非抜歯での歯列矯正を希望。日本とアメリカの違いについて

相談者: アップルベリーさん (26歳:女性)
投稿日時:2012-08-31 00:46:52
アメリカでの大人の歯の矯正について質問させていただきます。

来年から数年間アメリカに住む者ですが、現在歯の矯正を考えています。

私の歯並びは、受け口で八重歯があります(上下ともに2番の歯が1番と3番の歯より奥に入ってしまっていてガタガタしています。叢生乱杭歯というのだと思います)。
上には親知らずがありませんが、下には親知らずが存在し、片方は完全に埋まっており、もう片方は少し顔をだしているという状況です。

歯を抜かないと矯正できないのではと思っていたところ、日本で歯を抜かずに矯正をしてくださるという先生に出会い、歯を抜かずに矯正できる方法があると知りました。(親知らずは抜歯する可能性が極めて高いと言われています。)

まだ精密検査をしていないので期間、費用について正確な結果は出ていませんが、期間はおおよそ2年半から3年、費用は100万円台前半が平均的と言われました。(初診は受け、写真を撮り先生のお話をうかがいました。)

正確な金額とおおよその期間は、10万円の精密検査のあとにわかるとその矯正歯科で言われています。


そこで質問です。

私は健康な歯を抜歯したくはありません。

アメリカの矯正歯科では、やはり歯を抜く矯正方法が多いのでしょうか。
それともアメリカのほうが医療が進んでいるので、歯を抜く方法はむしろ少数で、どうしてもというときだけなのでしょうか。
日本でも、各地に抜かずに矯正をしてくださる先生がいるようなのですが、アメリカも同じような感じでしょうか。

私は早ければ来年3月に渡米し、4年以上はアメリカで生活します。
夫の海外赴任について行くのですが、辞令が出るのが1ヶ月前なので、正確な渡米時期はまだわかりませんが、近い将来に渡米することは決まっています。

日本で少しの間でも矯正をしていこうかとも迷っています。
10万円の精密検査を受けようかどうかも迷っています。
アメリカでの矯正費用は、HPでおおよそ調べましたが、矯正方針は翻訳サイトを使ってはみたものの、何が書いてあるかがわかりませんでした。

長くなってしまいましたが、ご存知の先生がおられましたらご回答をよろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2012-08-31 00:55:38
>私は健康な歯を抜歯したくはありません。

矯正は抜歯、非抜歯にこだわると良い結果を得られないと思います。

八重歯が有るという事は、アーチレングスディスクリバンシー(歯の大きさと顎の大きさの不調和)有るのだと思います。

八重歯と云う事で、歯が大きく顎が小さいと想像しています。

だとすれば解消方法は、顎を大きくするか歯を間引く(抜歯する)のどちらかしか有りません。

日本、アメリカの問題ではないと思いますよ。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2012-08-31 10:03:58
一般的に受け口の治療では、親知らず以外は、抜歯をしないで治療することが多くなります。

ただし、細見先生がご指摘のように、抜歯・非抜歯にこだわると、治療の本質を見誤ると思います。

患者さんが有する問題点の解決にとって、必要であれば、抜歯をした方が良い場合もありますし、顎矯正手術を併用(外科矯正)した方が、良好な治療結果が得られる場合もあります。


また、日本で少し矯正をすすめて、アメリカへ転院するという選択肢は、避けられた方が無難です。

矯正治療では、担当する矯正医によって治療テクニックも使用する矯正装置も異なりますし、矯正治療においてもっとも大切な分析方法も異なるからです。

治療途中の転院は、国内であっても難しいですから、外国への転院は困難を極めると思います。


矯正治療は、「できるだけ早く手術しないと生死にかかわるような緊急性の高い疾患の治療」とは異なりますし、一本の虫歯を治療するような短期的な治療ではありません。

矯正担当医と患者さんが、長期的な視点から、現在の問題点および、治療ゴールの共有することが大切となります。

治療ゴールの決定の際は、担当医から、複数の治療選択肢を呈示され、それぞれの治療選択肢の利点・欠点を理解した上で、治療ゴールを選択する場合もあります。

つまり、担当医との綿密なコミニュケーションが必要となりますから、アメリカの矯正医と日本人患者の間では、語学的な問題や、文化的な問題が発生する可能性があります。

さらに、やや長期的な治療となりますので、担当医だけではなく、歯科衛生士歯科助手などの医療スタッフとのコミュニケーションも大切です。

もし、アメリカに永住する予定がなければ、日本に戻られてから、矯正治療をスタートするという選択もあるかと思います。

なお、矯正治療は動的治療(成人の場合には、1年〜2年のケースが多くなります)で終了するのではなく、治療後の保定管理によって、矯正治療によって改善された良好な状態を維持することも、とても重要です。
 
