虫歯にならない人は歯周病になりやすいって本当ですか?
相談者:
J.Aさん (41歳:男性)
投稿日時:2010-10-27 20:52:48
こんばんは。
私は虫歯になりにくい体質で、虫歯が今まで一本もありません。
勤務先で歯科健康診断を受けたところ、歯医者に「虫歯にならない人は歯周病になりやすい」と言われて、歯科受診を勧められました。
そこで26年ぶりに歯医者を受診しました。
結果は歯周ポケットが3−4ミリで歯周病と診断されました。
その歯医者にも同じく「虫歯にならない人は歯周病になりやすい」と言われました。
その後4回通院して歯石を取りました。
次回の通院は歯周病の再検査の予定です。
今は毎日歯磨きとフロスで手入れをしてます。
歯茎に空気がしみる感じがしますし、出血も少しあります。
さて質問ですが、「虫歯にならない人は歯周病になりやすい」というのは本当でしょうか?
私が受診した歯科医の先生は、おそらく経験上の話をしていると思いますが、理論的な根拠があればどのようなことが考えられますでしょうか。
私は虫歯になりにくい体質で、虫歯が今まで一本もありません。
勤務先で歯科健康診断を受けたところ、歯医者に「虫歯にならない人は歯周病になりやすい」と言われて、歯科受診を勧められました。
そこで26年ぶりに歯医者を受診しました。
結果は歯周ポケットが3−4ミリで歯周病と診断されました。
その歯医者にも同じく「虫歯にならない人は歯周病になりやすい」と言われました。
その後4回通院して歯石を取りました。
次回の通院は歯周病の再検査の予定です。
今は毎日歯磨きとフロスで手入れをしてます。
歯茎に空気がしみる感じがしますし、出血も少しあります。
さて質問ですが、「虫歯にならない人は歯周病になりやすい」というのは本当でしょうか?
私が受診した歯科医の先生は、おそらく経験上の話をしていると思いますが、理論的な根拠があればどのようなことが考えられますでしょうか。
回答1
顕微鏡歯科シバタ(名古屋市守山区大森)の柴田です。
回答日時:2010-10-28 00:21:13
虫歯の原因と推定されている菌と、歯周病の原因と推定されている菌は同じではありません。
虫歯がないからお口の中に歯周病菌がいないとは、誰にも言えないのです。
すると虫歯のない人はJ.Aさんのように、たまにしか歯医者に行きません。
また歯医者に行く回数が少ないと、ブラッシング指導を受けるチャンスが少なくなります。
結果として歯垢が多少でも残っていれば、歯石になります。
そして歯肉炎や歯周病が早期発見されにくいのです。
と私は説明しています。
ただ何もしなくても歯周病にも虫歯にもならない免疫力の高い人がいることはあります。
虫歯がないからお口の中に歯周病菌がいないとは、誰にも言えないのです。
すると虫歯のない人はJ.Aさんのように、たまにしか歯医者に行きません。
また歯医者に行く回数が少ないと、ブラッシング指導を受けるチャンスが少なくなります。
結果として歯垢が多少でも残っていれば、歯石になります。
そして歯肉炎や歯周病が早期発見されにくいのです。
と私は説明しています。
ただ何もしなくても歯周病にも虫歯にもならない免疫力の高い人がいることはあります。
回答2
大野歯科医院(群馬県前橋市)の大野です。
回答日時:2010-10-28 09:29:05
虫歯型の人、歯周病型の人、と分ける専門家もいますが、疫学調査を行い統計処理をすると、相関関係なしとなるようです。
つまり虫歯になったからといって、歯周病にならないとは言えず、その逆もまたしかり。
柴田先生のご指摘のように、歯科医療へのアクセスの問題が大きいと思います。
ただし、歯周病治療を終えた患者さんには、虫歯になりやすいという、傾向もあるようです。
これは口の中の様々な変化がもたらすもので、歯周病医にとっての最終的な敵は、実は虫歯であると北欧では教育されております。
お大事になさって下さい。
つまり虫歯になったからといって、歯周病にならないとは言えず、その逆もまたしかり。
柴田先生のご指摘のように、歯科医療へのアクセスの問題が大きいと思います。
ただし、歯周病治療を終えた患者さんには、虫歯になりやすいという、傾向もあるようです。
これは口の中の様々な変化がもたらすもので、歯周病医にとっての最終的な敵は、実は虫歯であると北欧では教育されております。
お大事になさって下さい。
回答3
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2010-10-28 10:51:01
そうですね。
僕の10年そこそこの歯科医師経験からも、何となくそのようには感じます。
ただ、大野先生の書かれているように、明確な相関関係があるとは言えないようです。
個人的には虫歯も歯周病も細菌感染症なのだから、「細菌の定着様式が違うのかな?」とか、「虫歯菌と歯周病菌は中が悪いのかな?」とか考えたりもしました。
