙医診所(台湾)の王です。
回答日時:2010-08-04 02:37:32
たく丸さん
こんばんは。
同じ子を持つ母親として、心中お察し致します。
先ほど、ざっと経緯を読ませて頂いたのですが、確認したい点が一つございます。
現在、経過観察をされている先生はアクシデントが起きてから、数えて三人目の先生というわけでしょうか?
お話からして覆髄処置をして下さった救急センターの先生ではないようですね・・・・
これはあくまでも個人的な見解なのですが、三人の先生の中で救急センターの先生が一番小児歯牙外傷学の専門知識と的確な処置法を心得ていらっしゃる感じを受けます。
歯牙外傷学は、一般歯科の処置とは少しかけ離れた診療をしている部分がありまして・・・
臨床上、一般歯科で常に遭う・扱うという症例ではないですし、何よりもとても不採算な診療なので、全ての医師が的確な処置法を心得ているわけではないのが現状でして・・・
例えば、歯髄の損傷を伴う破折や脱臼では、外傷直後の治療がその予後を大きく左右しますので、迅速で的確な診断と処置が要求されます。
特に一刻を争う小児外傷歯では、周囲にいる大人や一番手で対応している医師が適切な処置を行なう事で、元通りの機能と審美を回復する事が出来るということがありますので、二番手の救急の先生がびっくりなさっていらしたお気持ちが分かるような気が致します。
最初のご質問で、私はずっと一番手の先生による処置かと思っておりました・・・・
>日曜日も石膏がはずれたので、救急センターに駆け込みました。
>救急に行く途中、子どもが車のエアコンの風が歯にしみるからエアコンを消してほしいと痛そうにしていました。
何日間か、汚染される可能性のある状況下で過ごされたというわけなのですね。
実際に診ていないので、確かな事は申し上げられませんが、車のエアコンの風だけでも沁みるということは、ある程度の露出面積はあっただろうと推測されます。
>血が出ていたと言ってもそんなに沢山でていたわけではないし
それが、変位による歯肉からの出血なのか、歯髄からの出血なのか。
歯髄腔内は神経と脈管が絡み合って張巡らされ、毛細血管で満たされている状態ですので、露髄された場合、「折れている歯から出血」している表われ方を致します。
>わたしにはそれが直接覆髄法かアペキソゲネーシスかはわかりませんが、レジンかなにかを塗布して紫色の光をあてて固められました。
すぐにそこを閉じた・・・という処置時の描写からして、直接覆髄法のほうだという感じが致します。
アペキソゲネースは処置にもう少し時間を費やしますし、根管治療の一環ですので、先生からも「歯髄処置をしましたと」一言添えられるはずですから。
>王先生の「暴露時間24時間」という言葉に冷や汗が出る思いです。
>ということは暴露2日半もたって処置されて歯髄が生きていたのは奇跡的なのでしょうか?
24時間というのは、汚染、感染して、その後歯髄炎、歯髄壊死になるリスクが高くなるという統計的な数値ですので、絶対的だというわけでもないのです。
この年齢の小学生は、根っこの先が閉鎖されていない歯根未完成歯を多く持っています。
前回も申し上げましたが、歯髄の生存が今後の根っこの形成に大きく関わってきますし、根っこの形成は、その後の歯の良好な経過を維持するための重要な要件の一つなのです。
なので、重度の汚染を受けた症例以外は、感染している懸念があっても、可能な限り歯根の完成を期待するために、まずは歯髄保存処置を行い、外傷後に間を置いて、歯髄電気診断を繰り返し行い、経過観察をしていき、病変や臨床的な不快症状が確認された場合には根管治療が介入していくとう方法を取っています。
臨床的な不快症状が発現するまでに、早い方で数週から、長い方で数年かかる事もあり、長期的な定期観察が必要になって行くのです。
現時点で、歯髄が生きている場合は、自然治癒の再生を期待して、まずは根管治療をせず、経過観察を施してみるのが良いと思います。
若年者は、血液やリンパ球の供給が豊富で、組織そのものも再生能力が高いですし、脈管再生を期待できるかもしれません。
歯周周辺からの感染リスクを下げる意味でも、口腔清掃状態を良好に保って、引き続き歯牙外傷学に詳しい先生による総合的な長期経過診察を受けられることをお勧め致します。
>救急で暴露面を閉じていたので、小児歯科医の先生は、どれくらいの露出面積だったか判断がつかなかったということはありますか?
