インプラントでの増骨手術をした骨の吸収と改善方法

相談者: カズヤ48さん (40歳:男性)
投稿日時:2013-08-06 18:29:25
お世話になります。

右上一番の歯が歯根破折しており、化膿もしていたため抜歯しました。
破折してから時間もかなり経っていたため前側の骨は殆ど無くなっていました。

今後についてでですが、両脇の歯も自分の歯ではありませんのでブリッジでも良かったのですが、審美的な視点からインプラントを選択しました。

但し、GBRでは足りないとのことで自家骨移植での手術となりそうです。



さて、ご質問ですが、インプラントで増骨手術を行った場合でも、殆どの確率で増骨した骨が吸収されると聞きました。

1、骨は必ず吸収されてしまうのでしょうか?

メンテナンス(清掃やマッサージ?)によっては減らないと云うことは無いですか?
また、最終的には増骨した分が全部吸収されるのでしょうか?


2、骨が減っていく期間は一般的にどのくらいでしょうか?
経験測で結構です。


3、もし減ってしまった場合、色々なページによく書かれている通りネジ(りフィックスチャー)が丸見えになってしまうのでしょうか?


4、3のような状況になった場合は何等かの審美的改善方法はあるのでしょうか?


以上、先生方のご経験から教えて頂けますと幸いです。
よろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2013-08-06 19:14:16
カズヤ48さん、こんにちは

>1、骨は必ず吸収されてしまうのでしょうか?

>メンテナンス(清掃やマッサージ?)によっては減らないと云うことは無いですか?
>最終的には増骨した分が全部吸収されるのでしょうか?

必ず吸収されます。
メインテナンスを行っても吸収はされます。

また、メンテナンスを行わないと歯周病と同様に吸収が起こります。


>2、骨が減っていく期間は一般的にどのくらいでしょうか?
>経験測で結構です。

年単位だと思いますが、何を移植するかにもよります。
自家骨は生体親和性はよいのですが吸収量は多いです。

HAPなどは吸収速度としては遅いです。

>3、もし減ってしまった場合、色々なページによく書かれている通りネジ(りフィックスチャー)が丸見えになってしまうのでしょうか?

埋入する位置にもよりますが可能性としてはあるでしょうね。

>4、3のような状況になった場合は何等かの審美的改善方法はあるのでしょうか?

ありますが困難だと思います。

参考になれば幸いです。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: カズヤ48さん
返信日時:2013-08-06 20:24:36
畑田先生

ご回答有り難うございます。
そうですかぁ・・・ 少しショックです。

ブリッジでは見た目が悪く(歯茎が凹むといいますか)どうしても隙間が出来てしまうので、インプラントを選択したのですが・・・

私の場合は自家骨移植なので吸収量も多そうですし、最終的にはフィックスチャーの上に歯茎が乗っているようなイメージなのでしょうか?

数年以内に元の状態に戻ってしまうという事では,時間も費用も手術をして下さる先生の手間ももったいないですね。


一概に言えないと思いますが、私のよう唇側の骨が殆ど無くなっているような症例ではインプラントは選択しない方が良いですか?
インプラントにした際のメリットがあれば教えて下さい。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2013-08-07 07:59:40
>1、骨は必ず吸収されてしまうのでしょうか?

>メンテナンス(清掃やマッサージ?)によっては減らないと云うことは無いですか?
>最終的には増骨した分が全部吸収されるのでしょうか?

量は別として吸収されます。
骨は吸収と添加の繰り返しのリモデリングが行われるからです。

メインテナンスを行っても吸収はされますが、メンテナンスを行わないと歯周病と同様に吸収が起こることが多いかもしれませんね。


>2、骨が減っていく期間は一般的にどのくらいでしょうか? 経験測で結構です。

骨は3カ月を目処に落ち着いてくると思います。

骨も機能(負荷)が無いと萎縮していきますので、移植してインプラントをある程度の期間で機能させないとせっかく移植した骨が吸収していきます。
抜歯して放置しても徐々に骨が吸収していくのと同じです。

自家骨は骨移植材として最も優れていますが、骨の吸収量は比較的多いかもしれませんね。

HAなどは吸収しにくいので骨吸収は比較的遅いと思います。


>3、もし減ってしまった場合、色々なページによく書かれている通りネジ( りフィックスチャー)が丸見えになってしまうのでしょうか?

