自治体の口腔ガン検診が他のガンよりも充実していないのはなぜ?

相談者: イノセントパートさんさん (42歳:女性)
投稿日時:2012-12-03 21:07:11
昨今、口腔がんの患者が増えていると聞きました。

ガンである以上、胃・大腸・乳がんのように、定期的な検診と早期発見が重要だと認識しています。

しかし、口腔ガンの検診について調べてみると、自治体により差があり、胃がん、乳がんなどの検診の充実度に比べると、少ないと思います。

これはどうしてなのでしょうか?

また、今後、口腔ガンの検診はもっと普及していくのでしょうか?


回答 回答1
  • 回答者
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2012-12-03 21:13:47
>今後、口腔ガン検診はもっと普及していくのでしょうか?

残念ながらその様な流れは有りません。

現状では御自身で定期的に健診を受けるしかないと思います。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2012-12-03 21:19:52
>これはどうしてなのでしょうか?

胃がんなどは罹患者が数10万人に対し、口腔がんは数千人と少ないからではないかと思います。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2012-12-03 21:20:59
イノセントパートさん さん、こんばんは。

>今後、口腔ガン検診はもっと普及していくのでしょうか?

東京の場合、区にもよりますが、ようやく制度化されつつありますが、まだまだといった感が拭えません。

時間はかかりますが、徐々に普及していくと思っています。

今はまだ、地域差があるのかもしれません。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2012-12-04 09:22:51
同じくですね。。

普及はあまりしないのではと推測されますね・・・。

そのような方が、その他の疾患に比べますと少ないですね。

でもそのように頭の隅っこにおいておくことはいいことだと思いますので、時折は受けてくださいね。
歯科口腔外科でね)

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2012-12-04 12:31:05
こんにちは。

私は大学在籍時代に1992年から口腔がん検診を担当してきました。

確かに口腔がんの検診は他部位のがんに比べると集団検診を行っている地域がまだまだ少ないですね。

この理由は集団検診の発見率が出ていない(有効性が見いだせない)ことで行政がなかなか動かないことが挙げられます。


そこで実際の集団検診のがんの発見率について調べてみると・・

胃がん

検診者4376699人に対してがんが見つかった方は6439名(0.15%)

肺がん

検診者7769635人に対してがんが見つかった方は3711名(0.05%)

大腸がん

検診者6430450人に対してがんが見つかった方は9995名(0.16%)

子宮がん

検診者3995021人に対してがんが見つかった方は2417名(0.06%)

乳がん

検診者2698947人に対してがんが見つかった方は5091名(0.19%)

となっております。

これに対し(私が在籍していた大学で統計を取った結果ですが)

口腔がんは

検診者7030人に対してがんが見つかった方は8名(0.11%)

となっております。


母集団が違いますし検診方法もそれぞれ違うので単純な比較はできませんが、これを見ると決して口腔がんにおける集団検診の発見率が低いわけではありません。

この結果をうけて、千葉の市原市では数年前より行政主導の口腔がん検診を開始しております。(簡単に言うとほかの集団がん検診と同じように市民が無料で口腔がん検診を受けることができるということです。)

また、東京23区でも歯科医師会が主導のがん検診を行っているところもあります。

私の所属する渋谷区歯科医師会でも今年から口腔がん検診を始めました。

諸先生回答とは違いますが今後は各自治体で口腔がん検診が普及する方向で動いていくものと考えます。

そのためには我々歯科医師が口腔がんの早期発見早期治療に積極的に動くと共に、イノセントパートさんのように「お口の中にもがんができるのに検診がない」ことに疑問を感じるという一般の市民の方の声が行政を動かすことができると思います。

私も一人でも多くの方が口腔がんに関心を持っていただき、なるべく早期に口腔がんが発見できるシステムを構築することを願っております。

参考になれば幸いです。

4人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2012-12-04 17:33:07
イノセントパートさん、こんばんは。

私も、畑田先生と同意見です。
私自身、数年間、口腔外科医として口腔癌検診に携わってきました。

歯科医師会や、口腔外科医等の、口腔癌検診を主催する側は、少なくとも私の地域の周りでは、少しずつ検診が普及している方向にあります。
千葉市では、現在、大学と開業医が連携して、開業医でも細胞診ができるようになってきています。

市民の方も、口腔癌の認知度が徐々に増しているように感じます。

こういった疾患は、早期発見・早期治療が非常に重要になりますから、今後もさらなる検診の波及と、市民の方々の認知度の増加を期待します。

ご参考までに。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: イノセントパートさんさん
返信日時:2012-12-04 21:18:55
こんばんは。イノセントパートです。

先生方、とても分かりやすくご説明くださり、ありがとうございます。
目から鱗がおちる思いで拝読いたしました。

口腔内に気になる症状がありましたので、近所にある開業医さんに早速行ってまいりました。

その開業医さんでは口腔外科も診ていただけるとのことでしたので、気になる事をいろいろ相談させていただきました。
口腔ガン検診を謳ってはいらっしゃいませんでしたが、日々の診療の中で、前癌病変を疑われる患者さんには大きな病院での検査をすすめるなど、目を配っておられることが分かりました。