小児歯科の先生には覆髄処置をしたという事はお伝えしていますね?
仮にお伝えしていなかったとしても、レントゲンを観れば、露出面積は大体把握できるはずです。
大切なお子さんの永久歯のことですので、いま一度、今担当されている先生に、疑問に思われている事をお聞きになって、状況をお確かめになって下さい。
その上で、??と思われるようでしたら外傷歯を頻繁に扱っている大学病院などでセカンドオピニオンを求められるのも良いかと思います。
疑問があれば、いつでもまたご相談下さい。
お大事に。
こんばんは。
同じ子を持つ母親として、心中お察し致します。
先ほど、ざっと経緯を読ませて頂いたのですが、確認したい点が一つございます。
現在、経過観察をされている先生はアクシデントが起きてから、数えて三人目の先生というわけでしょうか?
お話からして覆髄処置をして下さった救急センターの先生ではないようですね・・・・
これはあくまでも個人的な見解なのですが、三人の先生の中で救急センターの先生が一番小児歯牙外傷学の専門知識と的確な処置法を心得ていらっしゃる感じを受けます。
歯牙外傷学は、一般歯科の処置とは少しかけ離れた診療をしている部分がありまして・・・
臨床上、一般歯科で常に遭う・扱うという症例ではないですし、何よりもとても不採算な診療なので、全ての医師が的確な処置法を心得ているわけではないのが現状でして・・・
例えば、歯髄の損傷を伴う破折や脱臼では、外傷直後の治療がその予後を大きく左右しますので、迅速で的確な診断と処置が要求されます。
特に一刻を争う小児外傷歯では、周囲にいる大人や一番手で対応している医師が適切な処置を行なう事で、元通りの機能と審美を回復する事が出来るということがありますので、二番手の救急の先生がびっくりなさっていらしたお気持ちが分かるような気が致します。
最初のご質問で、私はずっと一番手の先生による処置かと思っておりました・・・・
>日曜日も石膏がはずれたので、救急センターに駆け込みました。
>救急に行く途中、子どもが車のエアコンの風が歯にしみるからエアコンを消してほしいと痛そうにしていました。
何日間か、汚染される可能性のある状況下で過ごされたというわけなのですね。
実際に診ていないので、確かな事は申し上げられませんが、車のエアコンの風だけでも沁みるということは、ある程度の露出面積はあっただろうと推測されます。
>血が出ていたと言ってもそんなに沢山でていたわけではないし
それが、変位による歯肉からの出血なのか、歯髄からの出血なのか。
歯髄腔内は神経と脈管が絡み合って張巡らされ、毛細血管で満たされている状態ですので、露髄された場合、「折れている歯から出血」している表われ方を致します。
>わたしにはそれが直接覆髄法かアペキソゲネーシスかはわかりませんが、レジンかなにかを塗布して紫色の光をあてて固められました。
すぐにそこを閉じた・・・という処置時の描写からして、直接覆髄法のほうだという感じが致します。
アペキソゲネースは処置にもう少し時間を費やしますし、根管治療の一環ですので、先生からも「歯髄処置をしましたと」一言添えられるはずですから。
>王先生の「暴露時間24時間」という言葉に冷や汗が出る思いです。
>ということは暴露2日半もたって処置されて歯髄が生きていたのは奇跡的なのでしょうか?
