左下5番、歯根破折の接着治療について

相談者: ホークさん (51歳:男性)
投稿日時:2013-05-21 06:48:11
歯根破折の接着治療をしていらっしゃる先生に、お尋ねしたいと思います。

左下5番の根にヒビが入っている可能性が高いと、2件の歯科医院から診断され、抜歯を勧められています。

一般論として、以下のような状況の場合、接着治療による抜歯回避は可能でしょうか。


1.だいぶ以前に抜髄治療済の左下5番について、約2年ほど前から、外側の歯茎に痛みが出始め、腫れと直径3mmほどのフィステルと思われる突起が出来、歯を磨く際に悪臭がした。

2.1か月ほど前に、歯茎の痛みが強くなったことから、インレーをはずし、根を治療。その際、強い悪臭がした。
根の治療の結果、痛みと腫れ、歯磨きの際の悪臭は無くなった。

3.CTの画像診断で、5番外側の歯槽骨は、ほとんど無くなっており、わずかしか残っていない。

4.デンタルの画像診断で、5番の根の輪郭に沿って、薄く黒い影が出ており、良くない状態。

5.歯茎の検査用のプラスチックの針のようなものを、5番外側の歯茎に差し込むと、1cm以上陥入する箇所があり、そこがヒビと思われる。

6.当初から現在まで、咀嚼時に痛みはまったく無く、歯のぐらつき等も無い。

7.現状、樹脂の仮歯をしているが、又、外側歯茎に軽い鈍痛が出てきている。


今、診て頂いている先生はインプラントの専門医なのですが、歯槽骨がほとんど無くなっているということから、接着治療には否定的なご意見です。

私としましては、もし可能であるなら、是非とも自分の歯を温存したいと思っています。
アドバイスを頂けますよう、宜しくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2013-05-21 07:38:37
接着治療は、一般的ではなく極一部の先生が行っている治療です。

個人的には感染が有る時点で抜歯だと思います。

ホークさんの場合私なら抜歯の適応になると思います。

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回答 回答2
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2013-05-21 17:08:26
歯槽骨がほとんど無くなっているということから、接着治療には否定的なご意見です。

当然です。
骨があるから、歯が存在して機能もしていけるのです。

接着治療は、たとえ骨があっても、私は徐々に骨を犠牲にしていく方法としかとらえていません。

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回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2013-05-22 06:22:12
ホークさまおはようございます。

文面から推測すると、歯根破折を起こしている可能性は高いように思います。

歯を残そうとお考えなら、インプラント専門医ではなく個人的には接着修復を行っているDrを探されて相談なさるのがいいように思います。

同じような症例 http://yamadashika.jugem.jp/?eid=2740 
外部接着再植法 http://yamadashika.jugem.jp/?cid=161 

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ホークさん
返信日時:2013-05-22 16:13:52
山田先生

コメントありがとうございます。

接着治療を行っているDrについては、インターネットで調べてピックアップしています。

しかし、長野東京といずれも遠方であること、初期診断だけでも高額な費用がかかること、そして私の症状は恐らく接着治療も難しい段階なのではないかと思われることから、専門医の診察を受けるか否かの判断材料として、こちらの掲示板に投稿させて頂きました。

山田先生のホームページを拝見しましたが、接着治療についての豊富なご経験をお持ちと拝察致しました。

勿論、一般論としてで結構ですので、このような「感染が進んでいる」「現状で咀嚼に全く問題はないが、外側の歯槽骨の多くが無くなっている」という状況で、接着治療による歯の温存の適否については、どのようにお考えでしょうか。

ご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。
宜しくお願い致します。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2013-05-22 16:24:54
接着治療を行っている歯科医師は少数派です。

良いか悪いかは別として、多くの歯科医師が行わない治療には、それなりのリスクが伴う反面、それを行うことで多少でも延命できれば喜びにつながるのも事実です。

「ダメ元でもいいから試してみたい」との考えがあれば試してもよろしいかと思いますし、「治す限りは10年くらいノントラブルで使っていける保証をしろ!」との考えであれば避けた方がいいでしょう。

問題は、歯に対する執着次第です。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ホークさん
返信日時:2013-05-22 16:40:03
高田先生

的確なアドバイスありがとうございます。

自分の歯を残すとなれば、生理学的な問題ですので、10年保証などというものが不可能であることは理解しています。

もし、接着治療の結果が思わしくなかった場合にも、医師の責任を問えるものではないとも考えています。

しかし、費用と時間を要する治療であり、完全にダメ元でも良いとは言えません。

可能性が低いのであれば、諦めて抜歯をするしかないと考えています。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2013-05-22 18:44:52
>しかし、費用と時間を要する治療であり、完全にダメ元でも良いとは言えません。
>可能性が低いのであれば、諦めて抜歯をするしかないと考えています。

であれば抜歯をお勧めいたします。


僕も(おそらくホークさんのピックアップされている歯科医に)「どうしてもVRF接着修復を希望されているのでお願いします。」と紹介する事はありますが、

 「ダメモト」「希望をかけた人体実験」

である事を受け入れられないのであれば紹介は致しません。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ホークさん
返信日時:2013-05-22 19:53:38
櫻井先生

