歯肉炎治療として、ディープクリーニングを受けるべきか(アメリカ)

相談者: S.M.さん (45歳:女性)
投稿日時:2010-12-05 10:47:49
こんにちは

歯の治療、特にディープクリーニングをアメリカで受けるべきか考えています。

上の歯2本が、以前日本で根管治療済みの歯で、かぶせてあるのですが、数年前からその歯の周りの歯ぐきがしみたりして気になっています。

同じような症状が日本にいた頃にでて、歯科に行ったときは、歯茎が後退してしまっていて、その部分が知覚過敏だといわれました。

しかし、昨年アメリカで初めにかかった医者はX線の写真から、根管治療した根の部分の周りが感染しているので、いずれは根本的に治療するべき、ということで、治療費は数十万円かかるだろうと言いました。

治療費があまりに高いので、今日はセカンドオピニオンを聞きにベつの歯科医に行きました。

今日の歯科医は、X線と別のカメラで撮影した写真を基にして根管治療した部分は大丈夫だけれども、周りの歯肉のディープクリーニングをしたほうがいいだろう、と言われました。

今日は、レギュラーのクリーニングをして簡単に歯石をとってもらってきましたが、先生によるとディープクリーニングをすれば、歯肉の下のほうまできれいにできるので、知覚過敏の症状も減るとのことでした。


治療費の見積もりには、

Perio scale & root pln-4+per quad 174.00
Other drugs/medicaments, B/R 35.00

これを4箇所分2回に分けて行い、トータル836ドル、うち患者の負担は約279ドル、3万円近くなります。

私はクリーニングと聞いたのでもっと安いのだろうとおもっていたのと、12月までは歯科の保険に加入しているので、患者は2割負担で済むのでいいだろうと思っていたのですが、3万円と言う値段に少し驚きました。

根管治療の数十万円に比べればいいのですが、医者によって言うことが違うのもちょっと気になりました。

来月1月に日本に10日ほど帰りますので、その間に歯科医院に行くことも考えていますが、ディープクリーニングをするには短すぎるかとも思っています。

アメリカで、その値段を払ってする価値があるのかどうか、もまだ疑問です。

日本でよい歯科医さんを探して、1〜2日で集中してディープクリーニングをすることが可能なのか、もお伺いしたいと思います。

ちなみに日本の保険は入っていませんので、自費負担になります。

よろしければ、アドバイスいただけますとありがたいです。
宜しくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2010-12-05 14:57:27
S.M.さまこんにちわ。

ディープ−プクリーニングを勧められたわけですね。

おそらく歯肉縁下歯石の除去だと思いますが、個人的には無駄な処置だと考えています、それより歯磨き練習をなさって、歯肉炎症を治した上で歯肉縁上に出てきた歯石を、取ってもらったほうがいいと思います。

歯科に行ったときは、歯茎が後退してしまっていてその部分が知覚過敏だといわれました。

おそらくオーバーブラッシングで、歯肉の退縮を起こしている可能性が高いと思います。

またオーバーブラッシングで歯肉の退縮を起こしているところは、おそらく歯肉炎にはなっていないと思います。


>先生によると、ディープクリーニングをすれば歯肉の下のほうまできれいにできるので、知覚過敏の症状も減るとのことでした。

むしろ知覚過敏が出てくる可能性のほうが、高いと思います。


オーバーブラッシング http://yamadashika.jp/prevent08.html
毛先磨き http://yamadashika.jp/prevent08.html#kesaki
歯周病を歯磨きで治す?? http://yamadashika.jugem.jp/?cid=163

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2010-12-05 19:13:37
こんにちは。

クリーニングという言葉だとそうですね、高額に感じるのも分からないではないです。

ただ内容は日本で言うところの「歯周治療」のことですから、個人的には金額的にもそんなもの、2割負担で済むならむしろ手頃な値段かとさえ感じます。

因みに当院での自費の場合の歯周治療(中等度歯周炎の場合)も、10万円代ですね。
保険治療の10割負担の内容という意味ではなく、プラークコントロールが中心になります。保険治療の10割負担だったら、たぶん10万円以内かと思います)

お薬代はともかくとして、Perio scale & root pln-4+per quad 174.00については真面目にやればそれなりに時間もかかりますし、十分な専門的トレーニングも必要ですから、物の値段としては違和感は感じません。

ですが技量の差がかなり出ますので、その医院が上手かどうか知る由も無いない以上、価値があるのかどうかについては分からないですね。



ここまでがコストの話ですが、医学的、学術的な面も考えると、まず診断が歯の中の感染感染根管)なのか、歯の周囲の感染(歯周炎)なのか、意見が割れている点は気になりますね。

もしも診断が間違っていれば、無駄な治療となってしまいます。



そして仮に歯周治療が必要だとすれば、山田先生の様なアプローチは少数派で、歯石の除去(Perio scale & root pln)も通常は行われるべきです。

が、必ず先行して、十分なプラークコントロールができる様になっていないといけません。

ここのステップについての記載がないのが気掛かりですが、もしもここを飛ばした治療計画だとすれば、場合によっては将来的にかえって悪化する可能性もありますから(治療直後は一時的に良くなります)、個人的にはお勧めはしません。



