ファイバーコアを希望しているのにゴールドコアを薦められる
相談者:
バイバイキンさん (52歳:女性)
投稿日時:2013-10-03 22:52:43
お世話になります。
上の左右1番連結の差し歯の内、歯根嚢胞が出来ている左1番を治療するため、連結を切断し左1番の差し歯だけ外しました(土台のメタルのネジのようなピンは次回外すとのこと)。
ご相談したいのは、やりかえる時の土台なんですが、こちらの相談・解答を読んでいるとファイバーコアはしなるので歯根にダメージが少ないがメタルコアは硬く歯根破損の可能性が有るし外すのも大変とのこと。
それで私はファイバーコアを希望する旨、先生に言うと
「ファイバーコアはすぐ折れますよ。
保険のメタルコアじゃなくゴールドコアなら柔らかいので大丈夫だし外すのも難しくない」
と言われました。
それでもファイバーコアを希望しますと言ったのですがやはり
「すぐ折れますよ。
ここ(その歯科医院)では殆どやっていないし。」
とのこと。
ゴールドコア(メタルコア)にすると歯を随分削るともこちらに書いてありましたしファイバーコアもそんなに簡単に折れるとは思えないのですがファイバーコアは技術的に難しいから勧めないのでしょうか。
ちなみに差し歯はハイブリッドセラミック(ゴールドプレシャスの)を希望するつもりです。
歯根が心配であることと、もし又再度やり直す時に容易に土台が外れて欲しいので私はファイバーコアにしたいのですが、技術的にもし先生が自信が無いのであれば装着に失敗されても困るし・・・実績のあまり無いファイバーコアは諦めた方がいいのでしょうか。
ご助言お願いします。
上の左右1番連結の差し歯の内、歯根嚢胞が出来ている左1番を治療するため、連結を切断し左1番の差し歯だけ外しました(土台のメタルのネジのようなピンは次回外すとのこと)。
ご相談したいのは、やりかえる時の土台なんですが、こちらの相談・解答を読んでいるとファイバーコアはしなるので歯根にダメージが少ないがメタルコアは硬く歯根破損の可能性が有るし外すのも大変とのこと。
それで私はファイバーコアを希望する旨、先生に言うと
「ファイバーコアはすぐ折れますよ。
保険のメタルコアじゃなくゴールドコアなら柔らかいので大丈夫だし外すのも難しくない」
と言われました。
それでもファイバーコアを希望しますと言ったのですがやはり
「すぐ折れますよ。
ここ(その歯科医院)では殆どやっていないし。」
とのこと。
ゴールドコア(メタルコア)にすると歯を随分削るともこちらに書いてありましたしファイバーコアもそんなに簡単に折れるとは思えないのですがファイバーコアは技術的に難しいから勧めないのでしょうか。
ちなみに差し歯はハイブリッドセラミック(ゴールドプレシャスの)を希望するつもりです。
歯根が心配であることと、もし又再度やり直す時に容易に土台が外れて欲しいので私はファイバーコアにしたいのですが、技術的にもし先生が自信が無いのであれば装着に失敗されても困るし・・・実績のあまり無いファイバーコアは諦めた方がいいのでしょうか。
ご助言お願いします。
回答1
小林歯科クリニック(渋谷区神宮前)の小林です。
回答日時:2013-10-03 23:06:33
バイバイキン さん、こんばんは。
>ファイバーコアはすぐ折れますよ。
私は、ファイバーコアを多用していますが、幸いにして、折れたことは今のところ一度もありません。
ファイバーコアがご希望とのことでしたら、お掛かりの歯科医院でいやいや装着していただくことよりも、ファイバーコアを多用されていらっしゃる歯科医院をお探しになった方が良いかと思います。
>ちなみに差し歯はハイブリッドセラミック(ゴールドプレシャスの)を希望するつもりです。
個人的には、費用的なことがクリア出来るのであれば、変色が無いとされる素材を選択されることをお勧めします。
>ファイバーコアはすぐ折れますよ。
私は、ファイバーコアを多用していますが、幸いにして、折れたことは今のところ一度もありません。
