口腔内の細菌数を計測する機械
相談者:
TSMさん (30歳:男性)
投稿日時:2012-09-28 21:40:08
口腔内の細菌総数と虫歯・歯周病の関係について、良く分からないことがあり、お教え願えましたら幸いです。
障がい者施設にて、利用者の方に歯磨き・うがいなど口腔ケアの指導を進めたいと考えております。
今までは、歯を着色して磨きのこしの歯垢を分かる形など、歯磨きの効果が目に見えるような方法などに取り組んできています。
最近、口腔内の細菌数を短時間(数分)に計測する機械があると伺いました。
それを使えば、歯磨き前に測った口の中と、歯磨き後の状態を比べて、歯磨き効果を分かりやすく伝えられると考えました。
調べましたところ、その機械で測れるのは「細菌総数」であり、虫歯原因菌や歯周病原因菌に限定されず、口腔内の全部の菌ということです。
口腔内は、悪い菌・良い菌合わせて細菌だらけと思います。
そこで疑問がわき、ご質問させていただけましたら幸いです。
・細菌総数が多い人は、虫歯が多く、歯周病にもかかりやすい・かかっていると考えられますでしょうか?
・細菌総数は多い方が良いのか、少ない方がよいのか、どちらでしょうか?
・細菌総数を減らすことが良い事といえますでしょうか?
細菌総数が多くても良い菌が多い人は問題がないのでしょうか?
また、虫歯菌・歯周病菌を短時間で測定できる機械やキットなどがございましたら、お教えいただけましたら幸いです。
何卒お力をいただけましたら幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
障がい者施設にて、利用者の方に歯磨き・うがいなど口腔ケアの指導を進めたいと考えております。
今までは、歯を着色して磨きのこしの歯垢を分かる形など、歯磨きの効果が目に見えるような方法などに取り組んできています。
最近、口腔内の細菌数を短時間(数分)に計測する機械があると伺いました。
それを使えば、歯磨き前に測った口の中と、歯磨き後の状態を比べて、歯磨き効果を分かりやすく伝えられると考えました。
調べましたところ、その機械で測れるのは「細菌総数」であり、虫歯原因菌や歯周病原因菌に限定されず、口腔内の全部の菌ということです。
口腔内は、悪い菌・良い菌合わせて細菌だらけと思います。
そこで疑問がわき、ご質問させていただけましたら幸いです。
・細菌総数が多い人は、虫歯が多く、歯周病にもかかりやすい・かかっていると考えられますでしょうか?
・細菌総数は多い方が良いのか、少ない方がよいのか、どちらでしょうか?
・細菌総数を減らすことが良い事といえますでしょうか?
細菌総数が多くても良い菌が多い人は問題がないのでしょうか?
また、虫歯菌・歯周病菌を短時間で測定できる機械やキットなどがございましたら、お教えいただけましたら幸いです。
何卒お力をいただけましたら幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
回答1
歯医者/歯科情報の歯チャンネル運営者の田尾です。
回答日時:2012-09-29 05:18:47
「位相差顕微鏡」というものを使えば、口腔内の細菌をその場で見せることができます。
また、口腔内の特定の細菌の数をチェックするキットも何種類か市販されています。
TSMさんがご質問されているのはおそらくこれのことだと思います。
(サリバチェックラボ、BML細菌検査キットなど)
虫歯・歯周病の検査については、視診・問診・レントゲン・ポケット測定などで十分で、また、細菌は口腔内だけでなく咽喉・鼻腔などにも存在しますので、検査のために細菌数を調べる必要性は一般的にはありません。
また、虫歯や歯周病の原因菌は現在でも完全にはわかっていませんので、
これらのキットで細菌数の減少が認められた=予防効果がある
というわけでもありません。
ただ、利点もあります。
それは患者さんに「ビジュアルで見せることができる」ということです。
モチベーションのアップという点では、これは意義があると思います。
問題は、手間とコストです。
調べて頂くとわかると思いますが、検査キットもけっこうなお値段します。
それだけの費用を頂くのであれば、その分メンテナンスに来て頂いて直接チェック・指導をしたほうが効果があるのではないか?という考え方もできます。
