薬による歯周病治療、抗生物質による治療の効果について

相談者: _sos_さん (51歳:男性)
投稿日時:2012-03-06 15:09:01
ジスロマックとハリゾンによる治療を開始して4日目です。

当サイトでは,この治療法に否定的なご意見が多いように感じます。
支持派からのご意見も伺えないでしょうか。

抗生物質による治療の効果について、賛否双方から詳しく解説いただければ幸いです。


回答 回答1
  • 回答者
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2012-03-06 15:14:02
歯周内科的な考えですね。

個人的な意見ですが一時的には効果は有ると思いますが、それで完治する事は無いと思います。

やはりゴールデンスタンダードのプラークコントロールが、一番大事だと思います。

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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2012-03-06 16:03:00
_sos_ さん、こんにちは。

既に開始されたということは、お掛かりの歯科医院は“支持派”ということですね。

治療実績など、直接お尋ねになってはいかがでしょう。

他の方のスレッドになりますが

「信頼して治療を始めたのであれば『二度と歯チャンネルは見ない』と言う決意をされた方がよろしいかと思います。」

と他の回答者から窘められている質問者さんもいるようです。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: _sos_さん
返信日時:2012-03-06 16:29:59
ご回答ありがとうございました。
質問に至った経緯を少々お話します。
 
これまで歯磨きを怠っており普段は朝食後,出勤前に1回。
土日は歯磨き無しの日も。

といった状況で,当然のことながら歯茎は腫れ,歯磨きのたびに出血がありました。

昨年の11月頃でしょうか,何気なく歯科に行こう!と思い立ち(何十年ぶりか?)まして,予想どおり初診では歯周病と診断されました。

それから数回,歯石歯垢のクリーニングと併せて虫歯の治療もしていただきました。
未だ右下顎に横向きになっている親知らずの抜歯がありますが,こちらは施術中や術後のアクシデント等を考慮されて口腔外科を紹介していただいています。

一通りのクリーニングが済んでも,なかなか歯磨き時の出血が続いているので,腔内菌を調べたところ相対的評価なのでしょうがスピロヘータ,桿菌,アメーバ状のもの等々「多い」との診断でした。
ちなみに歯周病に関する一連の対応は衛生士によるものです。
 
抗生物質投与による治療を勧められ,素人考えながら腔内の真菌や細菌の絶対量を少なくするには効果的かな?と思い4日前から始めた次第です。

その後,当サイトを知り同様な質問への回答を拝見したところ,真っ正面から否定的なご意見もございましたので,投稿させていただきました。

程度問題なのかも知れませんが,諸氏の見解をお聞かせいただければ今後の参考になります。 
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2012-03-06 17:02:42
抗生物質投与に一定の効果はあるとは思いますが・・・


>それから数回,歯石歯垢のクリーニングと併せて虫歯の治療もしていただきました

@「歯周病とは何か」という知識の習得

A「自分の歯周病の状態」という現状認識

B @Aを理解した上でのブラッシングなどセルフケアの改善

が全ての基本です。
これがクリアできてクリーニングが意味を持ちます。

その上で、さらにアドバンスとして抗生物質投与ではないかと思います。

否定はしませんが、どう使うかが問題ではないでしょうか。


ご参考まで・・・

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回答 回答4
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2012-03-06 18:55:31
>真っ正面から否定的なご意見もございましたので

せっかく抗菌療法を行って成功したとしても、その後のブラッシングを励行しなければ、もとの木阿弥だという意味だと思います。

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回答 回答5
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2012-03-06 19:18:00
私も、基本はやはりルートプレーニング等の処置だと考えます。
また、バイオフィルムを破壊して抗生剤を、そこまで届けるといった発想もあろうかと思います。

元々、その歯肉溝の条件(温度、pH等々)を最適とする菌種が棲みついていると考えると、抗生剤を効かせても、それは一時的なものだろうとも予測されるはずです。

ところが、実際には、術前はかなりの進行性だったはずの歯周病の進行を、4年以上ほぼ抑えているようなケースは多くあります。

歯周病原因菌のリストは存在し、検査により、その比率減少は確認出来ますが、本当にその菌種減少による効果が全てなのかどうか等、考えるべき課題は多くあるものに思えます。

また今後は耐性菌出現も念頭に置いておくべきだと考えます。

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回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2012-03-06 22:43:30
はじめまして。
カワサキです。

