乳歯の破折。根管治療で冠をかぶせるか、抜歯か二つの選択肢(台湾)

相談者: いくらさん (6歳:女性)
投稿日時:2010-12-14 13:30:51
こんにちは。

6歳女児の右下Dの歯の手前側約6分の1ほどが、3日前にメントスを食べていた際に欠けてしまいました。
(欠けた部分は飲み込んでしまったようです)
今はその部分だけ歯茎に穴があいています。
今のところ痛みはないようです。

昨日、受診しレントゲンを撮りました。
(現在台湾在住で、先生とは英語でのやり取りでしたので説明の意味を誤って理解してしまっている部分があるかもしれません)

結果、亀裂が歯茎の中の方まで入っているので、早急な処置が必要とのことで、以下二つの選択肢を提示していただきました。

 ? 根管治療後ステンレスのクラウンをかぶせる
 ? 抜歯後 space maintainer を使う

?の方法だと2割は成功しないので、先生は?の方法を勧めてくださっています。
また、あごの成長に合わせて器具の調整の必要があり定期的なメンテナンスが必要で、状況を見ながら器具の種類を変えていくとのことでした。


お伺いしたいのは、

 1) 上記の治療法は日本では一般的なものなのか
 2) 他に治療法の選択肢はあるのか
 3) 抜歯を選択した場合、治療途中で日本や他国に転勤になった場合、治療を継続していくことは可能か、またその際の注意すべき点


転勤が多く、早ければこの春に日本(もしくは他国)に引っ越しの可能性があります。
そのことを視野に入れて考えるとどの方法をとるべきなのか、大変悩んでいます。

よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2010-12-14 13:38:04
どのような経過で、どれ様な実質欠損があるか不明なのでコメントに困りますが。

日本だと?の治療法になるとおもいます。
?の抜歯は実際診てみないと判断できませんが年齢的に見て後続永久歯が生えるまでまだ2〜3年は有った方がいいのでできるだけ避けたいと思います。
不幸にして抜歯になった場合は?の治療になると思います。


他の治療法はあまり考えられないと思います(痛みがないようなので充填だけで済むかもしれませんが)。

治療中、帰国などになった場合は継続して行うことも可能だと思います。

回答 回答2
  • 回答者
誠安・瑞石牙医診所(台湾)の王です。
回答日時:2010-12-15 02:42:33
はじめまして。

台湾で従事している者です。


>6歳女児の右下Dの歯の手前側約6分の1ほどが、3日前にメントスを食べていた際に欠けてしまいました。
>今はその部分だけ歯茎に穴があいています。
>今のところ痛みはないようです。

元々う蝕があって、歯質自体が脆くなり、噛まれた時の衝撃でう蝕の部分が欠けてしまっただけなのか、それとも、単純な歯冠破折・欠損なのか? 
さらに、欠損・破折線が歯茎のどの位置まで達しているのか、深さは?
等など・・・・

細見先生がおっしゃるように不明な部分が多くコメントに苦しみます。
歯の破折・欠損状況や、お子様のお口の中の状況で対処法が違ってくると言えます。



>亀裂が歯茎の中の方まで入っているので、早急な処置が必要とのことで、以下二つの選択肢を提示していただきました。
>? 根管治療後ステンレスのクラウンをかぶせる
>? 抜歯後 space maintainer を使う

亀裂(fracture lineと言っていましたか?)が歯茎の中まで達していたとしても(浅い場合ですが)、機能咬頭噛み合わせで当たるエリア)の部分ではなく、歯質の量が十分あり、神経まで侵していなければレジン修復で済むこともあります。

ただし、乳歯は歯質が薄く、歯髄腔も高い位置にあるため、ボーダーライン上にあるような欠損や破折の歯は根管治療(厳密には断髄処置pulpotomy、抜髄処置pulpectomyですが)を行ってステンレス・スチール・クラウン(SSC)で保護し、永久歯萌出まで保存していくことが多いです。

将来生えてくる永久歯の場所をしっかりと確保して、スムーズに永久歯列に交換出来るようにすることも乳歯の大切な役割ですから、天然の保隙装置である乳歯は保存可能であれば、安易に抜歯して人工の保隙装置を入れるべきではありません。