ファイバーコアがご希望とのことでしたら、お掛かりの歯科医院でいやいや装着していただくことよりも、ファイバーコアを多用されていらっしゃる歯科医院をお探しになった方が良いかと思います。
>ちなみに差し歯はハイブリッドセラミック(ゴールドプレシャスの)を希望するつもりです。
個人的には、費用的なことがクリア出来るのであれば、変色が無いとされる素材を選択されることをお勧めします。
回答2
水川歯科医院(荒川区東日暮里)の水川です。
回答日時:2013-10-03 23:08:24
バイバイキンさんこんばんは
>ファイバーコアはすぐ折れますよ
そんなことはないとは思いますが…。
>先生が自信が無いのであれば
先生の得意な方法のほうが結果は得られると思います。
また、ゴールドプレシャスのハイブリットセラミックを予定されているのであれば、支台の色が透けないですからゴールドの土台でも問題はないと思います。
どうしてもファイバーコアをご希望でしたら得意な先生に見ていただくほうが良いかもしれませんね。
ご参考になれば
>ファイバーコアはすぐ折れますよ
そんなことはないとは思いますが…。
>先生が自信が無いのであれば
先生の得意な方法のほうが結果は得られると思います。
また、ゴールドプレシャスのハイブリットセラミックを予定されているのであれば、支台の色が透けないですからゴールドの土台でも問題はないと思います。
どうしてもファイバーコアをご希望でしたら得意な先生に見ていただくほうが良いかもしれませんね。
ご参考になれば
回答3
国際ビル歯科(千代田区丸ノ内)のさがらです。
回答日時:2013-10-04 08:28:45
ご相談ありがとうございます。
>ゴールドコア(メタルコア)にすると歯を随分削るともこちらに書いてありました
そのようなことはありません。
正しい製作方法ならば大丈夫です。
>ファイバーコアもそんなに簡単に折れるとは思えないのですがファイバーコアは技術的に難しいから勧めないのでしょうか。
簡単に折れることはありませんが、折れた報告も出ています。
むしろ接着が不十分で徐々に剥がれたり、隙間から虫歯になったり、後で外れてしまうことはあり得ます。
歯の残り方によって土台選択の善し悪しが決まることもあります。
>歯根が心配であることと、もし又再度やり直す時に容易に土台が外れて欲しいので私はファイバーコアにしたいのです
容易に外しやすい条件は、突然外れてしまう危険も含まれてしまうことがあります。
差し歯になるほどの歯は、もう何度やり直しをするゆとりはありません。
やり直しを前提に治療することは危険が増えます。
一度治療した差し歯は20年30年は使える目標で治療しないと、抜歯への近道となります。
今回を最後の仕上げというくらいの気持ちで臨むほうが安全です。
>技術的にもし先生が自信が無いのであれば装着に失敗されても困るし・・・実績のあまり無いファイバーコアは諦めた方がいいのでしょうか。
金属の土台は数十年の実績があり確立されていますが、ファイバーコアはそれに比べればまだ歴史も浅く、成功するかどうかは接着技術にも大きく左右されますが、接着技術自体も新しく日々進化しています。
特に根の中の接着はとても難しくて、接着技術に慣れていないと失敗の心配は増えます。
実績というか、慣れているかどうかは大事なポイントです。
>ゴールドコア(メタルコア)にすると歯を随分削るともこちらに書いてありました
そのようなことはありません。
正しい製作方法ならば大丈夫です。
>ファイバーコアもそんなに簡単に折れるとは思えないのですがファイバーコアは技術的に難しいから勧めないのでしょうか。
簡単に折れることはありませんが、折れた報告も出ています。
むしろ接着が不十分で徐々に剥がれたり、隙間から虫歯になったり、後で外れてしまうことはあり得ます。
歯の残り方によって土台選択の善し悪しが決まることもあります。
>歯根が心配であることと、もし又再度やり直す時に容易に土台が外れて欲しいので私はファイバーコアにしたいのです
