歯槽膿漏。家族への感染を防ぐには

相談者: ryuryuryuさん (38歳:男性)
投稿日時:2010-12-28 20:39:30
こんにちは。

気になることがあり、ウェブを色々検索していて、こちらの相談版にたどりつきました。
お世話になります。

実は私は歯槽膿漏なのですが、相談内容というのは、もしできるのでしたら、その感染予防としてどういうことをしたらよいか教えていただけませんでしょうか(例えばキスをしない、同じ皿のものを食べない、などあるのでしょうか)。


現在妻と二人暮らし、子供も欲しいと思っています。
妻は歯槽膿漏ではありません。

自分は歯槽膿漏で苦労しているので、家族にその苦しみを味わわせたくありません。
先日友人との会話で歯の話になり、歯槽膿漏って感染するんだっけ?と言われ非常に驚き心配になりました。

お忙しいところを大変申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2010-12-28 20:48:42
こんばんは。

歯槽膿漏感染予防についてですね。

お考えになっているとおりであると思います。

例えばキスをしない、同じ皿のものを食べないその通りだと思います。

歯槽膿漏を家族にうつさないことを重視していらっしゃるのでしたら、まずは我慢していただく方が良いです。

そのうえで適切な治療も受けて下さい。

回答 回答2
  • 回答者
当サイト登録医としてふさわしくないと判断したため、ご退会頂きました。(不正請求による保険医登録取り消し、H26.12.10)
回答日時:2010-12-28 21:56:14
お子さんのおはなしですね。

3歳までにだいたいの口腔内の細菌叢が決まります。
虫歯菌歯周病菌などの割合が決まってきます。

ですので箸での口移しやあたたかいものを冷やすフーフーなども細菌感染の一つの原因です。

それよりもお父様お母様が虫歯歯周病の治療はもちろんのこと予防感染させないプラ―クコントロールによる細菌の絶対数を減らせばよいと思っております。

大切なのは周りの環境でもあります。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-12-29 05:23:47
ryuryuryuさまおはようございます。

ご自身が歯周病で長年苦労なさっていて家族にこの思いをさせたくないと考えていらっしゃるのですね。
お気持ちよく理解できます。


歯周病はミクロでみれば感染症なのですがマクロで見れば生活習慣病です。
したがってその原因は生活習慣の中に潜んでいます。
ですから有る意味歯周病を治すのは難しい面があります。

即ち生活習慣の改善をしなければ治癒は見込めないと言うことになります。
今まで長年続けてきたものを替えるというのはそれほど簡単なことではありません。

また長年歯周病治療にかかわってきて感じるのは歯周病に対する抵抗力の差が個人によってかなりありそうなことで。
ryuryuryuさまの場合は年齢から考えると抵抗力が低いのではないでしょうか。

これは体質のようなもので遺伝する可能性はありそうです。
したがってお子様については少し配慮なさっておいたほうがいいように思います。

具体的には甘党にならないよう3歳まではお菓子を与えない育児をなさるのがいいように思います。

甘党になればお菓子をたくさん食べるようになるのでお口の中にプラークが多量に沈着します。
これが歯周病の原因ですからそのような状態が永く続くと歯肉炎からやがて歯周病になってしまうと思います。

ryuryuryuさまについてはお菓子を食べ過ぎないことと歯磨きを上達すればおそらく治ってしまうと思います。

参考:
歯周病 http://yamadashika.jp/perio.html
歯周病を歯磨きで治す?? http://yamadashika.jugem.jp/?eid=1830

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2010-12-29 08:57:46
おはようございます。

確かにご心配されているようにキスなどで、口腔内細菌の感染は起こります。

しかし、それが即、歯槽膿漏の発症につながるかといえばそうではないと思います。

山田先生がおっしゃっておられるように、歯周病の発症には生活習慣や喫煙、体質など、多くの要素が関わっています。


また、奥様の口腔内にもすでに常在菌はいてある程度の縄張りをつくっているはずですから、ご主人とのキスなどで、その菌叢が劇的に変わるとは考えにくいと思います。


ですので、お子様が出来た際にはお子様への配慮は必要だとは思いますが、奥様とのコミュニケーションまでを神経質に制限される必要はないように思います。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2010-12-29 09:08:48
おはようございます。

