6番抜歯。歯周組織再生療法、インプラント実施までの期間(アメリカ)

相談者: さかざきさん (33歳:男性)
投稿日時:2011-02-15 16:04:44
はじめまして、昨年よりアメリカに居住している者です。

先日、十年ほど前に日本にて神経を抜いて根の治療を行った左下奥6番(アメリカ式18番))の歯がぐらつくことに気づき、地元の歯医者にいったところ、

「この歯は、もはや実質的に歯茎とのつながりを失っていて、歯とはいえない、すぐに抜いたほうがよい」

といわれて、今年2月抜歯しました。

このたびは、この後の対応についてご相談差し上げたく投稿いたしました。

なお、当方、現在すんでいる場所から、今年の夏ころアメリカの都市部に引越し、来年2012年の秋に帰国する予定となっており、一年半強は帰国が難しい状況にあります。

抜歯の後、歯科医の先生に、

「年齢も若いのですぐにインプラントすることを薦める。」

といわれたのですが、今年の夏に都市部に引越しをすることが決まっていたため、その旨を説明してどうせなら移動してからのほうがいいのではないかと思うと伝えると、以下のとおり回答がありました。

「抜歯した土台の骨の部分が足りないから、今すぐにインプラントのための土台を整えないと、夏に歯医者にかかっても、インプラントはできない、といわれることになる可能性がある。」

「抜歯後3週間から4週間たてば、土台の骨をしっかりさせる施術を行うことが可能となる。
具体的には、歯茎の中にカルシウム等を入れる方法によって土台の骨をしっかりとさせることができる。
土台に関する施術費用は約560ドル程度である。」

「数ヶ月間この方法をとらない場合は、穴が開いた状態のままで放置することになる。
そうすると、夏ころには時間の経過とともに骨が減少してしまい、インプラントができないといわれてしまう恐れがある。
また、周りの歯(7番と5番)にもよくない。」

なお、左下6番は、抜歯する際にはすでに歯が相当ぐらぐらしており、上下にすら一定程度に動くほどの状態で、歯周ポケットも相当な広さでした。

大変恥ずかしながら自分の歯が抜歯になるとは思っておらず、保険の関係で3ヶ月程度放置しており、その間にそのような状態になっていました(神経を抜いていたので痛みがなく大丈夫だろうと思っていました。)。

また、左下5番と7番は、いずれもかぶせものをしていますが神経を抜いておらず、特に違和感はありません。5番周囲は6番の抜歯前には歯周病がひどかったのですが、回復してきました(ただ、先週歯のクリーニングを行ってもらったときには同部位周囲の歯周の深さは4mm程度はあったようです。ぐらつき等はありません。)。ただ、抜歯後の6番の位置から5番と7番の歯肉を見ると、少しえぐれてるようにも見えて不安に思っています。


自分としては以下の希望をもっています。

− 左下5番、7番を含むほかの歯ができるだけ長く健康であることを最優先したい。

− 他の歯に悪影響がなく、インプラントをすることができるのであれば、インプラントしたい。

− インプラントをする時期は、不便さとの関係では、いつでも構わない、一定期間歯が無くて不便な時期が続くことは仕方が無いと考えている。

− できれば後のことを考えれば、日本でインプラントしたい。

しかし、歯周組織再生療法やインプラントを早期にしなければ今後インプラントができなくなる可能性があるのであれば、それらを早期にしたいと考えている。
その場合は、できるなら、今いる都市でなく、抜歯から6ヶ月たった後、都市部移動後に行いたい。

− 最善の選択であれば費用は仕方がかかっても仕方が無いと考えている。


このような状況下で、以下について先生方のご意見をお聞かせ願えないでしょうか。

1) 今かかっている先生がおっしゃっているのは、

「抜歯後にGBR法による歯周組織再生療法を行わなければ、時間の経過とともに骨が減少してしまい、インプラントができない恐れがある。」

という趣旨だと理解しているのですが(改めて担当歯科医の先生に確認はします。)、即時にインプラントをすることを希望しない場合でも、インプラントのためには抜歯後すぐに歯周組織再生療法を行ったほうがよいこともあるのでしょうか。

2) 歯周組織再生療法だけを別の歯科医の先生に試みてもらい、インプラントを他の先生にお願いすることに問題はないでしょうか(もし海外在住中にインプラントを行うのであれば、できれば引っ越した後に歯周組織再生療法の要否も含めてインプラントの検討してもらいたいと思っています。)。

3) 抜歯後日本に帰るまでの2年弱の間、又は抜歯後引越しまでの6ヶ月間、抜歯部位をそのままにし、その後、歯周組織再生療法の要否可否を含めて、インプラントについて検討してもらうことも可能でしょうか(そうするとその期間に骨が減少してインプラントができなくなるということはありますでしょうか。)。

4) 現状、歯科医の先生に歯を抜いていただいただけでそのまま穴が開いている状態なのですが、そのような状態で2年弱の間、又は6ヶ月程度放置することは、6番の抜歯部位や周りの歯(7番と5番)の維持にとってよくないことでしょうか?

