歯にヒビが見つかり歯根端切除術を行わないことに。その理由は?(米国)
相談者:
北海道けんさん (38歳:女性)
投稿日時:2011-02-27 14:05:25
こんにちは
はじめまして。米国に居住する者です。
左5番(米国では13番)の歯の件でご相談させていただきます。
以下、治療を時系列で記載いたします。
2000年 日本で最初の神経治療を行う。
シルバーのクラウンを被せる。
以下、すべて米国。
2007年春
食事が噛めないほどの激しい痛みに襲われ、神経再治療を行う。
白いクラウン(米国の保険適用です)を被せる。
2009年春
歯の真上5ミリ辺りの歯茎に直径1ミリ程のにきびのような膿を発見。
担当歯科医に相談、患部が小さいことから様子観察することに。
2011年春
膿は大きくはならないが、気になるため口腔外科医を受診。
レントゲンから歯根の周囲に膿がたまっているため、Apicoまたは抜歯+インプラント(またはブリッジ)の処置が必要と診断される。
同
セカンドオピニオンで歯内歯科医を受診。
後日、同歯内歯科医でApicoを実施するため歯茎を切開してマイクロスコープで歯内を確認したところ、ヒビが認められる。
膿をそうはするのみでApicoは実施せず、切開部分を縫合する。
(ご質問)
1.ヒビがあるとApicoを実施しない理由は何でしょうか?
ヒビには未だ感染が及んでいないと言われました。
2.術後10日経ちますが、歯茎のにきび状の膿はそのままあります。
過去のご相談への回答から「排膿は対症療法」という認識はありますが、私の膿のそうはも意味がなかったということでしょうか?
3.左6番(米国では12番)の歯が、ここ1年ほど浮いたような感じがしています。
詰め物がしてあり、神経治療はしていません。
口腔外科医受診直前に歯科医に相談しレントゲンで確認しましたが、特に問題はないと診断されました。
左5番の歯の状況と関連があるのでしょうか?
4.将来的には抜歯+インプラント(またはブリッジ)治療になると言われましたが、レントゲン検査等、どの位の頻度で行うべきでしょうか?
歯全体の定期検査とクリーニングは、引き続き半年に1回受診するつもりです。
いくつも質問をしてお手数をお掛けいたします。
よろしくお願いいたします。
北海道けん
はじめまして。米国に居住する者です。
左5番(米国では13番)の歯の件でご相談させていただきます。
以下、治療を時系列で記載いたします。
2000年 日本で最初の神経治療を行う。
シルバーのクラウンを被せる。
以下、すべて米国。
2007年春
食事が噛めないほどの激しい痛みに襲われ、神経再治療を行う。
白いクラウン(米国の保険適用です)を被せる。
2009年春
歯の真上5ミリ辺りの歯茎に直径1ミリ程のにきびのような膿を発見。
担当歯科医に相談、患部が小さいことから様子観察することに。
2011年春
膿は大きくはならないが、気になるため口腔外科医を受診。
レントゲンから歯根の周囲に膿がたまっているため、Apicoまたは抜歯+インプラント(またはブリッジ)の処置が必要と診断される。
同
セカンドオピニオンで歯内歯科医を受診。
後日、同歯内歯科医でApicoを実施するため歯茎を切開してマイクロスコープで歯内を確認したところ、ヒビが認められる。
膿をそうはするのみでApicoは実施せず、切開部分を縫合する。
(ご質問)
1.ヒビがあるとApicoを実施しない理由は何でしょうか?
ヒビには未だ感染が及んでいないと言われました。
2.術後10日経ちますが、歯茎のにきび状の膿はそのままあります。
過去のご相談への回答から「排膿は対症療法」という認識はありますが、私の膿のそうはも意味がなかったということでしょうか?
3.左6番(米国では12番)の歯が、ここ1年ほど浮いたような感じがしています。
詰め物がしてあり、神経治療はしていません。
口腔外科医受診直前に歯科医に相談しレントゲンで確認しましたが、特に問題はないと診断されました。
左5番の歯の状況と関連があるのでしょうか?
4.将来的には抜歯+インプラント(またはブリッジ)治療になると言われましたが、レントゲン検査等、どの位の頻度で行うべきでしょうか?