ただ、欠損が酷すぎて根管処置もままならない場合や、根尖病変が有り、永久歯胚に悪影響を与える懸念がある場合には、抜歯を検討していきます。


>?の方法だと2割は成功しないので、先生は?の方法を勧めてくださっています。
>また、あごの成長に合わせて器具の調整の必要があり定期的なメンテナンスが必要で、状況を見ながら器具の種類を変えていくとのことでした。


どういった状況で担当医が1番の方法を勧めないのか不明なのですが・・・・・・・・
(個人的に、2割は成功しないという理由だけで2番を勧めている思考回路が分からないので・・・・・)

更に、「顎の成長に合わせて器具の調整が必要、器具の種類を変えていく」という部分も分かり辛いです。
矯正を兼ねた器具を使用しようとしているのでしょうか?
それとも、左右両側の顎を跨ぐような保隙装置を入れようとしているのでしょうか?
(もう片方の左下Dの状態は如何ですか?まだ、健在でしょうか??)
そうであれば、話は分かりますが・・・・。 


space maintainer(保隙装置)と一口に云っても、様々なタイプが有りまして、両側に跨ぐようなNance Appliance、Lingual Arch、片側の歯に固定するタイプのBand and LoopやDistal Shoe Applianceなどが代表的なものですが、他の乳歯が早期喪失していなければ、お話を伺った限りでは、片側に固定するシンプルなものでも十分対応出来るのではないかと思います。
片側だけであれば、永久歯萌出まで換える必要はありません。


  
> 上記の治療法は日本では一般的なものなのか

「日本だと1番の治療法で、台湾だと2番になる」という事ではなく、日本国内でも、掛かられた医師の考え方、経歴、専門知識などによって違った処置法を提案されることがあるように、今回掛かられた台湾の歯科医師の見解と提案が、全ての台湾の歯科医師(特に小児歯科医)の見解を代表しているわけではありません。
実際に診察していないので何とも言えないのですが、個人的に台湾で従事ている歯科医師として不可解な部分もあるので、他院でセカンド・オピニオンを求められることをお勧め致します。


> 2) 他に治療法の選択肢はあるのか

先ほども述べましたように、条件さえ良ければ、レジン修復が選択肢に入ります。


> 3) 抜歯を選択した場合、治療途中で日本や他国に転勤になった場合、治療を継続していくことは可能か、またその際の注意すべき点


可能だと思います。
これから混合歯列期に入っていきますので、治療の為に歯科医院へ行くのではなく、治療しなくて済むように、定期的に小児歯科学の知識を持った医師のもとで定期検診とメンテナンスを受けることは、健康な天然歯を維持するためには良いことだと思います。。
永久歯萌出状況を観察すると云う意味合いでも、必要だと思いますよ。

参考になさって下さい。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-12-15 10:51:10
こんにちはいくらさん。

王先生がすばらしいコメントをされているので書きづらいのですが、お子さんが常習的にメントスを食べている事は将来ためにならないと思います。

その歯だけではなくて他の歯も虫歯になる可能性が高いからです。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: いくらさん
返信日時:2010-12-16 11:58:45
細見先生、王先生、柴田先生、
お忙しい中、貴重なご意見を頂きどうもありがとうございました。
抜歯はなるべく避けた方がよいとのお話、良く分かりました。
また、私自身が状況を良く理解できていなかった部分もあり、質問内容が分かりにくくなってしまい、申し訳ありませんでした。

昨日、他院の先生にも診察して頂きました。
今回の先生からも、提案された選択肢は前回同様に

?クラウン 
?抜歯 

でしたが、

?の場合でもうまくいかない事はごくごく稀な例である
?の抜歯のあとは、何もしないでそのまま永久歯が生えるの待つ

という点が以前の先生のお話とは違い、抜歯の方を強く勧められるという事もありませんでした。


歯が欠けた原因に関して、前回の先生の所では不明と言われていたのですが、今回は歯の内部の虫歯が原因で歯が脆くなっていたからだとのことです。

今回受診した先生も、クラウンで大丈夫と仰ってくださっているのでその方法で進めて頂こうと思っています。

ただ、抜歯することになってしまった場合のその後の処置について分からない事があるので再度教えていただけますでしょうか?

最初の先生に言われた space maintainer ですが、下の顎全体にパカッとはめるタイプのものでした。
永久歯がはえてくる場所を確保するためにつける必要があると説明されたのですが、昨日の先生からは抜歯後はそのままで大丈夫と言われました。
つけなくても、大丈夫なものなのでしょうか?

