シーラントのエッチング作用時間について

相談者: みょみょんがさん (31歳:女性)
投稿日時:2010-09-25 21:50:26
はじめまして、みょみょんがと申します。
現在、歯科衛生士学校の3年生です。
助手歴は3年です。


国家試験の過去問の中に疑問に思う文があります。


シーラントの前処理であるエッチングは永久歯より乳歯の方が作用時間を長くする場合がある』

という文があり、解説にもこの内容は正解であるとの旨が記載してありました。

粗造だから長くすると書いてあるのです。
粗造だから長くするってどういうことでしょう??


乳歯は永久歯に比べ歯面が粗造ですよね?
レジンタグを作るためにエッチングするわけですが、だったら長くではなく短くていいのではないか??と考えたのです。

もともと粗造な面をさらにガタガタにしないといけない??
しかも、『長くする場合がある』ということはしない場合もあるということですよね。

どこで判断しているのでしょうか・・・?

学校の先生にもきいてみましたが、聞いたことないと言われてしまいました・・・・・・・・。



教科書やインターネットでも自分なりに調べてみましたが、根拠となるものが見つかりませんでした。

お教えいただければ幸いです。
よろしくお願いします。



PS.
ちなみにシーラントといえば『ティースメイト』!と思いつき、クラレメディカルの質問センター?に電話してみましたが、『当社の製品は永久歯でも乳歯でも40秒です!』とのことでした。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2010-09-26 12:14:59
こんにちは。
ちょっと出先からなので調べたわけではなく自身の記憶からだけなのですが・・・

乳歯の表層はエナメルが厚く有機成分を多く含む事から作用時間を長くするのであったような記憶があります。


また、

>乳歯は永久歯に比べ歯面が粗造ですよね?
レジンタグを作るためにエッチングするわけですが、だったら長くではなく短くていいのではないか??

乳歯の表面の粗造とエナメル質脱灰とでは粗造のレベルが全く異なります。
エナメル質の脱灰による粗造とは電顕レベルでの話です。


ティースメイトのエッチングの作用時間について、これも想像ですが・・・

恐らくシーラントの製品自体の物理学的な「濡れ」や「フロー」の程度に左右されるのだと思います。
要するにその製品が必要な接着力を有するためには、そのくらいの時間で問題ないでしょうというデータが出てるのではないでしょうか。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: みょみょんがさん
返信日時:2010-09-29 12:34:37
田中先生返信ありがとうございます。


いつもこちらで拝見させていただいて、ボランティアで参加なさっている先生方には頭が下がります。
少しでも患者さんの為に・・・と思えなければこんな手間隙のかかることはできません。


もし、エッチングに関して載っているHPや、参考本などありましたら教えていただければ幸いです。

(自分でもネットで調べてみたのですが、検索ワードが悪いのかこの内容について載っているものはヒットしませんでした。)



それと上乗せで申し訳ないんですが、乳歯の方がエッチングの時間を長くする必要があるということは一般的に歯科医の先生方には当たり前の知識なんでしょうか?

それを予防のプロを育てる歯科衛生士学校では教えてないのであれば問題ですね。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2010-09-29 17:01:10
すみません。
何も調べたわけではなく記憶にある事だけしか書いていませんでした。

ただ衛生士さんはどうなのか事情が分からないのですが、歯科医師は少なくとも歯科理工学や保存学で接着についての機序は詳しく習うと思います。


理論上の作用時間と臨床上での必要な作用時間は異なるというのは誰でもおよそ想像がつくとは思いますが、かといってエッチングという作業はし過ぎると逆に理工学的にレジンの接着力が弱まります。


そういう科学的・物理学的な観点からいえば、例えばエッチング15秒と説明書きにあったとしても、その歯質にもよるし何がその数十秒に影響を与えるのかわかったものじゃありません。
言い出せばキリもないでしょう。


このため色々なケースを想定して平均的に性能が出るように作られているのが「製品」だと思っていますので、厳密に自分でデータを持っている先生なら別ですが、ぼくは基本的に取扱説明書通りに時間を守る事がその性能を引き出す必要条件と考えます。



例えばエッチングやプライマー処理を○○秒としたら、ちゃんとタイマーをかけて処理します。

窩洞の全内面を擦れと書いてあれば必ず擦ります。


そういった事を全て守って初めてその性能が引き出せるわけで、秒針の無い時計で目分量で測った時間だけ処理をし、窩洞の内面を擦らずにエアーで飛ばして塗り付けただけの処理で、「この製品はあまりくっつきがよくないね」などという輩がいるので信じられません。



エッチング等についての書籍についてはこの場で題名著者を挙げていい物か判りませんので、後日もう一度書き込みにきます。



歯科衛生士学校では教えてないのであれば問題ですね。

教えているのかも知れませんが必要最低限度の表現かも知れませんし、教科書の中のほんの1行に過ぎないのかも知れません。

どうでしょうかね?
タイヨウ先生・・・と、振ってみたり。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-09-29 17:54:52
あれ?

