6番を抜歯後に放置、7番のクラウンに次々と問題が・・(オーストラリア)

相談者: きっきさん (45歳:女性)
投稿日時:2010-09-10 20:56:55
右下6番と7番の歯についてご相談です。(オーストラリア在住)

6番の歯は8歳の時に虫歯になり、丈夫で長持ちするゴールドのクラウンを被せました。
その金歯が、約11年前ガムを噛んでいたら外れしまいました。

痛みもなくただ単に外れただけだったので何の治療も行わずに、その金歯をまた接着してもらいました。

それから約3年後、その歯が非常に痛むようになり歯科医院に行くと、

「8歳の時の治療が完全ではなく、虫歯の部分が残っていたからだ。
これは日本人の患者に非常に多いケースで、日本の歯科医は悪くなったところのギリギリの所までしか削らないので再発するケースが多いが、オーストラリアでは虫歯の部分よりかなり広い範囲まで完全に削り取るので再発しにくい」

と言われ、かなり奥まで削ってプラスチックのクラウンを被せました。

しかしそれから約4年後、またその歯が痛み出し、別の歯科医院で診てもらうと、もうこの歯は治療不可能で抜歯するしかない、しかも隣の7番の歯にも影響を与えおり、すぐに根管治療をしないと、この7番も助からないと言われました。(8番は20代に抜歯済み)

6番は直ちに抜歯、7番は専門医による根管治療(ラバーダムあり)を受けました。

それから6番と7番について担当医からどうするか尋ねられ、選択肢として、

1.6番インプラント、7番クラウン 
2.6番入れ歯、7番クラウン  
3.7番をクラウンにすると同時に、それを利用し6番をブリッジにする
4.7番クラウン、6番放置 

以上の4つが挙げられました。

インプラントは費用面と骨への影響、入れ歯は入れ心地や手入れの問題、ブリッジは健康な5番の歯を削る事に抵抗があったことから、最終的に、7番にセラミックのクラウンを被せ(その際、クラウンを被せるだけの土台の高さが無いと言う理由から、専門医の所でクラウンレングスニングを施す)、6番はそのまま放置する事にしました。

6番を放置しておいて良いものなのか不安はありましたが、本人が見た目などを気にしない、また噛んだ時に違和感があるなどの不都合がないのであれば放っておいても問題ないし、気が変われば後から処置することも出来ると複数の医師から言われました。

それから4年後(1年前)、7番のクラウンが欠けてしまいました。
奥歯であり、しかも6番がない分負担が掛かり過ぎたからなので、今度は丈夫な金属を被せるしかないと言われ、ゴールドのクラウンを被せました。

ところが、その2週間後にゴールドのクラウンが外れてしまい、すぐにまた接着し直してもらうことになりました。

またこの時(4年前とは違う医師)6番について、やはり本人が不都合を感じていないのならばそのままで構わないが、6番は良く使う歯で、年齢から言ってもまだあった方が良い歯なので、インプラントを勧める、しかも、6番の歯はかなり間隙が大きいので1本では間に合わないかも、と言われました。

1本の歯を抜いて2本のインプラント?  
費用も2倍? 
そんなバカな〜

やっぱりこのまま放置しかない、と思っていたのですが、それから気のせいか、6番の間隙が徐々に広くなっているような気がしてなりません。

素人的にはむしろ、7番の歯が前に出てきて6番の間隙が狭まるのが自然なような気がするのですが、実際はどうなのでしょうか?

そして現在ですが、数カ月前から7番の歯が痛み始め、なるべく右では物を噛まないようにしていたのですが、とうとう歯茎が腫れてきて、昨日歯科医院に行きました。

クラウンを接着し直した事もあるし少しぐらつきもあることから、クラインの被せ方が悪く歯茎に細菌が感染してしまっただけなのか、根管治療をやり直さなければならないのか、レントゲンを撮って診たけれど微妙だと言われました。

とりあえず、腫れたところから膿を出し(Drainage of abscess)、様子を見る事になり、細菌を殺す為として、抗生物質(アモキシシリン500mg 1日3回×5日間)を処方されました。



非常に前置きが長くなって恐縮なのですが、いよいよ先生方へのご質問です。

7番については、なるべく自分の歯を残したいと、これまで治療を続けてきた訳ですが、既にインプラントの方が安くついたくらい、お金を使っています。

今更抜くなんて、と感情的には思ってしまうのですが、再度根管治療となると躊躇します。

もしかしたらまた悪くなる可能性があると言う事ですよね。(こちらのサイトにも再治療は成功率が低くなると書いてありますし)

そこで、次に7番に問題が起きれば抜歯しかないと考えていますが、先生方はどうお考えになりますか? 