歯全体の定期検査とクリーニングは、引き続き半年に1回受診するつもりです。
いくつも質問をしてお手数をお掛けいたします。
よろしくお願いいたします。
北海道けん
回答1
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2011-02-27 14:32:24
>1.ヒビがあるとApicoを実施しない理由は何でしょうか?
>ヒビには未だ感染が及んでいないと言われました。
ヒビがあった場合抜歯になる可能性が高いからだと思います。
歯根端切除は歯を保存するために行う処置です。
保存不可の歯は歯根端切除の適応外です。
>2.術後10日経ちますが、歯茎のにきび状の膿はそのままあります。
>過去のご相談への回答から「排膿は対症療法」という認識はありますが、私の膿のそうはも意味がなかったということでしょうか?
当然、フィステルがあるという事は感染源が残っていることです。
>3.左6番(米国では12番)の歯が、ここ1年ほど浮いたような感じがしています。
>詰め物がしてあり、神経治療はしていません。
>口腔外科医受診直前に歯科医に相談しレントゲンで確認しましたが、特に問題はないと診断されました。
>左5番の歯の状況と関連があるのでしょうか?
有髄歯ならば根尖病変はできません。
他の原因が有ると思います。
>4.将来的には抜歯+インプラント(またはブリッジ)治療になると言われましたが、レントゲン検査等、どの位の頻度で行うべきでしょうか?
>歯全体の定期検査とクリーニングは、引き続き半年に1回受診するつもりです。
一般論としてですが、半年程度でいいと思いますが、実際の患者様の口腔状態、清掃状態によって変わってきます。
>セカンドオピニオンで歯内歯科医を受診。
>後日、同歯内歯科医でApicoを実施するため歯茎を切開してマイクロスコープで歯内を確認したところ、ヒビが認められる。
>膿をそうはするのみでApicoは実施せず、切開部分を縫合する。
私見ですが、ヒビがあり感染しているのなら抜歯の適応だと思います。
>ヒビには未だ感染が及んでいないと言われました。
ヒビがあった場合抜歯になる可能性が高いからだと思います。
歯根端切除は歯を保存するために行う処置です。
保存不可の歯は歯根端切除の適応外です。
>2.術後10日経ちますが、歯茎のにきび状の膿はそのままあります。
>過去のご相談への回答から「排膿は対症療法」という認識はありますが、私の膿のそうはも意味がなかったということでしょうか?
当然、フィステルがあるという事は感染源が残っていることです。
>3.左6番(米国では12番)の歯が、ここ1年ほど浮いたような感じがしています。
>詰め物がしてあり、神経治療はしていません。
>口腔外科医受診直前に歯科医に相談しレントゲンで確認しましたが、特に問題はないと診断されました。
>左5番の歯の状況と関連があるのでしょうか?
有髄歯ならば根尖病変はできません。
他の原因が有ると思います。
>4.将来的には抜歯+インプラント(またはブリッジ)治療になると言われましたが、レントゲン検査等、どの位の頻度で行うべきでしょうか?
>歯全体の定期検査とクリーニングは、引き続き半年に1回受診するつもりです。
一般論としてですが、半年程度でいいと思いますが、実際の患者様の口腔状態、清掃状態によって変わってきます。
>セカンドオピニオンで歯内歯科医を受診。
>後日、同歯内歯科医でApicoを実施するため歯茎を切開してマイクロスコープで歯内を確認したところ、ヒビが認められる。
>膿をそうはするのみでApicoは実施せず、切開部分を縫合する。
私見ですが、ヒビがあり感染しているのなら抜歯の適応だと思います。
回答2
水野歯科医院(岐阜県土岐市)の水野です。
回答日時:2011-02-27 14:49:28
回答3
誠安・瑞石牙医診所(台湾)の王です。
回答日時:2011-02-27 16:17:36
こんにちは。
左5番(13番なので上顎ですね)のことでお悩みのようですね。
>1.ヒビがあるとApicoを実施しない理由は何でしょうか?