周りの歯の傾く可能性、反対の歯が伸びてくる可能性自体があることは他の相談者の方のご相談を参照して理解しましたが、その他に6番の抜歯部位や他の歯の維持のために強い必要性があれば、海外在住中のインプラントもやむをえないと思っています。

5) 仮に抜歯部位を一定期間放置する場合、抜歯部位のメンテナンスの方法はどのようなものになりますでしょうか(電波歯ブラシを抜歯部位に当てて汚れを取り除くような方法で問題ないでしょうか。)。

長文になってしまいましたことご容赦ください。
ご回答を頂ければうれしく思います。
どうぞよろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
泉川歯科医院(茨城県笠間市)の泉川です
回答日時:2011-02-15 18:03:13
さかざきさん、こんにちは!

海外在住ということで、いろいろとお悩みですか。

インプラント処置等や歯の複雑な処置等は、日本人の顎骨状態や体質、歯の組織等で若干ことなりますので、アドバイスになりますが、出来れば、海外で処置等を行なう場合、日本人(東洋人)の体質や骨格状態などを、熟知されたDRにかかられた方が、一概には言えないと思いますが、よろしいかと思いますが。

ご参考まで。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2011-02-15 18:22:25
実際に診ていないので断定は出来ませんが、抜歯したとの骨の欠損状態が今後2年このまま何も処置せずにいると、将来インプラントが出来ないほど高度に吸収している状態だと、骨造成自体非常に難しい処置になると思います。

6ヶ月後に抜歯窩がしっかり治癒した段階で、もう一度インプラントについて診査診断を受けられるのがよろしいかと思います。

またそれまでの間、隣接する歯の移動や対合歯挺出を防止する為に、可撤式の義歯を作成すると良いと思います。

その間のメンテナンスは、残っている歯をしっかりとブラッシングすることです。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2011-02-15 19:18:03
>1)

歯槽骨抜歯を行うと、多かれ少なかれ吸収が起こります。

その吸収が許容範囲であれば、インプラントによる治療は可能でしょう。

歯周組織再生療法が必要か否かは、さかざきさんの骨がどの程度残っているかによります。


>2)

問題はありませんが、骨補填剤の好みなどもありますので、できれば同じ先生にお願いしたほうが良いでしょう。


>3)

可能ですが抜歯直後に再生療法を行うより、難易度が増す可能性はあります。


>4)

6ヶ月くらいであればまず問題となることはないと思いますが
、2年となるとだいぶ変化する可能性はあります。

6番部に1本分の義歯を装着しておくことで、スペースの問題は
解決されるでしょう。


>5) 

自分でできていると思っても、意外と磨き残しは存在していることが多いです。

やはり定期的に歯科医院検診を行うとともに、歯石歯垢の除去は行われたほうが良いとおもいます。

参考になれば幸いです。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2011-02-16 09:34:37
そうですね…。

以下、実際に拝見していないので、何とも言えませんが、僕の私見と言う事でお読みください。


>1)「抜歯後にGBR法による歯周組織再生療法を行わなければ、時間の経過とともに骨が減少してしまい、インプラントができない恐れがある。」

抜歯に至るまでの病気の状況や骨の状態がわからないので、何とも言えませんが、さかざきさんの年齢、左下6番部と言う事から考えると、「早急に骨造成が必要」と言うケースは少ないと思います。

もちろん、見栄えやインプラントの植立位置など、ベストな状態を望むのであれば、骨造成を行う事は悪いとは思いませんが、抜歯後、数カ月待ってCTで骨の状態を確認してからGBRなどを検討されても遅くは無いと思います。



>2) 歯周組織再生療法だけを別の歯科医の先生に試みてもらい、インプラントを他の先生にお願いする

畑田先生も書かれておりますが、できれば1人の歯科医に診てもらった方がよろしいかと思います。

ただ「インターディシプリナリーアプローチ」と言って、専門性の高い処置を連携の取れた複数の歯科医が行う事によって、高いレベルでの処置を提供する事が可能になる場合もあります。

歯周外科の先生と、インプラント担当医が日頃から連携が取れているのであれば、複数の歯科医が関与する事は特に問題は無いと思います。

さかざきさんが「骨造成はA先生に、インプラントはB先生に」と勝手に選ばれるのは決して良い事ではありません。



>3) 抜歯後日本に帰るまでの2年弱の間 〜 インプラントについて検討してもらうことも可能でしょうか

僕の経験上、2年以内であれば、極端にインプラントが難しくなってしまうような事は無いと思います。
(上述したように病気の状態が解らないので何とも言えませんが…)

前後の歯の異動を防ぐと言う意味で部分入れ歯を装着し、2年待って帰国後、じっくりインプラントを検討すると言うのも悪い選択ではないと思います。



>4) 現状、歯科医の先生に歯を抜いていただいただけでそのまま穴が開いている状態なのですが、そのような状態で2年弱の間、又は6ヶ月程度放置することは、6番の抜歯部位や周りの歯(7番と5番)の維持にとってよくないことでしょうか

