根管治療中、ダイビングは可能でしょうか? (韓国)
相談者:
ソネさん (38歳:女性)
投稿日時:2011-09-03 14:27:40
韓国で治療中、来週月曜から2週間東南アジアへ行きます。
言葉の問題があり、先生のお話しがある程度しか理解できていない状態です。
とても不安なので相談させていただきました。
(歯の状態)
左下5番の根幹治療中です。
昨日2回目の治療、消毒後、薬を入れて仮蓋をした状態です。
二週間後(旅行後)、また消毒して薬を入れ仮蓋するそうです。
疲れないようにし、お酒を飲まなければ大丈夫と言われました。
少々痛みますが、我慢できないほどではありません。
(質問)
◆旅行中、ダイビングをしようと思っています。
3気圧くらいですが、大丈夫でしょうか?
歯の中に空気泡があった場合、気圧で空気が膨らみ、仮の詰め物が取れてしまうという話しを聞いたことがあり、不安です。
◆もし仮蓋が取れてしまった場合の応急処置は、歯科に行って仮蓋さえしてもらえばいいのでしょうか?
ご助言いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
言葉の問題があり、先生のお話しがある程度しか理解できていない状態です。
とても不安なので相談させていただきました。
(歯の状態)
左下5番の根幹治療中です。
昨日2回目の治療、消毒後、薬を入れて仮蓋をした状態です。
二週間後(旅行後)、また消毒して薬を入れ仮蓋するそうです。
疲れないようにし、お酒を飲まなければ大丈夫と言われました。
少々痛みますが、我慢できないほどではありません。
(質問)
◆旅行中、ダイビングをしようと思っています。
3気圧くらいですが、大丈夫でしょうか?
歯の中に空気泡があった場合、気圧で空気が膨らみ、仮の詰め物が取れてしまうという話しを聞いたことがあり、不安です。
◆もし仮蓋が取れてしまった場合の応急処置は、歯科に行って仮蓋さえしてもらえばいいのでしょうか?
ご助言いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
回答1
顕微鏡歯科シバタ(名古屋市守山区大森)の柴田です。
回答日時:2011-09-03 14:33:34
水中では加圧されるため逆に上から押さえられる形になります。
ダイビング中に中が膨らむことはなさそうです。
飛行中は減圧されますのであるとすればこちらですが、個人的にはとれたという話は聞いたことがありません。
ダイビング中に中が膨らむことはなさそうです。
飛行中は減圧されますのであるとすればこちらですが、個人的にはとれたという話は聞いたことがありません。
回答2
誠安・瑞石牙医診所(台湾)の王です。
回答日時:2011-09-04 14:06:07
こんにちは。
台湾からのコメントになりますが、同じ歯科医である友人がダイバーなので、彼の経験談も少し織り込んでお書きしたいと思います。
>言葉の問題があり、先生のお話しがある程度しか理解できていない状態です。
>とても不安なので相談させていただきました。
確かに海外での受診や通院は色々な理由で選択肢も限られ、大変かと思います。
言葉の壁や、気苦労があるのも事実です。
でも、大切なお身体の事でもありますから、経過状況や治療内容、また治療過程での症状の変化などは、ある程度きちんとお互いに意思疎通を図って置かれたほうが双方のためにもなるかと思いますので、これからは出来るだけ担当医とコミュニケーションが取れるように何とか工夫なさったほうが良いのではと思いますよ。
特に根管治療は、建物の基礎工事にも似た大切な治療ともなる部分ですので、何とか意思疎通を図っていただいたほうが理想的だと言えます。
さて、二回目の治療後で仮蓋をした状態で、まだ少々痛みがあるということですが、今回根管治療を受けられた原因は何なのでしょうか?