24時間というのは、汚染、感染して、その後歯髄炎、歯髄壊死になるリスクが高くなるという統計的な数値ですので、絶対的だというわけでもないのです。
この年齢の小学生は、根っこの先が閉鎖されていない歯根未完成歯を多く持っています。
前回も申し上げましたが、歯髄の生存が今後の根っこの形成に大きく関わってきますし、根っこの形成は、その後の歯の良好な経過を維持するための重要な要件の一つなのです。
なので、重度の汚染を受けた症例以外は、感染している懸念があっても、可能な限り歯根の完成を期待するために、まずは歯髄保存処置を行い、外傷後に間を置いて、歯髄電気診断を繰り返し行い、経過観察をしていき、病変や臨床的な不快症状が確認された場合には根管治療が介入していくとう方法を取っています。
臨床的な不快症状が発現するまでに、早い方で数週から、長い方で数年かかる事もあり、長期的な定期観察が必要になって行くのです。
現時点で、歯髄が生きている場合は、自然治癒の再生を期待して、まずは根管治療をせず、経過観察を施してみるのが良いと思います。
若年者は、血液やリンパ球の供給が豊富で、組織そのものも再生能力が高いですし、脈管再生を期待できるかもしれません。
歯周周辺からの感染リスクを下げる意味でも、口腔清掃状態を良好に保って、引き続き歯牙外傷学に詳しい先生による総合的な長期経過診察を受けられることをお勧め致します。
>救急で暴露面を閉じていたので、小児歯科医の先生は、どれくらいの露出面積だったか判断がつかなかったということはありますか?
小児歯科の先生には覆髄処置をしたという事はお伝えしていますね?
仮にお伝えしていなかったとしても、レントゲンを観れば、露出面積は大体把握できるはずです。
大切なお子さんの永久歯のことですので、いま一度、今担当されている先生に、疑問に思われている事をお聞きになって、状況をお確かめになって下さい。
その上で、??と思われるようでしたら外傷歯を頻繁に扱っている大学病院などでセカンドオピニオンを求められるのも良いかと思います。
疑問があれば、いつでもまたご相談下さい。
お大事に。
相談者からの返信
相談者:
たく丸さん
返信日時:2010-08-04 22:48:13
こんばんは。
王先生、詳しい説明をありがとうございます。
救われる思いで読ませていただいております。
>現在、経過観察をされている先生はアクシデントが起きてから、数えて三人目の先生というわけでしょうか?
その通りです。
一番手の先生が露髄に気づかれなかったので不安になりました。
【6/25(金)に怪我】
二番手の先生が露髄に気づかれ、覆髄処置をした救急の先生です。
【6/27(日)】
三番手が今かかっている小児歯科医の先生です。
【7/3(土)〜7/24(土)】
話が前後して申し訳ありません。
あまりにもいろんなことがあったものですから、完結に書かねばと思ってしまいました。
二番手の先生は、
「今後はレジンをつめて様子を見て、いずれ大きくなったら被せ物をしたらいい、レジンは取れやすいけどね・・・。」
とおっしゃいました。
三番手の先生には、覆髄処理のこともお伝えしました。
三番手の先生に初めて診ていただいた時、ピンセットで歯を動かし、左上前歯1番のぐらつきが大きく、下前歯も少し揺れているのを指摘され、上下ともワイヤー固定をされました。
その時は固定してなんとなく安心だったのですが、スーパーボンドのようなものでしっかりつけられたので、はずすときのすさまじさと歯茎からの出血に驚いてしまい、この固定がよかったのか、そこでも不安になってしまいました。
(歯茎の出血は、3週間しっかり歯磨きができなかったので、歯磨きすればすぐに治ると、あとで看護師さんから説明がありましたが・・・。
最初は歯茎に器具があたって傷ついたのかと心臓が止まりそうでした。)
二番手の先生は、固いものさえ食べなければ大丈夫おっしゃったので、固定しなくても動揺はおさまったのかもしれない、余計なことをして子どもに負担をかけてしまったのかと頭をよぎりました。
三番手の先生はレジンジャケット(多分)をつけた後、
「きれいになってるだろう。
でも歯がもう大分小さくなってるから硬いものをかぶりついたらだめだぞ!」
と笑いながら誇らしげに言われました?!