しかし、最も理にかなっているのは、柴田先生が書かれているように「歯科医院にかかっているかどうか?」だと思います。
若い頃から虫歯が多く、しょっちゅう歯医者さんに行っているような人は比較的、歯科受診に対して抵抗が無いように思います。
(もちろん、出来ればかかりたくないと言うのは共通でしょうが)
そうすると、虫歯や歯周病が早期に発見されますし、頻繁にブラッシング指導などを受ける事となります。
対して、歯科受診に対しハードルを高く感じていらっしゃる方はそう言った処置を受ける機会が少なく、結果的に「歯周病が進行した状態」で歯医者さんにかかる事になります。
「私は昔から歯が強かった。
だから歯医者にはここ何十年もかかっていなかった。
最近、調子が悪いと思って歯医者に行ったら、一気に何本も抜かれてしまった…」
なんてな事に…。
僕の10年そこそこの歯科医師経験からも、何となくそのようには感じます。
ただ、大野先生の書かれているように、明確な相関関係があるとは言えないようです。
個人的には虫歯も歯周病も細菌感染症なのだから、「細菌の定着様式が違うのかな?」とか、「虫歯菌と歯周病菌は中が悪いのかな?」とか考えたりもしました。
しかし、最も理にかなっているのは、柴田先生が書かれているように「歯科医院にかかっているかどうか?」だと思います。
若い頃から虫歯が多く、しょっちゅう歯医者さんに行っているような人は比較的、歯科受診に対して抵抗が無いように思います。
(もちろん、出来ればかかりたくないと言うのは共通でしょうが)
そうすると、虫歯や歯周病が早期に発見されますし、頻繁にブラッシング指導などを受ける事となります。
対して、歯科受診に対しハードルを高く感じていらっしゃる方はそう言った処置を受ける機会が少なく、結果的に「歯周病が進行した状態」で歯医者さんにかかる事になります。
「私は昔から歯が強かった。
だから歯医者にはここ何十年もかかっていなかった。
最近、調子が悪いと思って歯医者に行ったら、一気に何本も抜かれてしまった…」
なんてな事に…。
回答4
回答日時:2010-10-28 12:13:46
同じく、経験上、そう感じることはありますね。
両方にヤラれてしまっている方もいらっしゃいますが (^^;)
>「私は昔から歯が強かった。
>だから歯医者にはここ何十年もかかっていなかった」
・・・で、気付いた時には大変な状況に、というケースはたまにありますね。
ご本人も「まさか、そこまでの状況とは・・・」思っていないので、なかなか現実を受け入れてもらいにくかったりすることもあります。
そういう方に受け入れてもらうためには、そのような表現も方便になるだろうな、とは思います。
両方にヤラれてしまっている方もいらっしゃいますが (^^;)
>「私は昔から歯が強かった。
>だから歯医者にはここ何十年もかかっていなかった」
・・・で、気付いた時には大変な状況に、というケースはたまにありますね。
ご本人も「まさか、そこまでの状況とは・・・」思っていないので、なかなか現実を受け入れてもらいにくかったりすることもあります。
そういう方に受け入れてもらうためには、そのような表現も方便になるだろうな、とは思います。
回答5
みずさわ歯科医院(千葉県鎌ヶ谷市)の水澤です。
回答日時:2010-10-28 12:45:52
こんにちは。
私は虫歯、歯周病、それぞれの菌の特異性や学問上のことについてうまく説明できませんが、虫歯は比較的目で見て、あるいは症状などが感じ易いこともあり、歯周病に関しては、虫歯などよりも症状に出にくいこともあるのでは?とも思います。
いずれにしても、何か問題が起きてから 慌てて治療することよりも、車検のごとく、定期検診を受けられたほうが安心かとおもいます。
これは、自分も含めてですが・・・
私は虫歯、歯周病、それぞれの菌の特異性や学問上のことについてうまく説明できませんが、虫歯は比較的目で見て、あるいは症状などが感じ易いこともあり、歯周病に関しては、虫歯などよりも症状に出にくいこともあるのでは?とも思います。
いずれにしても、何か問題が起きてから 慌てて治療することよりも、車検のごとく、定期検診を受けられたほうが安心かとおもいます。
これは、自分も含めてですが・・・
回答6
国際ビル歯科(千代田区丸ノ内)のさがらです。
回答日時:2010-10-28 18:33:59
ご相談ありがとうございます。
根拠は知りませんが、その言葉をきっかけに、歯周病のことを考えることは良いことだと思います。
歯周病とは自覚症状がないまま悪化して、歯を失う病気であり、慢性的に身体も蝕まれる危険な病気です。
むし歯にかかりにくい人が、自信を持ちすぎて、自分の判断で手遅れになることは十分にあり得ますし、実際に良く目にしています。
ちなみに、歯を失うきっかけは、成長期から成人までは、むし歯のくり返しが多いけれども、人生の後半からは歯周病が大きな原因になっていきます。