容易に外しやすい条件は、突然外れてしまう危険も含まれてしまうことがあります。
差し歯になるほどの歯は、もう何度やり直しをするゆとりはありません。
やり直しを前提に治療することは危険が増えます。
一度治療した差し歯は20年30年は使える目標で治療しないと、抜歯への近道となります。
今回を最後の仕上げというくらいの気持ちで臨むほうが安全です。
>技術的にもし先生が自信が無いのであれば装着に失敗されても困るし・・・実績のあまり無いファイバーコアは諦めた方がいいのでしょうか。
金属の土台は数十年の実績があり確立されていますが、ファイバーコアはそれに比べればまだ歴史も浅く、成功するかどうかは接着技術にも大きく左右されますが、接着技術自体も新しく日々進化しています。
特に根の中の接着はとても難しくて、接着技術に慣れていないと失敗の心配は増えます。
実績というか、慣れているかどうかは大事なポイントです。
回答4
E Eデンタル(愛知県豊橋市)の井野です。
回答日時:2013-10-04 09:12:06
こんにちは、
ファイバーコア折れますよ、折れないなんてことはないと思います。
私の技術がないからでしょが、実際年に1ケースはフェルールがなく作ったもので、歯ぎしりや咬み合わせが強い人などの条件が重なると折れてきます。
ただ、そのような場合も歯にはダメージが及んでいないので、再びファイバーコアで修復することも可能な時があります。
一方、メタル系のものを持ってくると、歯の方が負けてしまい再治療は不可能となり抜歯になることもあります。
・歯より弱い材料がレジン系の材料
・歯より強い材料がメタル系の材料
・使用する材料が、歯より弱ければ、材料が負けて歯にはダメージが少ない
・使用する材料が、歯より強ければ、歯が負けて歯のダメージが大きい
といった所でしょうか、ただしさがら先生がおっしゃるように慣れた先生であることが前提ですから、メタルをお勧めする先生であればファイバーコアは避けられた方がいいと思います。
材料というのは先生の知識、熟練度に大きく依存するものですので、注意してくださいね^^
おだいじに
ファイバーコア折れますよ、折れないなんてことはないと思います。
私の技術がないからでしょが、実際年に1ケースはフェルールがなく作ったもので、歯ぎしりや咬み合わせが強い人などの条件が重なると折れてきます。
ただ、そのような場合も歯にはダメージが及んでいないので、再びファイバーコアで修復することも可能な時があります。
一方、メタル系のものを持ってくると、歯の方が負けてしまい再治療は不可能となり抜歯になることもあります。
・歯より弱い材料がレジン系の材料
・歯より強い材料がメタル系の材料
・使用する材料が、歯より弱ければ、材料が負けて歯にはダメージが少ない
・使用する材料が、歯より強ければ、歯が負けて歯のダメージが大きい
といった所でしょうか、ただしさがら先生がおっしゃるように慣れた先生であることが前提ですから、メタルをお勧めする先生であればファイバーコアは避けられた方がいいと思います。
材料というのは先生の知識、熟練度に大きく依存するものですので、注意してくださいね^^
おだいじに
回答5
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2013-10-04 10:18:59
僕もここ7〜8年、コアはメタルでは無く、レジン単体かファイバーポスト入りレジンコアにしていますが、数ケース折れた事があります。
ただ、井野先生が書かれているように「歯根へのダメージが無い」ので、再作成して使えるようにしています。
また、井野先生の書かれた
「材料というのは先生の知識、熟練度に大きく依存する」
ですから、バイバイキンさんが「ファイバーコア」「ハイブリッド前装ゴールドクラウン」を希望されるのであれば、その素材に精通された先生を選び直した方がよろしいかも知れません。
参考にされてください。
ただ、井野先生が書かれているように「歯根へのダメージが無い」ので、再作成して使えるようにしています。
