出っ歯の歯列矯正に1番を抜歯することについて

相談者: みなみな7807さん (42歳:女性)
投稿日時:2012-06-16 14:23:33
こんにちは。
今回、長年悩んでいた出っ歯矯正をすることに決めました。

上下、合わせて4本の抜歯をすることになり、上の前歯は1番が2本とも神経を取っている歯なので、この歯を抜歯することになりました。(下は4番を抜歯します。)

1番にはインプラントブリッジなどをせず、2番を1番に、3番(犬歯)を2番に動かすことになります。
犬歯を2番に動かすパターンってのがネットで調べてもあまり薦められていななくて、不安になりました。

この場合は、これが一番ベストな方法でしょうか?


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2012-06-16 14:50:39
非常に難しい問題だと思います。

上顎両側1番の予後不良が予測される場合には、ベストな治療方法は、確立されていないと思います。

つまり、どのような治療方法も一長一短で、各治療選択肢に利点・欠点があります。

例えば、現医がお勧している「上顎左右1番抜歯後、上顎23番を上顎12番の位置に配列する治療方法」の一般的な欠点は、上顎2番は上顎1番と比較して、歯頸部が細い形態であるため、矯正治療後に、1番と近似した形態の補綴物(かぶせもの)を装着したとしても、審美的な完成度に満足できない可能性があることです。

一般的に、上顎2番を1番の位置に配列する場合には、歯頸部が細く、歯冠部が太い、三角形のおむすびのような補綴処置をされた2番が、1番の位置に配置されることになります。

一般的に、上顎前歯部は、もっとも審美面に影響をおよぼす部位ですから、かなり重要な検討点です。

 
 
また、ご指摘のように、上顎3番と上顎2番の形態も大きく異なりますので、上顎3番の審美面に不満を感じる可能性もあります。

そのような審美面の欠点を補うために、矯正終了後に多数歯を切削して、大がかりな補綴物を利用する方法がありますが、健康な歯はできるだけ切削しないことが、歯の健康にとって望ましいことは明らかです。
 
ただし、1番を保存して、配列した場合には、現在の1番の状態によっては、近い将来1番が保存不可能となってしまうリスクもありますので、そのような点からは、上顎左右1番抜歯という治療にも大きなメリットがあります。

可能であれば、

 @矯正治療終了直後の歯列の配列状態
 A矯正治療終了後に、補綴処置が完成した状態

上記2種類の予測模型を作製(有料だと思います)していただいた方が良いと思います。

一度抜歯した歯は、決して、戻ってきませんから、慎重な検討をおすすめします。

また、再根管治療などで、上顎左右1番の長期保存が望める可能性がある状態でしたら、まずは、1番の再根管治療などに挑戦して、その結果を待ってから、矯正治療計画を決定するという選択肢もあるかもしれません。

他にも、歯周治療の必要性の検討、矯正治療後の側方ガイド(犬歯誘導等)の付与などの機能的な検討、矯正治療後の補綴処置の「レジンダイレクトボンデイング」、「インプラント」、「ブリッジ」、「ラミネートべニア」、「人口歯肉」等の補綴計画の立案など、矯正治療を開始する前に、事前検討すべき点が多数存在する状態であることが推測されます。

今回ご相談されたようなケースでは、全ての治療選択肢に利点・欠点がありますから、一般的には、矯正専門医・一般歯科医口腔外科医など、各分野の専門歯科医師が集まって症例検討するチームアプローチという手法が、非常に有効になります。

まずは、担当医にご相談して、納得できるまで、話し合ってみてください。 

回答 回答2
  • 回答者
伊藤矯正歯科クリニック(名古屋市中区)の伊藤です。



※2013年9月14日までは伊藤和明先生、それ以降は伊藤雅大先生がご回答されています。
回答日時:2012-06-18 09:37:03
まずは1番が保存できる可能性を求めてください。

その上で予後に問題大きいと思われ場合には、提示いただいた治療方針は十分考えられます。
私も上顎左右1番抜歯矯正した患者さんを経験しています。

ただそのほかにもいろいろな方法が考えられますので、担当医としっかりご相談になり、納得できた方針を選択してください。




タイトル 出っ歯の歯列矯正に1番を抜歯することについて
質問者 みなみな7807さん
地域 非公開
年齢 42歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 矯正で抜いた・抜く予定
抜歯:1番(中切歯)
抜歯:4番(第一小臼歯)
歯列矯正の治療法
上顎前突(出っ歯)
回答者




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