ルートセパレーション後のジルコニアクラウンの形態(妊娠中)

相談者: ティルダさん (30歳:女性)
投稿日時:2012-08-11 01:34:24
こんばんは、夜分遅くに申し訳ありません。
今回初めて投稿させて頂きます。

現在、妊娠5ヶ月の安定期に入った妊婦です。


右下6番の歯に銀歯を被せており、この歯の内側の歯茎が体調の悪い時などにぷくっと腫れたりする事が多々ありましたので、赤ちゃんの生まれる前に治療してもらおうと思い本日歯科に行きました。

銀歯を外して中の様子を見ると、今までの治療でたくさん削った事により歯肉が広範囲に渡り見えていました。
また、レントゲンの結果、歯根の股の部分の骨が写っておらず骨がありませんでした。


先生は今後の治療として、この歯を二つに分けてそれぞれに土台を入れ、さらにその上からジルコニアセラミックで被せるという治療法を提案してくださいました。

先生は、二つに分けた歯それぞれに一本ずつセラミックを被せるか、それとも二つの歯の上から一つの歯のように被せる事ができるのか技工士さんに確認してみますとの事でした。


私としては、二本分だと結構な金額になってしまうので、できれば一本分のジルコニアセラミックで被せてもらいたいと思っております。
(一番高額のもので19万円弱、次が14万円、安いものは10万円とおっしゃっていました。)



ここでご質問なのですが、どのような理由から二本被せるのか、それとも一本分で良いのか判断するのでしょうか?

二本分被せる事と一本分被せる事それぞれのメリット、デメリットはどういった事でしょうか?



また、なくなっている歯根の股の部分の骨は、今後治療は可能なのでしょうか?
(骨について先生は何もおっしゃらなかったので、私もついうっかりそのまま質問せずに終わってしまいました…)


長文で分かりづらい表現かと思いますが、ご回答どうぞ宜しくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2012-08-11 09:29:37
なるほど…。

確かに難しいお話ではありますね。

要約すると

 根分岐部に問題があり、ルートセパレーションを勧められている
 2つのクラウンを連結で作るか分けて作るかを考え中

と言う事でしょうか。


実際に拝見しておりませんし、レントゲンなどの資料がありませんので想像と個人的見解を書いておきます。

結論から言えば

 セパレーションした歯が長く持つ可能性は高く無い

と言う事です。
もちろん、適切な処置が行われていれば長く持たせることも可能かもしれませんが、少なくとも僕が見て来た感じで10年以上の長期経過例はほとんどありません。


従って、個人的見解としてはファーストチョイスは「セパレーションせずに抜歯インプラント」です。
ただ、ティルダ さんの場合、妊娠中と言う事もアリ、抜歯やインプラントなどの外科処置は極力避けたいと考えます。
従って「それならしばらくは保険のクラウンでいいんじゃない?」と言うアドバイスになるかと思います。

もちろん、「白い歯じゃなきゃイヤ!」と言う事であれば保険外の歯を入れられても良いとは思いますが、「お金の事は気にしない」と言う感覚で行う必要があるかと思います。



そのうえで、ご質問にお答えいたします。

>どのような理由から二本被せるのか、それとも一本分で良いのか判断するのでしょうか?

さまざまな判断材料がありますので、ここで全てを回答する事は不可能です。



>二本分被せる事と一本分被せる事それぞれのメリット、デメリットはどういった事でしょうか?

根っこが動揺しているような場合であれば連結しておいた方が安定はすると思います。
しかし、その分清掃性などが悪くなるので注意が必要です。



>なくなっている歯根の股の部分の骨は、今後治療は可能なのでしょうか?

実際に拝見しないと何とも言えませんが、「難しい」と個人的には思っています。
なので、個人的には最初に書いたように「ファーストチョイスは抜歯→インプラント」と言う発想になります。
(再度書きますが、適切な処置がされていれば長く持つのかも知れません

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2012-08-11 09:52:19
ティルダさん

おはようございます。

僕も櫻井先生に賛成です。


>どのような理由から二本被せるのか、それとも一本分で良いのか判断するのでしょうか?

全くの推測ですが、技工士さんがこういった場合、2本分の技工料を請求してくるか、1本分でやってくれるかどうかということではないでしょうか?

ルートセパレーションしたあとですので、かぶせ物としてはつながっている状態になるのではないでしょうか?



>二本分被せる事と一本分被せる事それぞれのメリット、デメリットはどういった事でしょうか?