そこから予防に目覚めても、既に歯肉を退縮させてしまっていて、高齢期に入れば、根本のむし歯で歯を失うという生活サイクルになっています。
一生歯を残すことはできますが、一生のライフ・サイクルを頭に入れた予防計画を立てないと、後悔につながります。
歯みがきもライフサイクルに合わせて変える必要が出ることがあります。
つまりは磨き1つ取ってみても、正しい歯みがき、って、同じ人でも1つではないこともあります。
正しい歯みがきの1つもできていない人がほとんどではあります。
>今は毎日歯磨きとフロスで手入れをしてます。
>歯茎に空気がしみる感じがしますし、出血も少しあります。
お手入れに励んでおられるようで感心しました。
健康な一生への第一歩を踏み出しましたね。
でも、その結果で、「歯茎に空気がしみる」し、「出血も少しあります」、なのですね?
もし健康ならば、もし正しいお手入れであれば、それはあり得ないことなのですよ。
ご自分で分かることだけに限ってみても、そうであれば、ご自分で分からないことはもっと判断できません。
歯周病の自己判断は危険です。
>その後4回通院して歯石を取りました。
>次回の通院は歯周病の再検査の予定です。
歯周病を治したり、予防したりする治療もあります。
検査は、ポケットの深さを測ったり、病気の結果の歯石を探したりする以外に、健康度合いを調べる検査もあります。
健康のための知識を増やせばきっと良い人生が待っています。
根拠は知りませんが、その言葉をきっかけに、歯周病のことを考えることは良いことだと思います。
歯周病とは自覚症状がないまま悪化して、歯を失う病気であり、慢性的に身体も蝕まれる危険な病気です。
むし歯にかかりにくい人が、自信を持ちすぎて、自分の判断で手遅れになることは十分にあり得ますし、実際に良く目にしています。
ちなみに、歯を失うきっかけは、成長期から成人までは、むし歯のくり返しが多いけれども、人生の後半からは歯周病が大きな原因になっていきます。
そこから予防に目覚めても、既に歯肉を退縮させてしまっていて、高齢期に入れば、根本のむし歯で歯を失うという生活サイクルになっています。
一生歯を残すことはできますが、一生のライフ・サイクルを頭に入れた予防計画を立てないと、後悔につながります。
歯みがきもライフサイクルに合わせて変える必要が出ることがあります。
つまりは磨き1つ取ってみても、正しい歯みがき、って、同じ人でも1つではないこともあります。
正しい歯みがきの1つもできていない人がほとんどではあります。
>今は毎日歯磨きとフロスで手入れをしてます。
>歯茎に空気がしみる感じがしますし、出血も少しあります。
お手入れに励んでおられるようで感心しました。
健康な一生への第一歩を踏み出しましたね。
でも、その結果で、「歯茎に空気がしみる」し、「出血も少しあります」、なのですね?
もし健康ならば、もし正しいお手入れであれば、それはあり得ないことなのですよ。
ご自分で分かることだけに限ってみても、そうであれば、ご自分で分からないことはもっと判断できません。
歯周病の自己判断は危険です。
>その後4回通院して歯石を取りました。
>次回の通院は歯周病の再検査の予定です。
歯周病を治したり、予防したりする治療もあります。
検査は、ポケットの深さを測ったり、病気の結果の歯石を探したりする以外に、健康度合いを調べる検査もあります。
健康のための知識を増やせばきっと良い人生が待っています。
回答7
田部歯科クリニック(名古屋市昭和区)の田部です。
回答日時:2010-10-28 21:34:00
諸先生方が書かれていますので、答えは出きったと思います。
ただ、どうしても書きたかったので私見を書きます。
>「虫歯にならない人は歯周病になりやすい」
歯科診療所に行く機会がないので口の中の状態が分からないというのもあります。
それと、「さほどブラッシングに関して無頓着でいても、むし歯に歯ならなかった方が、30歳過ぎになると歯周病といわれるようになった。」というのは私のところにもそういった方は来られます。
むし歯のを起こす起因菌と歯周病を起こす菌は違います。
そのため、むし歯に対しては耐性があったとしても、歯周病菌に対しては耐性が無かったとも言えます。
また、むし歯にたいして強い歯質であったとしても、柔らかい歯肉に対しては抵抗力がなかったかもしれません。
ブラッシングしなくてもむし歯にならなかったがために、歯肉へのアプローチを行わなかったがために、歯肉に限局した歯肉炎だけでなく、歯根膜、歯槽骨にまで炎症が波及していったとも考えられます。
さらに、40歳を過ぎると体力が落ち始めます。
昔で簡単にできたのに、なんでできなくなったのかということが増えてきます。
体内部に関して言えば免疫力が落ちてきます。
風邪にかかりやすくなったりしていませんか?