また、7番を抜歯した場合、6番と7番の抜歯跡についてどのような処置が適しているのでしょうか? 

? 6番、7番に部分入れ歯
? 6番、7番にインプラント(2本とも、または1本のみ)
? 6番、7番をそのまま放置

?は、この先何度も作り替えの必要が出てきて、その都度また歯科医院通いをしなければならないのではないか?

?は、6番の間隙の件とも絡むのですが、6番と7番の両方をインプラントにすれば6番の間隙は7番のインプラントで補えるものなのか? 

それともインプラントが3本必要になるのか?

更には、6番のみ、または7番のみインプラントをし、片方は放置しておくことは可能か?

?は私自身、これはまずいのではないかと思うのですが、どうなのでしょうか? 

そもそもこのサイトを拝見したところ、どうやら6番を5年間も放置しておいた事は、非常にまずかったのではないかと心配しています。

また、上記以外の選択肢もありましたら、是非教えて頂けませんでしょうか? 

これまでの経緯から言って、時間もお金もかけた上に治療が後手後手になっているようなので、今度こそきっちり解決させ、6番7番の問題から開放されたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2010-09-10 21:24:29
6番、7番にインプラント(2本とも)

私はこれを薦めます。

恐らく7番は手前に倒れているうえに、近心側(手前)の支持骨があなたの年令では下がって(個人差はあります)いる可能性が有り、どの位持つだろうかの懸念があるからです。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: きっきさん
返信日時:2010-09-11 10:42:59
松山先生

ご回答頂きまして、ありがとうございました。

早速ご質問させて頂きますが、

「近心側の支持骨があなたの年令では下がっている可能性が有りどの位持つだろうか」

と言うお答えについてですが、支持骨が下がるとは、一体どういうことで、また、下がるとどうなるのでしょうか?

そして、どの位持つか、と言う事ですが、持たないとどうなってしまうのでしょうか?

もし今後インプラント入れ歯をする時に、何か悪影響を及ぼす事になるのでしょうか?

以上、よろしくお願いいたします。
回答 回答2
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2010-09-11 15:31:01
抜歯すると周囲の骨が縮小します(これに個人差が有る)。

6番を抜いたために、奥の7番は手前に傾くことが多いのですが、同時に傾いた7番の手前の歯槽骨が三角状に溶けている事があります。
(咬む力が骨を圧迫し溶けることと、歯根膜線維が移動しなければならないものが、うまくいかない事による骨の吸収と説明されています)

下がると7番の支持が弱まり、6番欠損による7番の負担過重がつよくなる結果、歯周組織の破壊につながり、ぐらぐらになり抜歯せざるを得なくなります。

この様な事に加え、7番自身の根管治療の成果から来ている現在の問題を考えると、7番の戦略的抜歯も検討すべきなのです。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-09-11 21:59:49
下顎の大臼歯は、もともと歯根が手前と奥に2本あり、普通インプラントの直径は4ミリ前後ですから、あごの骨の幅にもよりますが、1本のインプラントの上に無理なく作成できる歯冠の大きさも、実際に存在していた大臼歯とは同じ大きさにはなりません。

ですから、噛み合わせや元々の歯の大きさにもよりますが、6番7番2本欠損の場合にインプラントが3本必要な事が、しばしばあります。

前置きが長くなりましたが、

?欠損に対して義歯を支える為に結構う大きな義歯の設計になるので、違和感が強いと思います。
下顎の6番7番欠損のケースでは、義歯とインプラントの利点が大きいと思います。

?6番に1本という選択肢はありますが、上顎との噛み合わせの事を考えると、他の問題が出てきそうです。(上顎の歯の廷出など)