虫歯による原因なのか、歯髄が壊疽したような理由なのか、再根管治療なのか、根尖病巣なのかで、今回懸念されている問題に大きく影響を及ぼしたり、及ぼさなかったりすることがありますし、仮蓋がどの様なもので、どのように覆っているかにも多少影響を受けるかと思います。
きちんとした処置と材料で二重三重に仮蓋してあれば、気圧の変化で詰め物が取れてしまうことはありません。
気泡があったとしても歯の内部体積からして微量ですし、それでパーンと取れることはありませんが、元々緩く詰めてある、非常に薄く一層だけという曖昧な仮蓋は、それ自体が取れやすくなっているため何とも言えません。
気圧の変化で取れたというよりも、元々取れやすい状態だったということのほうが正しいかと言えます。
ですから、今回仮蓋部分を二重構造、またはレジンセメントのような耐久性が良いものでカバーしてある場合は、取れる心配はまずないと思われます。
今回の仮蓋がどの様な構造なのか、どのような材料を使用しているのか、この辺は実際に拝見しておりませんので、何とも言えません。
今回はダイビング時に起こる問題について色々とご質問されていますが、目的地までは飛行機での移動になるはずですから、気圧の変化ではダイビングと同じように、機内でも起こる可能性があるものとして「痛み」が挙げられます。
これは宇宙船内でも起こる事があり、専門用語で、Barodontalgia(気圧性歯痛)と呼ばれているものです。
飛行機の場合、飛行中の気圧はほぼ一定のものに保たれていますので、飛行中に起こることは少ないのですが、上昇中や降下中のようなに短時間の高度変化で急減圧が起こる時点で起こりやすい歯痛です。
先ほどの総称から更に細かく分類して、航空性歯痛(Aerodontalgia)と呼んでいます。
健康な歯髄や適切に治療された歯では起こりにくいのですが、深い虫歯や治療中の歯、無症状の慢性歯髄炎がある場合は、それが急性化することがあるのです。
また、長時間の移動では不自然な姿勢で起こる食いしばりで治療中の歯が痛くなることもありますから(今回噛み合わせの調整がしてあれば大丈夫ですが)、出来るだけ楽な姿勢で過ごせるように心掛けるのも大事かと思います。
>旅行中、ダイビングをしようと思っています。
>歯の中に空気泡があった場合、気圧で空気が膨らみ、仮の詰め物が取れてしまうという話しを聞いたことがあり、不安です。
この点については、先ほどもお書き致しましたが、きちんと仮蓋がしてあればその様なことはありません。
ただ、海に潜る場合も気圧の変化が激しいので、歯が痛くなることがある点についてはご注意下さい。
友人の経験になりますが、潜行して行くにつれてスクィーズ(水圧上昇によって空気が圧縮される)が起こり治療中の歯に痛みを感じ、また浮上中にはリバースブロック(水圧低下によって空気が膨張する)により痛みが起こる場合があると聞いております。
ですから、フェースマスク内部の気圧を適切に均一化することも大切です。
きちんとした治療を受け入れていれば治療中であってもダイビングに差支えありませんが、ダイビングをすることを担当医に伝え、海に潜る前には治療が完了していることが理想的だと言えます。
歯自体が緊急事態になることはないので、過剰に心配する必要はありませんが、潜られる前からお痛みが激しい場合や、鈍痛のお痛みが既にある場合は潜ることを再検討なさったほうが良いと言えます。
先ほど申し上げたスクィーズとリバースブロックは、口腔内に関わらず全身の組織に負担が掛かっていますから、もしも深海のダイブ中に歯痛に見舞われましたら、落ち着いて対応するように心掛けて下さい。
パニック状態に陥り、急激に水面に上がろうとして、身体の内部構造の圧力と周囲の水圧とのバランスを一気に崩されますと、肺や脳への負担が増し、生命を脅かす危険性があります。
こちらのほうが問題になりますから、落ち着いて水面に上がるようにして下さい。
また、マウスピースも治療中の歯に強く当たらない様に調節するのも、食いしばりで起こるような痛みや歯根破折を回避出来るかと思います。
潜る前に調節してみて下さいね。
>もし仮蓋が取れてしまった場合の応急処置は、歯科に行って仮蓋さえしてもらえばいいのでしょうか?
はい、その様にして下さい。
ただし、唾液で中が汚染されている場合は一度洗浄していただくようにしてもらったほうが良いと思いますね。
参考にしていただければ幸いです。
では、Have a nice vacation ! ^^
台湾からのコメントになりますが、同じ歯科医である友人がダイバーなので、彼の経験談も少し織り込んでお書きしたいと思います。
>言葉の問題があり、先生のお話しがある程度しか理解できていない状態です。
>とても不安なので相談させていただきました。
確かに海外での受診や通院は色々な理由で選択肢も限られ、大変かと思います。
言葉の壁や、気苦労があるのも事実です。
でも、大切なお身体の事でもありますから、経過状況や治療内容、また治療過程での症状の変化などは、ある程度きちんとお互いに意思疎通を図って置かれたほうが双方のためにもなるかと思いますので、これからは出来るだけ担当医とコミュニケーションが取れるように何とか工夫なさったほうが良いのではと思いますよ。
特に根管治療は、建物の基礎工事にも似た大切な治療ともなる部分ですので、何とか意思疎通を図っていただいたほうが理想的だと言えます。
さて、二回目の治療後で仮蓋をした状態で、まだ少々痛みがあるということですが、今回根管治療を受けられた原因は何なのでしょうか?