どこの骨が吸収するかによっても異なりますし、インプラントが機能していればある程度吸収を抑えられると個人的には思いますが、可能性はありますね。


>4、3のような状況になった場合は何等かの審美的改善方法はあるのでしょ うか?

骨・粘膜など移植をするなど方法はあると思います。



>一概に言えないと思いますが、私のよう唇側の骨が殆ど無くなっているような 症例ではインプラントは選択しない方が良いですか?
>インプラントにした際のメリットがあれば教えて下さい。

力の分散には有利かと思います。

また、数年以内に基に戻ることは無いと思います。

参考までに。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2013-08-07 08:44:20
ご相談ありがとうございます。

ブリッジでは見た目が悪く(歯茎が凹むといいますか)どうしても隙間が出来てしまうので、


見た目を自然に見せるブリッジを作る事もできます。
数年で痩せてしまう事は少ない方法も取れます。

20年30年経つと、少し痩せてしまう事が多いと思います。



>私の場合は自家骨移植なので吸収量も多そうですし、


全ての移植材はそれぞれ量は異なりますが後で少なくなります。
HAなどはそれ自体が吸収されないために、見た目はほとんど減りません。

しかし、本来の骨はすべてが吸収されて再生されるという、新陳代謝し提示されますから、吸収されない異物が一生残る心配はあります。



>最終的にはフィックスチャーの上に歯茎が乗っているようなイメージなのでしょうか?


骨がないところは、意図的に条件を揃えてご指摘のようになるか、歯茎も下がってネジが露出してきます。



>数年以内に元の状態に戻ってしまうという事では,時間も費用も手術をして下さる先生の手間ももったいないですね。


うまくいけば元に戻ってしまう事はありません。



>一概に言えないと思いますが、私のよう唇側の骨が殆ど無くなっているような症例ではインプラントは選択しない方が良いですか?


そのような事はありません。
インプラントが第一選択肢となる事が少なくありません。
自家骨でも、固い部分を利用したブロック骨移植や、仮骨延長法など効果的な方法がいろいろあります。

ただし、1本だけの場合はとても高度な治療となります。

もちろん適応しないほうが良い場合もあります。



>インプラントにした際のメリットがあれば教えて下さい。


根に支えられた歯は自然の歯に一番近いため、自然の歯のメリットを一番多く回復できます。
うまくいった場合の話であり、うまくいかないと後始末が他の方法よりも非常に大変となる事はデメリットです。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2013-08-07 09:21:03
>私のよう唇側の骨が殆ど無くなっているような症例ではインプラントは選択しない方が良いですか?

状況によりますね。

骨移植を行ってある程度唇側の骨幅が確保できるような状態であればインプラントでも行けるかもしれません。

いずれにせよCTを撮影して治療計画を立ててもらうことが必要でしょう。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: カズヤ48さん
返信日時:2013-08-07 10:49:42
■加藤先生
ご回答有り難うございます。
インプラントのメリット・デメリットを良く考慮して検討したく思います。


■さがら先生
ご回答有り難うございます。
恐縮ですが3点ほど追加で教えて頂けますか。

@
> 見た目を自然に見せるブリッジを作る事もできます。
> 数年で痩せてしまう事は少ない方法も取れます。

具体的にどのようなブリッジでしょうか?
私のように唇側の骨が無くなっていても大丈夫でしょうか?
個人的には増骨してからブリッジでも良いかと考えていました。
差し支えなければ教えて頂きたくお願いします。


A欠損部分が大きい場合はHApのみでは結合は難しいのでしょうか?


Bブロック骨移植であれば吸収は穏やかでしょうか?
素人考えですがHApとブロック骨での混合とか・・・

よろしくお願いします


■畑田先生
重ねてのご回答有り難うございました。
> いずれにせよCTを撮影して治療計画を立ててもらうことが必要でしょう。

はい。主治医の先生としっかりと相談したいと思います。

当たり前ですが、歯の大切さを身に染みて感じております。
迅速で的確なアドバイスに心より感謝します。
有り難うございました。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2013-08-12 11:37:10
ご返信ありがとうございます。

>具体的にどのようなブリッジでしょうか?