また、井野先生の書かれた
「材料というのは先生の知識、熟練度に大きく依存する」
ですから、バイバイキンさんが「ファイバーコア」「ハイブリッド前装ゴールドクラウン」を希望されるのであれば、その素材に精通された先生を選び直した方がよろしいかも知れません。
参考にされてください。
相談者からの返信
相談者:
バイバイキンさん
返信日時:2013-10-04 20:23:12
お世話になります。
初めて投稿したのですが大変早い解答をいただき驚くと同時に感謝の気持ちでいっぱいです。
今日再度歯科医院に行き、土台を取り除いてきました。
入っていた土台は細い芯のような棒でしたが10分ほどで抜け防腐剤もきれいにすぽっと抜けました。
先生が言うには防腐剤に隙間が有ったからだそうで、だから根に嚢胞ができるようなことになったとのこと。
頂いた解答(先生の得意としないファイバーコアはあまりお勧めされない点や、やはり折れるケースも私が思っていたより有りそうな点)を読んでから行ったので、先生に再度ゴールドコアについて質問してきました(ゴールドコアに気持ちが傾いて)。
そこでさがら先生のおっしゃる「ゴールドコアの正しい製作法」とはどういう方法でしょうか。今日私が聞いてきた方法は「石膏(?)の型に溶かした金を流し込む」のだそうです。
もう一点質問したいのですが、「使う金は17金ぐらいの物で展性があるので折れにくい。」と説明を受けたのですが本当でしょうか(←直には聞けないので)。
また今から根管治療に入るのですが、いくら根管治療しても嚢胞が無くならない場合、根を切る外科手術になるらしいのですが(その時には土台は勿論差し歯も入っていても、とのこと)、せっかく入れた土台、差し歯は無駄(又やり直し)にはならないでしょうか。
再度の質問ですがよろしくお願いします。
初めて投稿したのですが大変早い解答をいただき驚くと同時に感謝の気持ちでいっぱいです。
今日再度歯科医院に行き、土台を取り除いてきました。
入っていた土台は細い芯のような棒でしたが10分ほどで抜け防腐剤もきれいにすぽっと抜けました。
先生が言うには防腐剤に隙間が有ったからだそうで、だから根に嚢胞ができるようなことになったとのこと。
頂いた解答(先生の得意としないファイバーコアはあまりお勧めされない点や、やはり折れるケースも私が思っていたより有りそうな点)を読んでから行ったので、先生に再度ゴールドコアについて質問してきました(ゴールドコアに気持ちが傾いて)。
そこでさがら先生のおっしゃる「ゴールドコアの正しい製作法」とはどういう方法でしょうか。今日私が聞いてきた方法は「石膏(?)の型に溶かした金を流し込む」のだそうです。
もう一点質問したいのですが、「使う金は17金ぐらいの物で展性があるので折れにくい。」と説明を受けたのですが本当でしょうか(←直には聞けないので)。
また今から根管治療に入るのですが、いくら根管治療しても嚢胞が無くならない場合、根を切る外科手術になるらしいのですが(その時には土台は勿論差し歯も入っていても、とのこと)、せっかく入れた土台、差し歯は無駄(又やり直し)にはならないでしょうか。
再度の質問ですがよろしくお願いします。
回答6
国際ビル歯科(千代田区丸ノ内)のさがらです。
回答日時:2013-10-05 15:29:43
ご返信ありがとうございます。
土台は差し歯などの基礎となる重要な治療です。
砂上の楼閣と言いますね。
どんなに立派な家でもビルディングでも、見える部分を支える見えない基礎がいい加減だと、毎日安心して暮らせませんよね。
何十年も使いたいものであれば、歯でも家でも全く同じです。
基礎から固めることで安心できます。
つまり目先だけでなく長期的な成功のためには、見えない部分を大事にすることに価値があります。
見える部分は大事にしなくて言い訳ではありませんが、もし見える部分に問題があれば、誰でも発見しやすいということは言えます。