実はこの話題、専門家の中でも諸説出て仕方ない話題だと思うのですが、私は服部先生や山田先生のお考えに近いと思います。



歯槽膿漏(今は歯周病歯周炎と呼びます)や、むし歯もそうですが、これらは典型的なバイオフィルム歯科で言うプラーク感染症です。

これを単に感染症と捉えるなら脇田先生のご説明通り、

>キスをしない、同じ皿のものを食べない

ことが重要になります。

あるいは抗生剤等で予防したり治癒することも可能になります。



ところが実際にこれらは、少なくとも単独で行ったところで一切効果は期待できない、と言って良いです。
(仮に効果的なら、現在一般的に行われる難しい歯周治療はあっという間になくなるはずです。)

この考え方は原因菌だけを単に悪者と考え、それだけをやっつければ済むという発想なのですが、うまく行かない理由があります。



つまり、実際のところは原因となる細菌と、プラス感染を受ける宿主(つまり人体の免疫力)の両面からこの病態を考えないと説明がつかないということです。

もっと簡単な言葉で例えると、日和見感染(参考:ウィキペディアよりhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E5%92%8C%E8%A6%8B%E6%84%9F%E6%9F%93)という言葉の方がイメージ的に近いと思います。

免疫力旺盛な若年者が普通は歯周炎には絶対にならないことは、この理屈で説明が出来るかも知れません。



他にあと二つ、大事なポイントがあります。

お口の中はそもそも細菌だらけですが、成長の過程で人それぞれに固有の細菌叢というのが完成し、それはもう簡単には変化することはありません。

aと言う名前の細菌、bと言う細菌、c、d・・と400種類〜600種類ぐらい、悪そうな細菌から害のなさそうな細菌、役割の不明な細菌などが入り混じって、全体としてバランスを保っている状態です。

ここに新しい菌(例えば食品中の雑菌や、他人の唾液でも良いです)が飛び込んできても、簡単にバランスは崩しませんので、通常すぐに駆逐されてしまいます。

ヤク○ト飲んでも簡単には調子は変わらないのと一緒ですし、すでに「出来上がっている」宴会にシラフの新入りは入っていけないイメージですね。

ただし、中身のバランス(人で例えるなら男女比や平均年齢、人種比率など)は変わりにくくても、総数(総人口)を変えることは簡単ですし、そうすることでバランスの変化も理論上起きやすくなります。

歯周炎に絞って説明をすると、プラークが分厚くなればなるほど底の方に嫌気性菌と呼ばれるグループの菌が増えます。
要は酸素の要らない、ジメジメした環境を好むお風呂場のカビの様な種類の菌です。

これらはいわゆる歯周病の原因ではないかと長年疑われてる菌になりますので、プラーク量(総人口)を減らすというのは確実に有効な方法になります。

これがつまり「プラークコントロール」で、上手な歯磨きや、食習慣、生活習慣の変容がこれにあたります。
決して他からの感染を予防したり、特定の薬を飲んだりする訳ではありませんね。

因みに、細かく見ていくとむし歯の発生の仕方も似ていますので、お口の病気に関してはほぼプラークコントロールで何とかなると考えることが出来ます。



それと最後にもう一つ。

根本的なところなのですが、歯周病の原因菌と呼ばれている菌が、本当に歯周病を引き起こしているのかがそもそも不明です。
・・だと思います。

なんらかの原因があって歯周病になりさえすれば歯ぐきは腫れて、深い歯周ポケットが出来ますから、その環境下で繁殖しやすい菌は自然と決まっています。

つまり歯周病と言う環境下で結果的に増えてしまった菌なのか、歯周病そのものを引き起こしている原因菌なのかと言う区別が、今はまだついていない状況と考えることも出来ます。



一方で確実に証明出来ていることは、特定の菌がどうこうということよりも、総数を減らすことが予防においても治療においてもとても有効だということです。



服部先生のご説明通り、今しておかれた方が良いことは、歯周治療を受けること、出来る範囲のプラークコントロールを行い、環境を良くすることに尽きるかと思いますよ。

自己免疫力は精神状態に大きく影響を受けやすいですから、個人的には夫婦間や親子間のスキンシップはむしろお勧め致しますね。



私も近い歳ですけど、ちょうど一昨日無事産まれてくれました^^

歯周治療もお子さんのことも、どちらも無理せず頑張って下さいね。

お大事にどうぞ。




タイトル 歯槽膿漏。家族への感染を防ぐには
質問者 ryuryuryuさん
地域 非公開
年齢 38歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 歯周病(歯槽膿漏)予防
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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