三番手の先生のところには他に助手?のような先生がいて、その方が2回目、3回目の診察時にワイヤー固定の状況チェックと消毒をしてくださったので、その時に今後の歯の治し方を確認しました。
「つめますが、取れやすいのでそこだけはご了承を」
と言われたので、レジン修復だけだと思っていました。
二番手の先生と同じことを言われたので安心していました。
それがこんなことになるとは・・・。
私から見えたときは、既に前歯の表面が削られていて、プラスチックの歯を看護師さんがいきなり出されてパカっとはめられました。
(王先生のおっしゃるとおりレジンジャケットではないかもしれないのですが。)
私は、一番手の先生から転院しようと思ったとき、二番手の先生の病院を聞いて転院した方がいいか、(ママ友から)小児歯科として学校医もしているときいた三番手の先生がいいか散々迷ったのですが、「子どもがいっぱい来てるよ」という話を聞いて、子どもを見慣れているから今回のような外傷例もたくさん診てるだろうと勝手に判断して三番手の先生に決めてしまいました。
王先生が書かれたように、実は私も二番手の先生の病院を聞いて行けばよかったとすごく後悔していたのです。
今の気がかりは、右上1番の歯茎が治療後に少し上にあがっていて、歯が長く見えるのと、その歯茎からうっすらと血がにじんでくることです。
毎日丁寧に歯磨きしているのですが、少し血が出ます。
子どもは特に痛がるような感じではありません。
次に予約は10月なので、その前に私一人で今回の治療内容、今後の見通しと治療方針、歯茎からの出血のことなどを詳しく聞いてきたいと思いますが可能なのでしょうか?
質問だけで通常、歯科医さんは対応してくださるのでしょうか?
保険料はかかってもかまいません。
今の私の心境は、子どもの歯をこれ以上削られたくもないし、触られたくもないという気持ちなのです。
今回も長い文章ですみません。どうぞよろしくお願いいたします。
王先生、詳しい説明をありがとうございます。
救われる思いで読ませていただいております。
>現在、経過観察をされている先生はアクシデントが起きてから、数えて三人目の先生というわけでしょうか?
その通りです。
一番手の先生が露髄に気づかれなかったので不安になりました。
【6/25(金)に怪我】
二番手の先生が露髄に気づかれ、覆髄処置をした救急の先生です。
【6/27(日)】
三番手が今かかっている小児歯科医の先生です。
【7/3(土)〜7/24(土)】
話が前後して申し訳ありません。
あまりにもいろんなことがあったものですから、完結に書かねばと思ってしまいました。
二番手の先生は、
「今後はレジンをつめて様子を見て、いずれ大きくなったら被せ物をしたらいい、レジンは取れやすいけどね・・・。」
とおっしゃいました。
三番手の先生には、覆髄処理のこともお伝えしました。
三番手の先生に初めて診ていただいた時、ピンセットで歯を動かし、左上前歯1番のぐらつきが大きく、下前歯も少し揺れているのを指摘され、上下ともワイヤー固定をされました。
その時は固定してなんとなく安心だったのですが、スーパーボンドのようなものでしっかりつけられたので、はずすときのすさまじさと歯茎からの出血に驚いてしまい、この固定がよかったのか、そこでも不安になってしまいました。
(歯茎の出血は、3週間しっかり歯磨きができなかったので、歯磨きすればすぐに治ると、あとで看護師さんから説明がありましたが・・・。
最初は歯茎に器具があたって傷ついたのかと心臓が止まりそうでした。)
二番手の先生は、固いものさえ食べなければ大丈夫おっしゃったので、固定しなくても動揺はおさまったのかもしれない、余計なことをして子どもに負担をかけてしまったのかと頭をよぎりました。
三番手の先生はレジンジャケット(多分)をつけた後、
「きれいになってるだろう。
でも歯がもう大分小さくなってるから硬いものをかぶりついたらだめだぞ!」
と笑いながら誇らしげに言われました?!
三番手の先生のところには他に助手?のような先生がいて、その方が2回目、3回目の診察時にワイヤー固定の状況チェックと消毒をしてくださったので、その時に今後の歯の治し方を確認しました。
「つめますが、取れやすいのでそこだけはご了承を」
と言われたので、レジン修復だけだと思っていました。
二番手の先生と同じことを言われたので安心していました。
それがこんなことになるとは・・・。
私から見えたときは、既に前歯の表面が削られていて、プラスチックの歯を看護師さんがいきなり出されてパカっとはめられました。
(王先生のおっしゃるとおりレジンジャケットではないかもしれないのですが。)
私は、一番手の先生から転院しようと思ったとき、二番手の先生の病院を聞いて転院した方がいいか、(ママ友から)小児歯科として学校医もしているときいた三番手の先生がいいか散々迷ったのですが、「子どもがいっぱい来てるよ」という話を聞いて、子どもを見慣れているから今回のような外傷例もたくさん診てるだろうと勝手に判断して三番手の先生に決めてしまいました。
王先生が書かれたように、実は私も二番手の先生の病院を聞いて行けばよかったとすごく後悔していたのです。
今の気がかりは、右上1番の歯茎が治療後に少し上にあがっていて、歯が長く見えるのと、その歯茎からうっすらと血がにじんでくることです。
毎日丁寧に歯磨きしているのですが、少し血が出ます。
子どもは特に痛がるような感じではありません。
次に予約は10月なので、その前に私一人で今回の治療内容、今後の見通しと治療方針、歯茎からの出血のことなどを詳しく聞いてきたいと思いますが可能なのでしょうか?