コメントありがとうございます。

>「ダメモト」「希望をかけた人体実験」

という文面は、ニュアンスが伝わり参考になりました。

こちらは素人ですので、実際のことは分かりませんが、櫻井先生のお考えでは、接着治療とはその程度のものであるということですね。

患者側としては、成功確率の実績値が分かれば判断要素になりますが、ご存知ですか。
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2013-05-22 20:42:15
>成功確率の実績値

ホークさんもいろいろと調べられてすでに気づかれている事と思いますが、VRF接着修復をされる先生自体が非常に少ないのです。

ですから、

「統計学的に確率を出せるほどの実績(ケース)が無い」

と言う事はご理解いただけると思います。


また、ケースを選ばずに何でもかんでも接着修復を行えば(失敗も増えますから)成功率は下がります。

ケースを選べば成功率は上がりますが、診査の段階で「無理」と言う決断が下ります。


いずれにしてもVRF接着修復を希望されるのであれば、実際に施術される先生の所に行って診査診断をしてもらう必要があるでしょう。


僕はその診査診断も含めて「ダメモト」と理解して行ってもらっています。

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回答 回答7
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2013-05-22 22:39:14
そもそも何故破折したのでしょうね?

接着修復後に再び、同じ大きさの・同じ方向向きの力が加われば、また破折するような気もします。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ホークさん
返信日時:2013-05-23 03:08:00
藤森先生

コメントありがとうございます。

破折の原因は、歯ぎしりや食いしばりのようです。

Drの話では、本来は破折等の防止の為に、土台を建て、クラウンとするべき所を、歯の上面全体に帽子のように載せるインレーとした為、まともに圧力が掛かってしまったのではないかとのことです。

それが正しければ、クラウンにすれば良いということになるかと思います。


診て頂いたDr2名共、「歯ぎしりの跡がひどい」「噛む力が強い」との診断なのですが、そうなると、もし接着治療をあきらめて抜歯した場合の処置として、ブリッジは4番の耐久性から不適切と思われ、インプラントも不安があることから、性能の良い部分入れ歯を考えているのですが、藤森先生はどのようにお考えでしょうか。
回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2013-05-23 06:03:34
おはようございます。

>このような「感染が進んでいる」「現状で咀嚼に全く問題はないが、外側の歯槽骨の多くが無くなっている」という状況で、接着治療による歯の温存の適否については、どのようにお考えでしょうか。

あくまでも推測ですが、私の経験ではうまく行くと思います。

回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2013-05-23 07:49:23
このサイト、接着修復を積極的に行なっているのは山田先生ぐらいで、否定的な考え方の先生が多いので、実際やっている先生の歯科医院に行って直接話を聞いた方がいいですよ^_^;

また

>しかし、長野東京といずれも遠方であること、初期診断だけでも高額な費用がかかること、

とおっしゃられていますが、この考えかたをするなら治療は止めた方がいいでしょうね。

失敗したら大きな後悔しか残りませんから。

私の考えも、しばらくの間騙し騙し使えるよいにする究極の延命治療だと思います。
また、櫻井先生がおっしゃるように、今の学術からは考えにくい方法であり今の所、完全に人体実験です。

ですので、悪くなった際には更に歯の周りの骨が減るなどのリスクは飲んでもらう必要はあります。


>成功確率の実績値が分かれば判断要素になりますが、ご存知ですか。

北海道大学のデーターを見る限り、適応症を選べば比較的生存率はいいみたいですよ。

ただし、成功率とは定義の問題で接着修復の歯には破折線に沿い深い歯周ポケットはもれなくついてきます。
言わば人工的な歯周病歯になる訳です。

例えば深い歯周ポケットを改善させる為に行う歯周外科で手術後、深いポケットが改善しなければその手術は失敗な訳です。

接着修復歯で一切の歯周ポケットが出来ない環境までを成功の条件とすれば、成功率は限りなくゼロに近くなる訳です。

成功率といううわべだけ見るのか、深い部分まで見るのかでも捉えかたは違ってきますよ。

また、接着修復を行なった歯などは施術したA先生は成功と判断してもB先生が見れば、再び抜歯した方がよいと言われる可能性も十分あります。

見る先生によっても基準は変わりますから、接着修復を行った先生に今後しばらく経過は見てもらう必要はあります。
(ただし、施術した先生であれば抜歯のタイミングを遅らせて判断してしまうこともあります。)

ですので接着修復をお望みなら、実際やっている歯科医院に出向き話を聞き納得された上で処置を受けられればいいと思います。

否定的な考え方の先生が多いサイトに質問しても、その意見は否定されますよ^_^;


おだいじに

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ホークさん
返信日時:2013-05-23 23:30:41
山田先生

ご回答、大変ありがとうございます。

実際に接着治療のご経験を積まれている山田先生のご意見は、こちらの掲示板に相談投稿をした目的を成就するものであり、かつ非常に貴重なものと認識しています。

山田先生のご意見を参考に熟考したいと思います。

本当にありがとうございました。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ホークさん
返信日時:2013-05-23 23:46:51
井野先生

すばらしいご回答、大変ありがとうございます。

井野先生の質問者に対するお心遣いや、Drとしての優秀さが感じられました。


>ですので、悪くなった際には更に歯の周りの骨が減るなどのリスクは飲んでもらう必要はあります。

という点は気になる所ですが、頂いたご意見をありがたく参考とさせて頂きます。



タイトル 左下5番、歯根破折の接着治療について
質問者 ホークさん
地域 非公開
年齢 51歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療関連
その他(その他)
歯根破折
回答者




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