ツールはあくまでもツール。
大切なことはその内容・意味をきちんと理解して、どのように活用するのか?ということだと思います。
相談内容とは少し離れますが、もし障がい者施設で本気で入居者の方の口腔内状態を良好にしたいと思われるのであれば、
・入居者のケアをされている方々へのレクチャー
(正しい口腔内ケアの方法について専門家に指導してもらう)
・口腔内ケアを実践できる環境作り
・訪問診療を行っている医療機関との連携
優先順位としてはこれらのほうが遥かに高いと思います。
実際、かなり重度の方が入居されている施設でも、上記のことが徹底されている施設では、入居者の方の口腔内状況は非常に良好に保たれています。
以上、ご参考まで。
また、口腔内の特定の細菌の数をチェックするキットも何種類か市販されています。
TSMさんがご質問されているのはおそらくこれのことだと思います。
(サリバチェックラボ、BML細菌検査キットなど)
虫歯・歯周病の検査については、視診・問診・レントゲン・ポケット測定などで十分で、また、細菌は口腔内だけでなく咽喉・鼻腔などにも存在しますので、検査のために細菌数を調べる必要性は一般的にはありません。
また、虫歯や歯周病の原因菌は現在でも完全にはわかっていませんので、
これらのキットで細菌数の減少が認められた=予防効果がある
というわけでもありません。
ただ、利点もあります。
それは患者さんに「ビジュアルで見せることができる」ということです。
モチベーションのアップという点では、これは意義があると思います。
問題は、手間とコストです。
調べて頂くとわかると思いますが、検査キットもけっこうなお値段します。
それだけの費用を頂くのであれば、その分メンテナンスに来て頂いて直接チェック・指導をしたほうが効果があるのではないか?という考え方もできます。
ツールはあくまでもツール。
大切なことはその内容・意味をきちんと理解して、どのように活用するのか?ということだと思います。
相談内容とは少し離れますが、もし障がい者施設で本気で入居者の方の口腔内状態を良好にしたいと思われるのであれば、
・入居者のケアをされている方々へのレクチャー
(正しい口腔内ケアの方法について専門家に指導してもらう)
・口腔内ケアを実践できる環境作り
・訪問診療を行っている医療機関との連携
優先順位としてはこれらのほうが遥かに高いと思います。
実際、かなり重度の方が入居されている施設でも、上記のことが徹底されている施設では、入居者の方の口腔内状況は非常に良好に保たれています。
以上、ご参考まで。
回答2
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2012-09-29 18:14:11
>また、虫歯菌・歯周病菌を短時間で測定できる機械やキットなどがございましたら、お教えいただけましたら幸いです。
特定の細菌だけを測定するキットはあるにはあるのですが、時間とコストがかかりますので、障害者施設で実施するには適さないような気がします。
(通常、1週間程度かかります)
参考:サリバチェックラボ
http://www.gcdental.co.jp/sys/data/item/doc/908/
なので、田尾先生の書かれているように、専門家と連携して診てもらった方が現実的で成果が上がるような気がします。
地域の歯科医師会などに問い合わせてみてはいかがでしょうか。
特定の細菌だけを測定するキットはあるにはあるのですが、時間とコストがかかりますので、障害者施設で実施するには適さないような気がします。
(通常、1週間程度かかります)
参考:サリバチェックラボ
http://www.gcdental.co.jp/sys/data/item/doc/908/
なので、田尾先生の書かれているように、専門家と連携して診てもらった方が現実的で成果が上がるような気がします。
地域の歯科医師会などに問い合わせてみてはいかがでしょうか。
回答3
小林歯科クリニック(渋谷区神宮前)の小林です。
回答日時:2012-09-29 18:23:21
TSM さん、こんにちは
今年の春リリースされたばかりの機材ですが・・・
細菌カウンタ
