歯列矯正が原因で神経が死んでしまった?先生方の考えを聞きたい

相談者: おーこさん (32歳:女性)
投稿日時:2012-06-16 13:12:56
初めて質問をさせていただきます。
約1年半前から歯科矯正を始めました、おーこと申します。

つい2週間前のことです。
上の2番が冷たいものがしみるようになり、1週間前から歯が変色してきました。

先日調整日で先生に見てもらったところ、矯正の担当の先生は

「わからないから他の先生に見てもらいましょう」

と言われ、一般歯科担当の先生が見てくれました。

初診以来のレントゲンを撮り、画像上では異常ないそうですが、

「神経が死にかけているから抜髄しましょう」

とのことでした。

矯正担当の先生は

「そんなに太いワイヤーを使ってないのにね」
「この歯は今回の調整で動かしてませんよ」
「痛いなら早めに来てくれればよかったのに、我慢強いですね」

等々言われました。

一般歯科担当の先生は、歯髄炎は急に起こるものではないことや、痛みが出てきている時点ですでに炎症を起こしており、その時点ですでに抜髄しかない状態。早く受診したからといって防げたわけではない、と説明を受けました。

矯正担当の先生は初診の写真を見て最後に、

「あーこの歯はよく動かしたからねー」

と言っていました。(歯科医院の都合で初診と現在の先生が違います)

矯正担当の先生の発言が、一般歯科担当の先生の言っている内容を聞く限り信じられませんでした。


何よりも、私は歯は一生ものだと思ってこの年になって思い切って矯正という治療法を選んだのです。

痛い治療にも耐えてきましたし(まだ終わってません)、高い治療費も払って歯を大切に大切にしてきました。

審美目的で健康な歯を8本も抜くことにとても抵抗があり、10年くらい治療に踏み出せずに悩んでいて、ようやく前に進めたのです。

8本抜歯した今、他の人より歯の本数が少ない分残った歯は80歳になっても残すつもりで大切にしていこうと誓っていました。

それがこのような結果になり、とても辛くて悲しいです。
矯正で神経を失うことになろうとは思いもよりませんでした。
とてもショックでいまだに信じられません。

他の一般歯科にセカンドオピニオンで受診しましたが、やはり変色までしているので抜髄した方がよいでしょう、との結果でした。

歯の神経を取っても矯正は続けられるそうです。
ただ、神経が死んでいるのでその歯は死んでいてさらに変色していくし弱くなると言われました。

審美目的で矯正を始めたので、いくらきれいに並んだとしても変色していては意味がないと思っています。
また歯をそのまま残したくてインプラントではなく、あえて歯科矯正を選んだのです。

神経が死んでしまうくらいなら、矯正をしない方がよかったのではないか?とすら思えてしまうほど傷ついています。

しかしもう神経は元には戻らないし、色も戻らないので、ホワイトニングを勧められています。

今、歯が元に戻らないなら、今後を保証していただきたいと考えています。
抜髄の治療費、ホワイトニング(話の内容からウォーキングブリーチかと思います)代を、できれば歯科医院に負担してもらいたいです。

矯正にかかる年月より、抜髄した歯のメンテナンスの方が今後長期に渡りかかると思うのです。

もちろん矯正の調整費用は、今後も引き続き払うつもりでいます。
これは難しいでしょうか…?



こちらのサイトでこれまでの質問を読み返し、歯髄の炎症は矯正によるものだと決めつけるのは難しいという意見を読んできました。

またこれまで矯正治療して来て歯髄炎を起こした患者さんが、ほとんどいないという意見も読みました。

私の周りにも矯正していた人は大勢いますが、歯髄炎を起こして抜髄した人はいません。

事前にそういったリスクがあることの説明を受けていませんでしたし、私も勉強不足で知りませんでした。

先生方にとってはめったにない症例なので、矯正が原因とは考えにくいのかと思いますが、実際その一人となってしまった患者にとってはとてもショックなことなのです。わかってからは泣いてばかりです。

認めたくない気持ちもとてもわかるのですが、こちらとしても歯をぶつけたことも、刺激を与えたことも、矯正以外まったく覚えがなく、ただの不運だとは認めたくない気持ちです。

歯科矯正をしている方(たぶん)全員が、歯を大切にしたくてこの治療法を選んでいるのだと思います。

神経を取るなんて簡単に言われても、納得できないのです。

治療費や法律的なことは…と回答されてるのも見かけましたが、あまりない症例で苦しんでいる方もいらっしゃると思いますのでその代表のつもりでも聞かせていただきたいのですが、


◎ 先生方の歯科医院ではこのような症例(矯正で通院中に歯髄炎)に対して、どんな対応を取られているのでしょうか?(治療法ではなく、どのような扱いになるのでしょうか?)