>ヒビには未だ感染が及んでいないと言われました。
実際に診たわけではないので、あくまでも憶測になりますが、記述内容からして、根尖エリアの感染病巣(下のほう)とは別箇所(根の真ん中・歯茎寄りの上のほう)にヒビがあったのではないかと思います。
この様な場合は、位置的にApicoectomyを施せませんし、施しても無意味ですので、確定診をして、そのまま閉じることがあります。
簡単に言い換えますと、例えば、根尖病巣の原因が根管内の感染+根尖部位に小さくて短かいヒビであれば→再根管治療+Apicoもある程度可能で意義ある処置になるかと思いますが、ヒビが長く太く、又は別の部位にある場合は、根尖部位にApicoを施しても、ヒビのある箇所は切除・修復出来ませんので、結果的には予知性が悪い、保存不可の歯になります。
フィステルが出るたびに、Apicoを何回も施すような先生もいらっしゃいますが、歯冠/歯根の比率がどんどん悪くなって、結果的には抜歯になります。
対処法よりも根本的な方法で治療されたほうが長い目で見て良いように思えます。
>2.術後10日経ちますが、歯茎のにきび状の膿はそのままあります。
>過去のご相談への回答から「排膿は対症療法」という認識はありますが、私の膿のそうはも意味がなかったということでしょうか?
数日前に海外から似たようなご質問を受けましたので、参考に覗いてみて下さいね。
⇒参考:歯茎の炎症(細菌)の海外での治療方法について
>3.左6番(米国では12番)の歯が、ここ1年ほど浮いたような感じがしています。詰め物がしてあり、神経治療はしていません。
>口腔外科医受診直前に歯科医に相談しレントゲンで確認しましたが、特に問題はないと診断されました。
>左5番の歯の状況と関連があるのでしょうか?
左6番は14番ですよ。
12番は左4番です。
直接的な関連性があるかどうかは、実際に診ませんとお答えできませんが、隣接歯であるので感覚伝達で多少そう感じられる方もいます。
>4.将来的には抜歯+インプラント(またはブリッジ)治療になると言われましたが、レントゲン検査等、どの位の頻度で行うべきでしょうか?
>歯全体の定期検査とクリーニングは、引き続き半年に1回受診するつもりです。
予防的な定期検査であれば半年に一度の頻度で良いと思いますが、今回の問題は「フィステル/膿を抱えたまま」の定期検査というわけですから・・・・・なんとアドバイスしたら良いのか悩むところです。
歯根の状態が既に保存不可で、局部に存在する感染排除が既に出来ないと確定されているような状態であれば、固執にその箇所に歯を放置して「定期検査」をしても、何の目的の「定期検査」か分からなくなります。
ニュアンス的に「経過観察」のほうが近いかもしれませんが、将来的に補綴治療でインプラントかブリッジを視野に入れられているのであれば、包括的な治療計画を立てられたほうが良いように感じます。
保存不可で感染源が常に歯槽骨を破壊し続けている様な歯をだらだらと残されても、将来的にインプラントを施す際に、歯槽骨の状態が悪くなりすぎてしまいます。
そうなりますと、更なる処置が必要となります。(GBRなど)
5番の一本の歯ではなく、上顎左エリアを一つの区域として捉えた包括的な治療計画が必要だと思いますよ。
(下の歯も噛み合わせで関わってくるので、本当は口腔一単位として捉えてほしいですね)
根管治療や歯の保存に於いて、「木を見て森を見ず」の治療は無意味だと思っています。
参考になさって下さい。
左5番(13番なので上顎ですね)のことでお悩みのようですね。
>1.ヒビがあるとApicoを実施しない理由は何でしょうか?
>ヒビには未だ感染が及んでいないと言われました。
実際に診たわけではないので、あくまでも憶測になりますが、記述内容からして、根尖エリアの感染病巣(下のほう)とは別箇所(根の真ん中・歯茎寄りの上のほう)にヒビがあったのではないかと思います。
この様な場合は、位置的にApicoectomyを施せませんし、施しても無意味ですので、確定診をして、そのまま閉じることがあります。
簡単に言い換えますと、例えば、根尖病巣の原因が根管内の感染+根尖部位に小さくて短かいヒビであれば→再根管治療+Apicoもある程度可能で意義ある処置になるかと思いますが、ヒビが長く太く、又は別の部位にある場合は、根尖部位にApicoを施しても、ヒビのある箇所は切除・修復出来ませんので、結果的には予知性が悪い、保存不可の歯になります。
フィステルが出るたびに、Apicoを何回も施すような先生もいらっしゃいますが、歯冠/歯根の比率がどんどん悪くなって、結果的には抜歯になります。
対処法よりも根本的な方法で治療されたほうが長い目で見て良いように思えます。
>2.術後10日経ちますが、歯茎のにきび状の膿はそのままあります。
>過去のご相談への回答から「排膿は対症療法」という認識はありますが、私の膿のそうはも意味がなかったということでしょうか?