そしてお薬の併用に関してはマストではありませんので、どちらでも良いですね。



期間に関しては全体を、4ブロックに分けて行うよりも1〜2日でまとめて行う方が、もしかしたら少しだけ治りが良いかも?という話も最近は出ています。




ですから、10日間でクリーニング自体はしても良いと思いますが、プラークコントロールのトレーニングを行うには不十分の様な気がします。

そもそも、10日間での歯周治療というのは日本の歯科医院では対応出来ないと思いますよ。




まず診断からよくわかりませんので、参考程度にして下さいね。
お大事にどうぞ。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: S.M.さん
返信日時:2010-12-06 04:42:25
山田先生、渡辺先生、

ご丁寧な回答、ありがとうございました。

アメリカに来てからは、年に2回はクリーニングに行くようにしていましたが、ブラッシングのきちんとしたやり方は教わっていなかったので、次回歯科へ行ったときには聞いてこようと思います。

クリーニングと言うけれども、実際は歯周治療のようですね。(すべてが英語なのでいつも6〜7?割くらいしかお医者さんの言うことが理解できていません。ご相談してよかったです。)

今回、ディープクリーニングをすすめた先生は、XRayと別の小さいカメラのようなもので撮った写真を元にしているようで、実際に歯周ポケットの深さは測ることはしませんでした。
また、プラークコントロールのトレーニングについても、触れていませんでした。

先生の専門技術がどうなのかはわかりません。

ただ、今まで積極的な歯周治療はしたことがないので、この機会に受けてみてもいいかと思い始めました。

今回は保険のあるうちに、気になる部分だけでも歯周治療を受けてみようかと思います。

そして日本でサードオピニオンが聞ける機会が、とれればよいかと考えています。

アドバイスありがとうございました。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-12-06 05:59:05
おはようございます。

歯周治療との事ですが、歯を上手に磨けるようになるのが本来の歯周治療ですよ。

ご自分で歯をきれいに磨けるようにならなければ、幾ら歯周治療をなさっても治りません、せいぜい延命治療になるくらいです。

歯磨きの威力を侮ってはなりません。

ブラッシングの威力? http://yamadashika.jugem.jp/?cid=182

この方はいわゆる歯周治療は全くやっていません、歯石も一切取っていません、お正月が近づいてきたのとほぼ歯肉が治ってきたので、次回12月来院時にスケーリングする予定です。

歯石は見事に全て歯肉縁上に出てきています、したがって取り残すことは無いでしょうし出血もほとんどないと思います、もちろん痛みもないでしょう。

毛先磨き動画 http://yamadashika.jugem.jp/?cid=158

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2010-12-06 17:38:31
ディープクリーニングというのは、専門用語でscaling and root planingと言う治療のことです。
アメリカでの治療費用としては妥当な額ですし、日本においても同様です。

日本の健康保険治療のメニューにもありますが、治療水準として
米国と同様なものを求めるのはコスト的に無理があるでしょう。

良い歯科医を探したとしても、恐らく日本の平均的な歯科衛生士によるそれは、アメリカのディープクリーニングと同水準なものに行き当たる可能性は低いはずです。

米国の治療費は分かりやすいですよ。

歯科学生(ライセンスなし)が大学病院で行う何かの治療費が$100なら、専門医を目指す大学院生(ライセンスあり)は$200、大学病院の一般の勤務医や、街の一般開業医なら$300〜$400、平均的な専門医なら$500、開業の有名な専門医なら$800

学生が全く駄目かと言えばそうではなく、きちんと管理されています。

日本の社会では考えにくいようなことだとは思いますが、技術というものを商業ベースで売るとなるとそう言うことなのです。

なぜこれほどまでに値段がちがっても成り立つのか?
高度な技術というのは本来そう言うものなのです。
それによって、恩恵を被る消費者がいるから成立するのです。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: S.M.さん
返信日時:2010-12-10 21:09:29
小延先生、ご回答ありがとうございました。
アメリカでの治療費用のしくみがよくわかりました。

違う話ですが、今までこちらの歯科医にかかると、何度か私の歯の治療した後を見て、大変すばらしい、どこでしたのか、と聞かれ、日本です、と答えたことがあります。

自分の住んでいた町の歯医者さんに詰めてもらったものですが、技術的にはすぐれていたのだなぁといまさらながら感謝しています。

山田先生のアドバイスも大変参考になりましたので、今後ブラッシングについても、きちんとできるように練習していきたいと思います。

ありがとうございました。



タイトル 歯肉炎治療として、ディープクリーニングを受けるべきか(アメリカ)
質問者 S.M.さん
地域 海外
年齢 45歳
性別 女性
職業 公務員
カテゴリ 歯周病の治療費・費用
アメリカ(米国)
スケーリング(歯石取り)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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