下顎の位置が不安定です。矯正前にはスプリント治療が必要ですか?

相談者: おみやさん (32歳:女性)
投稿日時:2011-07-06 01:00:32
こんにちは。

歯科選びのため複数の矯正歯科で相談させてもらっています。


私は上顎前突で、下顎は後退しており、普段の下顎の位置は口を閉じるために物を噛むときよりも1cmほど前にずれている状態です。
顎関節症のような症状は出ていません。

外科手術も勧められたのですが、仕事を休めないので普通の矯正で考えています。



ただ、最後に相談に行った歯科で、私の顎は矯正に入る前にスプリント治療が必要だと言われました。

下顎が不安定なので、顎の位置を安定させないと矯正後の噛み合わせに問題が出る可能性があると言われたのですが、スプリントを使うと口が今以上に閉じにくくなるだろうと言われました。


しかし長期間、出っ歯を強調し口が閉じられない顔で過ごすというのはどうしても踏み切れません。

他の先生には何も言われませんでしたしスプリントは避けたいのですが、ここでの質問を見ていますと矯正後の噛み合わせのトラブルも多いようなので少し不安になってきました。


顎の位置が不安定な人でもスプリント無しでの矯正で上手くいくことも多いのでしょうか?


また、周りではスプリントを採用していない歯科が多いようなのですが、これは先生方の間でも意見が分かれるということなのでしょうか?

迷ってどこで矯正をお願いするか、それとも断念するか決められずにいます。
どうぞよろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2011-07-06 06:06:09
おはようございます。

あくまでも私の場合に限りますが、顎の位置が不安定でどの位置でかみ合わせを作っていくのが良いのか、矯正治療前に診断のためにスプリントを使用することはあります。

また、顎関節症状があり、それを落ち着かせるために用いる場合もあります。
ただ全員に用いているわけではなく、必要に応じてです。



矯正のスタディーグループの中には、治療開始前にスプリントを終日使用させることを推奨しているところもあります。

スプリントを採用しているか否かということに関しては意見が分かれるところだと思います。



>顎の位置が不安定な人でもスプリント無しでの矯正で上手くいくことも多いのでしょうか?

「うまく行くか、行かないか?」と単純に二者択一を求められると、返答が難しいところでしょうね。
担当の先生のお考えによる部分が多くなるように思えます。


顎の位置が不安定な場合はどの位置でかみ合わせを作るか、ということが問題になってきます。

この「どの位置で」ということに関しても歴史的にいろいろな論議がなされてきていて、歯科の中の永遠のテーマであると、私は思っています。


担当の先生によくお話を聞いてみて下さい。

回答 回答2
  • 回答者
伊藤矯正歯科クリニック(名古屋市中区)の伊藤です。



※2013年9月14日までは伊藤和明先生、それ以降は伊藤雅大先生がご回答されています。
回答日時:2011-07-06 08:24:35
矯正前にスプリントを用いて、下顎の位置を安定させてから再診断して方針を決定する考え方の先生方もいらっしゃいます。

通常スプリントはフルタイム使用で、使用後には一時的に症状が悪化(安定位)することも多いです。
そのため再診断時には顎矯正手術を勧められる可能性が増えます。

ただこの方法を純粋に取り入れている先生は少なくはないですが、決して多くはありません。



一般的には下顎位を確認しながら歯を動かしている先生が多いと思います。
これは口で言うのは簡単ですが、個々の先生の見方によって手法は違ってきます。

スプリントを使用しない先生でも、少なくとも、顎関節の状態、下顎位についての考え方をお示ししていただけることが望ましいと思います。


どちらにしても、それぞれの先生からよくお話をお聞きになって、納得されたところで矯正開始されたらどうでしょう。

回答 回答3
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2011-07-06 11:11:39
>下顎が不安定なので、顎の位置を安定させないと

何故、下顎(位)が不安定なのかといった原因が鍵になろうかと思います。




スプリントを装着して、筋肉によって誘導される下顎の位置が安定したものであれば、その手法も一案かもしれません。
筋肉が気まぐれ者で無ければ良いのですが・・。




昨夜、読んでいた本”顎関節かみ合わせの悩みが解決する本 木野孔司 講談社”p.119-p.120に

「起床時にマウスピースを口に入れておくと調子がいいと感じて使用時間を延ばすとしても、24時間連続使用してはいけません。」

とありました。症状や装置に差はあろうかと思いますが、参考にされたら良いと思います。

回答 回答4
  • 回答者
伊藤矯正歯科クリニック(名古屋市中区)の伊藤です。



※2013年9月14日までは伊藤和明先生、それ以降は伊藤雅大先生がご回答されています。
回答日時:2011-07-06 11:36:30
「起床時にマウスピースを口に入れておくと調子がいいと感じて使用時間を延ばすとしても、24時間連続使用してはいけません。」

これは顎関節症の治療の一環として、可逆的治療をもくろむときの考え方です。
終日使用により咬合が変わってきて、かみ合わなくなるのを避けることを考えているわけです。



おみやさんの場合には、矯正治療を前提として、むしろ非可逆的治療の一環として行うわけです。
もし顎関節、筋肉の安静、安定が図れれば、下顎の位置も当然安定してきますので、その位置を出発点として次の手(顎矯正手術併用、矯正治療単独など)を考えることになります。

回答 回答5
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2011-07-06 12:38:38
伊藤先生

有難うございます。




矯正治療を前提として、むしろ非可逆的治療の一環として行うわけです。

そうでしたか。
スプリントが診断のためでなく、装着時に既に非可逆的な治療に入るとしたら、術前に非常に高度な診断能力が必要になろうかと思われます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: おみやさん
返信日時:2011-07-06 20:10:01
福山先生、伊藤先生、藤森先生
ご回答いただきありがとうございました。


顎の位置と噛み合わせというのは難しいんですね。
自分でも食べるとき、寝るとき、日常生活とではどれも顎の位置が違いますので難しいんだろうなと感じています。


でも一般的にはスプリントを使用せずに矯正されている先生方が多いということで、スプリントのために矯正を断念する必要はないんだと少し安心しました。

また、使用されている先生でも必ずするというわけではないんですね。


最初に相談に行ったときは顎のことなど考えていなかったので質問もしませんでした。
改めてどのように調節していくのかを尋ねて、納得してから矯正に踏み切ろうと思います。


どうもありがとうございました。



タイトル 下顎の位置が不安定です。矯正前にはスプリント治療が必要ですか?
質問者 おみやさん
地域 非公開
年齢 32歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯列矯正の治療法
上顎前突(出っ歯)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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