私は今45歳です。
40を境に体の変化は感じ始めました。
前厄の年ですよね。
これからは自分の口の中に関心を持っていただき、一生自分の歯で生活できるよう努力をしてください。
何も問題が無くても、歯科医でのチェックは怠らないようにしましょう。
歯周病はサイレントディジースとも言われます。
今のうちに悪い目はたたきましょう。
ただ、どうしても書きたかったので私見を書きます。
>「虫歯にならない人は歯周病になりやすい」
歯科診療所に行く機会がないので口の中の状態が分からないというのもあります。
それと、「さほどブラッシングに関して無頓着でいても、むし歯に歯ならなかった方が、30歳過ぎになると歯周病といわれるようになった。」というのは私のところにもそういった方は来られます。
むし歯のを起こす起因菌と歯周病を起こす菌は違います。
そのため、むし歯に対しては耐性があったとしても、歯周病菌に対しては耐性が無かったとも言えます。
また、むし歯にたいして強い歯質であったとしても、柔らかい歯肉に対しては抵抗力がなかったかもしれません。
ブラッシングしなくてもむし歯にならなかったがために、歯肉へのアプローチを行わなかったがために、歯肉に限局した歯肉炎だけでなく、歯根膜、歯槽骨にまで炎症が波及していったとも考えられます。
さらに、40歳を過ぎると体力が落ち始めます。
昔で簡単にできたのに、なんでできなくなったのかということが増えてきます。
体内部に関して言えば免疫力が落ちてきます。
風邪にかかりやすくなったりしていませんか?
私は今45歳です。
40を境に体の変化は感じ始めました。
前厄の年ですよね。
これからは自分の口の中に関心を持っていただき、一生自分の歯で生活できるよう努力をしてください。
何も問題が無くても、歯科医でのチェックは怠らないようにしましょう。
歯周病はサイレントディジースとも言われます。
今のうちに悪い目はたたきましょう。
相談者からの返信
相談者:
J.Aさん
返信日時:2010-10-28 21:59:44
先生方、
回答ありがとうございました。
>「私は昔から歯が強かった。
>だから歯医者にはここ何十年もかかっていなかった。
>最近、調子が悪いと思って歯医者に行ったら、一気に何本も抜かれてしまった…」
前半は、まさしく歯医者に行くまでの私でした。
何もしなければ後半通りになっていたかもです。
きっかけは何であれ、歯科医に行って歯周病を発見できたのはむしろ良かったと受け止めてます。
また歯周病と診断されたのをきっかけにして、歯チャンネルを見つけられて良かったです。
せっかく今まで虫歯無しだったので、もう少し工夫してずっと自分の歯で食事できるよう、セルフケアに努めます。
また定期的に予防の通院もしようと思ってます。
回答ありがとうございました。
>「私は昔から歯が強かった。
>だから歯医者にはここ何十年もかかっていなかった。
>最近、調子が悪いと思って歯医者に行ったら、一気に何本も抜かれてしまった…」
前半は、まさしく歯医者に行くまでの私でした。
何もしなければ後半通りになっていたかもです。
きっかけは何であれ、歯科医に行って歯周病を発見できたのはむしろ良かったと受け止めてます。
また歯周病と診断されたのをきっかけにして、歯チャンネルを見つけられて良かったです。
せっかく今まで虫歯無しだったので、もう少し工夫してずっと自分の歯で食事できるよう、セルフケアに努めます。
また定期的に予防の通院もしようと思ってます。
タイトル | 虫歯にならない人は歯周病になりやすいって本当ですか? |
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質問者 | J.Aさん |
地域 | 千葉 |
年齢 | 41歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 会社員(事務系) |
カテゴリ |
歯周病関連 専門的な質問その他 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。