歯根端切除術を行う前に歯科医に確認すること

相談者: ponzuさん (36歳:女性)
投稿日時:2011-11-20 16:17:06
こんにちは。ご相談させてください。

左上5番の上にフィステルができ、歯ぐきを切開し治療することになりました。

「このままだと10年くらいで歯がダメになる。
歯ぐきを切開し膿を取り出す。
手術は1時間くらい」

とだけ告げられ、詳細を確認しないまま1週間後に手術の予約を入れました。
無知なもので、帰宅後色々ネットで知るうち、歯根切除等色々なやり方、リスクがあると知り悩んでいます。

歯の状況は、歯の根がくの字に曲がって生え、神経を取りその上に十数年前に治療した金属(左上5,6番で7番の連結ブリッジをつけています)が深く食い込んでおり、金属をはずすと歯が割れる危険性がある。

とのことで、今まで3か月ほど歯肉にレーザーを差し治療していましたが、効果が見られないため今回の手術の説明を受けました。
担当医は一般医院の口腔外科です。 

別の医師(口腔外科)にも見せたところ、上の金属はやはり外さない方がいい。
でも何をしても無駄。
もう歯も割れてしまっているのではないか。
いずれ歯がダメになり抜ける。
そのときにブリッジにするなりしましょうというものでした。(今のところグラグラはしていません)


お伺いしたいのは、

@医師にこれから確認したいのですが、すごく忙しそうにされている医師なので邪険にされないか心配のため、必要最小限にとどめたいところです。

聞く内容は、

(1)膿の切除だけなのか、歯根も切るのか
(2)歯根を切るなら何o切るのか
(3)歯根端切除したら、穴につめ物をするか

を考えています。
適切でしょうか?


A歯根も切る場合、治療に失敗したら「10年後にはダメになる」歯の寿命はさらに縮むのでしょうか?
また、歯根切除は最後の手段とのことですが、術後他の手段、再手術は取りづらくなるのでしょうか?


B別医師の言うとおり、歯が割れていた(歯根破折?)場合、そのまま抜歯された方がいいのでしょうか?


C手術を伸ばしてもらって、一度歯内療法の専門医に診察を仰ぎ、マイクロスコープ等による処置も検討した方がいいでしょうか?


いろいろお伺いして済みませんが、よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2011-11-20 17:04:22
>(1)膿の切除だけなのか、歯根も切るのか

歯根を切るかどうかは判りませんが、感染源となっている根尖部の処置はすると思います。


>(2)歯根を切るなら何o切るのか

ここでは判りません。


> (3)歯根端切除したら、穴につめ物をするか

一般的には逆根管充填をすることが多いです。


>A歯根も切る場合、治療に失敗したら「10年後にはダメになる」歯の寿命はさらに縮むのでしょうか?
また、歯根切除は最後の手段とのことですが、術後他の手段、再手術は取りづらくなるのでしょうか?

10年後に駄目になるかは判りませんが、今それをしなければ抜歯になるような歯なんじゃないでしょうか。
歯根端切除は最後の手段の一つです、駄目だった場合は抜歯になると思います。


>B別医師の言うとおり歯が割れていた(歯根破折?)場合、そのまま抜歯された方がいいのでしょうか?

根が破折していた場合抜歯になる事が多いです。


>C手術を伸ばしてもらって、一度歯内療法の専門医に診察を仰ぎ、マイクロスコープ等による処置も検討した方がいいでしょうか?

それは一つの手段かもしれませんが、多分自由診療になると思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ponzuさん
返信日時:2011-11-21 06:36:38
ありがとうございます。

@に医師に確認する事項として、(1)は無意味でしょうか?

根切除をしてだめならやはり抜歯ですか。
すぐ抜歯しないと、まずいのでしょうか?

別の医師の意見のように、しばらく放置することは危険なのでしょうか。

歯根切除の治療成績がだいぶ違うなら、マイクロスコープを使った自由診療もやはり気になりますね・・・
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2011-11-21 17:13:57
>@に医師に確認する事項として、(1)は無意味でしょうか?


以下、

> (2)歯根を切るなら何o切るのか
> (3)歯根端切除したら、穴につめ物をするか

に関しても繋がっていくお話なので、まとめて書かせていただきます。
(突っ込みどころは満載ですが、簡単に説明させていだきます)



膿はそもそもバイ菌(感染源)と白血球が戦った結果作られる「死骸」です。
その死骸が広がらないように、人間の体は「のう胞」と言う袋を作って封じ込めています。

しかし、バイ菌の勢力が強いと白血球をいくら投入しても死骸が増えるだけ…と言う状態になります。
そして、この膿の袋がどんどん拡大し、骨を突き破ると「フィステル」と言う状態になります。

つまり、フィステルや膿は「結果」であり、「原因」ではありません。

原因を除去しない限り「完治」はしません。


では原因となるバイ菌(感染源)はどこにいるのか?