質問だけで通常、歯科医さんは対応してくださるのでしょうか?
保険料はかかってもかまいません。
今の私の心境は、子どもの歯をこれ以上削られたくもないし、触られたくもないという気持ちなのです。
今回も長い文章ですみません。どうぞよろしくお願いいたします。
回答5
誠安・瑞石牙医診所(台湾)の王です。
回答日時:2010-08-06 04:05:21
たく丸さん
こんばんは。
一日お休みしておりまして、返信が大変遅れてしまいました。
上の文章を読ませていただきましたが、親御さんにとっては本当にお辛い事だと思います。
こうしてネットを通じて個人的なアドバイスしか出来ませんが、ご不安に思うことがありましたら、いつでもお話して下さいね。
さて、ご質問についてですが、
>質問だけで通常、歯科医さんは対応してくださるのでしょうか?
保険料はかかってもかまいません。
基本的に保険治療は疾患の治療を行なうことが前提となっていますので、相談などは保険外治療になります。
値段に関しては各医院さん個別での設定になっています。
なので、事前にお電話にて確認を取られた方がいいかと思いますよ。
それから、セカンドオピニオンを受けられる場合は、お子さんもお連れした方が、より的確な意見が得られるかと思います・・・
もう、子どもに負担をかけさせたくないという親心は私も痛いほど分かりますが、本人を診ないことには適切な判断が下せませんし、治療方針も立てられないかと。
他者の痛みが解る心ある先生ならば、有無を言わずに直ぐ削るような行為はしないはずですので、そういう先生を見つけるためにも幾つかの医院に問い合わせてみて下さい。
文章の所々に、個人的に思う箇所がありました・・・・
まず、申し上げたいのは、基本的に私のコンセプトや処置方法は、二番手の救急センターの先生と似ております。
この年齢で、2日間も歯髄が放置状態だったことに対しての驚きも、「今後はレジンをつめて様子を見て、いずれ大きくなったら被せ物をしたらいい、レジンは取れやすいけどね・・・。」、「固いものさえ食べなければ大丈夫」というお考えも、個人的に納得出来るものがありました。
>私から見えたときは、既に前歯の表面が削られていて、プラスチックの歯を看護師さんがいきなり出されてパカっとはめられました。
お写真もないですし、どの位折れてたのか?どのような折れ方をしているのか?資料も何もないので何とも申し上げられないのですが、二番手の先生が今後はレジンをつめて様子を見て・・と言われていましたので、被せる(ジャケットクラウンと判明された訳ではないのですが・・)ほどの破損ではなかったのかなとも考えてしまいます。
それと・・・破折片(歯の欠片)はありましたか?
経験上では欠片が残っていれば、ケミカルボンディング効果のあるセメントで再接着しレジン修復でも十分予後が見込める事が多いのです。
レジンですから、多少変色したり、取れたりする欠点も確かにありますが、起きたら起きたらで上から付け足したり、補修していけば良いだけのことです。
この年齢で被せるのはあまり適切ではないと思っています。
歯根未完成歯の外傷は、出来るだけ抜かない、抜髄しない、削らない、被せないという保存的な治療をまず試みるのが望ましいかと。
この年齢のお子さんは、歯根と同じく象牙質細管も大きく開いており、そういった時期に歯を広範囲に削ってしまうと、神経にダメージが及ぶ事がありまして、そうなりますと神経の処置が必要になりやすく、なおかつ神経の治療も困難度が上がり良好な結果が得にくくなる事があります。
出来れば、欠けた箇所だけレジンで修復しておき、せめて18歳ぐらい〜まで成長なさってから被せ物を検討されても遅くはなかったのかなと・・・・・
(まぁ、被せられたかどうかはここでは分かりませんが・・・
欠損範囲が三分の一でも大きすぎたと判断されたのか、何か被せる必然性があったのか、歯髄保存を諦められたのか、逆にこうしても絶対問題はないと良好な予後を予知されたのか・・・何か理由がおありだったのかもしれませんし・・・?)
