15歳、顎の成長段階から歯列矯正をしなかったことに後悔

相談者: peccoさん (46歳:女性)
投稿日時:2012-01-26 13:57:35
初めて質問させていただきます。
15歳(中3)の息子についてお尋ねします。


両親ともに(夫と私)歯並びが悪く、夫は開咬と八重歯、私は反対交合、八重歯、上下歯のズレがありました。

私は小2〜中3まで歯列矯正を行い、治療完了後は現在まで後戻りもなく良好に過ごしております。



息子も 永久歯が生え始めたころに 学校の歯科検診で「要観察」「要治療」と書かれるようになりましたので、かかりつけの歯科医に相談したところ、すべて永久歯に生えかわるまで様子を見たほうがいいとのことでしたので、治療を開始しませんでしたが、15歳現在で、反対交合、乱杭歯、開咬があり、上の歯と下の歯が、わずかに左右にずれています。

最近 本人が歯並びの悪さを少し気にするようになり、矯正治療に関心を示してきたこともあり、治療を検討し始めたところで、こちらのサイトにお邪魔いたしました。



様々なご質問の投稿・ご回答を拝読いたしましたが、もしかしたら息子は、顎変形症かもしれない・・・とも思っております。

もしそうであれば 顎の成長段階から治療を開始しなければならなかったのでは・・・と、取り返しがつかない思いにかられております。

大人になっての顎変形症の治療は、外科的手術が必要なことも考え合わせますと、よけいに、小さいころに治療を開始していればよかった・・・と初めて歯科医に相談して以降、何の対処もしてこなかったことを、母親として今さらながら悔いております。


治療を開始しなかったのは、歯科医に「成長が終わるまで様子を見ましょう」と言われたことも 要因のひとつですが、それよりも、私自身の矯正治療の経験も、大きく影響していたと思います。

小学校低学年から長期に渡る治療の苦痛。
マウスピースヘッドギア抜歯ブリッジの疼痛やストレス)
毎月1度の通院が、苦痛で苦痛で仕方なかったことを憶えています。
特に思春期にさしかかった中学時代は、ブリッジが嫌で仕方なく、矯正のストレスが一番の思い出になっているほどです。


もちろん今は、親にも歯科医の先生にも感謝でいっぱいなのですが、自分の息子に、同じストレスを味あわせる勇気がありませんでした。

しかし、単に 大きくなってから治療を始めれば治ると簡単に思い込んでいたばかりに、息子に、将来的な悩みを残してしまったようで、後悔しても足りません。



現在息子は、自分の歯並びについて、若干の違和感と悩みを持っているようですが、ものすごく深刻な悩みではないように思います。
日常生活については、若干の滑舌の悪さと 食べ物を前歯で噛み切れない不便さがあるようですが、慣れもあり、深刻な様子ではありません。
今のところ痛みなどはありません。

本人から 矯正治療について相談を受け、この春、高校入学するのを機会に治療開始を家族で検討しましたが、一般的に予想される範囲内での 治療内容や期間を話しますと、尻込みし、

「それなら今は治さなくていい」

と申しておりました。
外見を気にする年齢ですが それ以上に高校生活や部活(バスケ)の負担になることが不安だったようです。




長々と申し訳ありませんが、以下にご質問いたします。

1.親として、今日まで治療をしなかったのは 間違いだったのでしょうか?
早期に治療を開始してやればよかった・・・と、 後悔が拭えません。


2.治療をするとしたら、開始時期は 今後いつでも大丈夫なのでしょうか?
手遅れということはないでしょうか?


3.本人に治療の意志と覚悟がない場合、治療をせずに過ごすということも 選択肢としてあるのでしょうか?
治療せずに放置した場合、 将来的に悪影響がありますでしょうか?


以上、
恐れ入りますがご意見賜りますよう よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2012-01-26 16:38:04
文面より、もし上顎の成長が不充分だった要因が大きかったとしたら、小学校低学年で何らかの方法はあったのかもしれません。

しかしながら外科処置まで考えられるのでしたら、決して手遅れなどではないと思いますよ。
開始時期なども併せて専門医にご相談ください。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2012-01-26 16:43:31
pecco さん
こんにちは。
ひさの矯正歯科東京都世田谷区)の久野昌隆と申します。


息子さんの歯並び噛み合わせについていろいろとお悩みのようですね。
特にご自身が矯正治療の体験をおもちの場合、辛い体験が印象に残っていらして、躊躇されることもあるでしょう。

しかし、高校生になられたご本人に治療の意思がない以上、お母様の立場でヤキモキとされても現状がすぐに解決するわけでもないでしょうから、ここはユッタリと構えて息子さんとお話しできる機会を気長に待つのも良いかと思います。

