アメリカ・スカンジナビアでのぺリオの考え方の違い(歯科衛生士)

相談者: ゆかりーぬさん (30歳:女性)
投稿日時:2012-09-17 10:58:32
お忙しい所申し訳ありません。

ペリオについて質問させて下さい。

アメリカンペリオとスカンジナビアペリオの考え方について違いを教えていただけますか?



歯石を完璧に取り根面を滑沢にするのがアメリカンペリオ』

歯石除去が1番ではなく歯石が残っていてもバイオフィルムを除去することが1番の目的なのがスカンジナビアペリオ』


という考え方は極端だとは思いますが、解釈的にはあってるのでしょうか…


調べてもわからないので、勉強不足で申し訳ありませんがよろしくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2012-09-17 21:36:16
すみません、歯科医師歯科衛生士などの関係者からのご質問でしょうか?
それとも患者としてのご質問でしょうか?

回答内容が変わってくるかと思われますので・・

ただまあ、極端ではありますが日本ではそんな感じで受け止められていると考えてもいい様な印象はありますね。 
極端ですが・・

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回答 回答2
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2012-09-17 22:38:19
全く詳しくはないのですが、

歴史的には、米国で発展してきた考え方の一部に対して、北欧が客観的なデータを出してきた面があったように個人的には感じています。

日本でぺリオを学ぶ場合は歴史を意識される方が理解しやすいように思います。

数年前、国内のある学会で各巨頭が、幾つかの症例発表に対して、同時にコメントされました。
しかしながら、実際、その内容には、ほとんど差はなかったように思います。


現在では、個人の責任による米国と福祉国家との間の保険制度の差に因るものは感じます。
また、日本の保険制度は、それらと全く異なると思いますから、優れた面を如何に取り入れるかを、皆、工夫しているはずです。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ゆかりーぬさん
返信日時:2012-09-17 23:15:47
御回答ありがとうございます。
私は歯科衛生士です。

確かに色々検索すると、アメリカンは外科的でゴールが厳密とか、スカンジナビアはその逆で…とか。

保険が適応するかどうか、裁判国家であるとか、環境だったりで違うなどの記載があったり、昔は違ったのかもしれませんが、今は考え方が近付いてきてるような記載もありました。


どちらがどうとかではなく、それぞれのいい所を取り入れつつ日々精進すればいいとは思いますが、違いがあるのだとすればそれを知りたくてご相談させていただきました。


今度スカンジナビアペリオの講習を受けようと思います。

それを自分の職場の方々に説明するときに、一緒に違いを説明出来たらそれぞれが自分なりに良いと思った部分を取り入れられるのかなと思いましたが、調べてもわからなかったので先生がたのお力をお借りしたいとおもいました。

お手数をおかけして申し訳ありません。
回答 回答3
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2012-09-18 00:10:28
個人的には、’咬合’が歯周病の原因の一つとして、どのような役割を果たす(果たさない?)か等の論争は興味あるものでしたけどね。

付着歯肉の必要度の差異など若干あるかもしれません。

訴訟社会の治療ではチャレンジではなく、(安全率をかけた)より確実な方法を選択するのかもしれないですね。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2012-09-18 00:33:57
衛生士さんってことですね。



藤森先生もコメントされた通り、治療方針の考え方に関しては歴史や社会背景が実はとても重要です。

ただ科学的事実(エビデンス)は同じ人間相手の同じ病気について、そんなにバラツキは出ませんから、出来るだけそちら(英語の研究論文)に近い勉強を意識してするべきだと思います。

例えばその歯石を取るべきか取らないべきか?という論点について、同じスカンジナビアペリオの代表格と言われる様な日本人の有名な先生同士で同じ論文を元に真逆の結論を口にしておられる様に思ったことがあります。

参考:
(Role of "diseased" root cementum in healing following treatment of periodontal disease. A clinical study.)
論文はこちら

それについてコメントした昔の回答

参考→超音波スケーラー(P-MAX)購入の要望書を提出していますが…

・・これ一編だけでいいので、頑張って原文を読むことをお勧めします。



米国もスカンジナビアも、と一括りに語るのは無理があって、特に米国は大学同士で方針がかなり違ったりするみたいですけど、通常は海外の専門医と言うのは科学的研究論文を沢山読みますし、仮説を証明するための研究自体も沢山行います。

理由はことなるのですがそれぞれ人間の被験者を使った質の高い臨床研究が可能なのに、日本だけは(私もですが)英語が苦手で論文を読まない医局が多く、また読み方の教育もなかなか受けられず、社会背景的にも臨床研究はいいものはほとんど出来ません。

それで結果的に非科学的な考え方(→だからといって真実ではないとは限りませんが)や、伝言ゲームの様に途中で意図的に曲げられた企業のコマーシャルみたいな情報が氾濫しやすい様に感じます。



乱暴な言い方をすると海外のペリオの専門医は共通して論文を沢山読みますし、アメリカでもスカンジナビアでも同じ論文を読んでいます。

そのペリオの論文を一番書いているのは米国の複数の大学のペリオを渡ってからスウェーデンで教鞭を取られたJan Lindhe先生です。

とりあえずLindhe先生の教科書(訳本があります。が、高価!)を買うか医院で買ってもらうかして、治療方法ではなくて「原理・原則」を意識して読むのはいい方法かも知れません。

「原理・原則」は論文を読まない国以外では万国共通、ということになります。



米国、スカンジナビア、あるいは日本で治療方針や考え方に違いがあるとしたらそれは根拠(エビデンス)ではなくて社会的背景(訴訟や保険・福祉制度)だったり考え方(解釈の仕方)の方が影響するはずなので、そこをごっちゃにせずに勉強されるといいと思いますよ。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ゆかりーぬさん
返信日時:2012-09-18 07:12:18
本当に色々丁寧に御回答いただきありがとうございます。

私の認識もかなり軽いものだったなと反省しております。
もっと深い位置から勉強し直していきたいと思います。

先生方のお力をお借りできて感謝しております。

本当にありがとうございました。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2012-09-18 10:29:37
ちなみにどっちも滑沢な面を目指します。
日本では情報が恣意的に歪められて伝えられることが多いです。

滑沢にしなくていい、という人たちは、超音波スケーラーを売りたかったりして。

真面目に講習会やセミナーに行けばいくほど、混乱する事態には困ったものです。

日本の歯科のリーダーたちが特定のメーカーや会社との関係に、
一定の距離を保ってほしいものです、ほんと。

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回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2012-09-18 11:57:23
レン さん、今日は

解決になっていますが、追加で回答します。

大野先生の言われるように根本的なところは同じです。

微妙なさは有るのですが、日本ではその差をことさらに誇張して伝えられているようです。

さらにスウェーデンでは、4つの歯学部では、同じ考え方で教育されますが、アメリカでは、大学によっても差があります。

アメリカでもよりスウェーデンに近い考えも有れば、少し違う術式を多用する大学も有るようです。

そのような意味では、日本では時にアメリカの代表というような講演をされる先生がみえますが、多くはアメリカの一大学または、一専門医の考え方を伝えているにすぎないことが多々有ります。

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タイトル アメリカ・スカンジナビアでのぺリオの考え方の違い(歯科衛生士)
質問者 ゆかりーぬさん
地域 非公開
年齢 30歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯周病その他
歯周病関連
衛生士関連
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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