>今の気がかりは、右上1番の歯茎が治療後に少し上にあがっていて、歯が長く見えるのと、その歯茎からうっすらと血がにじんでくることです。
>毎日丁寧に歯磨きしているのですが、少し血が出ます。
既にジャケットクラウン(テンポラリークラウンのほうが近いような感じが致しますが)で被せられていると仮定した状況で考えて見ました。
憶測ですが・・・・
クラウンのマージン・ライン(辺縁線・境目)がフィットしていないため右1番の歯肉が上がっているように見えているだけなのかも知れません。
フィットが悪いものですと死角にプラークが付着して歯肉炎を引き起こしますので、軽く触れただけでうっすらと血がにじんでくる事があります。
歯磨きは継続していただきたいのですが、もしも、クラウンの問題で出血されているのでしたら、辺縁線の精度を修繕しませんと完全には改善されません。
学童期は成長途中で、歯肉のラインが安定していませんし、噛み合わせの変化もありますので、ジャケットクラウンの場合は、これから合わなくなっていく可能性があります。
>二番手の先生:固いものさえ食べなければ大丈夫
>三番手の先生:ピンセットで歯を動かし、左上前歯1番のぐらつきが大きく、下前歯も少し揺れているのを指摘され、上下ともワイヤー固定をされました。
>はずすときのすさまじさと歯茎からの出血に驚いてしまい、この固定がよかったのか、そこでも不安になってしまいました。
外傷後の整復固定についてですが、6/25にアクシデント、十日後の7/3に固定を開始し、三週間・・・・。
左上1番は少しだけ亜脱臼されていた可能性があったのかもしれませんね。
ただ、動揺の程度が軽ければ、口の中の清潔を保ち、軟らかい食べ物を食べ、安静にするだけで良くなります。
変位や動揺が大きければ、歯根膜が損傷していることになりますので整復固定を施しますが、固定期間は一般的にアクシデント発生時から1〜2週間以内となっています。
確かに、以前は3〜4週間の固定期間と云われたのですが、最近の研究報告では、あまりに長期的に強固に固定すると、歯の生理的動揺が阻害されて病的な歯根吸収(アンキローシス等)を引き起こすとされていますので、一般的には1〜2週間で充分とされています。
ただ、先生によって動揺の認定や、固定法、期間に対する考え方が異なることがありますので、実際に診ていない私には、この十日後から開始された固定、長い固定期間が良かったかどうかについては何とも申し上げられません。
外傷歯に対しては、矯正用ワイヤー弾線と接着性レジンで固定する生理的固定法が一般的です。
個人的に外す時は、これ以上、衝撃で歯根膜にダメージを与えたくありませんので、ドリルで接着レジンの部分とワイヤーの部分をそっと削りながら外していきます。
矯正用のブラケット・リムービング・プライヤーはあまり使用しませんし、例え使ったとしても外傷していない歯のみにです。
最後にですが。
全体的なお話から、今後歯の変色にともなう歯髄壊死、病的な歯根吸収などが起きてくる事もありますので、定期的に小児歯牙外傷に詳しいかかりつけの先生に診察してもらいチェックされる事をお勧め致します。
たく丸さまが不安に思われている事や定期検診の期間なども良く相談されて下さい。
セカンドオピニオンを求められることと同時進行でも良いと思いますが、再度三番手の先生にお電話で詳細な説明をお願いされては如何でしょう。
ご無事に経過されていくことを、心よりご祈念申し上げます。
お大事に。
こんばんは。
一日お休みしておりまして、返信が大変遅れてしまいました。
上の文章を読ませていただきましたが、親御さんにとっては本当にお辛い事だと思います。
こうしてネットを通じて個人的なアドバイスしか出来ませんが、ご不安に思うことがありましたら、いつでもお話して下さいね。
さて、ご質問についてですが、
>質問だけで通常、歯科医さんは対応してくださるのでしょうか?