>そこでさがら先生のおっしゃる「ゴールドコアの正しい製作法」とはどういう方法でしょうか。今日私が聞いてきた方法は「石膏(?)の型に溶かした金を流し込む」のだそうです。
正しい、って実は大変です。
確かに型に流し込みます。
詳しく書くと、土台のことだけでも小さな本を書くくらいとても長くなりますから、ごく簡単に説明します。
材料うんぬんの前に、まず健康へのポリシーが一番大事です。
なぜかというと、もし歯をきれいにしたいと同時に、歯を一生残したいという目的があれば、正しい治療方法はまず歯の削り方から違うからです。
逆に、病気の後始末だけで良いという目先の目的であれば、見えないところはいくらでも手抜きをすればするほど、早く・簡単に・楽に・安くできます。
いずれ抜歯になると思うのであれば、あえて大変なことをするよりも、その場のメリットを大事にしても良いのかもしれません。
どの場合でも一生歯を残したいのであれば、できるだけ削らないことが原則です。
また繰り返し削らないことも忘れてはなりません。
つまり、残っている歯の根の大事な健康な部分をいかに削らないかという削り方です。
その削る形には、補綴学上のガイドラインがいくつも既に決められています。
そのうちの一つは、ある裁判で土台の治療にそれを守らなかったため、過失が認められる証拠とされた判例もすでに出ています。
何万人もの方々の過去の治療を見た印象では、正しい土台の治療というのは皆無に等しい日本の状態です。
またメタル・コアはファイバー・コアよりも歯が割れるという説もあります。
論文も読みましたが、補綴の専門家ではない歯科医師がガイドラインを守らない研究模型を使用して結論を出していました。
研究自体の検証が必要です。
そして私個人の体験ではほほとんど問題なく、長期例では30年以上無事に使えています。
割れた例もありますがごくわずかです。
仲間も同じ印象を話しています。
ゴールド・コアが良くない、ということはないと個人的には思っています。
私はファイバー・コアも使います。
しかし、ゴールド・コアと違い、その検証はまだ終わっていないと思っています。
治療に戻りますと。
削る時に歯の周りを削る時よりも、歯の根の内部を削る時にはとても注意が必要です。
根の内部はとても弱くて、軽く触るだけでも簡単にヒビが入ることもあると、歯内療法学で証明されているからです。
ですから、コアのため歯を削る時にたくさんのドリルを用意しますが、そのドリルの種類、またその操作方法が正しくなければなりません。
また根を守るために、軸がぶれないモーターを使い、ドリルにあった回転速度を選ばねばなりません。
これを知れば、とても弱い根の治療など何度も繰り返すものではないことが分かります。
くりかえしは抜歯への近道となります。
当然ながら、コアの治療でも、虫歯の取り残しがあってはいけません。
当院に転院された方で問題が起きた歯は、虫歯が取り切れていないことが少なくありません。
また根の中はとても感染にも弱いので、治療途中でばい菌が入らないように仮蓋を計画し、根の治療でも、土台やかぶせ物の治療途中でも、常にしっかり蓋をして、虫歯を予防しておくことも大事です。
次に型どりをしますが、精密に型をとる方法と材料も選ばなければなりません。
そしてそれから石膏模型を作り、コアを作る技工士さんも重要です。
私がお願いする技工士さんは、腕が良いこと、それと同時にいつも分け隔て無く良い技工を心がける性格の良い人と提携します。
コアのできあがり精度が高いと、フィットがとても良く、接着剤の厚みをとても薄くできて、接着剤の欠点を補うことができます。
また金属は、金だけでは柔らかすぎるために、白金などを混ぜた合金を使います。
見えない部分ですが、金属イオンによる身体への悪影響をできるだけ避けられる金属を選びたいと思っています。
またその製品もたくさんの会社から販売されていますが、内容はばらばらですから、私個人的には世界でとても信頼できる会社のプラチナ・ゴールドを大学以来30年以上、統一して使っています。