振られちゃった…。(^_^;)


>ただ衛生士さんはどうなのか事情が分からないのですが、歯科医師は少なくとも歯科理工学や保存学で接着についての機序は詳しく習うと思います。

そうですね…。
実は「全国的にどうか?」と言うと一概には言えないようです。


先日、歯科臨床研鑽会で岡山大学の理工学の教授に講演をしていただきました。

岡山大学出身のタカタ先生的には「まあ、僕らは学生の時に嫌と言うほど聞かされた話やから…」と言っていましたが、僕にしてみれば「初めて聞く事、見る事のオンパレード」でした。


逆にタカタ先生は「金属に関しての理工学の授業はほとんど無かった」と言っていました。

僕ら(10年以上前の東京歯科大学の学生)にとってはレジン接着よりもメタルの方が試験のヤマでした。


田中先生の出身校の先生には「ファイバーポストの国内第一人者」がいらっしゃるくらいですから「レジン接着にはうるさかったのでは?」と言う気がします。


なので、衛生士学校で「どのようなレベルで教えているか?」と言うのは「どんな先生が教えているか?」によっても左右されるのではないかと思います。
(もちろん、国家試験レベルでは差が無いようにはなると思いますが…)




>理論上の作用時間と臨床上での必要な作用時間は異なるというのは誰でもおよそ想像がつくとは思いますが

>色々なケースを想定して平均的に性能が出るように作られているのが「製品」

>基本的に取扱説明書通りに時間を守る事がその性能を引き出す必要条件


ですね。

良い製品とは「誰がどんな条件で行っても良い結果が出せる」と言う事だと思います。

車で言えば、F-1のように限られた人間が突出した性能を発揮するのではなく、免許取りたてのドライバーであっても安全確実に走れる必要があります。

そのためには「取扱説明書通り」と言うのがとても重要なポイントになってきます。



>「この製品はあまりくっつきがよくないね」などという輩がいる

そうですね…。

とあるメーカーの人に聞いたら

「本当は10秒でもくっつくんですけど、10秒でいいですよと言うと5秒で止めちゃう先生もいらっしゃいますから…なので、取扱説明書には20秒と書いているんですよ」

と言ってました。



>教えているのかも知れませんが必要最低限度の表現かも知れませんし、教科書の中のほんの1行に過ぎないのかも知れません。

そうですね。
ほんの1行ですよね。



ちなみに、(シーラントのエッチングに関してではありませんが)現在、衛生士さん向けの本を執筆中で、取扱説明書に書かれている事はしっかり守りましょう的な事はちょっと詳しく(厳しく?)書いております。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2010-09-29 18:37:05
こんばんは。

エッチングの作用時間については、乳歯の場合はどちらかと言えば短めにする、と理解していました。

なぜかと考えると教科書で習ったなどの記憶はないですね。
どこかで誰かに聞いた程度だと思いますし、


レジンタグを作るためにエッチングするわけですが、だったら長くではなく短くていいのではないか??と考えたのです。

と、同じ発想です。
(粗造だからと言う訳ではなくて、無機質の密度の違い)



接着の話は結構好きなんですが、

>粗造だから長くする

↑これは確かに意味が分かりませんね・・。



というか、シーラント(や、矯正のためのボンディング)でも、予防(や審美)を目的でするのにエッチングをするなんて! という意見も多く、極力エッチングをしない製品が最近は多いのではないでしょうか。

とりあえず臨床では取り扱い説明書に従うのが一番です。




まあ、国家試験対策のことは分からないので臨床的な話をすると、エナメル質の強酸でのエッチングは、した方が接着強度は確実に上がるのに、しない先生がほとんどです。
レジン充填の話です)


もしも暇だったら市販されているボンディングシステムを色々見てみて下さい。

ワンステップ(セルフエッチングプライマー&ボンディング)が売れ線ですが、あとはツーステップ(多くはセルフエッチングプライマー+ボンディング)ぐらいしかないと思います。たぶん。


ご存知だと思いますけどプライミングは象牙質に対して行う処理ですので、セルフエッチングプライマーのエッチングは象牙質をターゲットにした、マイルドなエッチングで、エナメル質のしっかりとしたエッチングというのは実際問題無視されている(=それでも問題ない)というのが現状です。



もちろん、神経質な先生方は別売りの強酸でエナメルエッチングもしますし、カタログ通りの接着力を出すためにラバーダムを使用するスリーステップの先生もいますが、こういうのは稀です。

あと、強酸でエナメルエッチング+弱酸で象牙質のエッチング+プライマー+ボンディングのフォーステップまで未だにおられますが、逆にプライマーもボンディング使わない、ゼロステップ(??)の先生もおられるそうです・・。



あとエッチングの作用時間ですけど、例えば取り扱い説明書通りに例えば10秒行うとしても、塗り始め〜塗り終わりに、マイクロスコープ見ながらしている先生だと5秒以上かかる様な場合もあります。

ですから水洗する時に早く流れる側と後から流れる側を考えながら塗り始めの部位を決める様な、無駄にマニアック(←私です 笑)な先生もおられるのですが、取り扱い説明書に対して1.5倍ぐらいずれてしまうのも臨床的には仕方ありません。


これを取り扱い説明書よりも長い方がマシなのか短い方がマシなのかまで開発者に聞いたこともあるのですが・・そういうくだらない話は置いておいて・・ようするに、少しの時間の違いなら、大した問題ではないということです。



国家試験の勉強は決して無駄ではありませんし、国家試験対策でいいので一生懸命勉強すればいいと思いますが、現場には現場の理論もまたありますので、些細な問題にあまり時間をかけて悩まずに、どんどん次の勉強をしていかれた方がいいと思いますよ^^;

試験勉強頑張って下さい。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: みょみょんがさん
返信日時:2010-10-06 00:57:52
田中 泰彦先生
タイヨウ先生
渡辺 徹也

ご丁寧な返信、ありがとうございます。

いろいろと勉強になりました。
新しく知ったことがいっぱいで頭がパンクしそうです(笑)
接着とは奥が深いのですね・・・。


とにかく『説明書には従え!』をモットーにしていきたいと思います。
本当にありがとうございました。



タイトル シーラントのエッチング作用時間について
質問者 みょみょんがさん
地域 非公開
年齢 31歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 材料・機材関連
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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