17歳、歯列矯正治療で歯根が溶ける事の頻度・初期症状について
相談者:
シークエンシャルさん (17歳:女性)
投稿日時:2012-09-15 10:34:45
はじめまして、
娘 17歳の 矯正治療で 教えて下さい。
交合に 大きな問題はないのですが顎が小さく(狭く)矯正した方がよいでしょうということで、最近治療始めました。
が、左右下A番が反対交合です。
非抜歯です。
現在 クワドへリックスを単独いれています。
その後、数ヶ月ワイヤーブラケットを併用し、その後ブラケット単独で装着していくようです。
・使用器具 クワドヘリックス、ワイヤーブラケット、リテイナー
・動的期間 二年半
・保定期間 一年
です。
歯列矯正の目的 口腔内の状況 治療の流れなど 説明が10分ほどで終わりデメリットに対して説明なく、うちが、矯正を始めた頃から、特にお忙しそうで質問しずらい雰囲気で・・・私なりに調べましたら 矯正で歯根が溶けることがあると知り 心配でご相談しました。
自分でも調べましたが、詳しいことわからず、、どの位の頻度で起こり 初期にどのような症状がでるか等 教えて下さると 大変有難いです。
お忙しい中恐れいります。
よろしくお願い致します。
娘 17歳の 矯正治療で 教えて下さい。
交合に 大きな問題はないのですが顎が小さく(狭く)矯正した方がよいでしょうということで、最近治療始めました。
が、左右下A番が反対交合です。
非抜歯です。
現在 クワドへリックスを単独いれています。
その後、数ヶ月ワイヤーブラケットを併用し、その後ブラケット単独で装着していくようです。
・使用器具 クワドヘリックス、ワイヤーブラケット、リテイナー
・動的期間 二年半
・保定期間 一年
です。
歯列矯正の目的 口腔内の状況 治療の流れなど 説明が10分ほどで終わりデメリットに対して説明なく、うちが、矯正を始めた頃から、特にお忙しそうで質問しずらい雰囲気で・・・私なりに調べましたら 矯正で歯根が溶けることがあると知り 心配でご相談しました。
自分でも調べましたが、詳しいことわからず、、どの位の頻度で起こり 初期にどのような症状がでるか等 教えて下さると 大変有難いです。
お忙しい中恐れいります。
よろしくお願い致します。
回答1
松田歯科クリニック(荒川区町屋)の松田です。
回答日時:2012-09-15 16:58:11
シークエンシャルさん 初めまして
歯根吸収は 矯正治療にとって 或る程度不可避な部分もあるのですが、なるべく その程度、頻度を小さくすべく 我々も努力しなければならない部分が多分にあると認識しております。
ある報告では 歯根吸収は 矯正治療開始後3−9ヶ月という比較的早期に出現すると言われています。
頻度は平均1.5mmの吸収が上の前歯の4.1%、2o以上の吸収が1本以上の上の前歯に15.5%出現したとされています。
歯の種類別では上下の前歯に集中しており、不正咬合の種類では開咬(前歯が空いている)や上顎前突(出っ歯)の症例で多く、治療開始年齢が高く、治療期間が長いほど、歯根の吸収も憎悪する傾向があるとも報告されております。
結紮を必要としない デーモンシステムなどのセルフライゲーションブラケットでは歯根吸収は少ない、矯正用インプラントを用いた治療法では歯根吸収が多い などの報告もありますが、実際のところは まだ正確に把握されているわけではないと思われます。
歯根吸収の初期症状として顕著にどうかなる ということは基本的にあまりないと思われますが、定期的にレントゲン撮影を行い、 歯根吸収が判明した場合は 治療の目標設定の変更なども考慮する必要があると考えております。
矯正治療における歯根吸収は 個人差も大きくあるようでありまして その原因としては遺伝的要素が考えられております。
以下 少し難しくなりますので 飛ばして構いません。
機械的な伸展力を加えた歯根膜においては、 矯正治療における発痛因子であり、また破骨細胞活性化因子である PG(プロスタグランジン)E2、IL(インターロイキン)-1β、組織プラスミノーゲン活性化因子 が産生されます。
特に IL-1βにおいては 対立遺伝子T型にホモ接合する患者は そうでない患者に比して 2o以上の根尖性歯根吸収に対するリスクが 5.6倍もあると 東京歯科大学の研究において報告されております。
つまりは IL-1B対立遺伝子の型に因って サイトカインであるインターロイキンの産生量が異なってくる為 矯正治療による歯の移動に際して、歯根を動かした方向の骨の代謝がスムーズに行える人と 代謝がスムーズでなく 歯の移動に際して 歯根に過大な力がかかり歯根が吸収してしまう人がいるようであります。