オベイド・ポンティック・ブリッジといい、歯のない部分にまるで根から生えて歯があるいるように見せる方法です。



>私のように唇側の骨が無くなっていても大丈夫でしょうか?
>個人的には増骨してからブリッジでも良いかと考えていました。


その無くなり程度により、増骨するか粘膜だけを増やすかの二通りに分かれます。



>A欠損部分が大きい場合はHApのみでは結合は難しいのでしょうか?


大きさにかかわらず材料と生体との関係は基本的に同じです。

まず増骨自体については、特に難しくありません。
もちろん易しくはありません。

増骨の後に続いてそこにインプラントをする場合、インプラントとHAとの結合はまったく不可能です。

HA顆粒の隙間に後から僅かに入り込んでくる骨の、そしてそのまた一部と結合するだけであり、インプラントと骨の接触率、と言いますが、とても低いはずです。


HAを入れるメリットは形の膨らみが長く保たれることです。
インプラントとの結合は永久にあり得ません。


なお、増骨よりも前歯にきれいな歯を入れる最終目標が大前提です。
あまり増骨だけにとらわれない方が良いと思います。


又増骨させたいならば、インプラントに直接骨を引き寄せる方法も有効です。

これは光機能化という新しい治療方法です。
悪条件のインプラント治療でも健全な骨に入れたインプラントと同じだけの骨ができることが確認されています。



>Bブロック骨移植であれば吸収は穏やかでしょうか?


ほかの自家骨移植方法と比べればはるかに僅かですみます。


また自家骨でも化骨延長法であれば、やはりごく僅かに吸収されますが、それよりも非常に多くの自然な骨が短期間で増えます。

それもほかの柔らかい骨ができるすべての増骨方法と違い、先に硬い骨の壁が新しく増えてできるため、ほとんど吸収されることがなく安定しますし、新陳代謝が普通に行われます。



>素人考えですがHApとブロック骨での混合とか・・・


外科やインプラントの専門家であれば、それは医学的常識を外れた、木に竹を接ぐような話なので思いもつきません。

もしそのような選択をする歯科医師がいれば、それこそ素人と呼んで良いと思います。


ちなみにお一人ずつで選択肢が全く変わりますから、よく検査を受け、長期的な見通しを立ててもらい、ゴールのイメージが具体的に目の前に浮かんでから、治療を始めると成功します。


CTはとても有効です。
そのように難しい症例では必須と言って良いでしょう。

CTによって、3Dで骨の形態が確認でき、インプラントを入れた状態のシミュレーションができ、それにより骨の造成量を量ることもできます。


また最新のCTでは、インプラントをする部分だけの骨密度を測定できます。
骨の形ばかりではなく、骨の質も大事です。


抜歯後は骨密度が落ちます。
また全身的な状況、糖尿病骨粗鬆症の傾向による、骨密度低下の確認もできます。

これから高齢化社会に向けて、骨密度を測定できることも必須となります。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: カズヤ48さん
返信日時:2013-08-12 13:05:16
さがら先生

ご回答有り難うございます。

>>素人考えですがHApとブロック骨での混合とか・・・
>外科やインプラントの専門家であれば、それは医学的常識を外れた、木に竹を接ぐような話なので思いもつきません。

なるほど(^^; 良い物をなんでも組み合わせて簡単に考えてしまうのでお恥ずかしい話で恐縮ですw


>一人ずつで選択肢が全く変わりますから、よく検査を受け、長期的な見通し>を立ててもらい、ゴールのイメージが具体的に目の前に浮かんでから、治療を始めると成功します。

はい。
仰せの通りですね。
主治医の先生とよく相談してみたいと思います。


光機能化や化骨延長法など有益な情報有り難うございます。
先生の病院のホームページも拝見させて頂きました。

私も都内ですので、主治医の先生とよくお話をした上で,機会が頂けましたら是非、受診させて頂きたいと考えました。

さがら先生の仰る通り、最終目的は綺麗な歯が入る事ですし、納得のいく治療を選択したいと思います。
お忙しい中ご丁寧なご回答本当に有り難うございました。



タイトル インプラントでの増骨手術をした骨の吸収と改善方法
質問者 カズヤ48さん
地域 非公開
年齢 40歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ インプラントその他
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
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