◎ または今後があった場合どうする予定でしょうか?

◎ もし私のように抜髄とホワイトニング費用を負担してもらえませんか?と交渉された場合…なんとお答えしますか?

◎ どのようなお考えなのか正直なところを聞かせてもらえると大変助かります。



何が正しいというのはないと思いますが、一般的に(?)どのように矯正の先生たちが対処されるのかを知りたいです。


突然のことで動揺しており、失礼な文言、読みにくい文章などありましたらお許し下さい。


回答 回答1
  • 回答者
伊藤矯正歯科クリニック(名古屋市中区)の伊藤です。



※2013年9月14日までは伊藤和明先生、それ以降は伊藤雅大先生がご回答されています。
回答日時:2012-06-18 10:00:39
矯正中の歯髄壊死に関しては、あってほしくはないのですが、まれに起こりうる偶発症だと思われます。
頻度的には極めて少ないと思われますが、その患者さんにとってはつらいことです。
何が原因になるのかは、はっきりわかっていないと思います。

ただ、矯正治療中以外の方にも起こりうる事です。


私も過去40年近い臨床経験で、3歯記憶しています。
一人は埋伏犬歯牽引した歯が失活しましたが、そのまま放置されました。
もう一人は治療途中より変色したため、ウォーキングブリーチで改善し、その後4年ほど経過していますが、今はまだ問題がおきていません。
後一人は治療中は変色はわずかで、気がつかなかったのですが、装置除去し、保定期間中に一般歯科の先生よりご指摘いただきました。この方は根尖病巣もできていましたので、根管治療歯冠補綴までされました。

ただひょっとすると、私が気づかなかっただけで、他にもあるのかもしれません。

気がついた患者さんだけだとすると、起こり得る確率は0.01%以下です。

そのためもあって私どもでも矯正開始時に、歯根吸収は指摘しておりますが、歯髄壊死に関しては触れていませんでした。
これを機に今後改善していきたいと思います。

3人の場合にはホワイトニング、歯冠補綴料金は、患者さんがご負担されています。

自戒を込めて返答させていただきました。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: おーこさん
返信日時:2012-06-20 15:09:55
伊藤 和明 先生


返信ありがとうございました。

今回動揺していたとはいえ、かなり失礼な質問をしてしまいすいませんでした。
丁寧に回答いただき、とてもうれしいです。

歯髄炎ばかりは防ぎようがありませんが、残りの歯は虫歯になったりしないよう、今まで以上に気をつけ大切にしていきたいと思います。

このような質問に回答していただけたこと、心より感謝します。
助言 助言1
助言者: 春の桜さん
助言日時:2012-06-25 08:19:37
【※編集部注】こちらは一般の方からの情報です。


こんにちは。
はじめまして。

私もおーこさん同様、歯列矯正が原因で前歯が失活した者です。
私も悩みに悩んで始めた矯正でした。

虫歯はなく、神経を抜いた事も一度もなかったのに、まさかの失活で、歯の色が変色し始めた時は、本当にショックで落ち込みました。

ここからは、私の現状です。

ご参考になればと思って歯科医ではないのに、恐縮ですが、書きこみますね。

まず、歯の変色に気付いたのは私です。

神経が死んでしまったのでは?と、矯正歯科に次の予約を待たずに行きました。

先生は、ごくごくまれに矯正中に突発的、予想不能な状態で歯の失活(神経が死ぬ)事はある
。が、まだわからないので、様子を見ましょう。もしかしたら、状態が良くなるかもとのことで、3カ月様子を見ました。

が、変色は元通りにならないので、一般歯科へ手紙を書いてもらい、診察に行きました。

一般歯科の先生は一目みて、

「神経が死んでいるので、治療が必要です」

といい、現在も、根の治療をしています。
(たぶん根管治療と呼ばれるものです)

根の治療がおわったら、全体的にかぶせ物をするという事です。
ホワイトニングの話にはなりませんでした)
かぶせ物は、保険適用内で数千円、適用外で最高13万円くらいだそうです。