http://panasonic.biz/healthcare/saikin_c/
という機材があります。
私のクリニックで採用している訳でもなく、詳しく把握している訳でもありませんが、ご興味がありましたら、資料を請求されるなどしてみてはいかがでしょう。
ご参考まで。
今年の春リリースされたばかりの機材ですが・・・
細菌カウンタ
http://panasonic.biz/healthcare/saikin_c/
という機材があります。
私のクリニックで採用している訳でもなく、詳しく把握している訳でもありませんが、ご興味がありましたら、資料を請求されるなどしてみてはいかがでしょう。
ご参考まで。
回答4
回答5
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2012-09-29 18:56:24
虫歯・歯周病の実際の予防では、清掃という行為によって細菌総数を減らすのが通常だと思います。
おそらく日常のご経験から、「プラーク量の多い方が必ずしも、虫歯や歯周病の進行が速いとは限らない」と思われたのかもしれません。
つまり、プラークは’量(細菌数)’よりも’質(細菌種の比率)’が重要だと・・。それも真実だと思います。
歯周病を起こす犯人(犯菌種?)の候補は幾種か上がっています。
少なくても、’抗菌剤(+ルートプレーニング)’等で細菌種の比率を変える(?)とずっと改善しているように見えることがあります。
しかしながら、犯菌種同定は未だ確固たるものではなさそうです。
もしかしたら、食べ合わせのように、幾つかの菌種がたまたまマッチすることで歯周病を進行させるのかもしれません(只の空想ですよ!)。
もしかしたら、今だ確認されていない極悪菌がいるかもしれません。
現在のところ、誤嚥性肺炎なども含め、細菌数の減少を目指して管理される方が無難なものに思えます。
おそらく日常のご経験から、「プラーク量の多い方が必ずしも、虫歯や歯周病の進行が速いとは限らない」と思われたのかもしれません。
つまり、プラークは’量(細菌数)’よりも’質(細菌種の比率)’が重要だと・・。それも真実だと思います。
歯周病を起こす犯人(犯菌種?)の候補は幾種か上がっています。
少なくても、’抗菌剤(+ルートプレーニング)’等で細菌種の比率を変える(?)とずっと改善しているように見えることがあります。
しかしながら、犯菌種同定は未だ確固たるものではなさそうです。
もしかしたら、食べ合わせのように、幾つかの菌種がたまたまマッチすることで歯周病を進行させるのかもしれません(只の空想ですよ!)。
もしかしたら、今だ確認されていない極悪菌がいるかもしれません。
現在のところ、誤嚥性肺炎なども含め、細菌数の減少を目指して管理される方が無難なものに思えます。
相談者からの返信
相談者:
TSMさん
返信日時:2012-09-29 21:09:47
田尾先生
櫻井先生
ありがとうございます。地域の医療機関への問い合わせを行ってみます。
小林先生
ありがとうございます。詳細を調べてみます。
藤森先生
ありがとうございます。
歯磨きなどを徹底して総細菌数を減らすアプローチを進めてみようと思います。
そこで、新たなご質問になってしまうかもしれませんが、新たに歯磨きに用いている歯磨き粉やマウスウォッシュなどについて、お教えください。
歯磨きに市販の殺菌剤やアルコール入りの歯磨き粉やマウスウォッシュを使用しています。
これにより歯磨きだけでなく、殺菌作用として、口の中の細菌総数、そして虫歯原因菌・歯周病菌も減ると期待しています。
そこでですが、
・歯磨きによる、細菌の塊である歯垢の除去だけでなく、殺菌剤入りの歯磨き粉の使用や、マウスウォッシュなどでのうがいなどでの口内の殺菌も同時に行った方が良いでしょうか?
・うがい薬などを用いたうがいでは、口腔内の細菌が減って、むしろ風邪をひきやすくなるという記事を見たことがあります。
殺菌効果のある製品を使うことで、良い菌も殺し、悪い菌を抑制できず虫歯・歯周病を増やし、さらに口腔内細菌が減ることで風邪や院内感染なども起こしやすい口内環境を作ってしまう危惧はありますでしょうか?
・細菌総数を減らす取り組みで、殺菌剤やアルコールを用いる場合、誤飲などによる利用者の体への影響は大丈夫でしょうか?