メリット・デメリットではなく、原価がいくらかかるかという話だと思います。

今回の話の大切な部分は、櫻井先生の回答の中にあると思います。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2012-08-11 10:32:57
ティルダさん、おはようございます。

私も櫻井先生の意見に賛成です。


> セパレーションした歯が長く持つ可能性は高く無い
>と言う事です。
>もちろん、適切な処置が行われていれば長く持たせることも可能かもしれませんが、少なくとも僕が見て来た感じで10年以上の長期経過例はほとんどありません。


私自身が今まで行ってきたセパレーションのケースでは、長期的にみてみると、残った歯質の量に関係あるような気がします。
(私見ですが)

歯周病等の理由から、歯質はほとんど無傷の歯をセパレーションしたようなケースでは、長期的にも安定しているようにみえますが、虫歯で大きく削ってしまってある歯をセパレーションしたようなケースでは、長期的にみるとかなりの確率で抜歯になってしまっています。


ティルダさんの場合、既に大きく削られているということですと、あまりお勧めできません。

たとえ数年でも持てば良いとお考えなら、ひとまず残しておくのも一つの治療法かもしれません。
その場合は、セパレーションを行った歯は2本分でかぶせるのが一般的だと思います。

回答 回答4
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2012-08-11 11:12:00
歯周病等の理由から、歯質はほとんど無傷の歯をセパレーションしたようなケースでは、長期にも安定しているようにみえますが、虫歯で大きく削ってしまってあるケースでは、長期にみるとかなりの確率で抜歯になってしまします。


有名な調査研究があって、ルートセパレーショントンネリングも含まれていたかもしれません)の予後5年・10年で失敗となった抜歯理由は、歯周病よりも、虫歯や根破折、或いは、根菅治療の問題の方が、より多かったとのことです。

多くの研究の対象となっている歯全体の形が’短冠・長根’であるヨーロッパ系の人々と’やや長冠・短根’である日本人の場合とが、似た結果であることは興味深いものを感じます。




>セパレーションを行った歯は2本分でかぶせるのが一般的だと思います。

歯冠歯茎の上の部分)への咬む力の影響を受けながら、歯根は形成されていきます。
元々、繋がっていた部分は修復物も繋げる方が自然に思えます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ティルダさん
返信日時:2012-08-11 11:52:59
櫻井先生、橋本先生、小牧先生、藤森先生

早速のご回答どうもありがとうございます。
とても分かりやすく、自分の今ある状況を改めて整理し把握する事ができました。


歯の根っこは二本とも炎症も無く、特に問題は無いそうですが、それでもやはり大きく削ってしまっている歯をセパレーションした場合長くは持たないのものなのでしょうか?

皆様のおっしゃる通り、出産後に抜糸→インプラントの治療の方が長い目で見て良い様な気がしてきましたが、使えるうちは自分の歯を残して使うのも一つの選択肢なのかなとも思ったりしております。


各先生がた、貴重なご意見をどうもありがとうございました。
参考にさせて頂き、次回の診察時にもう一度先生とお話をしてみたいと思います。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2012-08-11 12:22:12
歯を二分割した場合、その強度は1/2ではなく、1/2以下になる可能性の方が高いため、長期的に不安なのです。

本来、ヒトの歯は分割して生えてくるわけではないので、どちらかと言うと、歯医者や患者の”抜きたくない”エゴのために、歯は多大な犠牲を払って二分割されて無理やり ”もたされて”います。


二本それぞれに一本ずつクラウンをかぶせる すなわち大臼歯小臼歯化という方法もあれば、分割してその上の方をつないで一本の歯として使う方法もありますが、どちらもその予後は不安定です。
本来の歯の形態ではありませんから・。・・

がんばって残そうとの努力は評価に値します。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ティルダさん
返信日時:2012-08-11 17:46:16
高田先生

ご回答どうもありがとうございます。


無理矢理 ”もたされて” いるのですね。
どのみち、いずれは抜歯する事になりそうなので、やはり長期的な目で見て、出産後に抜歯→インプラント で考えたいと思います。



こちらに質問させて頂き、貴重なご意見が聞けて本当に良かったです。
どうも有難うございました。



タイトル ルートセパレーション後のジルコニアクラウンの形態(妊娠中)
質問者 ティルダさん
地域 非公開
年齢 30歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 妊娠中の歯科治療
ジルコニアクラウン
クラウン・被せ物の連結(連結冠)
クラウン(被せ物)の形・形態
根分岐部病変
歯根分割(ルートセパレーション)
回答者




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