私の住んでいる場所は、まだ口腔がん検診の認識度や普及度が低いようです。
私自身も意識を高めて、口腔内を良い状態に保てるように努めます。ありがとうございました。

末筆になりましたが、先生方の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2012-12-04 22:06:11
ご相談ありがとうございます。


たしかに最近10年くらいのあいだに口腔がんは2倍に増えていると言われています。


しかし、がん検診は地域や大学など一部の熱心な活動家によって、部分的に実施されているだけでなかなか広がりません。

日本歯科人間ドック学会では全国的にがん検診ができるように、歯科医師歯科衛生士に認定講習会を開いて普及を促進しています。


そのなかで、がんができてから早期発見早期治療をするために、簡単で特殊な検査をするカリキュラムもあります。


しかし、歯科人間ドックの目的は病気を早期発見するだけでは遅いと考えています。

最も大切なことは、がんができないような健康なお口を維持増進する知恵を広げるべきだと考え、一生口腔がんを作らないという予防を訴えています。

健康状態を調べることが歯科人間ドックです。
病気になってしまってから、むし歯歯石を探すだけの歯科検診とも違います。
病気になる前の曲がり角を探します。

はっきりしている口腔がんの原因やその危険を増やす状態が分かっていますから、その兆候を健康なうちから調べて、健康に引きもどせば発病を予防できる可能性が高いからです。


もし検診でがんが発見できなかったときは、そのまま安心したり、次の検診を恐れたりするのではなく、予防に取り組むことも検討すると良いと思います。


大学勤務時代に口腔がんの患者さんのお世話の下働きをさせていただきましたが、仮に発生数が少ないとしても、一旦かかってしまうと他の場所と顔のがんとは比べものにならないくらい大変です。

治療がうまくいっても、舌が無い、顎が無い、頬が無い、首も半分無い、目もない、鼻も無い、話せない、食べられない、薬や放射線の辛い副作用というおまけはある、人に会う気力もない、それでも命が助かればいい方です。
早期発見早期治療って、本当に良いかどうか私には分かりません。

予防に勝る治療はありません。
がん検診をクリアしたら健康を目指しましょう。

むし歯予防は口腔がんを防ぐ大きな第一歩になります。
目的意識を持ちましょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: イノセントパートさんさん
返信日時:2012-12-04 23:58:50
さがら先生、ご回答ありがとうございます。

本当にそうですね。「予防」という観点を私達は決して怠ってはならないと痛感いたしました。

私自身は喫煙・飲酒はしておらず、食生活にも気をつけています。
ただ、運動とストレスについては落第点です。
もっとトータルに自分の身体をメンテナンスするよう、ただいまから努力します。

ありがとうございました。
大変参考になりました。
回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2012-12-06 08:42:25
ご返信ありがとうございます。

説明が足りなくてすみません。
少々追加します。

>本当にそうですね。「予防」という観点を私達は決して怠ってはならないと痛感いたしました。


賛成していただきありがとうございます。


>私自身は喫煙・飲酒はしておらず、食生活にも気をつけています。
ただ、運動とストレスについては落第点です。
もっとトータルに自分の身体をメンテナンスするよう、ただいまから努力します。


ここが口腔がんでは違うところです。
それも大事ですが、口腔がん特有の予防法があります。

原因と考えられることがはっきりしているから予防しやすいともいえます。

慢性的な異常刺激が遺伝子を傷つけることが分かっています。
口腔がん予防にはそれを調べるだけでかなり減るはずです。


口の中では、虫歯の角や詰め物被せものブリッジ入れ歯の尖った角が、頬や舌に長い間触れている状態。

また歯並びの異常、抜歯したままになっていて歯並びが途切れていて、舌がいつも触れている状態。

黒っぽい金属を治療に使うと、その金属イオンによる化学的刺激が頬・舌・歯肉などへ長く続いている状態。
特に被せもの・ブリッジなどが触れている部分は休み無く刺激されるため、好発しています。

口の中のこすれる場所に磨き残しがあり、その細菌による刺激。

唾液が減っていることによる、抵抗力の減退。(これはあらゆる病気を起こします)

歯の神経を抜くとこれもがんの原因となります。


これらの多くは、虫歯とその治療にがん予防が考慮されていないことから起きています。
それで、ムシ歯予防が口腔がん予防にもとても役立つとお話をしました。

きれいなお口にはがんも寄り付きにくいのです。
これを歯科人間ドックの認定医とか認定歯科衛生士は、検査や指導をできるように講習を受けています。




タイトル 自治体の口腔ガン検診が他のガンよりも充実していないのはなぜ?
質問者 イノセントパートさんさん
地域 非公開
年齢 42歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 舌、粘膜、唇の病気・異常その他
口腔外科関連
その他(歯科検診・デンタルドック)
回答者




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