逆に申せば、現在の年齢まで未治療の場合、治療の開始時期は一刻をあらそうものではないからということになります。



ご質問に対して、一矯正歯科専門医としてお答えいたします。

1.2.について

お口の中の状態や骨格のパターンなど、詳細な診査・検査を加えずに適した治療開始時期を断定することはできません。

しかし、特にご心配の反対咬合には、原因別にいくつかの種類があります。
一つ目は、下アゴを閉じてきて上下の歯列全体が噛み合わさる前に、主に上下の前歯が先に当たり、これを避けるために下アゴを前に出して噛んでいる、いわゆる偽性の反対咬合。
これを機能性反対咬合と呼びます。

二つ目は上下の歯の位置や角度に問題があり反対咬合となっているが、骨格には問題がないもの。これを歯槽性反対咬合と呼びます。

三つ目は上下のアゴの骨格に問題のある骨格性反対咬合。


このうち、機能性反対咬合は、上下のアゴの成長発育に影響を与える可能性がありますので、なるべく早期(思春期以前)に改善することが好ましい場合が多いと言えます。

これに対して歯槽性や骨格性の場合、必ずしも早期のアプローチが有効でないために、治療開始まで、長期に観察期間を設ける場合もあります。
したがって、今日まで治療をしなかったのが間違いとは言い切れません。

また、治療開始時期は今後いつでも可能な場合もありますし、完全に身体の成長発育が終了するのを待ってからということも考えられます。

したがって、手遅れということはありません。


逆に、下アゴが小さすぎて出っ歯になっている症例(上顎前突)では思春期性の成長発育を機会を逃してしまうと、骨格のアンバランスを整えるのには手遅れという場合もあります。




3.について

ご本人に治療を受ける意思がなければ、致し方なしということでしょう。
当面、ご本人が不自由を感じなければ治療に対する要求は高まってこないと思います。


顎関節の調子は問題ないでしょうか?
反対咬合の方の場合、下アゴの過度の動きに関連して、関節の症状問題や、頭部・頸部の疲労が強く出る場合があることが知られています。

また、将来、歯をう蝕歯周病で失われたとき、その修復や噛み合わせの回復の治療が難しくなる(特に入れ歯は不安定となる)ことが考えられます。



焦らず、たまの機会にでもお話しされ、ご本人が相談だけでも受けられる気になりましたら、矯正歯科専門医を受診されることをお勧めいたします。
  

回答 回答3
  • 回答者
伊藤矯正歯科クリニック(名古屋市中区)の伊藤です。



※2013年9月14日までは伊藤和明先生、それ以降は伊藤雅大先生がご回答されています。
回答日時:2012-01-26 16:46:51
決して遅すぎることはありません。

状況によって方法はいろいろあるかもしれません。

方法さえ厭わなければいくつになっても矯正は可能です。


早期に治療開始しても結果が約束されているわけではありません。
完全な成長予測、治療予測は不可能ですから。

過ぎたことをくよくよしてもますます後ろ向きになるだけです。

今後どうするかをお考えください。



とりあえず、矯正歯科にてお話を聞いてから、ご本人の意思を確認されたらどうでしょう。
不確かな情報だけでは誤った先入観を持つことがあります。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: peccoさん
返信日時:2012-01-28 01:39:59
藤森 隆史 先生
久野 昌隆 先生
伊藤 和明 先生

お礼が遅くなり申し訳ありません。
ご親切ご丁寧なご見解を頂戴し、感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございます。

先生方からのご意見を賜り、長年の悩みが 少し軽減いたしました。
後ろ向きなことを考えるよりも 今後のことに集中しようと思います。


さっそく 夫と息子に個別に話してみましたところ、夫は 自分自身が開咬の不便を経験していることから、息子には矯正治療を受けさせたいが、無理強いはできないので、本人の意思をいちばんに尊重せざるを得ないとの考えでした。

息子にも再度 意思を尋ねたところ、歯並びについて 若干は気になるものの 痛みなどは無いので、今のところ ただちに治療を開始したいという 強い願望までは持っていないようでした。


将来的に 治療を開始したい気持ちになったらあらためて 相談するよう話しまして、虫歯をつくらないために 歯磨きをしっかりするよう促しました。

外見上の悩みが大きくなったり 痛み・違和感などが発生した時点で、専門医の先生に相談にあがろうと 思っております。



先生方が おっしゃってくださった

「決して遅過ぎるということはない」
「様々な方法を用いることで治すことができる」

というお言葉に 本当に救われ、力づけられました。

心から御礼申し上げます。

今後とも患者やその家族のお力になっていただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。



タイトル 15歳、顎の成長段階から歯列矯正をしなかったことに後悔
質問者 peccoさん
地域 非公開
年齢 46歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯列矯正の治療法
小児矯正(子供の矯正)
子供の歯並び
子供の歯列矯正
叢生(ガタガタの歯並び)
下顎前突(受け口)
開咬・オープンバイト(前歯が噛まない)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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