それによる二次的なメリットとして、宿題となっている古い治療物をやり直すに従って、治療が終了していくと同時に、だんだんとお口の中の金属が一つに統一されて、さらに安全性が高まるとも考えています。
そしてできあがったコアをセメントでセットする時がまた肝心です。
先にフィット具合を確認するのは当然として、精度が高い分浮き上がりやすいため注意が必要です。
また根にヒビが入らないよう、内部に余分な圧力をかけすぎないようにセットします。
その準備やアシストには清潔好きで几帳面な職員の助けも必要です。
長くなりましたが、長期のゴールをめざし、やり直しをしない決意で、治療と同時に予防診療を並行実施して、根の中に感染しない用心をするシステムの中で、終始一貫して歯のダメージを最小限に予防する治療が正しいと、私個人的には考えております。
どんなに良い治療しても決して元通りにはなりません。
良いことばかりに目を奪われて足下をすくわれないように、ダメージを最小限に抑えることです。
歯にも、身体にも、心にも、お財布にも。
>根を切る外科手術になるらしいのですが(その時には土台は勿論差し歯も入っていても、とのこと)、せっかく入れた土台、差し歯は無駄(又やり直し)にはならないでしょうか。
大丈夫なはずです。
差し歯を生かすことも手術の目的の一つだからです。
土台は差し歯などの基礎となる重要な治療です。
砂上の楼閣と言いますね。
どんなに立派な家でもビルディングでも、見える部分を支える見えない基礎がいい加減だと、毎日安心して暮らせませんよね。
何十年も使いたいものであれば、歯でも家でも全く同じです。
基礎から固めることで安心できます。
つまり目先だけでなく長期的な成功のためには、見えない部分を大事にすることに価値があります。
見える部分は大事にしなくて言い訳ではありませんが、もし見える部分に問題があれば、誰でも発見しやすいということは言えます。
>そこでさがら先生のおっしゃる「ゴールドコアの正しい製作法」とはどういう方法でしょうか。今日私が聞いてきた方法は「石膏(?)の型に溶かした金を流し込む」のだそうです。
正しい、って実は大変です。
確かに型に流し込みます。
詳しく書くと、土台のことだけでも小さな本を書くくらいとても長くなりますから、ごく簡単に説明します。
材料うんぬんの前に、まず健康へのポリシーが一番大事です。
なぜかというと、もし歯をきれいにしたいと同時に、歯を一生残したいという目的があれば、正しい治療方法はまず歯の削り方から違うからです。
逆に、病気の後始末だけで良いという目先の目的であれば、見えないところはいくらでも手抜きをすればするほど、早く・簡単に・楽に・安くできます。
いずれ抜歯になると思うのであれば、あえて大変なことをするよりも、その場のメリットを大事にしても良いのかもしれません。
どの場合でも一生歯を残したいのであれば、できるだけ削らないことが原則です。
また繰り返し削らないことも忘れてはなりません。
つまり、残っている歯の根の大事な健康な部分をいかに削らないかという削り方です。
その削る形には、補綴学上のガイドラインがいくつも既に決められています。
そのうちの一つは、ある裁判で土台の治療にそれを守らなかったため、過失が認められる証拠とされた判例もすでに出ています。
何万人もの方々の過去の治療を見た印象では、正しい土台の治療というのは皆無に等しい日本の状態です。
またメタル・コアはファイバー・コアよりも歯が割れるという説もあります。
論文も読みましたが、補綴の専門家ではない歯科医師がガイドラインを守らない研究模型を使用して結論を出していました。
研究自体の検証が必要です。
そして私個人の体験ではほほとんど問題なく、長期例では30年以上無事に使えています。
割れた例もありますがごくわずかです。
仲間も同じ印象を話しています。
ゴールド・コアが良くない、ということはないと個人的には思っています。
私はファイバー・コアも使います。
しかし、ゴールド・コアと違い、その検証はまだ終わっていないと思っています。