歯周病同様 遺伝学の方向から 矯正治療を検討するのも 有効なことかもしれませんね。
いずれにしましても 娘さんの歯根吸収が心配なことを 担当の先生としっかりと相談されたうえで 今後の矯正治療を進めていかれれば宜しいのではないでしょうか。
歯根吸収は 矯正治療にとって 或る程度不可避な部分もあるのですが、なるべく その程度、頻度を小さくすべく 我々も努力しなければならない部分が多分にあると認識しております。
ある報告では 歯根吸収は 矯正治療開始後3−9ヶ月という比較的早期に出現すると言われています。
頻度は平均1.5mmの吸収が上の前歯の4.1%、2o以上の吸収が1本以上の上の前歯に15.5%出現したとされています。
歯の種類別では上下の前歯に集中しており、不正咬合の種類では開咬(前歯が空いている)や上顎前突(出っ歯)の症例で多く、治療開始年齢が高く、治療期間が長いほど、歯根の吸収も憎悪する傾向があるとも報告されております。
結紮を必要としない デーモンシステムなどのセルフライゲーションブラケットでは歯根吸収は少ない、矯正用インプラントを用いた治療法では歯根吸収が多い などの報告もありますが、実際のところは まだ正確に把握されているわけではないと思われます。
歯根吸収の初期症状として顕著にどうかなる ということは基本的にあまりないと思われますが、定期的にレントゲン撮影を行い、 歯根吸収が判明した場合は 治療の目標設定の変更なども考慮する必要があると考えております。
矯正治療における歯根吸収は 個人差も大きくあるようでありまして その原因としては遺伝的要素が考えられております。
以下 少し難しくなりますので 飛ばして構いません。
機械的な伸展力を加えた歯根膜においては、 矯正治療における発痛因子であり、また破骨細胞活性化因子である PG(プロスタグランジン)E2、IL(インターロイキン)-1β、組織プラスミノーゲン活性化因子 が産生されます。
特に IL-1βにおいては 対立遺伝子T型にホモ接合する患者は そうでない患者に比して 2o以上の根尖性歯根吸収に対するリスクが 5.6倍もあると 東京歯科大学の研究において報告されております。
つまりは IL-1B対立遺伝子の型に因って サイトカインであるインターロイキンの産生量が異なってくる為 矯正治療による歯の移動に際して、歯根を動かした方向の骨の代謝がスムーズに行える人と 代謝がスムーズでなく 歯の移動に際して 歯根に過大な力がかかり歯根が吸収してしまう人がいるようであります。
歯周病同様 遺伝学の方向から 矯正治療を検討するのも 有効なことかもしれませんね。
いずれにしましても 娘さんの歯根吸収が心配なことを 担当の先生としっかりと相談されたうえで 今後の矯正治療を進めていかれれば宜しいのではないでしょうか。
相談者からの返信
相談者:
シークエンシャルさん
返信日時:2012-09-15 19:29:40
お忙しい中 熱心なご回答ありがとうございました。
症例や時期など まじえてご回答いただき 大変参考になり、レントゲン撮影を 定期的にして相談しながら進めたいと思いました。
だいぶ 気持ちが落ち着きました。
遺伝的な見地からも 大変専門的で貴重な 情報を頂き恐縮です。
先生と 相談しながらゆったりした気持ちで 進めていこうという気持ちになれました。
専門的なしっかりとしたご意見に 救われます。
本当に お忙しい中ありがとうございました。
症例や時期など まじえてご回答いただき 大変参考になり、レントゲン撮影を 定期的にして相談しながら進めたいと思いました。
だいぶ 気持ちが落ち着きました。
遺伝的な見地からも 大変専門的で貴重な 情報を頂き恐縮です。
先生と 相談しながらゆったりした気持ちで 進めていこうという気持ちになれました。
専門的なしっかりとしたご意見に 救われます。
本当に お忙しい中ありがとうございました。
タイトル | 17歳、歯列矯正治療で歯根が溶ける事の頻度・初期症状について |
---|---|
質問者 | シークエンシャルさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 17歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ | 歯列矯正(矯正歯科)その他 |
回答者 |
|
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。