上記の回答で示したように、必要とあれば部分入れ歯で歯牙の移動を押さえておく必要があるかもしれません。



>5) 仮に抜歯部位を一定期間放置する場合、抜歯部位のメンテナンスの方法はどのようなものになりますでしょうか

畑田先生の書かれているように、プロによるケアも合わせて行われた方が安心かと思います。



以上、私見ですが書かせていただきました。
参考にされてください。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2011-02-16 12:45:25
ご相談ありがとうございます。


目先だけで良いのであれば別ですが、もしお好みであれば、今のご年齢ですと、理想的には、長期的な展望を持って計画を立てる必要があります。

お口の中が分かりませんからこれからは一般的に説明します。


1)

これから何十年も放置するなら別ですが、2年くらい先のために、急ぐ必要はないと思われます。
それは以下の理由です。


>左下6番は、抜歯する際にはすでに歯が相当ぐらぐらしており、上下にすら一定程度に動くほどの状態で、歯周ポケットも相当な広さでした。

これは相当大きな骨の欠損ができたと想像されます。
しかし、歯周病によって通常以上に大きな骨の欠損ができたとすれば、抜歯によって若い分だいぶ自然に骨が戻ってきます。

もちろんそれだけでは不十分でしょうが、それを人工的にもし妨害してしまっては損をします。

さらにGBRをしても長期的には流れてしまい、GBRの長期的効果は疑問とされています。

また人工的な物を入れれば流れませんが、人工物で良いのかやはり長期的には疑問です。

また歯周病が原因だったとすれば、せめて両隣の健康を回復させ、安定させることがまず優先されます。
歯周病治療を成功させ、両隣の健康を回復した骨によって、骨の吸収は短期的には支えられます。

その後に、自分の顎から取ってくる、ブロック骨移植の適応症となりそうです。

抜歯後の処置はとても重要です。
べつに特別な再生治療ではなく、抜歯と同時に、良く掻爬して掃除しておくことは必須です。



2)

十分な連携が取れれば可能でしょうが、そうでない場合はデメリットが大きくなります。



3) 

普通は可能なことが多いと思いますが、それはご担当の先生にご相談下さい。

骨の減少は上に書いたようにあまり心配はないと思います。



4) 

お口の状況によってはあまり変化しないこともあります。
普通は変化しますし、歯周病があれば大きく変化します。
せめて入れ歯歯並びを保護する方法もあります。
ただ入れ歯のデメリットもありますから、きちんと説明をお受け下さい。



5) 

特に手入れは不要です。
しかし、両隣を含む、全体の歯周病治療やむし歯予防は確立させておく必要があります。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: さかざきさん
返信日時:2011-02-16 15:29:13
泉川先生、尾崎先生、畑田先生、タイヨウ先生、さがら先生:

お忙しい中、早速にご回答いただき、ありがとうございました。
海外で日本人の先生の助言がなかなか得られない状況下なので、大変安心しました。

現地の先生とは「なぜ骨を維持するためにすぐにカルシウムをいれなければいけないのか」を完全に話し合えていない状況です。

なので、先生方のアドバイスを踏まえ、まずは、それがなぜかを確認した上で、自分の希望として、

− 抜歯から6ヵ月して引越し後に骨造成の要否、インプラントの可否を一体として見てくれる歯科医を探したい

− できれば抜歯から2年後に日本に戻ってインプラントをしたいと考えている

旨を伝えるようにします。

また、現地の先生には、「インプラントは引越し後にやるにしても、ここでカルシウムをいれる施術は抜歯直後に行うことを非常に強く勧める」と言われていますが、その理由や、その先生に引越し後インプラントを実施する歯科医の先生の紹介・連携等もしてもらえるのか、よく確認してみようと思います。

骨の欠損があっても、抜歯によって若い場合は自然に骨が戻ってくる部分、可能性もあること等の事実も初めて知りました。

そのような可能性の説明は、現地の先生からは受けていないのですが、もし即時に施術を行うことによってその可能性を減少させてしまうとすればまったく不本意なので、本当に慎重にしようと思います。

できれば、場所的に今後長くお付き合いできない先生に施術をしてもらうのは非常に不安なので、すぐに骨造成の施術などせず、6ヵ月後引越後に日本人の体質等を熟知された先生にCTで状況をみてもらった上で、抜歯後2年間は入れ歯歯周病治療とでしのいで、日本に戻ってからインプラントの施術を日本人の先生にお願いできる道はないか、信頼できる先生を探して検討しようと思います。

先生方のアドバイスが無ければ、現地の先生に質問をすることもなく骨造成の手術を受けていたかもしれません。
丁寧なアドバイスをいただき、本当に感謝しております。



タイトル 6番抜歯。歯周組織再生療法、インプラント実施までの期間(アメリカ)
質問者 さかざきさん
地域 海外
年齢 33歳
性別 男性
職業 その他
カテゴリ 抜歯:6番(第一大臼歯)
歯がグラグラする
インプラント治療法
歯茎の異常・トラブルその他
アメリカ(米国)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

歯磨きをしても虫歯になる原因 デンタルフロスは効果無し? 歯ブラシとデンタルフロスどっちが先? 歯科衛生士が就職前に絶対に知っておきたい

Total total   今日 今日   昨日 昨日  
現在 人が閲覧中