?放置すると対合歯の廷出、反対側ばかりで噛むようになり、顎のずれやひどい場合は頸椎のずれや姿勢がおかしくなって身体全体のバランスがおかしくなって、大変な事になるかもしれませんからお勧めできません。

私も松山先生と同じ意見で、6番も7番もインプラントにするのが良いのではないかと思います。

ただし経済的に無理であれば、義歯で我慢して使用するしかないでしょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: きっきさん
返信日時:2010-09-12 17:13:48
松山先生、尾崎先生、ご丁寧な説明をして頂き、ありがとうございました。

本人の分からない内に、抜歯した後、周辺の歯や骨にはいろんなことが起こっているんですね。

そういう事であれば、やはり両先生方のおしゃるように、6番と7番の2本ともインプラントにするしかないのかなあと言う考えになって来ています。

さて、そこで今後の手順についてご相談なのですが、

- まず7番を抜歯してから、6番と7番のインプラントに取り掛かるのか?

- それとも、6番のインプラントを終えて、7番を抜歯するのか?

また、インプラントはおよそ5000ドル(約40万円)掛かると聞いているので、とりあえず先に6番だけやって、1〜3年後に7番をやっても遅くはないか?

それともどうせやるのなら、少し無理をしても今すぐに両方同時にやっておいた方が長い目で見たら良いのか?

尾崎先生のご説明で、インプラントの上に作成できる歯冠が実際に存在していた歯と同じ大きさにはならないと伺って、やはり驚いています。
私の場合、3本になってしまったら、、、と言う事はとりあえず、考えない事にします。

もう1件、本題からは外れてしまいますが、松山先生から、「咬む力が骨を圧迫し溶ける」と言うご説明がありましたが、実はもともとガムを噛む方ではなかったのですが、1年位前に、7番に刺激を与えた方が骨が強くなって良いのではないかと勝手に考え、わざわざ7番で、それも6番が無い分余計に刺激が増すようにと力を入れてガムと咬むと言うような事を半年くらい続けました。

どうもそれから7番に痛みを覚えるようになって、ガム咬みも止めたと言う経緯があるのですが、これはまさしく自分からわざわざ骨を溶かす手助けをしまったと言うことではないでしょうか!?

そこで今後の参考の為にお伺いしたいのですが、インプラント後の歯については、骨を圧迫しないように必要最小限に物を咬むようにした方が、トラブルを引き起こさない事になるのでしょうか?

何度も申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
回答 回答4
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2010-09-12 17:29:31
直径5ミリ長さ10ミリ前後を2本連結する事が出来たら、咬合力はほとんど気にしなくて良いと思います。

ただし特別に堅いもの、スルメの様なものを大量にむしゃむしゃ食べる事は必要ないだろうし、湿気たせんべいをかじったりなどの過度の使い方はしない方が良いでしょう。

でも普通の食事ならば、何ら気をつける事はないですよと、私は話しています。
クレンチングには、気をつけなければいけません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: きっきさん
返信日時:2010-09-13 21:52:19
松山先生

何度もご回答頂きありがとうございます。

インプラントの連結なんて、想像もしていなかったのですが、そう言う方法もあるのですね。とても参考になりました。

また、クレンチングにつきまして、何の事か分からずこちらのサイトで勉強させて頂きました。

そう言えば、最近はありませんが、2年位前まで歯を食いしばって目が覚める事がたまにあったことを思い出しましたが、それが奥歯に負担を掛けているとは思ってもいませんでした。

それで、昨夜は気になって何度も目が覚めてしまったのですが、なんと歯を食いしばってはいないものの、目が覚めた時、上下の歯がくっついていました。

また、私はいつからか分かりませんが、少なくとも10代の頃から下顎舌側の骨隆起があります。と言う事は、間違いなくクレンチングをしていると言う事でしょうか。

これから、「ナイトガード」についても検討しようと思います。

色々な有益なアドバイスを本当にありがとうございました。



タイトル 6番を抜歯後に放置、7番のクラウンに次々と問題が・・(オーストラリア)
質問者 きっきさん
地域 非公開
年齢 45歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 抜歯:6番(第一大臼歯)
抜歯:7番(第二大臼歯)
根管治療の失敗・再治療
インプラント治療法
オーストラリア
クラウンが取れた・外れた
回答者




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