重ねてのご質問大変恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
櫻井先生
ありがとうございます。地域の医療機関への問い合わせを行ってみます。
小林先生
ありがとうございます。詳細を調べてみます。
藤森先生
ありがとうございます。
歯磨きなどを徹底して総細菌数を減らすアプローチを進めてみようと思います。
そこで、新たなご質問になってしまうかもしれませんが、新たに歯磨きに用いている歯磨き粉やマウスウォッシュなどについて、お教えください。
歯磨きに市販の殺菌剤やアルコール入りの歯磨き粉やマウスウォッシュを使用しています。
これにより歯磨きだけでなく、殺菌作用として、口の中の細菌総数、そして虫歯原因菌・歯周病菌も減ると期待しています。
そこでですが、
・歯磨きによる、細菌の塊である歯垢の除去だけでなく、殺菌剤入りの歯磨き粉の使用や、マウスウォッシュなどでのうがいなどでの口内の殺菌も同時に行った方が良いでしょうか?
・うがい薬などを用いたうがいでは、口腔内の細菌が減って、むしろ風邪をひきやすくなるという記事を見たことがあります。
殺菌効果のある製品を使うことで、良い菌も殺し、悪い菌を抑制できず虫歯・歯周病を増やし、さらに口腔内細菌が減ることで風邪や院内感染なども起こしやすい口内環境を作ってしまう危惧はありますでしょうか?
・細菌総数を減らす取り組みで、殺菌剤やアルコールを用いる場合、誤飲などによる利用者の体への影響は大丈夫でしょうか?
重ねてのご質問大変恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
回答6
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2012-09-29 21:41:46
薬品に頼るのではなく、随時、機械的な清掃で細菌数を減らせるようにされたら宜しいかと思われます。(個人的意見)
良い常在菌との共存は大切な事だと思います。
喉の入口や皮膚に棲む門番役(?)の善い菌を死滅させない方が悪者の侵入を阻止するためになるのかもしれないですね。
但し、強烈な悪玉菌も棲みつく場所によっては善玉菌として働いてくれる場合もあるようです。
一概に、善・悪で分類するのは難しそうです。
良い常在菌との共存は大切な事だと思います。
喉の入口や皮膚に棲む門番役(?)の善い菌を死滅させない方が悪者の侵入を阻止するためになるのかもしれないですね。
但し、強烈な悪玉菌も棲みつく場所によっては善玉菌として働いてくれる場合もあるようです。
一概に、善・悪で分類するのは難しそうです。
回答7
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2012-09-30 21:32:26
TMSさん、今晩は。
歯磨剤やマウスウォッシュの薬用成分の中で、効果が証明されている成分はフッ化物のもです。
フッ化物による虫歯予防効果以外の効果を期待して、それらの物を用いることは意味がありません。
歯ブラシによって歯垢を取り除くことが、唯一です。
一般の方は、変わった方法や新しい方法に飛びつきがちですが、介護の専門家として正しい知識に基づいて、基本をきちっと守りましょう。
(介護の成書にはどのように書かれているのでしょうか?)
歯ブラシや歯間ブラシ等を使用して、確実に歯垢を取り除くことと、フッ化物の正しい使用に専念してください。
それの加え、栄養学的観点から、全身の状態も含めた、糖質の総量と摂取回数、糖質を含む食品の性状をコントロールして下さい。
歯磨剤やマウスウォッシュの薬用成分の中で、効果が証明されている成分はフッ化物のもです。
フッ化物による虫歯予防効果以外の効果を期待して、それらの物を用いることは意味がありません。
歯ブラシによって歯垢を取り除くことが、唯一です。
一般の方は、変わった方法や新しい方法に飛びつきがちですが、介護の専門家として正しい知識に基づいて、基本をきちっと守りましょう。
(介護の成書にはどのように書かれているのでしょうか?)
歯ブラシや歯間ブラシ等を使用して、確実に歯垢を取り除くことと、フッ化物の正しい使用に専念してください。
それの加え、栄養学的観点から、全身の状態も含めた、糖質の総量と摂取回数、糖質を含む食品の性状をコントロールして下さい。
相談者からの返信
相談者:
TSMさん
返信日時:2012-10-05 18:06:24
タイトル | 口腔内の細菌数を計測する機械 |
---|---|
質問者 | TSMさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 30歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ | |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。