保険料はかかってもかまいません。
基本的に保険治療は疾患の治療を行なうことが前提となっていますので、相談などは保険外治療になります。
値段に関しては各医院さん個別での設定になっています。
なので、事前にお電話にて確認を取られた方がいいかと思いますよ。
それから、セカンドオピニオンを受けられる場合は、お子さんもお連れした方が、より的確な意見が得られるかと思います・・・
もう、子どもに負担をかけさせたくないという親心は私も痛いほど分かりますが、本人を診ないことには適切な判断が下せませんし、治療方針も立てられないかと。
他者の痛みが解る心ある先生ならば、有無を言わずに直ぐ削るような行為はしないはずですので、そういう先生を見つけるためにも幾つかの医院に問い合わせてみて下さい。
文章の所々に、個人的に思う箇所がありました・・・・
まず、申し上げたいのは、基本的に私のコンセプトや処置方法は、二番手の救急センターの先生と似ております。
この年齢で、2日間も歯髄が放置状態だったことに対しての驚きも、「今後はレジンをつめて様子を見て、いずれ大きくなったら被せ物をしたらいい、レジンは取れやすいけどね・・・。」、「固いものさえ食べなければ大丈夫」というお考えも、個人的に納得出来るものがありました。
>私から見えたときは、既に前歯の表面が削られていて、プラスチックの歯を看護師さんがいきなり出されてパカっとはめられました。
お写真もないですし、どの位折れてたのか?どのような折れ方をしているのか?資料も何もないので何とも申し上げられないのですが、二番手の先生が今後はレジンをつめて様子を見て・・と言われていましたので、被せる(ジャケットクラウンと判明された訳ではないのですが・・)ほどの破損ではなかったのかなとも考えてしまいます。
それと・・・破折片(歯の欠片)はありましたか?
経験上では欠片が残っていれば、ケミカルボンディング効果のあるセメントで再接着しレジン修復でも十分予後が見込める事が多いのです。
レジンですから、多少変色したり、取れたりする欠点も確かにありますが、起きたら起きたらで上から付け足したり、補修していけば良いだけのことです。
この年齢で被せるのはあまり適切ではないと思っています。
歯根未完成歯の外傷は、出来るだけ抜かない、抜髄しない、削らない、被せないという保存的な治療をまず試みるのが望ましいかと。
この年齢のお子さんは、歯根と同じく象牙質細管も大きく開いており、そういった時期に歯を広範囲に削ってしまうと、神経にダメージが及ぶ事がありまして、そうなりますと神経の処置が必要になりやすく、なおかつ神経の治療も困難度が上がり良好な結果が得にくくなる事があります。
出来れば、欠けた箇所だけレジンで修復しておき、せめて18歳ぐらい〜まで成長なさってから被せ物を検討されても遅くはなかったのかなと・・・・・
(まぁ、被せられたかどうかはここでは分かりませんが・・・
欠損範囲が三分の一でも大きすぎたと判断されたのか、何か被せる必然性があったのか、歯髄保存を諦められたのか、逆にこうしても絶対問題はないと良好な予後を予知されたのか・・・何か理由がおありだったのかもしれませんし・・・?)