数日前に海外から似たようなご質問を受けましたので、参考に覗いてみて下さいね。
⇒参考:歯茎の炎症(細菌)の海外での治療方法について
>3.左6番(米国では12番)の歯が、ここ1年ほど浮いたような感じがしています。詰め物がしてあり、神経治療はしていません。
>口腔外科医受診直前に歯科医に相談しレントゲンで確認しましたが、特に問題はないと診断されました。
>左5番の歯の状況と関連があるのでしょうか?
左6番は14番ですよ。
12番は左4番です。
直接的な関連性があるかどうかは、実際に診ませんとお答えできませんが、隣接歯であるので感覚伝達で多少そう感じられる方もいます。
>4.将来的には抜歯+インプラント(またはブリッジ)治療になると言われましたが、レントゲン検査等、どの位の頻度で行うべきでしょうか?
>歯全体の定期検査とクリーニングは、引き続き半年に1回受診するつもりです。
予防的な定期検査であれば半年に一度の頻度で良いと思いますが、今回の問題は「フィステル/膿を抱えたまま」の定期検査というわけですから・・・・・なんとアドバイスしたら良いのか悩むところです。
歯根の状態が既に保存不可で、局部に存在する感染排除が既に出来ないと確定されているような状態であれば、固執にその箇所に歯を放置して「定期検査」をしても、何の目的の「定期検査」か分からなくなります。
ニュアンス的に「経過観察」のほうが近いかもしれませんが、将来的に補綴治療でインプラントかブリッジを視野に入れられているのであれば、包括的な治療計画を立てられたほうが良いように感じます。
保存不可で感染源が常に歯槽骨を破壊し続けている様な歯をだらだらと残されても、将来的にインプラントを施す際に、歯槽骨の状態が悪くなりすぎてしまいます。
そうなりますと、更なる処置が必要となります。(GBRなど)
5番の一本の歯ではなく、上顎左エリアを一つの区域として捉えた包括的な治療計画が必要だと思いますよ。
(下の歯も噛み合わせで関わってくるので、本当は口腔一単位として捉えてほしいですね)
根管治療や歯の保存に於いて、「木を見て森を見ず」の治療は無意味だと思っています。
参考になさって下さい。
相談者からの返信
相談者:
北海道けんさん
返信日時:2011-03-01 11:00:46
細見先生、水野先生、王先生
ご回答とご助言ありがとうございます。
王先生がご指摘されたとおり「左6番」は「米国式14番」の記載間違いです。
日本式で上下の記載もなく大変失礼いたしました。
間違い・不確かな記載があるなか、先生方にご回答いただきましたこと感謝しております。
ひびと抜歯の件は、他の文献によっても納得がいくご指摘です。
一方、こちらで受診した歯科医4名中、3名が「将来の抜歯は避けられないが、しばらく様子をみましょう」と判断された対照性は非常に興味深いものがあります。
私も担当医もひびの入った歯を放置しておくことのリスクも承知しておりますので、今回先生方からいただいたご意見を参考にさせていただきながら、担当医と今後の処置計画を立てていきたいと思います。
あらためまして、ありがとうございました。
北海道けん
ご回答とご助言ありがとうございます。
王先生がご指摘されたとおり「左6番」は「米国式14番」の記載間違いです。
日本式で上下の記載もなく大変失礼いたしました。
間違い・不確かな記載があるなか、先生方にご回答いただきましたこと感謝しております。
ひびと抜歯の件は、他の文献によっても納得がいくご指摘です。
一方、こちらで受診した歯科医4名中、3名が「将来の抜歯は避けられないが、しばらく様子をみましょう」と判断された対照性は非常に興味深いものがあります。
私も担当医もひびの入った歯を放置しておくことのリスクも承知しておりますので、今回先生方からいただいたご意見を参考にさせていただきながら、担当医と今後の処置計画を立てていきたいと思います。
あらためまして、ありがとうございました。
北海道けん
タイトル | 歯にヒビが見つかり歯根端切除術を行わないことに。その理由は?(米国) |
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質問者 | 北海道けんさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 38歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
歯根端切除術 アメリカ(米国) 歯根破折 |
回答者 |
|
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
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