治療に戻りますと。
削る時に歯の周りを削る時よりも、歯の根の内部を削る時にはとても注意が必要です。
根の内部はとても弱くて、軽く触るだけでも簡単にヒビが入ることもあると、歯内療法学で証明されているからです。
ですから、コアのため歯を削る時にたくさんのドリルを用意しますが、そのドリルの種類、またその操作方法が正しくなければなりません。
また根を守るために、軸がぶれないモーターを使い、ドリルにあった回転速度を選ばねばなりません。
これを知れば、とても弱い根の治療など何度も繰り返すものではないことが分かります。
くりかえしは抜歯への近道となります。
当然ながら、コアの治療でも、虫歯の取り残しがあってはいけません。
当院に転院された方で問題が起きた歯は、虫歯が取り切れていないことが少なくありません。
また根の中はとても感染にも弱いので、治療途中でばい菌が入らないように仮蓋を計画し、根の治療でも、土台やかぶせ物の治療途中でも、常にしっかり蓋をして、虫歯を予防しておくことも大事です。
次に型どりをしますが、精密に型をとる方法と材料も選ばなければなりません。
そしてそれから石膏模型を作り、コアを作る技工士さんも重要です。
私がお願いする技工士さんは、腕が良いこと、それと同時にいつも分け隔て無く良い技工を心がける性格の良い人と提携します。
コアのできあがり精度が高いと、フィットがとても良く、接着剤の厚みをとても薄くできて、接着剤の欠点を補うことができます。
また金属は、金だけでは柔らかすぎるために、白金などを混ぜた合金を使います。
見えない部分ですが、金属イオンによる身体への悪影響をできるだけ避けられる金属を選びたいと思っています。
またその製品もたくさんの会社から販売されていますが、内容はばらばらですから、私個人的には世界でとても信頼できる会社のプラチナ・ゴールドを大学以来30年以上、統一して使っています。
それによる二次的なメリットとして、宿題となっている古い治療物をやり直すに従って、治療が終了していくと同時に、だんだんとお口の中の金属が一つに統一されて、さらに安全性が高まるとも考えています。
そしてできあがったコアをセメントでセットする時がまた肝心です。
先にフィット具合を確認するのは当然として、精度が高い分浮き上がりやすいため注意が必要です。
また根にヒビが入らないよう、内部に余分な圧力をかけすぎないようにセットします。
その準備やアシストには清潔好きで几帳面な職員の助けも必要です。
長くなりましたが、長期のゴールをめざし、やり直しをしない決意で、治療と同時に予防診療を並行実施して、根の中に感染しない用心をするシステムの中で、終始一貫して歯のダメージを最小限に予防する治療が正しいと、私個人的には考えております。
どんなに良い治療しても決して元通りにはなりません。
良いことばかりに目を奪われて足下をすくわれないように、ダメージを最小限に抑えることです。
歯にも、身体にも、心にも、お財布にも。
>根を切る外科手術になるらしいのですが(その時には土台は勿論差し歯も入っていても、とのこと)、せっかく入れた土台、差し歯は無駄(又やり直し)にはならないでしょうか。
大丈夫なはずです。
差し歯を生かすことも手術の目的の一つだからです。
相談者からの返信
相談者:
バイバイキンさん
返信日時:2013-10-05 18:57:17
タイトル | ファイバーコアを希望しているのにゴールドコアを薦められる |
---|---|
質問者 | バイバイキンさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 52歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
ゴールドコア(金の土台) ファイバーコア(プラスチックとファイバーの芯の土台) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。