歯周内科治療(抗菌剤)は、ある側面では、とても効果的だと思います。
時に、ジスロマックは、歯周病の原因菌に、効果的です。

ただ、歯周病は、

@ 細菌感染症
A 生活習慣病

の、2つの、顔を、持っています。

松山先生も、申していますが、一時的に、この@が、よくなっても(抗菌剤でよくなると思います)そのあとのお手入れ(=プラーク・コントロール)が基本となります。


また、食生活などを含めた、生活習慣も大切です。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: _sos_さん
返信日時:2012-03-07 09:19:12
ご多忙中にもかかわらず、たくさんの貴重なご回答誠にありがとうございます。

歯周病には物理的にプラークを排除する,蓄積させないことが最も重要であることは再認識できました。

そのうえで,歯周病菌群の腔内での生存量,増殖スピードとクリーニグ,ブラッシングなどのいわゆる物理的なプラーク除去との関係から,何らかの(化学療法も含めて)方法で一時的にせよ菌の絶対量を抑えることには意味があると考えて良いのかといった観点からしますと,

これがある種の対症療法であることを踏まえれば,その後の治療や歯周病の進行抑制,根治に少しくは手助けになるといった程度の効果は期待できると理解していたのですが,概ねそのようなお答えもいただけたのかと思います。

かかりつけの歯科医とも引き続き相談していきます。

 



 
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2012-03-07 13:27:58
小林先生>

>「信頼して治療を始めたのであれば『二度と歯チャンネルは見ない』と言う決意をされた方がよろしいかと思います。」

これはまずいですよ。

相談室ではなくって、一方的な治療法を押し付け患者さんを惑わすサイトみたいになっちゃいますから。



細見先生がかかれたように、薬剤を使わないでプラークをコントロールするのがスタンダードなのは事実ですが、それでほとんどの患者さんがうまくいっているという先生は、ごくごく稀なんじゃないでしょうか。

禁煙やら、カロリー制限やらといっしょで、患者さんを上手く導くのは簡単ではないと思います。

そういった点で、薬を飲むだけで(その投薬を行っている期間だけにせよ)症状が改善するというのは歯科医師との信頼関係を確立するという意味でも、非常に有効な手段であると私は考えます。

もちろん有効性に疑問があるという見解なら話は別ですが、そうでないとしたら、要はやり方の問題でそれほど非難される方法では決してないと私は考えます。

実際、(発想や使用法は異なりますが)保険で認められている抗菌剤はあります。


ただ、一度使ってしまうと、それ以降のすべての歯周病に関する処置が保険適応でなくなってしまうという(保険医にとっては)致命的な欠点があるため、個人的には導入できません。

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2012-03-07 14:00:32
_sos_ さん、今日は

抗生剤を使用し歯周病の治療をする研究は、沢山有ります。

その中で精度の高い研究では、抗生剤を使用せずに歯周治療を行った場合と使用して行った場合を比較して結果に差がありませんでした。

つまり使っても使わなくても結果は一緒と考えられます。

将来命に関わる病気で抗生剤を使用しようとした時に、耐性菌等の副作用のことを考えれば、歯周病専門医でなければ治せないような特殊な歯周病のケースでなければ使用をお勧めしません。

>スピロヘータ,桿菌,アメーバ状のもの等々「多い」との診断でした。

一般的な歯周病患者さんなら、誰でも多いはずです。


もし仮に使用するなら、抗生剤を服用しながら(ジスロマックの場合は服用してから1週間以内)、全部の歯周外科を終わらないと意味が無いでしょう。

単純にスケーリングルートプレーニングだけで治らなかったから、飲んでみて様子を見ましょうでは意味が無いと思います。

使用するなら、あくまでも外科処置と同時です。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: _sos_さん
返信日時:2012-03-07 17:39:34
丁寧なご回答いただきありがとうございます。

(Dr.森川) 一度使ってしまうと,それ以降のすべての歯周病に関する処置が保険適応でなくなってしまうという・・・

→ 興味深いご見解です。
よく確認してみます。


(Dr.小牧) 使用するなら,あくまでも外科処置と同時です。

→ 治療法に「時間」の概念が加味されました。
参考になります。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: _sos_さん
返信日時:2012-03-11 08:55:56
たくさんの貴重なご回答・ご助言ありがとうございます。

抗生剤服用後,期待通り?腔内菌は運動性桿菌は少し見られるものの、スピロヘータは視界から確認できない程度にはなったようです。
治療費はなしでした。

歯肉縁下プラークは,これまでの処置で除去したことを確認しました。

1週間後ポケットの深度などをもう一度調べた上で,今後は定期的(3ヶ月程度)な観察とクリーニングを続けていく予定です。

ご指摘いただきましたように,日々のプラーク管理に気をつけていきたいと思います。



タイトル 薬による歯周病治療、抗生物質による治療の効果について
質問者 _sos_さん
地域 非公開
年齢 51歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 歯周病(歯槽膿漏)治療
薬による歯周病(歯槽膿漏)治療
回答者




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