虫歯による原因なのか、歯髄が壊疽したような理由なのか、再根管治療なのか、根尖病巣なのかで、今回懸念されている問題に大きく影響を及ぼしたり、及ぼさなかったりすることがありますし、仮蓋がどの様なもので、どのように覆っているかにも多少影響を受けるかと思います。
きちんとした処置と材料で二重三重に仮蓋してあれば、気圧の変化で詰め物が取れてしまうことはありません。
気泡があったとしても歯の内部体積からして微量ですし、それでパーンと取れることはありませんが、元々緩く詰めてある、非常に薄く一層だけという曖昧な仮蓋は、それ自体が取れやすくなっているため何とも言えません。
気圧の変化で取れたというよりも、元々取れやすい状態だったということのほうが正しいかと言えます。
ですから、今回仮蓋部分を二重構造、またはレジンセメントのような耐久性が良いものでカバーしてある場合は、取れる心配はまずないと思われます。
今回の仮蓋がどの様な構造なのか、どのような材料を使用しているのか、この辺は実際に拝見しておりませんので、何とも言えません。
今回はダイビング時に起こる問題について色々とご質問されていますが、目的地までは飛行機での移動になるはずですから、気圧の変化ではダイビングと同じように、機内でも起こる可能性があるものとして「痛み」が挙げられます。
これは宇宙船内でも起こる事があり、専門用語で、Barodontalgia(気圧性歯痛)と呼ばれているものです。
飛行機の場合、飛行中の気圧はほぼ一定のものに保たれていますので、飛行中に起こることは少ないのですが、上昇中や降下中のようなに短時間の高度変化で急減圧が起こる時点で起こりやすい歯痛です。
先ほどの総称から更に細かく分類して、航空性歯痛(Aerodontalgia)と呼んでいます。
健康な歯髄や適切に治療された歯では起こりにくいのですが、深い虫歯や治療中の歯、無症状の慢性歯髄炎がある場合は、それが急性化することがあるのです。
また、長時間の移動では不自然な姿勢で起こる食いしばりで治療中の歯が痛くなることもありますから(今回噛み合わせの調整がしてあれば大丈夫ですが)、出来るだけ楽な姿勢で過ごせるように心掛けるのも大事かと思います。
>旅行中、ダイビングをしようと思っています。
>歯の中に空気泡があった場合、気圧で空気が膨らみ、仮の詰め物が取れてしまうという話しを聞いたことがあり、不安です。
この点については、先ほどもお書き致しましたが、きちんと仮蓋がしてあればその様なことはありません。
ただ、海に潜る場合も気圧の変化が激しいので、歯が痛くなることがある点についてはご注意下さい。
友人の経験になりますが、潜行して行くにつれてスクィーズ(水圧上昇によって空気が圧縮される)が起こり治療中の歯に痛みを感じ、また浮上中にはリバースブロック(水圧低下によって空気が膨張する)により痛みが起こる場合があると聞いております。
ですから、フェースマスク内部の気圧を適切に均一化することも大切です。
きちんとした治療を受け入れていれば治療中であってもダイビングに差支えありませんが、ダイビングをすることを担当医に伝え、海に潜る前には治療が完了していることが理想的だと言えます。
歯自体が緊急事態になることはないので、過剰に心配する必要はありませんが、潜られる前からお痛みが激しい場合や、鈍痛のお痛みが既にある場合は潜ることを再検討なさったほうが良いと言えます。
先ほど申し上げたスクィーズとリバースブロックは、口腔内に関わらず全身の組織に負担が掛かっていますから、もしも深海のダイブ中に歯痛に見舞われましたら、落ち着いて対応するように心掛けて下さい。
パニック状態に陥り、急激に水面に上がろうとして、身体の内部構造の圧力と周囲の水圧とのバランスを一気に崩されますと、肺や脳への負担が増し、生命を脅かす危険性があります。
こちらのほうが問題になりますから、落ち着いて水面に上がるようにして下さい。
また、マウスピースも治療中の歯に強く当たらない様に調節するのも、食いしばりで起こるような痛みや歯根破折を回避出来るかと思います。
潜る前に調節してみて下さいね。
>もし仮蓋が取れてしまった場合の応急処置は、歯科に行って仮蓋さえしてもらえばいいのでしょうか?
はい、その様にして下さい。
ただし、唾液で中が汚染されている場合は一度洗浄していただくようにしてもらったほうが良いと思いますね。
参考にしていただければ幸いです。
では、Have a nice vacation ! ^^
相談者からの返信
相談者:
ソネさん
返信日時:2011-09-04 19:00:55
柴田先生
王先生
お忙しい所、早々に、また詳しくお教えいただき、ありがとうございました。
疑問、不安が解消され、安心しました。
治療している歯を気遣いながら、楽しい旅行をしたいと思います。
また何かありましたらよろしくおねがいします。
本当にありがとうございました!!
王先生
お忙しい所、早々に、また詳しくお教えいただき、ありがとうございました。
疑問、不安が解消され、安心しました。
治療している歯を気遣いながら、楽しい旅行をしたいと思います。
また何かありましたらよろしくおねがいします。
本当にありがとうございました!!
タイトル | 根管治療中、ダイビングは可能でしょうか? (韓国) |
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質問者 | ソネさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 38歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
根管治療に関するトラブル 根管治療その他 韓国 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。