解剖学的に、根端から3mm以内の所に側枝(神経の枝毛のようなもの)が集中してあると言われております。

つまり、バイ菌は根端3mmの所に潜んでいる可能性が高いと言う事になります。

なので歯根端切除は、「根尖から3mmを目安に切り取る」と言う事になります。


さて、切り取った後ですが、そこには根管充填されたガッタパーチャポイントが露出する事になります。

緊密に充填されていれば良いのですが、神経管の形態が複雑な場合、ガッタパーチャポイントが緊密に充填されているとは限りません。

従って、切断した側からもセメントなどで緊密に封鎖する必要があります。


つまり、僕は「のう胞摘出」「歯根端切除」「逆根管充填」はワンセットの処置と考えております。

これらの処置を一つ一つ、可能な限り精度を上げて行おうとするとマイクロスコープが必要になると考えております。



>歯根切除をしてだめならやはり抜歯ですか。
>すぐ抜歯しないと、まずいのでしょうか?
>別の医師の意見のように、しばらく放置することは危険なのでしょうか。

「仮に抜歯となった場合、、その後どのように歯を作るか?」

と言う話はされたでしょうか?

>左上5,6番で7番の連結ブリッジをつけています

と言う事は5番が抜歯になった場合には

 1 C56Fのブリッジで治す
 2 5番6番をインプラントで治す
 3 56部分入れ歯で治す

と言う事になると思います。

破折している場合、バイ菌は破折線に沿って勢力を拡大していきます。
勢力拡大に伴い、骨が犯されていきます。


特にインプラントを希望される場合、骨が無くなっていくと条件はどんどん不利になって行きます。

ブリッジでも部分入れ歯でもインプラントほどでは無いにせよ、審美性や適合と言う意味で、治療は不利になって行きます。

なので、「破折」と診断された場合には、出来るだけ早めに決断をされた方がよろしいかと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ponzuさん
返信日時:2011-11-22 00:46:49
正直、質問事項にしては他医院のHPに載っていたことそのまま使わせてもらったもので、私も聞いて素人が何を判断できるのやら、分かってもいなかったと思います。
 
破折となっていた場合の覚悟もできました。

一度マイクロスコープを使った治療について、相談してから決めたいと思います。

ありがとうございました。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2011-11-22 10:05:13
解決後ですが、私もタイヨウ先生のご意見に賛成です。

>つまり、僕は「のう胞摘出」「歯根端切除」「逆根管充填」はワンセットの処置と考えております。

・・ということなのですが、これをセットと考えない先生もおそらく多いですから、確認するのはいいことだと思います。

ただ、手術時に、マイクロスコープがないと微小なひび割れを確認したり、セメントの逆根管充填時の隙間等の確認をしたりなど、最低限必要なことを十分に出来ない可能性があります。

ですので個人的な意見(一般的とはいえないと思います)としては、歯根端切除術を勧められて、抜歯は避けたいと考えておられる様な場合は速やかにマイクロスコープのある施設で相談することをお勧めします。

高額になる可能性もありますが、結果的に手術が回避出来る可能性などもあると思いますよ。




あと一点だけ。

>(3)歯根端切除したら、穴につめ物をするか

については、歯根端切除後の根管内については「(歯根に裏から)穴をあけて(根管充填材を除去して)詰め物(セメント)をした方が良い」

のですが、膿や歯根端のあった部位の「穴」については、詰め物(骨補填材等)はするという専門家もしないという専門家もいる様です。
おそらく何もしないという考え方の方のが主流の様な印象はありますが、「感染源」さえ取り除けていれば大きな問題ではないと思いますよ。



抜歯が避けられるといいですね。
お大事どうぞ。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ponzuさん
返信日時:2011-11-22 13:16:28
ありがとうございます。

予定していた病院ではマイクロスコープは使わないので、マイクロスコープによる治療をしていただけるところに相談してみたいと思います。

助かりました。



タイトル 歯根端切除術を行う前に歯科医に確認すること
質問者 ponzuさん
地域 非公開
年齢 36歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 抜歯:6番(第一大臼歯)
根管治療の治療法
歯根端切除術
ブリッジに関するトラブル
マイクロスコープ
歯茎の婁孔(ろうこう・フィステル)
回答者




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