ご参考にしてください。

回答 回答3
  • 回答者
伊藤矯正歯科クリニック(名古屋市中区)の伊藤です。



※2013年9月14日までは伊藤和明先生、それ以降は伊藤雅大先生がご回答されています。
回答日時:2012-08-31 19:09:36
>私は健康な歯を抜歯したくはありません。

患者さんだけでなく、私ども矯正歯科医もそう思っています。

ただ抜歯しなければ、矯正治療がうまく行かない患者さんがいる事も事実です。
無理な非抜歯治療で、後で大きな後悔をしている患者さんを時々診ます。

要は治療目標を定め、そのためにどうするのか、さらにその治療目標は妥当(術者にとっても患者さんにとっても)なのかを治療前にしっかり検証する必要があると考えます。


最初に非抜歯ありきと言う治療は、時として治療ではなくなってしまいます。

何でも抜くのはもちろん反対しますが、絶対抜かないというのも大きな問題です。
といいながら非抜歯矯正の場合ほとんど8番は抜くことが多いです。
8番も歯です。


治療途中の転医は、できるものなら避けたいものです。
治療目標の変更、治療期間の延引、料金の加算が生じる可能性があります。

回答 回答4
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2012-09-01 11:05:23
先生方の回答と同じです。

矯正治療は、方法が多岐にわたり、診断法も異なります。

相互にコミュニケーションが十分取れ、長期にわたる治療中にお口全般の管理も上手に行えることがとても重要です。

精密検査後の治療ゴールの共有がきちんとできていないと、後々トラブルの元になります。

日本で行うならば日本で、アメリカで行うならばアメリカで。
中途半端な治療ならば手を付けてもらわないというのが、賢明だと思います。

緊急性の高い治療ではないので、長い人生の上で時期を誤らないようにしてください。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2012-09-01 14:03:39
アップルベリーさん 
初めまして


>アメリカ矯正歯科では、やはり歯を抜く矯正方法が多いのでしょうか。
>それともアメリカのほうが医療が進んでいるので、歯を抜く方法はむしろ少数でどうしてもというときだけなのでしょうか。


アメリカのほうが医療が進んでいるから歯を抜くことが少ない ということではなくて 欧米人は骨格からして違いますので 日本の患者様よりも イージーケース、抜かずにすむケースが多い ということだと思います。


「抜かない矯正」が謳い文句のデーモンシステムも 日本の患者様に治療する場合は そうはいかないケースが多々御座います。

米国で人気のマウスピース矯正インビザライン」だけでは難しいケースも 日本の患者様の場合 多々御座います。

ある患者様の舌側矯正「インコグニート」の診断をドイツ本社に依頼したところ 「こんな難しいケースは こちらにはないから自分で診断してくれ」と言われたことがありました。

日本人は日本の矯正の先生に診て貰った方が宜しいのではないでしょうか?  
少なくとも難症例は 日本の先生の方が経験豊富かと思っております。

患者様の「歯を抜きたくない」お気持ちは どの先生も重々承知されていると思います。
それが審美的に、機能的にベストな予後が期待できるのでしたら最高なのですが・・・・。

まずは 歯を抜いた場合と 抜かない場合の 模型及びコンピューターによるセットアップモデル(予測模型)を 矯正歯科医院にてご自分なりに確認してみられることをお勧め致します。

ゴールラインが朧げながら見えてくれば 多少なりとも不安が解消されるのではないでしょうか。 

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: アップルベリーさん
返信日時:2012-09-06 00:56:35
お忙しい中、たくさんの先生方にご回答をいただきまして、本当にありがとうございました。

私は矯正について勘違いをしていたようです。
それに気づかせていただいてありがとうございます。

健康な歯を抜歯すると脳が萎縮するという話を、現在通っている歯科医院で言われたこと、そして抜かずにきれいに治りますよと言われたこと、また抜歯に対する恐怖から絶対に抜きたくないと考えるようになり、非抜歯方式の矯正にとても魅力を感じていました。

非抜歯方式が最先端と思っていたのですが、そうではないのですね。

先生方のアドバイスにより、期間的に日本で今矯正を始めるのは避けたほうがいいという結論にいたりました。

アメリカでの矯正は言語と文化の違いで避けた方がいいと回答してくださった先生もいましたが、アメリカは歯並びをとても重視する国なので、そこはもう少し自分でどうするか考えてみたいと思います。

矯正治療は、抜歯を伴う場合も大いにあると自分の中で理解ができました。

的確な助言をいただき、どうもありがとうございました。



タイトル 非抜歯での歯列矯正を希望。日本とアメリカの違いについて
質問者 アップルベリーさん
地域 非公開
年齢 26歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯列矯正の治療法
下顎前突(受け口)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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