>今の気がかりは、右上1番の歯茎が治療後に少し上にあがっていて、歯が長く見えるのと、その歯茎からうっすらと血がにじんでくることです。
>毎日丁寧に歯磨きしているのですが、少し血が出ます。
既にジャケットクラウン(テンポラリークラウンのほうが近いような感じが致しますが)で被せられていると仮定した状況で考えて見ました。
憶測ですが・・・・
クラウンのマージン・ライン(辺縁線・境目)がフィットしていないため右1番の歯肉が上がっているように見えているだけなのかも知れません。
フィットが悪いものですと死角にプラークが付着して歯肉炎を引き起こしますので、軽く触れただけでうっすらと血がにじんでくる事があります。
歯磨きは継続していただきたいのですが、もしも、クラウンの問題で出血されているのでしたら、辺縁線の精度を修繕しませんと完全には改善されません。
学童期は成長途中で、歯肉のラインが安定していませんし、噛み合わせの変化もありますので、ジャケットクラウンの場合は、これから合わなくなっていく可能性があります。
>二番手の先生:固いものさえ食べなければ大丈夫
>三番手の先生:ピンセットで歯を動かし、左上前歯1番のぐらつきが大きく、下前歯も少し揺れているのを指摘され、上下ともワイヤー固定をされました。
>はずすときのすさまじさと歯茎からの出血に驚いてしまい、この固定がよかったのか、そこでも不安になってしまいました。
外傷後の整復固定についてですが、6/25にアクシデント、十日後の7/3に固定を開始し、三週間・・・・。
左上1番は少しだけ亜脱臼されていた可能性があったのかもしれませんね。
ただ、動揺の程度が軽ければ、口の中の清潔を保ち、軟らかい食べ物を食べ、安静にするだけで良くなります。
変位や動揺が大きければ、歯根膜が損傷していることになりますので整復固定を施しますが、固定期間は一般的にアクシデント発生時から1〜2週間以内となっています。
確かに、以前は3〜4週間の固定期間と云われたのですが、最近の研究報告では、あまりに長期的に強固に固定すると、歯の生理的動揺が阻害されて病的な歯根吸収(アンキローシス等)を引き起こすとされていますので、一般的には1〜2週間で充分とされています。
ただ、先生によって動揺の認定や、固定法、期間に対する考え方が異なることがありますので、実際に診ていない私には、この十日後から開始された固定、長い固定期間が良かったかどうかについては何とも申し上げられません。
外傷歯に対しては、矯正用ワイヤー弾線と接着性レジンで固定する生理的固定法が一般的です。
個人的に外す時は、これ以上、衝撃で歯根膜にダメージを与えたくありませんので、ドリルで接着レジンの部分とワイヤーの部分をそっと削りながら外していきます。
矯正用のブラケット・リムービング・プライヤーはあまり使用しませんし、例え使ったとしても外傷していない歯のみにです。
最後にですが。
全体的なお話から、今後歯の変色にともなう歯髄壊死、病的な歯根吸収などが起きてくる事もありますので、定期的に小児歯牙外傷に詳しいかかりつけの先生に診察してもらいチェックされる事をお勧め致します。
たく丸さまが不安に思われている事や定期検診の期間なども良く相談されて下さい。
セカンドオピニオンを求められることと同時進行でも良いと思いますが、再度三番手の先生にお電話で詳細な説明をお願いされては如何でしょう。
ご無事に経過されていくことを、心よりご祈念申し上げます。
お大事に。
相談者からの返信
相談者:
たく丸さん
返信日時:2010-08-06 23:53:47
こんばんは。
いつも親身にお答えくださって本当にありがとうございます。
>破折片(歯の欠片)はありましたか?
残念ながらありませんでした。
私もパニックになってしまい、少し見回しただけだったのですが。自分の知識のなさが悔しいです。
>テンポラリークラウン
そうかもしれません。
歯にはめてから大きさを調整されていました。
まず明日にでも三番手の先生に電話で詳細を確認します。
同時に、救急センターに電話して二番手の先生の病院を教えてもらって子どもを連れて相談してきます。
やはり最初の状態をご存知で、露髄をすぐに気づいてくださった先生に相談したいという気持ちがあるので。
その結果をまた書き込みたいと思います。
ありがとうございます。
いつも親身にお答えくださって本当にありがとうございます。
>破折片(歯の欠片)はありましたか?
残念ながらありませんでした。
私もパニックになってしまい、少し見回しただけだったのですが。自分の知識のなさが悔しいです。
>テンポラリークラウン
そうかもしれません。
歯にはめてから大きさを調整されていました。
まず明日にでも三番手の先生に電話で詳細を確認します。
同時に、救急センターに電話して二番手の先生の病院を教えてもらって子どもを連れて相談してきます。
やはり最初の状態をご存知で、露髄をすぐに気づいてくださった先生に相談したいという気持ちがあるので。
その結果をまた書き込みたいと思います。
ありがとうございます。
タイトル | 7歳、転倒し欠けてぐらつく上前歯の処置についての不安 |
---|---|
質問者 | たく丸さん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 38歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
歯が割れた・折れた・欠けた 歯医者への不信感 歯をぶつけた、歯が欠けた・抜けた |
回答者 |
|
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。