度々で申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
回答 回答4
  • 回答者
誠安・瑞石牙医診所(台湾)の王です。
回答日時:2010-12-16 22:43:02
いくらさん

こんばんは。

他院に行かれたのですね。

>昨日、他院の先生にも診察して頂きました。
>今回の先生からも、提案された選択肢は前回同様に

>?クラウン 
>?抜歯 

>でしたが

>?の場合でもうまくいかない事はごくごく稀な例である
>?の抜歯のあとは、何もしないでそのまま永久歯が生えるの待つ

>という点が以前の先生のお話とは違い、抜歯の方を強く勧められるという事もありませんでした。

そうですか。

担当医が受けてきた教育や研修内容で、提案される処置法が全く違ってくるという事がお分かり頂けたのではないかと思います。

今回、掛かられた医師はお二人とも小児歯科専門の先生だったのでしょうか?
日本でもそうですが、出身校の教育理念・実習体制や卒後の研修・トレーニング内容・経歴等で医師の専門スキル(技術的なものから専門知識まで)が違ってくる事があります。

台湾では「児童牙科医師」という小児歯科学会に所属している認定医がいます。
その多くの先生方がアメリカの小児歯科学会のメンバーかスペシャリストの資格をお持ちなので(ないと、認定医の資格がもらえないようです・・・)小児歯科に関する専門知識は一般歯科の先生よりはお有りになるかと思います。
もしまだご不安でしたら、そちらの先生に一度掛かられたら如何でしょうか?
または、大学・総合病院の「児童牙科」でサード・オピニオンを得られては?


>最初の先生に言われた space maintainer ですが、下の顎全体にパカッとはめるタイプのものでした。
>永久歯がはえてくる場所を確保するためにつける必要があると説明されたのですが、昨日の先生からは抜歯後はそのままで大丈夫と言われました。
>つけなくても、大丈夫なものなのでしょうか?

実際に診ていないのでコメントの仕様がありませんが、お子さんの年齢からして、「個人的には」必要だと思っています。

ある時期を過ぎますと、乳歯の根は下に待機している永久歯の萌出で根の先からだんだんと溶けていきますが、乳歯を早い時期に安易に抜いてしまうと、その後の永久歯の萌出を遅らせてしまったり、後ろの歯が前に寄ってくるなどの問題が生じますので、永久歯とバトンタッチするまでは咀嚼歯列の維持のためにも出来るだけ残すように努めたほうが良いと思っています。

どうしても抜かなくてはならない場合は、歯列の乱れを防止するために保隙装置を考える必要があると言えます。

保隙装置は予防管理型の治療観念なので、将来的に歯列が乱れても気にしないというのであれば、付けなくても通常の生活が出来ますし、極端な話、戦前・戦後、昭和初期(それ以前の時代も)の子供は誰一人付けていませんでしたが、皆それなりに成長し普通に生活していますよね。
歯列の乱れは必ずしも一つのファクターで決まることではないのですが、保隙装置を付けるメリットは「乱れるリスクを減らすこと」だと認識されたら良いと思います。

二番手の先生も「歯列が乱れても大丈夫」派?の医師かもしれませんし、乳歯間の隙間が広い、顎が大きい、永久歯が今にも生えてきそう?などといった所見があったためなのか、または保隙装置をご存じでないのか、作れないのかetc・・・で、そう提案した・・・?

やはり、実際に診察しておりませんので、全て憶測でしかお答え出来ません・・・・・。


お大事に。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: いくらさん
返信日時:2010-12-16 23:52:47
こんにちは。


王先生、ご丁寧にご回答いただきましてありがとうございました。

初めての事で経験・知識が無いものですから、不安な事が多々あり、ここで相談させていただきましたが、先生達から頂いたアドバイスのお陰で、大分安心できるようになりました。

頂きましたアドバイスを元に、こちらの先生と相談して、治療方法を決めたいと思います。

お忙しい中、本当にありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。



タイトル 乳歯の破折。根管治療で冠をかぶせるか、抜歯か二つの選択肢(台湾)
質問者 いくらさん
地域 非公開
年齢 6歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ ぶつけたり、打ったりして抜けた
小児歯科治療
抜歯:乳歯(子供の歯)
乳歯(子供の歯)が抜けた・抜歯予定
歯をぶつけた、歯が欠けた・抜けた
台湾
乳歯の抜髄、根管治療
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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