私は、ビジュアルの問題も重要視するので、適用外しか考えられませんでした。(前歯なので(泣))

もちろん、なんで自分に落ち度がないのに、健康な歯がこんな状態になり、高額な治療費を払わないといけないのか、本当に納得がいきませんでした。

が、矯正歯科の先生の先生の説明を聞き、矯正歯科を攻める気持ちにはなれませんでした。
(今後も長いつきあいで、費用を請求して関係を悪化させたくなかったので。)

矯正治療は続いていますが、失活した歯のブラケットは、今はワイヤからはずしています。
今後、その歯も動かさないといけないのですが、高額なかぶせものにブラケットを付けて傷がついてしまってはいけないので、まずは保険内の安いかぶせ物をし、歯が動いて矯正治療が終わってから、高額のかぶせものに、付け替える予定です。

矯正歯科の先生と一般歯科の先生が連絡を取ってくれたり、費用の面でも、矯正の先生は誠意を見せてくださいました。

経済的にも時間的にも余計な負担が増えて、ブルーですが、落ち込んでいても何も好転しないので、がんばって治療しています。

おーこさんも早く納得できる方向で進んでいけばいいですね。
お互いがんばりましょう♪
回答 回答2
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2012-06-25 13:31:21
>上の2番が冷たいものがしみるようになり、1週間前から歯が変色してきました。

レントゲンを撮り、画像上では異常がない

現在の冷たいもののしみ方ですが、「冷たい刺激に対して、すぐしみて、刺激を除去すると、すぐ痛みがなくなる。」のですか?(つまり、「遅れて痛みを感じて、刺激を除去しても、その痛みが持続する」ものではない。)

もし、上記の痛みだとしたら、そして、もし私なら、抜髄せずに慎重に経過観察すると思います。

その際、歯の動揺の具合や、金属で軽くコンコン叩く時の音も定期的に調べていただく方が良いように思います。
担当の先生とよく話し合われてください。

「100%変色した色が戻らない」とは限らないと思いますよ。(戻らないかもしれませんが・・)

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: おーこさん
返信日時:2012-06-25 22:16:48
春の桜 さん

コメントをありがとうございます。
貴重な体験談を聞かせていただいてうれしいです。

最初は、どこにぶつけてよいかわからない悔しさと悲しさでとても落ち込みました…。

矯正の担当医はひどい対応でしたが、その後説明をしてくれた一般歯科の担当医はとても丁寧に説明をしてくれました。
一般歯科の先生が真摯に向き合ってくれ、費用の請求はとてもできないな…と思い、責めることができませんでした。


>経済的にも時間的にも余計な負担が増えて、ブルーですが、落ち込んでいても何も好転しないので、がんばって治療しています。

私も前を向いて頑張ろうと思います。
残った歯を今後より一層大切にしていきます。

ありがとうございました。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: おーこさん
返信日時:2012-06-25 22:27:13
藤森 隆史 先生

返信ありがとうございます。

冷たいもののしみかたは、口に含んだとたんに鼻や頭に突き抜けるようなキーンとした痛みがありました。
30秒もしないで痛みはひきました。

この症状はある日突然出てきました。
一番ひどい時期は、風さえしみました。1週間ほどで痛みが少し穏やかになりました。

このことは担当医に伝えましたが、その場ですぐに抜髄をするための麻酔を打たれました。(その時は延期してもらいました)

私の状態は、経過観察では難しい症状だったのでしょうか。
回答 回答3
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2012-06-26 11:03:55
痛みの感じ方は個人差が大きいので、それのみを元に診断しようとすると正確な診断とは言えない可能性はありますが・・、その’冷たいもののしみかた’は、まだ、それ程大きなダメージを負っていないように思えます(単なる個人的な推測の域です)。

虫歯治療の既往がある歯ですか?

虫歯によって細菌が歯髄内に侵入するケースよりも、(持続的牽引力による、おそらくは虚血性の循環障害由来?の場合は)歯髄が自己修復(再生)する潜在能力が、より存在するように思えるのですが・・。




タイトル 歯列矯正が原因で神経が死んでしまった?先生方の考えを聞きたい
質問者 おーこさん
地域 非公開
年齢 32歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯列矯正のトラブル
歯医者への不信感
治療費・費用
歯科/裁判・訴訟・示談・慰謝料
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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